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(2708:JASDAQ) 久世 企業HP
久世 健吉 社長
久世 健吉 社長

【ブリッジレポート vol.5】2013年3月期上期業績レポート
取材概要「(社)日本フードサービス協会のデータを基に計算すると、4月〜9月までの月次売上高の前年同月比の平均は(単純平均)、ファーストフードが100.5%・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年1月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社久世
社長
久世 健吉
所在地
東京都豊島区東池袋2-29-7
事業内容
首都圏の業務用食材卸No.1。フードサービス・ソリューション・カンパニーを標榜し、外食産業及び中食産業への食材卸を中心に子会社で食材製造も手掛ける
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 51,053 380 408 173
2011年3月 46,774 230 342 80
2010年3月 42,666 271 394 123
2009年3月 42,181 225 334 171
2008年3月 42,540 283 443 240
2007年3月 42,847 402 507 262
2006年3月 41,491 336 390 246
2005年3月 39,087 255 297 126
株式情報(1/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
680円 3,879,022株 2,637百万円 4.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.8% 64.45円 10.6倍 1,076.01円 0.6倍
※株価は1/4終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
久世の2013年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
外食産業や中食産業向けの食材卸を中心に、グループでソース、ブイヨン、スープ及び調理食品など食材の製造・販売も手掛けている。取扱品目は約21,000アイテムに上り、冷凍・常温品はもちろん生鮮品から消耗品等のノンフードまで幅広い。グループは、同社の他、ソース・スープ類の製造・販売を手掛けるキスコフーズ(株)、生鮮野菜など農産品の仕入・販売を行う(株)久世フレッシュ・ワン及びニュージーランドでソース類の製造を手掛けるキスコフーズインターナショナルリミテッドの連結子会社3社と海外戦略の立案と情報収集の役割を担う久世(香港)有限公司、及び中国での業務用食材卸売事業を目的に12年5月に設立した久華世(成都)商貿有限公司の非連結子会社2社がある 。
 
【事業内容】
事業は、食材卸売事業、食材製造事業、及びグループ会社向けが大半を占める不動産賃貸事業に分かれ、12/3期の売上構成比は、それぞれ、93.3%、6.4%、0.3%。また、販売チャンネル別(個別ベース)では、居酒屋・パブ33.6%、ディナーレストラン・ホテル・会館19.6%、惣菜・デリカ・娯楽施設・ケータリング16.4%、ファーストフード・ファミリーレストラン・カフェ30.5%。
 
食材卸売事業
取扱が難しい生鮮品を含めた業務用食材全般に加え、割りばし、ナプキン、洗剤といった消耗品等のノンフードまでを幅広くカバーし、取扱品目は約21,000アイテム。近年、PB商品や生鮮三品の取扱いに力を入れている。また、売上面、利益面で下期偏重である事も当事業の特徴である。
 
食材製造事業
連結子会社キスコフーズ(株)が食品製造工場を有し、ソース、ブイヨン、スープ及び調理食品等の自社ブランド製品及びOEM製品の製造・販売を行っている。
 
リーマン・ショックの影響を受けたものの第一次C&G経営計画(10/3〜12/3期)の下で進めた、\果目標の明確化、期限管理の徹底、更にはC惨間でのPDCAマネジメントといった取り組みの成果が、11/3期下期以降、顕在化しつつある。
 
【第2次C&G(Change and Grow for The Good Company)中期経営計画】
同社の推計では、外食産業約23兆円のうち同社の事業対象となる全国の業務用食材マーケットは約3兆6,500億円。12/3期の同社の売上高は500億円を超えたが、シェアは1.4%に過ぎない。成熟した国内業務用食材市場に大きな成長を求める事はできないが、同社においてはシェアアップによる成長余地が大きい(売上高トップの首都圏に限っても、市場規模は国内市場の約40%に当たる約1兆4,700億円で同社のシェアは3.5%程度)。中期的な目標としては、創業85周年を迎える20/3期に売上高1,000億円、営業利益20億円の達成を掲げている。
 
 
(1)「第1次C&G経営計画」(10/3期〜12/3期)
同社は、これを実現するべく10/3期に「C&Gプロジェクト」を立ち上げ、「意識改革」と「行動改革」に着手した。具体的な施策をまとめたものが、「第1次C&G経営計画」(10/3期〜12/3期)であり、営業力強化(国内営業拠点7ヵ所→10ヵ所)、物流拠点の見直し(北海道から九州をカバーする物流網が完成)、及びPB商品の開発強化に取り組んだ。また、(株)久世フレッシュ・ワンを設立して生鮮野菜など農産品の仕入・販売を開始した他、製造子会社キスコフーズ(株)がニュージーランドに製造子会社を設立。更に、久世グループ海外戦略のコントローラーとしての機能を持たせた久世(香港)有限公司を香港に設立した他、中国内陸部 成都において、日本型業務用食材卸売業を手掛けるための布石も打った。
 
(2)「第2次C&G経営計画」(13/3期〜15/3期)
13/3期から始まる「第2次C&G経営計画」では、国内外での攻めの営業体制の確立、商品開発を軸とした戦略推進、1,000億円企業への体制構築を基本戦略とし、「三大都市圏No.1」及び「お客様満足度No.1」企業の実現と海外事業の基盤整備に取り組む。
“国内外での攻めの営業体制の確立”では、国内において首都圏(約1兆4,700億円市場)、中京圏(約4,100億円市場)、関西圏(約6,700億円市場)でシェアアップを図るべく地域別の営業戦略を進めると共に、商品・物流戦略を並行して進める。また、海外では中国・東南アジアでの業務用食材卸売事業を展開すると共に食材の供給拠点であるニュージーランドで「食の洋風化」の進む中国・東南アジア市場での販路拡大に対応した製造事業を推進する。"商品開発を軸とした戦略推進"では、グループに製造子会社を有する強みを活かして販売とのシナジーを高め、顧客ニーズを踏まえた商品開発を推進。"1,000億円企業への体制構築"では、人材育成や次世代情報システムの導入で経営基盤の強化を進めると共に、M&Aやアライアンスに積極的に対応する事で外部成長力の取り込みも図る。
 
 
 
2013年3月期上期決算
 
 
前年同期比11.1%の増収、同483.1%の経常増益
売上高は前年同期比11.1%増の272億38百万円。12年2 月に海老名営業所、3 月に墨田及び目黒営業所を開設し首都圏エリアの営業を強化した成果が短期間で現れた事に加え、前年同期に東日本大震災(以下、震災)の影響を受けた事もあり、主力の食材卸売事業の売上が同10.5%増加。ニュージーランド子会社の生産本格化で食材製造事業の売上も同21.1%増と伸びた。

利益面では、価格改定効果に加え、調達力の強化で低粗利商品からの切替等が進んだ事、更には震災の影響による品不足を補うべく緊急避難的に調達した代替商品の影響が一巡した事もあり、売上総利益率が16.7%と0.5ポイント改善。営業拠点の増設に伴う人件費の増加や業容拡大に伴う物流費の増加等による販管費の増加を吸収して、前年同期は31百万円の損失だった営業損益が1億34百万円の利益に転じた。尚、営業利益と経常利益の差が大きいのは、協賛金収入の計上による(12/3期上期:68百万円、13/3期上期:73百万円)。
 
中国での合弁会社設立と国内中京圏エリアの営業強化
この5月に中国四川省成都市に久華世(成都)商貿有限公司を設立し、中国・成都での業務用食材卸売事業を本格化した(100%子会社久世(香港)有限公司が90%を出資し、河南三明食品有限公司 (中国・河南省)が10%を;出資)。また、6月には中京圏の業務基盤強化を目的に、中京圏で酒類販売業トップの(株)サカツ コーポレーションと業界を越えた業務提携を行った。
 
 
 
上期末の総資産は前期末比13億49百万円増の187億85百万円。業容の拡大で売上債権・仕入債務、たな卸資産が増加した他、営業拠点の増設等で有形固定資産も増加した。ただ、CFの改善で現預金が大幅に増加し、有利子負債はわずかに減少。総資産の伸びが大きかったため、自己資本比率は22.3%と同1.6ポイント低下した。
 
 
CFの面では、利益の増加と売上債権の回収が順調に進んだ事等による資金効率の改善で営業CFが大幅に増加。前年同期は海外子会社の増資引き受け等で拡大した投資CFのマイナス幅も縮小し、フリーCFの黒字が前年同期の2億24百万円から11億73百万円に拡大した。現金及び現金同等物の上期末残高は48億08百万円と前年同期末及び前期末を大幅に上回った。
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比5.8%の増収、同22.4%の経常増益
上期の業績が期初予想を上回ったものの、居酒屋やレストラン等の苦戦にみられるように外食産業を取り巻く環境が厳しい事を踏まえ、通期の業績予想を据え置いた。米国での干ばつの影響による食材価格の値上がりが懸念される中、価格転嫁が難しい状況である事も慎重な見通しの理由。配当は1株当たり12円の期末配当を予定している。
 
(2)重点施策のレビューと今後の課題
 
〆8紊寮長の方向性
国内でのシェアアップと海外展開を両輪として業容拡大を図っていく考え。国内については、少子高齢化に加え、景気の低迷やこれに伴う節約志向の高まり等で外食市場が縮小傾向にあるものの、全国シェアが約1.4%(首都圏でのシェアは約3.5%)の同社にとってシェアアップの余地は大きい。同社は国内外食市場の70%を占める3大都市圏にフォーカスして販売を強化していく事でシェアアップを図る考え(実際、この上期は3大都市圏で売上が増加した)。
一方、海外では、経済成長と共に外食市場の拡大が期待できる海外では、日本で育った業務用食材卸機能を根づかせていくと共に(「フルラインの利便性」を訴求すると共に、優れた日本の外食産業のオペレーション(ツールやノウハウ)を提案していく)、現在、99%を日本に輸出しているニュージーランド子会社の製品を、食の洋風化が見込まれる中国及び東南アジアへ展開していく食材製造事業の拡大を図る。
 
∋安臈垰垠でのシェアアップ <攻めの営業>
 
商品施策
一品一品の商品の強み、深さ、専門性を高めるべく、類似商品の集約による効率化を進める一方で、より専門性のある久世ならではの品揃えを進めている。また、PB商品の強化にも取り組んでおり、今期発売予定 60アイテム(リニューアル品を含む)のうち28アイテムを上期に発売した。
 
新PB商品・リニューアルPB商品
 
な流施策
取引先が必要な時に必要なものを確実に届けるために、発注・入荷・在庫管理・配送コースの効率化と正確性の向上に取り組んでおり、配送コースの年4回の見直しを徹底すると共に滞留品・廃棄ロスの撲滅に力を入れている。また、今後の物流戦略の立案と物流体制の更なる充実を図るべく、10月1日に物流本部を新設した。物流品質と物流効率の向上を図り、「売上高 1,000億円体制」に向け物流機能を強化していく。
 
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ISO22000及びFSSC22000の早期の認証取得を目指して、全ての業務プロセス(原材料、製造、商品開発、商品、受発注、営業、物流、サポート部門)の品質向上に取り組んでいる。ISO22000については、同社が年内に申請書提出を予定しており、子会社のキスコフーズは10月に申請書を提出済み(2013年春 取得を目指す)。
尚、ISO22000とは、食品安全マネジメントシステムの国際標準規格。一方、FSSC22000とは、ISO22000と、それを発展させたISO/TS 22002-1を統合し、国際食品安全イニシアチブ(GFSI)が制定したベンチマーク承認規格。FSSC22000審査を行う事で、世界の大手食品小売業者や大手食品メーカーに対して、食品安全マネジメントシステムの有効性をアピールできる。(一般財団法人 日本品質保証機構)。
 
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海外(中国・東南アジア)への進出では、12年5月に合弁会社 久華世(成都)商貿有限公司を設立した(7月に本格稼働)。今後の成長が見込める中国四川省成都市において、日本式のレストランに限らず、洋食・中華料理店等を幅広くターゲットとして業務用食材卸売事業を展開していく。また、中国に限らず、東南アジアにおいても、現地の外食企業に「日本型の業務用食材卸のメリット」、言い換えると、「フルラインの利便性」を訴求する一方で、日本の外食産業のオペレーション(ツールやノウハウ)を提案していく。
一方、食材製造事業においては、11年5月に設立した食材製造のキスコフーズインターナショナル(ニュージーランド)の生産が順調に拡大しており、新製品バタールーの販売も好調。原材料の単価引き下げ等で収益性の改善も進み、設立2年目となる今期の通期黒字化が見込まれている。現在、製品の99%が日本への輸出だが、食の洋風化が見込まれる中国及び東南アジアへの直販展開を検討中である。
 
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国内子会社は、“スープ&ソースのソリューションカンパニー”を標榜する食材製造子会社キスコフーズ(株)と生鮮野菜など農産品の仕入・販売を手掛ける(株)久世フレッシュ・ワンの2社。キスコフーズ(株)は、自社ブランド商品の好調と新規顧客開拓で売上が伸びており、今上期は大阪に物流拠点を開設した効果で(神奈川に次ぐ2拠点目)、関西エリアでの売上も増加した。品質向上とコストダウンへの継続的な取り組みと共に、キスコフーズインターナショナルとのシナジーも追及していく。
また、グループ事業の柱の一つとするべく育成中の(株)久世フレッシュ・ワンは、営業エリアを都内に絞り(重点エリアの設定)営業を強化した事で、新規顧客の開拓が進み配送効率も向上。野菜の集荷・販売価格の柔軟対応への取り組みの成果で(天候不順等による野菜相場の変動に応じたきめ細かい価格設定)、収益の安定化も進んだ。築地市場の豊洲への移転(15年に予定)を見据え、情報収集等、市場移転への対応準備も開始した。
 
 
今後の注目点
(社)日本フードサービス協会のデータを基に計算すると、4月〜9月までの月次売上高の前年同月比の平均は(単純平均)、ファーストフードが100.5%、ファミリーレストランが102.2%、パブ・レストラン/居酒屋が97.9%、ディナーレストランが103.7%、喫茶が101.3%。これに対して、同社の食材卸売事業の上期売上高は前年同期比110.5%、食材製造事業は同121.2%(キスコフーズインターナショナルの売上が含まれるが、同社売上の99%は日本への輸出)、全体で同111.1%。つまり、施策が順調に進捗した結果、必ずしも客先の状況が芳しくない中で同社は二ケタ成長を達成したことになる。
通期の業績について、同社は慎重な姿勢を崩していないが、食材卸売事業、食材製造事業共に上記の通り施策が順調に進捗している事を考えると、上振れ期待は非常に大きいと考える。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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