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(2146:JASDAQ) UTホールディングス 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.11】2013年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「上期は立ち上げの遅れで取引先顧客工場数や稼働技術者数の増加の割には売上が伸びない中、コストがかさみ利益を圧迫した。また、1顧客から複・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年1月16日掲載
企業基本情報
企業名
UTホールディングス株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
半導体向けの製造派遣・請負が中核。専門ノウハウを活かしたLED・太陽電池・ 2次電池・ディスプレイを新たな成長の柱に。設計開発事業も手掛ける。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 24,106 1,453 1,379 880
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(1/9現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
49,150円 203,316株 9,585百万円 30.9% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2,600.00円 5.3% 4,281.47円 11.5倍 14,668.88円 3.1倍
※株価は1/9終値。ROE、BPSは前期末実績。
 
UTホールディングスの2013年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
構内作業(工場内作業)の請負や製造派遣を手掛ける製造アウトソーシングサービス大手。半導体向けサービスからスタートし、液晶・太陽電池・二次電池等へ展開。世界的なコスト競争にさらされている自動車関連や工業化が進む住宅関連でも顧客開拓が進んでいる。同社自身は純粋持株会社としてグループを統括し、実際のサービスは連結子会社6社が提供。デバイス設計(デザイン)等を手掛ける。
 
 
【事業内容】
事業は、構内作業(工場内作業)の請負及び製造派遣のアウトソーシング事業と、ソフトウェアの受託開発及び機械・電気・電子の設計開発にかかる技術者派遣の設計開発事業に分かれ、売上構成比は、それぞれ96.7%、3.3%(12/3期)。
尚、請負では各工程の製造オペレーションから装置メンテナンスや保全業務までを一括して受託。コスト削減だけで無く、構内作業全体のパフォーマンスも高めるため、取引先から高い評価を受けている。また、より幅広い産業分野の請負ニーズに応えることで"脱半導体"に成功し、現在、業種別の顧客比率は半導体46.0%、電機電子部品17.8%、成長分野(太陽電池・2次電池等)13.7%、自動車関連10.7%、建材4.9%となっている。
 
【事業環境と同社の強み】
一段のコストダウンニーズの高まりや2012年問題の顕在化を受けて、国内のモノづくりの現場で「請負化」の流れが加速している。また、注目された労働者派遣法の改正も、「製造派遣の3年間の期間制限」が残ったものの、製造派遣の禁止や登録型派遣の禁止が削除され、12年3月に成立した(同年10月施行)。逆に同法において「専ら派遣」の規制(グループ企業内派遣の8割規制)が強化された事は同社にとってビジネスチャンスになる。加えて、政府・与党が今国会中の成立を目指している改正労働契約法も、パートや契約社員など期間を定めて働く「有期雇用労働者」の契約期間が通算で5年を超える場合、労働者が希望すれば無期雇用に切り替える事を義務付けるものだけに、成立すれば同社が得意とする請負への流れを加速させよう。
こうした中、同社は、^堕蠅靴刃働力(離職率2%/月。同業大手は4〜8%/月)や顧客ニーズに柔軟に対応できる動員力に加え、最も難しい半導体分野での請負実績、及びだ鞍されたコンプライアンス体制を強みとして、外部労働力の活用ニーズの取り込みに成功している。
 
【ビジネスモデルの4つの特徴】
同社グループのビジネスモデルには、専門特化、常用雇用、チームアプローチ(請負)、及び受注先行の採用モデル、という4つの特長がある。半導体等の高度な分野に専門特化する事で高度な技術とノウハウの蓄積を図ると共に、常用雇用による安定した雇用環境を提供する事で社員の定着率を高め高品質なサービスを実現している。また、人材派遣ニーズにも対応しつつ、チームとして組織された専門技能者・技術者による請負を主体とする事で高い生産性を実現し顧客満足度を高めている。一方、常用雇用とする事で同社は固定費負担のリスクを負うが、受注が確定してから採用活動を実施する事で稼働率100%を恒常化しリスクを回避している。
 
 
【新中期経営計画(12/3期〜16/3期)】
「半導体請負No.1」から、質・量ともに「日本一の請負会社」を目指す新中期経営計画(〜16/3期)が進行中である。 |亙における良質な雇用機会の創出、派遣・請負で働く人達のキャリアアップ機会の創出、及び製造業の横断的な雇用調整機能の3点を自社の社会的役割と認識し、この役割を果たすべく事業に取り組む事で、最終の16/3期に稼働人員21,000人体制を確立し、売上高750億円、営業利益90億円、当期純利益49.1億円を達成したい考え。また、EPS成長率30%以上(5ヵ年の平均)及び総還元性向50%以上をコミットメントしている。
 
 
事業ポートフォリオの拡大 製造分野の領域を拡大・製造業以外の分野にも
領域を拡大
大規模請負力の強化 1工場当たりの稼動数の拡大
構造改革ニーズの取込み 人材流動化支援サービスを推進
従業員のカスタマー化 「正社員派遣」を軸とした従業員施策の展開、
キャリアアップ機会の拡大、
ESOP等による利益分配の仕組み
 
 
 
2013年3月期上期決算
 
 
前年同期比21.5%の増収ながら、同34.1%の経常減益
売上高は前年同期比21.5%増の142億24百万円。2012年問題による派遣から請負への切替ニーズの取り込みが進み、前期末には237工場だった取引先顧客工場数が上期末には411工場に増加し、社員の稼働数も前期末の6,082人から7,169人に増加した。 営業利益は同30.4%減の5億28百万円。新たに契約した新規工場の立ち上げに時間を要したため、立ち上げ関連費用、新規社員の採用費用、社宅等の福利厚生費用等が従来の案件以上に負担となった。また、例年と比べて解約も多く、関連費用がかさんだ事や、新規事業の立ち上げもコスト増の一因となった。
 
 
 
予想との差異要因
2012年問題による請負ニーズの取り込みが進み取引先顧客工場数、社員稼働数が共に大幅に増加し売上高が期初予想を1.6%上回った。
 
 
ただ、新規の取引先顧客工場数の立ち上がりが遅れた事や例年以上に解約が増加した事等で、取引先顧客工場数や社員稼働数ほどには売上高が伸びず、新たに契約した取引先顧客工場の立ち上げ費用、新規社員の採用費用、社宅の整備費用が従来の案件以上に負担となった。また、想定以上の解約の発生で関連費用がかさんだ他、アウトプレースメント事業や建設技術者派遣事業といった新規事業の立ち上げ費用も期初予想には織り込んでいなかった。この結果、営業利益は期初予想を4億77百万円(同47.7%)下回ったが、その要因は売上原価の上振れが3億06百万円、販管費の上振れが1億71百万円。
 
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
上期末の総資産は前期末比4億83百万円増の90億34百万円。借方では期末にかけての売上の増加で売上債権が増加。貸方ではスタッフの給与である未払費用が増加した他、事業拡大に伴う資金需要を賄うべく短期借入金の積み増しや社債の発行を実施した事で有利子負債が増加した。投資その他の残高が大きいのは、ESOP(株式給付信託)にかかる長期前払費用(14億61百万円)や繰延税金資産(7億19百万円)の計上による。
 
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
下方修正された通期予想は、前期比18.2%の増収、同1.8%の経常減益
期初予想を下回った上期決算を反映させると共に、下期の見通しを引き下げた。ただ、下期については、上期に新たに契約した取引先顧客工場のオペレーションが軌道に乗る一方、一時的に急増した費用が本来の水準に収れんしていく見込み。配当は予定通り1株当たりの2,600円の期末配当を実施する予定。
 
 
(2)今後の戦略
上期に顕在化した課題への対応として、改めてコストコントロールを強化すると共に顧客の請負化ニーズと構造改革ニーズの開拓に取り組む。
 
コストコントロール
上期は顧客工場数・社員稼動数の「増減」時のコストコントロールに苦戦したが、いくつかある要因の中で改善の余地が大きいのが新規顧客工場立ち上げ費用と社宅コスト。新規の取引先顧客工場の立ち上げ費用については、以前に比べて立上期間が長期化している事が費用の上振れ要因となっているため、今後、最適な社内経験者人材を配置する体制を整え、立ち上げ期間の短縮を図る。また、社宅コストについては、近年、社員の新規採用時の社宅入居者率が上昇しており、過去の一時期に比べて倍以上に増加しており、また、解約時の社宅退去費用も増加している。このため、今後は全国での採用体制を見直すと共に事業所周辺の地域採用を強化し、社宅比率の引き下げに努める。
 
顧客の請負化ニーズと構造改革ニーズの開拓
請負化ニーズや構造改革ニーズといった顧客の生産動向に依存しないアウトソーシングニーズの取り込みに注力する。
 
 
新規顧客の開拓が順調な一方で、半導体に特化していた頃は30%程度を有していた1工場当たりのシェアが足元15%程度に低下しているため、今後は1工場当たりのシェアアップに力を入れていく。

また、構造改革ニーズについては、新会社の設立も含めて、構造改革に伴う製造分野における雇用問題を解決するための人材流動化支援サービスを提案していく。具体的には、既に実績ある顧客社員を受け入れて工場を請け負うインハウスソリューションサービス、UTキャリア(株)を中心に展開するアウトプレースメントサービス(UTホールディングス(株)が受託した職場での再就職支援)、及びUTグループのネットワークを活用したグループ出向サービス等であり、UTグループの事業基盤及び顧客基盤を活用して事業を展開していく。
 
 
今後の注目点
上期は立ち上げの遅れで取引先顧客工場数や稼働技術者数の増加の割には売上が伸びない中、コストがかさみ利益を圧迫した。
また、1顧客から複数の工場を請け負うケースがあったが、その際、収益性の低い工場を取り込んでしまった事も利益率悪化の一因のようだ。しかし、今期末までには新たに契約した取引先顧客工場のオペレーションが軌道に乗り、改善に向かう一方、販管費が本来の水準に収れんしていく見込み。期末の社員稼働数は8,000人を見込んでいるが、足元、7,700人は読めているようで、7,700人が1か月間稼働すると、25億円程度の月商を計上できると言う。売上総利益率18%とすると売上総利益は4億50百万円となるため、販管費2億50百万円を差し引くと営業利益は2億円になる(12か月換算で24億円)。このため、計画通りに今期末8,000人体制を確立できれば、来14/3期は13/3期の期初予想であった売上高300億円、営業利益25億円を達成できる計算になる。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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