ブリッジレポート
(3747:東証マザーズ) インタートレード 企業HP
尾崎 孝博 社長
尾崎 孝博 社長

【ブリッジレポート vol.2】2012年9月期業績レポート
取材概要「業績面での苦戦が続いているものの、同社はランニング売上という安定収益源と流動性の高い優れた財務体質を有するだけに、目先的な不安は無い。し・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年1月29日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社インタートレード
社長
尾崎 孝博
所在地
東京都中央区新川1-17-21 茅場町ファーストビル
事業内容
証券ディーリングやトレーディングシステムの開発に特化。顧客数40社のネットワーク強化へ
決算期
9月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年9月 2,811 -129 -104 7
2011年9月 3,335 47 66 172
2010年9月 3,856 -258 -277 -920
2009年9月 5,386 68 -26 -222
2008年9月 4,970 145 51 -326
2007年9月 3,417 -776 -756 -653
2006年9月 3,853 899 801 408
2005年9月 2,872 655 661 388
2004年9月 1,715 623 607 348
株式情報(1/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
22,200円 71,847株 1,595百万円 0.3% 1株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
300.00円 1.4% 2,922.88円 7.6倍 32,694.33円 0.7倍
※株価は1/4終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。配当利回りは株式分割前のDPS300円で算出。
 
インタートレードの2012年9月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
証券会社のフロント業務向けパッケージソフト(ディーラー業務をサポートする注文系情報システム)を中心に、私設取引システム、外国為替証拠金オンライントレードシステム(パッケージソフト中心)等の開発・販売及び保守・運用を手掛ける証券ソリューション事業を主力とし、法人向けソフトウェアの開発・構築事業や健康補助食品の製造・販売事業を育成中。
グループは、証券ソリューション事業を手掛ける同社の他、パッケージソフト「GROUP CATS」を中心に経営管理ソリューションを展開する(株)ビーエス・ジェイ(出資比率66.7%、12年10月に子会社化)、フードサービス事業の(株)らぼぉぐ(同100%)、自己資金運用事業の(株)トレーデクス(出資費率100%)、の連結子会社3社。
 
【沿革】
日本勧業角丸証券(株)〔現:みずほ証券(株)〕出身の西本一也氏(元社長)、尾孝博氏(現社長)及び荒木幸男氏(前社長)の3人が中心となり1999年1月に設立。同証券において、西本氏はシステムを、尾崎社長はディーリングを、荒木氏は営業をそれぞれ担当しており、3者の経験を活かしてフロントシステムのコンサルティングからスタートし、ディーリング・トレーディング業務向けパッケージソフトの開発に展開した。
 
2000年9月に証券業務向けディーリングシステムのパッケージ「Trade Office-SX」の販売を、02年2月に証券業務向けトレーディングシステムのパッケージ「Trade Office-SX Trading Version」の販売をそれぞれ開始。パッケージ型ディーリングシステムのパイオニア的存在であり、東証の立会場の廃止(99年4月末)に伴う市場部員(いわゆる場立ち)の活用や手数料自由化に伴う仲介業務の収益性低下の補完を目的とした証券各社のディーリング業務強化の流れをとらえ業績が急拡大。03年3月にはネットワーク技術を活かした「情報配信サービス」(東証など主要取引所の相場情報を配信)を開始する等でサービスの幅も広げ、04年9月に東証マザーズに株式を上場した。その後証券のトータルソリューションを志向し、ミドルシステム(約定ポジションに対するリスク計測等のリスク管理システム等)や証券バックオフィスシステム(顧客情報や口座残高等の管理システム)でも実績を残した。
 
05年1月に私設取引システム「ITMonster」の販売を開始し、07年8月には外国為替証拠金取引(FX)システムの販売を開始する等、パッケージソフトのラインナップを順次拡充。本業の強化や新規事業の育成を目的にM&A(合併・買収)にも取り組み、06年4月には金融工学関連のノウハウ蓄積と商品化及び顧客ニーズに合わせた各種金融商品の提供を目的に、アーツ投資顧問(株)〔現(株)らぼぉぐ〕を、同6月にはアーツ証券(株)(12年9月に売却)をそれぞれ子会社化。07年4月には高パフォーマンス・高次元の信頼性を誇るトレーディングシステム「TIGER」の開発元であり、競合先でもあった(株)ブラディアを子会社化(08年10月に吸収合併)しフロントシステムのシェアを拡大。同年8月には両社の強みを融合した次世代証券ディーリング/トレーディングシステム新「TIGER Trading System」の販売を開始した。
 
尚、「TIGER」は、外資系証券フロントオフィス業務での長年にわたる開発・運用経験に基づく独自アーキテクチャー「Bradea Distributed Architecture」を技術的基盤とし業界最高水準のパフォーマンスを実現。ドイツ証券(株)の他、東京証券取引所総合取引参加者を中心に導入・運用実績を有する。
 
【事業セグメント】
事業は、証券業務及び外国為替証拠金取引向けパッケージシステムの設計開発・販売・保守運用を中心とする「証券ソリューション事業」(12/9期売上構成比99.1%)、業績管理パッケージシステムの設計開発・販売を中心とする「ITソリューション事業」(同0.6%)、(株)らぼぉぐの事業領域でハナビラタケ関連製品の生産・販売を中心とする「フードサービス事業」(同0.1%)、及び(株)トレーデクスの事業領域でシステム確認のための小額運用が中心の「自己資金運用事業」(12/9期は売上計上が無く、費用のみ計上)の4セグメントに分かれる(12/9期は上記の他、第4四半期(7-9月)に撤退した「投資顧問事業」の売上5百万円を計上している)。
 
 
また、売上高は「パッケージ売上」、「ハードウエア売上」、「受託開発売上」等、システムの新規導入やシステム改編に伴う売上であるイニシャル売上と、同社が納入したシステムの保守料等、毎月継続的に計上される売上であるランニング売上に分かれ、12/9期は安定した収益が見込めるランニング売上が連結売上高の81.4%を占めた(11/9期は79.2%)。 ランニング売上のほとんどは「証券ソリューション事業」によるもので(撤退した「投資顧問事業」関連売上がわずかに含まれる)、「証券ソリューション事業」を安定収益源に、12/9期に立ち上げた新規事業(ITソリューション事業及びフードサービス事業)育成に取り組んでいるといった構図である。
 
 
“TIGER Trading System”の優位性
・ギガベースのネットワーク網
ディーリング・トレーディングを前提にしたネットワークのため、データセンターとの回線、社内ネットワーク全てをギガベースで構築(大量の情報配信が可能)。
・接続ユーザ数
顧客数は38社を数え、ノウハウ及び設備で先行。 他社サービスヘのスイッチングコストは高い。
“TIGER Trading System”導入の
メリット
・顧客
「新たな収益機会の獲得」「精度の高い投資判断」「自在の取引」
・マーケット運営者(PTS、FX‐OTC等)
多くの顧客を持つ同社のシステムに接続する事で流動性が向上。
(同社資料より)
 
 
成長戦略
 
国内証券業の事業環境は依然として厳しく、12年9月末時点の東京証券取引所の総合取引参加者数は93社と11年9月末に比べて8社減少した。証券各社の苦境は、証券会社のフロント業務向けパッケージソフトを中心に事業を展開する同社の業績にも大きな影を投げかけており、12/9期は売上高が前期比15.7%減少し(3期連続の減収)、1億04百万円の経常損失となった(前11/9期は66百万円の利益)。このため、同社は主力の証券ソリューション事業の収益基盤の強化と、新たな顧客層開拓の必要に迫られている。
 
証券ソリューション事業は、パッケージ中心のビジネスから顧客の費用対効果向上に寄与するASP中心のビジネスにシフトする事で顧客との関係をより強固なものにすると共に、開発業務及び保守業務を効率化しコストダウンを図る考え。当面厳しい事業環境が続くものと思われるが、証券会社のシステムニーズが無くなる事はない。同社はランニング売上という安定収益源を有するだけに、継続的なユーザーニーズの取り込みとコストダウンにより残存者利益を享受していく事が可能だ。具体的には、ASPサービスの拡充に加えASPを利用しない顧客の更新ニーズやフロントシステムとミドル・バックオフィスシステムとのシステム連携のニーズ等を取り込む事で受注・売上を確保する一方、必要に応じてIT技術者をグループ内で展開する新規事業に振り向ける事で、証券ソリューション事業のコストダウンと多角化を進めていく事ができる。この一環として立ち上げたのが、証券ソリューション事業とのシナジーが期待できるITソリューション事業であり、発想を完全に変えたフードサービス事業と共に新規事業として育成していく考え。
 
 
BD1(第一事業本部)はディーリング・トレーディングシステム(フロントシステム)を、BD2(第二事業本部)は外国為替証拠金取引(FX)システム等(マーケットプレイスシステム)を、それぞれ主管している。
 
(1)ITソリューション事業
当事業は、12年10月に連結子会社化した(株)ビーエス・ジェイ(東京都新宿区)と共同展開するグループ経営管理パッケージシステム分野、(株)インタートレードが手掛けるMSP(Managed Service Provider)分野及びSystem Engineering Service (SES)分野が柱となり、13/9期は4.85億円の売上を見込んでいる。
 
MSP及びSES
MSPは、システム管理負担軽減、システム管理者コスト低減、システムメンテナンス負担軽減を念頭においたソリューションであり、企業の業務効率化、セキュリティリスクの低減、運用コストの削減、及びリソースの有効活用を支援していく。現在、これらの業務は、システムを構築したシステムインテグレーター等が人手で対応しているが、同社のサービスはシステムで対応する事が特徴。海外はシステム化が進んでいるが、国内では緒に就いたばかり。しかし、同社の証券ソリューション事業では、上記業務のシステム化をいち早く取り入れ、既に実績は豊富。これまで取引の無かった一般事業会社が顧客となるが、短時間で、しかも、安全にオーダーを処する証券業務向けシステムでの豊富な実績に対する評価や信頼は言うまでもなく高い(実際、12年9月12日に開催したMSPに関するセミナーは成功裏に終わった)。
また、SESは、ネットワークやサーバの構築を支援するもので、この一環として前期からエンジニアの派遣を行っている。営業力に限りがある事もあり、自治体向けや教育機関向け等からスタートしていく考えだが、MSP同様、要求水準が格段に高い金融業界で多くのシステム導入を手掛けてきたしてきた同社の品質管理能力とプロジェクト推進能力が評価されており引き合いは堅調なようだ。
 
▲哀襦璽弖弍調浜ソリューション
経営管理ソリューションでは(株)ビーエス・ジェイ(以下、BSJ)のグループ経営管理(業績管理&資金管理)パッケージ「GROUP CATS」を中心に、既存の大手優良顧客の深耕と新規顧客の開拓に取り組んでいく。
「GROUP CATS」は、グループ各社の会計情報・財務情報を集約し、会計業務や資金業務の効率化、グループ各社毎の経営状態の把握、資金管理の有効活用といったグループ経営の様々な課題への対応を可能にする。グループ企業の効率的経営を念頭に、多くのグループ企業を抱える大企業からのニーズが強く、年商1,000億円以上の上場企業を中心に導入されている。パッケージソフトだが、単なる連結会計ソフトとは異なり、同様の機能を有する商品は独SAP社のパッケージ商品くらい。導入コストを抑え導入できる事が強みだ。今後、資金やエンジニアといった(株)インタートレードの経営資源を活用し事業を拡大さえていく考え。一方、(株)インタートレードはBSJ を通して非金融の事業会社を顧客として取り込む事ができ、MSP等とのシナジーを追求していく。
また、中期的には、「GROUP CATS」で培った技術やノウハウを活かし、経営管理全般(人事給与、販売管理、SCM、CRM等)のソリューションやそのシステムを支えるインフラ構築等、業務とシステムの両面からのソリューション提供を視野に事業展開を進めていく考え。
 
株式会社ビーエス・ジェイ(BSJ)の子会社化
12年10月にBSJを連結子会社化した(BSJの代表取締役社長石田政遒氏から84 株を取得すると共にBSJが実施した第三者割当増資において260 株を引き受ける事で発行済み株式数の66.7%を取得)。 BSJ は、グループ経営管理(業績管理&資金管理)ソリューションパッケージ「GROUP CATS」の開発・保守を行うソフトウエアベンダー。09年11月の設立だが、既に上場企業を中心に「GROUP CATS」の豊富な導入実績を有する。このため、利益体質も定着しているが、事業拡大に向けたリソースの確保で苦戦していた。しかし、今回の(株)インタートレードとの資本提携により、資金やエンジニアといった(株)インタートレードの経営資源を活用する事が可能になり、要望が多いカスタマイズ等への対応力も強化する事ができる(一方、(株)インタートレードはBSJ を子会社化する事で非金融の事業会社を顧客として取り込む事ができる)。
 
 
(2)フードサービス事業
12年8月に、ハナビラタケ関連製品の製造及び販売を中心とする「フードサービス事業」を立ち上げた。山梨県の工場が稼動し、12/9期に2百万円の売上を計上しており、13/9期は販路の確保と安定生産体制(工場のフル稼働)の確立に取り組み、通期での黒字化を目指している(売上高は2億円を見込む)。尚、当事業は12年10月に事業に連結子会社(株)らぼぉぐに移管されており、(株)らぼぉぐは、製薬会社、生産パートナー、販売会社、顧問等とのネットワーク構築に向けた取り組みも進めている。
 
 
尚、ハナビラタケはハナビラタケ科に属する白いハボタン状の大型のキノコ(食用になる)。体内に入り込んだ感染細胞やガン細胞を攻撃する機能を持つマクロファージ、NK細胞、T細胞、キラーT細胞を活性化させる(免疫力・抵抗力を高める)働きがあるとされているβ-グルカンが含まれている事で注目を集めている(認知度の高いアガリスクの3倍以上とされている)。
 
 
2012年9月期決算
 
 
前期比15.7%の減収、1億04百万円の経常損失
売上高は前期比15.7%減の28億11百万円。証券会社各社の厳しい事業環境を反映して主力の証券ソリューション事業が落ち込んだ他、子会社が手掛ける投資顧問事業(12年8月に撤退)や自己資金運用事業も成果を挙げる事ができなかった。売上の落ち込みを踏まえて営業費用の削減に取り組んだ結果、外注費、労務費、人件費を中心に一定の成果をあげたものの(営業費用が前期の32億81百万円から29億41百万円に減少)、ITソリューション事業やフードサービス事業の立ち上げ等もあり、前期は47百万円の利益だった営業損益が1億29百万円の損失となった。ただ、有利子負債の削減による金融費用の減少で営業外損益が改善した他、解約違約金1億33百万円など特別利益1億52百万円を計上したため、7百万円の最終利益を確保した。08/9期以来の配当(1株当たり300円)を実施する。
 
 
証券ソリューション事業:証券業務及び外国為替証拠金取引向けパッケージシステムの設計開発・販売・保守運用等
売上高27億86百万円(前期比16.0%減)、セグメント利益 3億38百万円(同0.8%減)。売上高をイニシャル売上とランニング売上に分けると、前者が同27.3%減の5億04百万円、後者が同13.0%減の22億87百万円。イニシャル売上は米系ヘッジファンドへの「TIGER Trading System」の導入や関西商品取引所への取引所取引システム導入等、新規顧客案件の寄与でパッケージ売上がほぼ倍増したものの、システムインテグレーション売上の落ち込みをカバーできなかった。システムインテグレーション売上の落ち込みは、前期の大阪証券取引所の新デリバティブ売買システム「JGATE」の新規稼働のような大規模なイベントが無かった事が主な要因だが、「TIGER Trading System」のASP形式での利用増に伴いハードウエアの販売が減少した事も一因(ハードウエア販売の減少は利益面での影響が少ない)。
一方、ランニング売上は、証券会社のディーリング業務撤退の影響でライセンス売上、カスタマーサポート売上共に減少した。
 
厳しい事業環境を踏まえて12年5月に業績予想を下方修正したが、これを機に、一層の業務効率化に取り組み、第4四半期(7-9月)の外注費を第1四半期(10-12月)比で約4割削減した他、経営責任を明確化するため、役員報酬及び管理職の手当をカットした結果、売上が同16%減少する中で、セグメント利益はほぼ前期並みを維持した。
 
受注高は前期比15.6%減の24億22百万円。米系ヘッジファンドへの「TIGER Trading System」の導入や関西商品取引所への取引所取引システム導入等、新規顧客案件の寄与でパッケージ売上の受注が増加したものの、他の受注が減少した。
 
 
 
 
ITソリューション事業、フードサービス事業等
ITソリューション事業(12年6月に事業を開始)は売上高16百万円、セグメント損失 31百万円。当期は新規顧客や新規取扱製品の開拓が活動の中心となったが、一般事業法人と取引を開始し売上を計上した。
フードサービス事業(12年8月に事業を開始)は売上高2百万円、セグメント損失40百万円。山梨県にハナビラタケの生産工場を建設し生産体制の整備に取り組むと共に、人員の配置や仕入れルート等も進めた。8月に開始した事業だが、9月にはハナビラタケの出荷を行い、わずかだが売上も計上した。尚、当事業は12年10月1日付けで連結子会社である(株)らぼぉぐに事業譲渡した。
この他、投資顧問事業は12年8月に撤退し、自己資金運用事業の売上計上はなかった。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
期末の総資産は前期末比4億70百万円減の31億08百万円。有価証券の一部や関係会社株式の売却で得た資金等を活用して新規事業投資を行うと共に有利子負債の削減を進めた。また、07/9期のM&Aに伴い発生したのれんの償却(11/9期4億69百万円、12/9期上期2億34百万円)も上半期で完了した。バランスシートのスリム化が進み、自己資本比率は75.6%と同10.2ポイント改善した。厳しい決算となったものの、営業CF、フリーCF共に黒字を確保。流動性に富んだ実質無借金の優れた財務体質を有しており、運転資金面等での不安は無用だ。
 
 
 
2013年9月期業績予想
 
 
新規事業の育成とコスト削減の推進により営業損益が大幅に改善
売上高は前期比15.6%増の32億50百万円。主要顧客である証券会社の多くは厳しい事業環境に対応するべく事業構造改革に取り組んでおり、システム投資には慎重な姿勢を崩していない。このため、引き続き証券ソリューション事業の苦戦が予想されるものの、12年10月に子会社化した(株)ビーエス・ジェイが寄与するITソリューション事業やハナビラタケの生産が軌道に乗るフードサービス事業の伸びで吸収する。
損益面では、のれん償却が一巡(12/9期は2億34百万円を計上)する他、証券ソリューション事業の経営リソースを他の事業に再配分する事でグループ全体での労働生産性が改善。増収効果と相まって、前期は1億29百万円の損失だった営業損益が3億円の利益に転じる見込み。
 
配当は1株当たり3円の期末配当を予定している。13年4月1日を効力発生日として1株を100株に分割すると共に、100 株を1 単元とする単元株制度を採用する予定である。このため、1単元当たりの配当金は前期と同額。
 
(2)セグメント別見通し
 
証券ソリューション事業 13/9期予想売上高25億40百万円(前期比8.8%減)
BD1(ディーリング・トレーディングシステム)は売上が減少するものの、コスト削減で利益が大幅に増加。一方、BD2(マーケットプレイスシステム)は、東証と大証の合併(13年1月1日付)に伴う新たなシステム需要が見込まれている。
 
BD1の売上減少は主にランニング売上の減少によるものだが、取引プラットフォーム「TIGER Trading System」のASP化による開発業務及び保守業務の効率化で外注費を中心に営業費用も減少する(ASP化は顧客の費用対効果向上にも寄与する)。また、「TIGER Trading System」を通して提供する商品ラインナップの拡充や付加価値情報の充実に取り組む事で顧客ロイヤリティの向上を図り、ランニング売上の上積みにつなげていきたい考え。
 
一方、大手顧客との取引が中心のBD2は増収・増益を予想。安定稼動実績を積み、14/9期以降の新規受注につなげる。この他、引き続き開発及び保守の内製化を進め、労働生産性の向上を図る。
 
 
ITソリューション事業、フードサービス事業等
証券ソリューション事業以外では、ITソリューション事業で売上高4億85百万円(前12/9期16百万円)を見込んでいる。フードサービス事業は2億円(前期は2百万円)、自己資金運用事業は25百万円(前期は売上計上が無かった)。自己資金運用事業では証券ソリューション事業との連携を強化し、特に外国為替証拠金取引の分野において、同社が提供するシステムの活用による収益の計上と証券ソリューション事業へのフィードバックに取り組む。
 
 
今後の注目点
業績面での苦戦が続いているものの、同社はランニング売上という安定収益源と流動性の高い優れた財務体質を有するだけに、目先的な不安は無い。しかし、現状のままでは長期的な不安を払拭する事はできず、新たな収益源の確保・育成が求められている。このため、前期に「ITソリューション事業」と「フードサービス事業」を立ち上げた。このうち「ITソリューション事業」はニッチな分野ではあるが、同社と子会社の強みを活かし差別化が可能な分野にフォーカスしており、しかも顧客のコストダウンニーズや経営効率化ニーズへの訴求力があるだけに期待は大きい。一方、「フードサービス事業」は従来の発想を変えた全く新しい分野への挑戦であり、健康志向の高まりを追い風とするもの。意外感は大きいが、明確な撤退ルールの下で挑戦する事は悪い事ではないと考える。13/9期の連結業績が同社の予想通りの着地となれば、来期以降の展望も開けてこよう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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