ブリッジレポート
(2687:東証1部) シー・ヴイ・エス・ベイエリア 企業HP
泉澤 豊 会長
泉澤 豊 会長
泉澤 摩利雄 社長
泉澤 摩利雄 社長
【ブリッジレポート vol.35】2013年2月期第3四半期業績レポート
取材概要「コンビニ業界は、第1四半期(3-5月)が順調だったが、同四半期をブランド転換作業に費やした同社は良好な事業環境を享受する事が出来なかった・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年2月19日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社シー・ヴイ・エス・ベイエリア
会長
泉澤 豊
社長
泉澤 摩利雄
所在地
千葉県浦安市美浜1−9−2
事業内容
千葉及び東京のベイエリア地域を中心に、コンビニを直営店舗主体に展開。ビジネスホテル事業の他、子会社がマンション向けフロントサービスを提供。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年2月 26,882 338 342 -369
2011年2月 28,635 601 650 233
2010年2月 26,322 416 610 235
2009年2月 25,271 571 334 -78
2008年2月 24,277 623 446 216
2007年2月 23,347 699 610 310
2006年2月 22,332 1,018 1,055 600
2005年2月 20,956 1,081 1,101 578
2004年2月 17,236 946 1,048 499
2003年2月 14,024 880 878 390
2002年2月 12,358 847 873 445
2001年2月 11,835 753 722 386
2000年2月 9,840 641 673 306
株式情報(1/17現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
86円 49,364,870株 4,245百万円 - 1,000株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
2.00円 2.3% - - 64.01円 1.3倍
※株価は1/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末、BPSは3Q末実績。
 
シー・ヴイ・エス・ベイエリアの2013年2月期第3四半期について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「便利さの提供」を企業理念とし、直営店主体のコンビニ事業を中心に、ビジネスホテル事業、子会社を介したマンションのフロント(業務)受託事業及びクリーニング事業等を手掛けている。グループは、同社の他、クリーニング事業を手掛ける(株)エフ・エイ・二四(以下、FA24)、及びフロント受託事業を手掛ける(株)アスクの連結子会社2社。
主力のコンビ二事業は12年2月末で(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、12年3月より「ローソン」ブランドで再スタート。直営店主体の機動力や柔軟性に富んだ事業展開力を強みとするが、ここ数年は企業FC契約の解消を見据えてブレーキを踏んできた。13/2期以降、新ブランドの下で潜在成長力の顕在化が期待される。
 
【事業概要】
(1)京葉地区の湾岸エリア中心に展開するコンビニ事業
主力のコンビ二事業では、東京都区内(港区、中央区、江東区、千代田区、新宿区、渋谷区、大田区、江戸川区、台東区、北区、葛飾区、足立区)及び千葉県北西部において店舗展開。2012年2月末に(株)サークルKサンクスとの企業FC契約が終了し、同年3月から「ローソン」ブランドでの店舗展開を開始した(1月に契約締結)。(株)ローソンが構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)、ポイントカード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント)、更には商品開発力を活用する事で顧客の利便性向上を図ると共に店舗競争力を高めていく考え。
 
(2)非コンビニ事業の育成 −「便利さの提供」を追求−
「便利さの提供」を企業理念に掲げ、この一環としてコンビニの店舗で「クリーニング取次ぎサービス」や「宝くじ」販売等の独自サービスを提供している他、非コンビニ事業の育成にも注力している。具体的には、09年11月にJR京葉線市川塩浜駅前にビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」(千葉県市川市)を開業した他、連結子会社FA24がマンションフロントでの「クリーニング取次ぎサービス」(200物件以上でサービスを提供中)や「お掃除サービス」等を手掛けている。また、09年10月にはマンションフロント(コンシェルジュ)サービスで業界トップの(株)アスクを子会社化した。
 
ビジネスホテル「CVS・BAY HOTEL」
市川市が保有するJR京葉線市川塩浜駅前の遊休地を定期借地で借受け、コンビニ併設の108室規模(シングル54室、ダブル12室、ツイン41室、バリアフリー1室)のビジネスホテルを運営している。JR京葉線 市川塩浜駅は東京駅から快速で19分、東京ディズニーリゾートのある舞浜駅まで2駅5分、幕張メッセがある海浜幕張駅まで14分の好立地。価格競争力も強く(朝食付きで1泊5,800円から)、平日はビジネス客、週末はレジャー客と安定した集客を誇る。
 
連結子会社(株)アスク社
宅急便やクリーニングの取り次ぎ等、大規模マンションや高層マンションのフロント業務を手掛けるマンションフロント(コンシェルジュ)サービス、メンテナンスサポートやハウスクリーニング事業者の紹介等のレジデンスサポート、ミニショップや売店の運営、更にはカーシェアリングサービスや提携による「ネットスーパー」取り次ぎサービス等を手掛ける。業界トップのマンションフロントサービスでは、首都圏を中心に約850件を受託しており、室内清掃や東日本大震災の教訓を踏まえた階段避難器具や防災グッズの提供等、新サービスを導入し既存顧客の深耕に取り組んでいる。
 
【ブランド変更で成長軌道への回帰を目指す】
(1)(株)サークルKサンクスとの企業フランチャイズ契約が終了(契約満了による)
同社は1997年3月に(株)サンクスアンドアソシエイツ(現:(株)サークルKサンクス)との間で契約期間15年の企業フランチャイズ契約を締結し「サンクス」ブランドでコンビニ事業を展開してきたが、2012年2月末の契約満了を見据えて、09年春に契約解消に向けた提案を行った。同年夏に、調停を通じて終了時期、条件、手順等の具体的な協議を始めたが進展がなく、10年春には(株)サークルKサンクスから中途解約権不存在の確認等の訴訟が提起された。
 
(株)サークルKサンクスによる訴訟提起後も大きな進展がなかったため、「判決を持つよりも早期に問題を解決し、13/2期のスタートと共に新たなブランドの下での成長戦略を推進する方が賢明」との判断から、11年12月に"12年2月末の契約満了と契約の終了を前提とする和解案"に合意。解決金15億円の支払いや一定の和解条項に定める履行義務を負ったものの、12年2月末の契約満了と共に契約が終了し、同3月以降2年間の競業禁止義務が免除された。
 
尚、12/2期は、上記の訴訟和解金15億円と共に、固定資産除去、リース解約、ATM撤去等、「サンクス」ブランド店舗の閉店に伴う費用5.7億円を事業構造改善費用として特別損失に計上した。
 
(2)(株)ローソンとの契約締結
訴訟の和解を受けて12年1月に(株)ローソンとフランチャイズ契約を締結した。契約締結に当たってのポイントは、 奮堯縫蹇璽愁鵑構築しているSCM(サプライ・チェーン・マネジメント=商品調達力、供給力)、▲櫂ぅ鵐肇ード「Ponta」を活用したCRM(カスタマー・リレイションシップ・マネジメント=顧客分析、囲い込み)、テレビなど各メディアを活用したプロモーション(=新規顧客確保、店舗支援)、い海譴泙任貌閏劼手掛けてきた独自サービスが継続できる事、及びソ佚甲楼茲慮饗Ъ由化(出店可能エリア及び店舗ネットワークの拡大余地)の5点。収益力強化と事業拡大に向けた必要事項が網羅されており、また、契約締結に伴い、看板の付け替えに伴う固定費除去費等の負担金として、契約金収入18億円を(株)ローソンから受け取った。
 
12/2期末までに「サンクス」ブランドの店舗(以下、「サンクス店舗」)全店を閉店したため、13/2期は稼働店舗数ゼロからのスタートとなった。「ローソン」ブランドでの開店準備が進んだ店舗から順次営業を開始し、5月末には全店で転換作業が完了。6月からは前年同期とほぼ同数の130店舗(加盟店を含む)体制が整った。なお、月次で公表している全店売上高において、「ローソン」ブランドの店舗(以下、「ローソン店舗」)化後は、サンクス店舗運営時と異なり、一部商品(ゆうパック、プリペイドカード、チケット等)の売上計上方法を総額表示から純額表示へと変更しており、この影響で客単価が低下しているものの、客足は総じて堅調なようだ。また、ローソンの購買力を背景に、売上総利益率が改善傾向にある。
 
 
(3)今後の出店計画
同社は、(株)サークルKサンクスに対して企業フランチャイズ契約の契約解消に向けた提案を行った10/2期以降、新規出店を控えてきた。一方、収益力の落ちた店舗を順次スクラップしてきたため、店舗ネットワークは09/2期末の135店舗をピークに減少が続いていた(11/2期末127店舗。12/2期末にはブランド変更に伴い全店舗を閉鎖)。しかし、今13/2期より新規出店を再開する考えで、13/2期は横浜市内ほかへの新規出店を行い(13/2期上期末時点で出店済み)、来期(14/2期)以降も、物件を厳選のうえ新規出店を計画している。
 
 
2013年2月期第3四半期決算
 
 
前年同期比6.5%の減収、362百万円の営業損失
売上高は前年同期比6.5%減の20,254百万円、営業損益は362百万円の損失(前年同期は542百万円の利益)。マンションフロントサービスやその他事業が好調であったものの、主力のコンビニ事業の減収減益が影響して減収、営業損失となった。
 
07/12期に投資不動産賃貸費用として計上していた債務の一部につき、履行義務が消滅したことによる債務消滅益214百万円などの特別利益を計上した。一方、不採算店の閉店による店舗閉鎖損失引当金繰入額244百万円や、投資有価証券評価損191百万円の特別損失を計上した。これらにより純損益は429百万円の損失(前年同期は928百万円の損失)となった。
 
 
 
コンビニ事業は、売上高が前年同期比9.6%減の15,102百万円、セグメント損失298百万円(前年同期は666百万円の利益)。今期より「ローソン」ブランドでの店舗展開を開始した。店舗を順次開店し、5月末までには店舗ブランドの転換作業が完了し、6月より従前とほぼ同数の130店規模での店舗運営となっている。また、ローソンが他社に先駆けて展開している生鮮品の販売にも積極的に取組み、顧客層の新規開拓に努めたほか、同社が独自で取組んでいるオリジナル商品の販売や、「クリーニング取次ぎサービス」及び「宝くじ」の販売など顧客のニーズに合った商品の導入や、他店舗との差別化となる独自サービスの提供に取り組んだ。店舗を順次開店させたことによる営業日数の減少及び開店に伴う各種経費が嵩んだことや天候不順による売上高への影響などから減収減益となった。
 
マンションフロントサービス事業は、売上高が前年同期比3.2%増の3,905百万円、セグメント利益は同2.3%増の173百万円。従来からのフロントサービスを中心に、ショップ、カフェでのサービス、「カー・シェアリング」や「ふとん丸洗い」、「ハウスクリーニング」及び「ネットスーパー」などの利便性や付加価値を追求したサービスに加え、電動階段昇降機の販売、レンタル事業や非常時持ち出しセットの販売など、安心を提供するサービスにも力を入れ、増収増益となった。
 
クリーニング事業は、売上高が前年同期比1.4%減の921百万円、セグメント利益は同31.4%減の32百万円。タワーマンションや高級マンションのフロントでの便利、かつ、高品質の「クリーニング取次ぎサービス」を提供することにより、全国全世帯平均よりも高い客単価を得ることができている。さらなる新規顧客の獲得・売上の向上のため、夏から秋冬への衣替え時期に合わせた値引きセール、プレゼントキャンペーンなどの各種販促企画を実施した。また、新たに開設したクリーニング工場は、従業員の技術向上に努めることにより、高品質を確保する体制を構築するするとともに、生産性の向上を図った。
 
その他事業は売上高が前年同期比23.4%増の338百万円、セグメント利益は同423.6%増の50百万円。「CVS・BAY HOTEL」は09年11月下旬のオープンから丸3年を迎え、売上・稼働率とも順調に推移した。
 
 
1Qの損失計上の影響が大きく、3Q累計では営業損失となった。しかし、店舗が出揃った2Q(6-8月)及び3Q(9-11月)は営業黒字となっている。また、3Q(9-11月)は前四半期比減収ながら販管費の減少を主因に営業利益は大きく伸びた。黒字体質が整備されつつある。
JFAコンビニエンスストアの統計調査月報では既存店売上は9月−1.6%、10月−2.1%、11月−2.5%と、業界としては苦戦している。一方、同社の全店売上は9月−0.5%、10月+1.6%、11月+1.1%。前年同月比で店舗数が増加したこともあり、業界の既存店売上を上回って推移した。コンビニ事業の四半期ごとのセグメント損益は1Qが358百万円の損失、2Qが10百万円、3Qが49百万円の利益と改善している。
 
 
 
3Q末の総資産は前期末比426百万円増の12,425百万円。現預金が258百万円、たな卸資産が481百万円増加したことなどにより流動資産が588百万円増加したほか、固定資産が162百万円減少した。負債は前期末比881百万円増加し9,266百万円となった。預り金が1,648百万円、短期借入金が150百万円増加した一方、買掛金279百万円、未払金が430百万円それぞれ減少したことなどにより、流動負債が1,131百万円増加、長期借入金が262百万円減少したことなどにより、固定負債は250百万円減少した。尚、有利子負債は137百万円減少した。純資産は前期末比455百万円減少し、3,159百万円となった。剰余金の配当を行ったことや純損失429百万円を計上したことによるもの。
 
 
2013年2月期業績予想
 
 
通期予想に修正はなく前期比0.8%の増収ながら、350百万円の営業損失を見込む。コンビニ事業は引き続き顧客のニーズに合った商品の導入や、他店舗との差別化となる独自のサービスの提供に取り組む。マンションフロントサービス事業ではサービスのさらなる強化を目指し、引き続きスタッフ・社員の育成を進め、教育プログラムの充実を図るとともに、居住者のニーズに合わせた新商品や新事業を通しての新たなサービスを拡大する。クリーニング事業ではクリーニング、メンテナンス、在庫管理までを一元で請け負うトータルサービスの拡販を進める。その他事業では「CVS・BAY HOTEL」で宿泊プランやサービス内容をより充実させるとともに、認知度の向上により一層努めることにより通期の黒字化を見込む。
尚、債務消滅益214百万円などの特別利益、及び不採算店の閉店による店舗閉鎖損失引当金繰入額244百万円や、投資有価証券評価損の特別損失を織り込んで(今期同様に特別損失を見込んでいた前期は期末にかけての株価の上昇で想定していた評価損を計上せずに済んだ)、純損失は412百万円を計画する。しかし、足元の株価回復で前期同様に投資有価証券評価損計上については、免れる可能性が高まっている一方、株価次第では売却し売却損失を計上することも検討しているようだ。配当は1株当たり1円の期末配当を予定している(上期末配当と合わせて年2円。12年6月に1株を2株に分割しているため実質的には前期と同額の年4円)。
 
 
今後の注目点
コンビニ業界は、第1四半期(3-5月)が順調だったが、同四半期をブランド転換作業に費やした同社は良好な事業環境を享受する事が出来なかった。6月から7月半ばにかけての天候不順に加え、タバコ売上の反動減等もあり、第2四半期(6-8月)は状況が一変し、下期も厳しい見通しを立てているため、13/2期は通期でも大幅な営業損失が見込まれる。こういった中で第3四半期の全店売上は10月、11月にはプラスとなった。
来14/2期に目をやると、コンビニ事業においては130規模の店舗がフル稼働する中で、店舗オペレーションの習熟効果が期待できる。加えて、認知度の高まりで損益分岐点を上回る稼働率が定着してきたビジネスホテル事業の利益増が見込まれる上、業績が堅調に推移している子会社2社も来期に向けて特段の不安はない。このため、(株)インベストメントブリッジでは、14/2期の業績について、天候等で大きなマイナス要因がない限り、上期2〜3億円、通期で3〜4億円の営業利益を確保できると考えている。コンビニ事業の収益力強化が下期の課題であり、慎重な予想にとどまった下期業績の上振れに期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
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