ブリッジレポート
(4290:東証2部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.8】2013年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「13/3期第3四半期はNKSJグループ向けサービスを合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管した影響が大きかったが、中期的には(株)プライム・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年2月19日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
事業内容
コールセンター活用のBPO。自動車の事故、故障対応や金融関連が主業。不動産分野に注力
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(2/14現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
825円 14,825,200株 12,231百万円 18.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 1.8% 101.28円 8.1倍 611.62円 1.3倍
※株価は2/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
連結子会社20社、持分法適用関連会社1社と共にグループを形成し、世界14カ国16拠点でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している(12年12月末現在)。具体的には、損害保険会社、自動車関連会社、クレジットカード会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、自動車保険加入者向けのロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンター・サービス、マンション等の入居者に対するホームアシスト・サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)等を提供。
 
 
12/3期の売上高は上場時の約4倍、営業利益は同約7倍に拡大したが、この成長を支えてきた大きな要因の一つが、秋田BPOキャンパスだ(緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンター)。長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になるとの考えから03年10月に開設した秋田BPOキャンパス(WEST棟550席)は、その後、07年EAST棟(650席)開設、12年サテライト棟(300席)開設と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割も担っている。
 
 
【事業内容】
事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業及び派遣・その他事業に分かれる。
 
ロードアシスト事業  12/3期売上構成比46%
損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス(コンタクトセンター)において緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスについては、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本、(株)プレミアロータス・ネットワーク、関連するシステムを開発する(株)プレミアネットワーク及び自動車整備会社やレッカー業者等の協力会社に委託している。
 
インシュアランス事業  同27%
損害保険会社向けの海外日本語アシスタンス及び海外旅行保険クレームエージェント、海外進出企業向けヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)、自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラム、少額短期保険事務代行サービス、及び(株)イントラスト、(株)オールアシストによる家賃保証サービス等を手掛けている。海外は、米国、英国、香港、中国、シンガポール、タイ、オーストラリア。
 
CRM事業  同12%
通信販売会社、海外ブランド、ポータルサイト運営会社等に対する、国内・海外のコンタクトセンターのアウトソーシングサービスの提供、及び損害保険会社向け24時間事故受付業務全般のアウトソーシングサービスを提供。海外は、米国、英国、香港。
 
カード事業  同6%
日系航空会社との提携により、米国、香港及び上海において日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカード(グループ独自のクレジットカード「プレミオカード」)の発行・運営を行っている。
 
プロパティアシスト事業    同7%
不動産向けサービス「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を提供しており、前者では分譲マンション等の入居者に対して一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を、後者では無人駐車場及びカーシェアリング車両のステーションにおけるトラブル(機器保守、補修、緊急・点検出動等)対応を行っている(実際のサービスは関係会社の(株)プレミア・プロパティサービス、(株)プレミアパークアシスト及び協力会社が提供)。
 
上記のBPO事業を補完するべく子会社がIT(IT事業同2%)及び人材面(派遣・その他事業同1%)を手掛けている。
 
【富山BPOキャンパス及び山形BPOガーデン建設計画】
現在、同社は秋田県秋田市に1,500席規模の秋田BPOキャンパス(WEST棟:550席、EAST棟:650席、サテライト棟:300席)を展開しており、12年4月にサテライト棟を開設したばかりだが、秋田BPOキャンパス全体の稼働率は既に80%に達している。また、東日本大震災の発生以来、クライアント企業よりBCP(事業継続計画)対策として、秋田BPOキャンパスと一定距離を置いた地点へのオペレーションの分散(2拠点化)を求める要望が増えていた。このため、富山BPOキャンパス(約1,500席)を富山県射水市に開設する事とした。投資額は建物・付属設備で約30億円(土地64,000屬話聾擬治体から貸与を受ける)、15年2月のサービス開始を予定している(建設期間は14年4月〜15年1月)。
 
ただ、富山BPOキャンパスの業務開始まで2年以上を要するため、新キャンパスが稼働する前に秋田BPOキャンパスのキャパシティが飽和する可能性がある。このため、更なる事業拡大に伴う需要増も念頭に入れ、山形県酒田市に山形BPOガーデン(約500席)を建設する。富山BPOキャンパスと同様、土地(30,000屐砲話聾擬治体から貸与を受けるため、同社は建物・付属設備に対する投資だけで済む(投資額:約10億円、建設期間:13年4月〜同年11月)。13年11月のサービス開始を予定しており、これに先立つ13年2月上旬に山形県酒田市内に仮センターを開設する。
 
尚、富山BPOキャンパス、山形BPOガーデンは、共に託児所、カフェテリア、研修施設等を備え、従業員の約70%に女性を採用する計画。同社は、女性が長く働ける職場をつくり、女性の社会進出に最大限の貢献をしていく考えで、特に山形BPOガーデンについては、当初、“山形BPOセンター”と言う名称を予定していたが、「光・水・緑が織り成すリラクゼーション空間など女性が安心して長期的に働ける環境づくりをしていきたい」との思いを込めて名称が変更された。
 
 
2013年3月期第3四半期決算
 
 
12年10月に持分法適用会社(株)プライムアシスタンスにNKSJグループ向けサービスを移管
売上高は前年同期比4.9%減の57億16百万円。注力分野であるインシュアランス事業やプロパティ事業の売上が増加した他、カード会員の増加に円安も加わりカード事業の売上が大きく伸びたものの、持分法適用会社(株)プライムアシスタンスにNKSJグループ向けサービスを移管したロードアシスト事業の売上減少をカバーできなかった。
 
利益面では、売上の減少に伴い売上総利益が減少する中、山形BPOセンター開設のための準備オフィスの設置や人材採用の前倒し等で販管費が増加し利益を圧迫。営業利益は4億68百万円と同24.4%減少した。12年12月の東証2部上場に伴う上場関連費用の計上に加え、為替差損や持分法投資損失もあり営業外損益が悪化したため経常利益は3億74百万円と同39.6%減少した。
 
尚、(株)プライムアシスタンスはNKSJホールディングス(株)との合弁会社で、(株)プレステージ・インターナショナルの出資比率は33.4%。12年4月に設立され、同年10月にNKSJホールディングス(株)向けサービスが移管され本格稼働した。
 
 
 
第3四半期累計期間では増収基調を維持したものの、先行投資負担から前年同期比14.0%の経常減益
売上高は前年同期比5.8%増の180億92百万円。12年10月に一部業務を持分法適用会社へ移管した影響でロードアシスト事業の売上が減少したものの、インシュアランス事業、カード事業、プロパティアシスト事業の売上が大きく伸びた。

利益面では、円高の影響や売上構成の変化等で売上総利益率が低下する中、本社管理部門の人員増強やオフィス移転に加え、山形BPOセンター関連の先行投資もあり販管費が同13.6%増加し、営業利益が16億60百万円と同4.0%減少。上場関連費用22百万円、為替差損42百万円、及び持分法投資損失49百万円等を営業外費用に計上しため、経常利益は15億59百万円と同14.0%減少した。
 
 
ロードアシスト事業
売上高72億83百万円(前年同期比8.0%減)、セグメント利益7億04百万円(同22.7%減)。10月にNKSJグループ向けサービスを合弁会社に移管した影響で売上が減少。利益面では、売上の減少による売上総利益の減少に加え、山形BPOセンター開設のための準備オフィスの設置や人材採用のコストが負担となった。
NKSJグループ向け以外の案件は順調に拡大しており、来期に向け新規案件の商談も進行中。また、第4四半期より本格展開する自動車ディーラー向けサービスの契約獲得も進んでいる。
 
インシュアランス事業
売上高55億70百万円(前年同期比21.7%増)、セグメント利益2億86百万円(同120.9%増)。自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証事業やクレームエージェントサービス及びヘルスケア・プログラムの海外事業が増収を牽引。増収効果に加え、事業基盤の再編により子会社イントラストが手掛ける家賃保証事業の利益率が改善し、セグメント利益が同2.2倍に拡大した。
足元、アジア地域でクレームエージェントサービスの取扱件数が増加している他、ヘルスケア・プログラムで大型案件の商談が進行中。また、延長保証事業では住宅設備向けの準備を進めている。尚、家賃保証及び少額保険事務代行業務は売上が第4四半期に集中する傾向がある。また、円安による通期業績の押上効果が、売上高で44百万円、利益で19百万円と試算されている。
 
CRM事業
売上高20億81百万円(前年同期比3.1%増)、セグメント利益2億06百万円(同30.9%減)。国内外で受託業務の一部が終了したが、新規案件の獲得で吸収し売上が増加した。ただ、利益面では、終了した業務の一部に収益性の高い業務があり、カバーできなかった。
下期に立ち上げた新規案件が順調に推移しており、円安が通期の売上高を4百万円押し上げる(利益への影響は無い)。
 
カード事業
売上高11億87百万円(前年同期比17.8%増)、セグメント利益3億38百万円(同21.6%増)。日本人駐在員向けクレジットカードの会員数増加とカード会員向け付加価値サービスの拡大で売上・利益が増加した。会員数は米国が同6.2%増、中国が同6.2%増。
航空会社や銀行と提携してカード会員向けの付加価値サービスの充実に努めていく考え。航空会社のマーケティング活動強化がカード利用に追い風になる他、円安もプラス(通期の売上高を44百万円、同利益を11百万円押し上げる)。
 
プロパティアシスト事業
売上高14億67百万円(前年同期比27.0%増)、セグメント利益74百万円(同13.2%増)。既存受託業務を中心に不動産向けサービス(ホームアシスト)の売上が増加。コインパーキングのメンテナンス等の駐車場管理会社向けサービス(パークアシスト)も、既存案件が堅調に推移する中、今期獲得した新規案件が順調に立ち上がった。フィールドワーク専門子会社(株)プレミア・プロパティサービスが事業拡大に向けた人員の増強や管理体制の強化を進めているため利益率が悪化したものの、利益も増加した。
足元、パークアシストにおいて既存クライアントとの間で業務拡大及び新規案件の商談が進んでおり、ホームアシストも引き続き既存受託業務の拡大が見込め、両事業共に第4四半期以降の見通しも明るい。
 
 
第3四半期末の総資産は前期末比4億33百万円減の142億82百万円。期末を越えて売上債権や立て替え金の回収が進む一方、法人税等の支払が進んだ。実質無借金で流動性にも富んだ優れた財政状態が維持されており、自己資本比率は70.0%と前期末比8.4ポイント上昇した。
 
 
2013年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更は無く、前期比2.6%の増収、同12.3%の営業減益
通期予想に対する進捗率は、売上高75.4%、営業利益72.2%、経常利益67.8%、当期純利益59.7%。第3四半期までは売上・利益共に想定に沿って推移しており、第4四半期(1-3月)に繁忙期を迎えるロードアシスト事業及びインシュアランス事業における収益の取り込みで業績予想を達成する。為替レートの想定は1ドル=83.2円(前期は82.19円)。配当は1株当たり期末7.5円を予定している(上期末配当7.5円と合わせて年15円)。
 
 
 
今後の注目点
13/3期第3四半期はNKSJグループ向けサービスを合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管した影響が大きかったが、中期的には(株)プライムアシスタンスを通じて、NKSJグループが保有する保険契約向けのサービスへの展開が期待できる。また、ロードアシストサービスの自動車ディーラー向け展開や延長保証事業の住宅設備向けの展開による事業の拡大に加え、徐々に軌道化してきたホームアシストやパークアシストも未だ先行投資段階にあり、事業拡大と収益性改善の余地は大きい。こうした各事業が有するポテンシャルを顕在化させ、収益拡大につなげていく事ができるか否かが今後のポイントである。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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