ブリッジレポート
(4323) 日本システム技術株式会社

東証1部

ブリッジレポート:(4323)日本システム技術 vol.24

(4323:東証2部) 日本システム技術 企業HP
平林 武昭 社長
平林 武昭 社長

【ブリッジレポート vol.24】2013年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「2013年3月期第3四半期の業績は、前年同期比では営業利益、経常利益ともに減少する結果になっているが、これは当初から計画した範囲と・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年3月5日掲載
企業基本情報
企業名
日本システム技術株式会社
代表取締役社長
平林 武昭
所在地
〒530-0005 大阪市北区中之島二丁目3番18号 中之島フェスティバルタワー29階
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 9,027 284 327 135
2011年3月 8,990 211 264 216
2010年3月 9,322 456 497 300
2009年3月 10,449 806 852 447
2008年3月 10,705 931 945 426
2007年3月 9,711 389 405 138
2006年3月 7,917 111 125 605
2005年3月 8,189 522 502 319
2004年3月 7,767 540 537 67
2003年3月 7,064 676 635 194
2002年3月 6,939 658 606 181
2001年3月 6,285 834 814 282
株式情報(2/8現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
665円 4,756,390株 3,612百万円 3.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.0円 3.8% 42.13円 15.78倍 917.9円 0.72倍
※株価は2/8終値。発行済株式数は直近期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
日本システム技術の2013年3月期第3四半期業績について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソフトウェアの受託開発(13/3期第2四半期売上構成比63.2%)、主に教育機関向け業務パッケージの開発・販売(同17.7%)、及び情報システム関連機器等の販売(同18.4%)、その他(同0.7%)を行っている。
 
<沿革>
設立は、1973年3月。JAST(同社)の特徴である教育機関向け業務パッケージには、90年代前半から取り組んでおり、94年10月に学校事務支援統合システムパッケージソフト「GAKUENシリーズ」の販売を、98年8月に大規模大学向けERP「GAKUEN REVOLUTION(学務)」の販売を、2000年2月に学校関係者間の情報ネットワークを実現する統合型Webサービスシステム「UNIVERSAL PASSPORT」の販売を、それぞれ開始。01年11月のジャスダック上場を経て、03年2月に東証二部に株式を上場した。
 
<特徴>
 
1.理念重視の経営
 
「情報化の創造・提供による社会貢献」をモットーとして、いかなる企業系列にも属さない完全独立の立場を堅持することにより、業種、技術分野、プラットフォーム等を問わず、常に最新の技術に挑戦しつつ、自由な立場で幅広い分野の開発業務に取り組むことを経営の基本方針としている。
 
この基本方針に則り、顧客、株主、社員、社会がそれぞれWin-Win(双方有益)の関係を築くべく、「四方良し」の理念を掲げ、それぞれの価値を最大化し、全体としての企業価値を高めることにより、安定的成長を実現することを目標としている。
 
また、このような成長の原動力となるのは従業員一人一人の情報システム開発に対する情熱と顧客への誠心誠意のサービスであり、そのためには人間力の研鑽が何よりも先行すべきである、との信念に基づいた「人づくり」経営に徹することにしている。
 
(経営理念の基本的考え方)
「天爵を修めて人爵これに従う」=天爵を修めることで、はじめて人爵を与えられる。人爵を得て、その結果として天爵を与えられることはない。
 
2.広範な情報サービスの提供
 
メーカーや系列等一切の成約を受けず、自由な立場で広範な分野のサービスを提供することが出来る。
 
(サービス内容)
1.ソフトウェア開発
2.システムコンサルテーション
3.システム管理運用
4.システムインテグレーションサービス
5.ソフトウェアパッケージの開発・販売
6.情報機器の販売、ネットワーク構築
 
(事業セグメント)
1.ソフトウェア事業(ソフトウェアの個別受託開発) ⇒ SIerの側面
①ビジネスアプリケーション分野  (事務処理系システム)
②エンジニアリングアプリケーション分野(制御、技術系システム)
③イベントアプリケーション分野  (スポーツ・文化イベント関連システム)
④アウトソーシングサービス    (情報システムの一括運営管理)
 
2.パッケージ事業(ソフトウェアパッケージの開発、販売) ⇒ パッケージメーカーの側面
戦略的大学経営システムの開発・販売、導入支援、保守等
 
3.システム販売事業(ハード、ソフトの販売、ITインフラの構築) ⇒ 販社(BtoB)の側面
ハードウェア・ソフトウェアパッケージの販売、保守、ネットワーク構築等
 
3.大手優良企業群との長期取引
 
下表のように、大手企業群と長期取引が多いのも同社の特色。しかもすべてが直接取引である。 長期取引であるため、先方顧客からは同社が「コア・パートナー」となっている場合が多く、そのため不況期でも受注が大きく落ち込むことが少ない、と会社側は述べている。
 
 
4.グループ拠点展開
 
 
大阪と東京の2本社制を敷いており、早くから海外に開発拠点を展開している事も特徴。また、2006年8月には、大学向けマーケットを中心とする文教分野での業容拡大を図るべく、首都圏の大規模大学を中心に、システム機器等の販売で実績のあるアルファコンピュータ(株)の全株式を取得した。これにより、パッケージ、情報機器及びネットワーク等を一貫して提供する大学向けSI(システム・インテグレーション)事業の大規模展開が可能となった。
 
また2012年7月には新日本ニーズ、SafeNeeds、桂林安信軟件有限公司の3社を新たに子会社化した。
 
5.国内トップシェア誇る教育機関向け業務パッケージ
 
大学向け経営改革ソリューションとして提供している統合業務パッケージは、94年10月の発売以来、332校(12年11月14日現在)への導入実績を有し、文教マーケットにおいて高い評価を受けている。
 
特徴は、大規模な総合大学から小規模の短期大学に至るまで、主要業務を全方位でカバーしているため、パラメーターの設定だけで大学個々のニーズに柔軟に対応できる事。つまり、カスタマイズの必要がないため、ユーザーは導入時及びその後の運用・メンテナンスに関わるトータルコストを削減する事ができる。なお、1案件あたりの導入金額は数10万円~数億円と、導入規模により広範囲にわたる。
 
少子化問題への取り組み戦略のひとつとして、大学各校は優秀な学生を確保するべく、学生向けサービスや経営品質の向上に取り組んでいる。しかし、全国に約1,200校あると言われる大学・短大の大半がメインフレーマー等による手作りのシステムやカスタマイズを前提としたパッケージを使っているという。品質・価格両面での優位性から競合は少ないようで、販売拡大の余地は大きいと思われる。現在20%のシェアを、早期に30%に引き上げたい考え。
 
 
6.その他の特長
(人材重視) ⇒ 品質安定、低コスト体質
新卒中心の採用と長期的な人材育成
人材流動の激しい業界内で高い社員定着率を維持
 
(品質、信頼へのこだわり) ⇒ 継続顧客が多い
「一括丸投げ」は行わず、社員中心のプロジェクト編成
請け負ったら顧客が満足するまでやり抜く、途中退場はしない
 
(特徴的な営業戦術) ⇒ 異なる3事業が共存
ソフトウェア事業:SE自らが受注活動
システム販売事業:大手を凌駕する提案力
パッケージ事業:全国規模のマーケティング
 
(徹底したコスト管理) ⇒ 不採算案件が極めて少ない低コスト体質
個人別30分毎の売上・原価管理
非常にコンパクトな本社間接部門
 
2013年3月期第3四半期業績
 
 
2013年3月期第3四半期の業績結果は上表のようになった。前年同期と比較して、営業利益及び経常利益は減少したが、売上高及び四半期純利益は増加した。セグメント別の内訳は以下のようであった。
 
ソフトウェア事業(受注ソフトウェアの個別受託開発)は、教育機関及び官公庁向け案件は減少したが、製造業、金融業向け案件は増加し、売上高4、429百万円(前年同期比8.2%増)、営業損失89百万円(前年同期は営業損失12百万円)の増収減益となった。
パッケージ事業(学校業務改革パッケージの開発・販売及び関連サービス)については、保守は増加したが、EUC(End User Computing:パッケージの周辺システムの受託開発)、仕入販売及び導入支援は減少し、売上高1、155百万円(前年同期比9.3%減)、営業利益172百万円(同15.8%減)の減収減益となった。
システム販売事業(IT機器の販売及び情報通信インフラの構築)は、教育機関及び公共系SI(システム・インテグレーション)向け案件は増加したが、サービス・流通業向け案件は減少し、売上高921百万円(前年同期比3.9%減)、営業損失21百万円(前年同期は営業損失38百万円)の減収増益となった。
(注:平成24年7月2日(みなし取得日は平成24年7月1日)に株式会社新日本ニーズ及びSafeNeeds株式会社の株式を取得したが、SafeNeeds株式会社の役員が桂林安信軟件有限公司の持分を全額保有していること及び董事会構成員数の過半数を占めていることから、実質支配力基準に基づき桂林安信軟件有限公司についても連結の範囲に含めている。また、桂林安信軟件有限公司の決算日は同社の決算日と異なるため、当第3四半期より、桂林安信軟件有限公司の第3四半期会計期間にあたる平成24年7月1日から平成24年9月30日までの損益についても連結の範囲に含めている。)
 
 
流動資産:残高は5、717百万円(前期末比340百万円減)となったが、これは主として期中の仕掛品の増加並びに現預金及び売掛金の減少等の増減による。
 
固定資産:残高は1、564百万円(同259百万円増)となったが、これは主としてオフィスの増床と移転に伴う保証金の差入及びのれんの発生による増加。
 
流動負債:残高は1、761百万円(同26百万円増)となった。これは主として短期借入金の増加並びに買掛金の減少等の増減による。
 
固定負債:残高は1、297百万円(同55百万円増)となったが、これは主として役職員の退職関連引当金の増加による。
 
純資産:合計残高は4、222百万円(同163百万円減)となった。主に利益配当金の支払による。
 
 
当第3四半期末における現金及び現金同等物の状況は、期首の残高2、015百万円より396百万円減少し、1、619百万円となった。各キャッシュ・フローの状況は以下のようであった。
 
営業活動によるキャッシュ・フロー:270百万円の支出(前年同期は93百万円の収入)とった。この差額は主としてたな卸資産、前受金の増加並びに売上債権の回収及び仕入債務の減少による差引きの結果。
 
投資活動によるキャッシュ・フロー:265百万円の支出(同199百万円の支出)となった。この差額は主として差入保証金及び有形固定資産の増加並びに定期預金への預入額の減少による差引きの結果による。
 
財務活動によるキャッシュ・フロー:130百万円の収入(同791百万円の支出)となったが、この差額は主として借入金の純増による。
 
 
2013年3月期業績予想
 
<連結業績>
 
会社側では2013年3月期の業績を下表のように予想しており、期初の予想を変えていない。
 
この通期目標を達成するためには、会社側では以下のような施策を述べている。
 
ソフトウェア事業:昨年度に再編成を行った金融、流通サービス等主力産業別の特化組織を中心に、引き続き収益基盤の強化並びに提案型営業の推進に取り組み、業績の継続拡大を実現する。また新ビジネスの研究開発投資をより強力に推進し、新たな収益の柱を築くことに注力するため、新規事業拡大のための組織を新設した。
 
パッケージ事業:関東圏及び関西圏にそれぞれ独立して設置した事業部を中心に、各地域に密着して強力にシェア拡大を図るとともに、自動証明書発行機、情報端末やホスティングサービスなど最新の文教ITサービスを提供していく。加えて、主力プロダクトの次世代製品の開発並びに更なる新ビジネスの具体化にも本格的に着手すべく、新組織を立ち上げ、学校業務改革パッケージ「GAKUEN」を、文教市場において圧倒的ブランドとして広く認められるよう取り組んでいく。
 
システム販売事業:強含みの受注トレンドを確実に収益に結び付けるとともに、SEサービス等高収益分野のシェア向上にも取り組み、業績の継続拡大を図る。
 
 
取材を終えて
2013年3月期第3四半期の業績は上記のようになり、前年同期比では営業利益、経常利益ともに減少する結果になっているが、これは当初から計画した範囲と思われ、想定内の結果と言えよう。
 
通期予想は期初予想と変えていない。その水準は過去の実績に比べると必ずしも高いとは言えないが、新製品も順調に立ち上がっているようで今期予想は達成可能と思われる。今後も会社側の健闘に期待したい。