ブリッジレポート
(4767:東証1部) テー・オー・ダブリュー 企業HP
川村 治 会長兼CEO
川村 治 会長兼CEO
江草 康二 社長兼COO
江草 康二 社長兼COO
【ブリッジレポート vol.32】2013年6月期第2四半期業績レポート
取材概要「足元の受注環境は厳しいようだが、株式市場の活況や過度な円高の修正は消費者マインドの回復を促し、企業の販促意欲を刺激する。実際、同社業・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年3月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社テー・オー・ダブリュー
会長兼CEO
川村 治
社長兼COO
江草 康二
所在地
東京都港区虎ノ門 4-3-13 神谷町セントラルプレイス
事業内容
イベント、セールスプロモーションの企画・制作・運営
決算期
6月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年6月 14,033 1,112 1,126 597
2011年6月 10,570 378 377 131
2010年6月 12,575 671 670 357
2009年6月 14,210 1,401 1,392 876
2008年6月 14,397 1,362 1,343 729
2007年6月 13,070 1,051 1,041 551
2006年6月 12,341 781 784 423
2005年6月 10,705 771 782 465
2004年6月 9,638 781 765 466
2003年6月 9,441 1,103 1,073 537
2002年6月 8,600 940 920 462
2001年6月 7,555 756 730 371
2000年6月 5,995 556 537 238
株式情報(2/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
542円 11,396,320株 6,177百万円 10.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
28.00円 5.2% 40.63円 13.3倍 463.39円 1.2倍
※株価は2/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
テー・オー・ダブリューの2013年6月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
イベント・プロモーション業界のトップカンパニー。イベントの企画・制作・運営・演出、セールスプロモーション(SP)に関するグッズ・印刷物の制作及び付帯業務を手掛ける。実際のイベント現場では照明、音響、映像、舞台制作、モデル・コンパニオンや警備員の派遣、整理、撤収、清掃等様々な業務があるが、これらの専門業者を外注先とし、イベント全体をコントロールすることで主催者が来場者に伝えたいことを具現化することが重要な任務となる。プロモーションの場合も、印刷、グラフィックデザイン、事務局運営、OOH(交通広告や屋外広告など家庭以外の場所で接触するメディア広告の総称)、ウェブ制作等の業務があるが、これらをトータル的にコントロールし納品することが任務となる。
 
ただ、日本では大半のイベントが、イベント主催者(クライアント)からの発注を受けた大手広告代理店によって開催されている。このため、同社を含めた実際にイベントの企画・制作・運営を行う会社は、イベント主催者から直接受注するのではなく、大手広告代理店を介して受注するケースが多い。同社グループも例外ではなく、電通グループ、博報堂グループ、アサツーディ・ケイグループに対する売上高が、全体の72.7%(11/6期実績)を占めている。
 
また、イベントの企画・制作・運営は、小規模事業者が強みを持つ特定領域において各々対応しているのが実状だが、同社はグループ企業の強化・拡充とアライアンスにより、数少ない総合プロモーション会社として事業領域を拡大させている。マス広告からきめ細やかなプロモーションへとクライアントのニーズがシフトする中、総合的な企画力、制作力、営業力を兼ね揃えた同社の比較優位は、今後一段と高まっていくものと思われる。
 
 
 
2013年6月期上期決算
 
 
前年同期比1.2%の減収、同9.4%の経常減益
売上高は前年同期比1.2%減の67億49百万円。広告業界は、震災の反動もあった4-6月が前年同期比で堅調に推移したものの、夏以降、広告需要に減速感が見え始めた。同社グループの事業領域であるプロモーション領域も同様の傾向が見られたが、同社においては、活発なコミュニケーション活動が続く飲料・食品メーカー、スマートフォンが普及期を迎えている携帯キャリア、更にはエコカー補助金終了に向け活動を活性化した自動車メーカー等のプロモーション・広報案件の取り込みが進展。前年同期の震災関連案件や東京モーターショーの反動をほぼ吸収した。
 
営業利益は同8.9%減の5億05百万円。低採算案件(粗利率15%未満)が減少したものの、赤字案件の発生が響き売上総利益率が13.4%と0.4ポイント悪化。
 
(2)上期決算の傾向と課題
受注案件数は前年同期比7件減の708件。前年同期は節電を含めた震災関連や東京モーターショーといった大型案件があったが、この上期は大型案件が少なく、1億円以上の案件受注が4件と前年同期に比べて3件減少。1,000万円以下の案件も減少(549件→539件)したが、提案営業の成果もあり2,000万円〜5,000万円の案件取り込みが進んだ(受注件数:59件→68件)。
一方、引合形態別では、提案案件が前年同期の119件(9億39百万円)から139件(9億24百万円)に増加したものの、競合案件(85件→72件)や指定案件(511件→497件)が減少。もっとも、指定案件数は減少したものの高水準を維持しており、従来、100件程度あった競合案件の減少が目に付いた。また、この上期は865件(前年同期1,063件)の提案を行い、278件(同337件)の受注を得た。この結果、勝率は前年同期を若干下回ったものの、32.1%と高水準を維持した(前年同期31.7%)。
大型の競合案件への積極的な参加と提案営業の一層の強化(提案件数の増加)が売上増に向けた課題となっている。
 
 
 
 
 
「広報」は自動車(大型新車発表会)案件の寄与等で伸長。一方、「販促」はトイレタリー、商業施設、携帯案件が減少した。
 
(3)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
 
上期末の総資産は前期末比9億61百万円減の84億28百万円。借方では、ファクタリングの減少で未収入金が減少(前期末は大型案件のファクタリング債権があった)。貸方では、支払が進んだ仕入債務や法人税等が減少した。この結果、自己資本比率は62.7%と同7.4ポイント改善した。
 
 
未収入金が減少した事等で営業CFが大幅に改善し、前年同期は3億58百万円のマイナスだったフリーCFが5億43百万円の黒字に転換。配当金の増加(12/6期は1株当たり21円を32円に増配)で財務CFのマイナス幅が拡大したものの、現金及び現金同等物の上期末残高は17億19百万円と前期末比3億26百万円増加した(前年同期末比では2億39百万円の増加)。
 
 
2013年6月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前年同期比9.2%の減収、同15.9%の経常減益
上期業績が期初予想を上回ったものの、上期末の受注残(A/B/松の合計、下表参照)が前期末(49億55百万円)及び前年同期末の実績を下回る中、夏以降に顕在化した広告需要の減速が続いている事を踏まえて通期の業績予想に変更はなかった。新規の需要掘り起こし(質の良い竹/梅の獲得)と竹/梅案件の刈り取り(竹/梅のAB松への引き上げ)とにより通期業績予想の達成を目指している。
配当は1株当たり年28円を予定(上期末14円、下期末14円)。
 
 
A :イベントの規模(金額)、実施時期等が決定している案件
B :金額、実施時期等に不確定要素のある案件
:ほぼ受注する見込みにある案件(80%以上の確度)
:企画競合案件のうち、受注する確度の高い案件(50%以上の確度)
:企画競合案件のうち、受注する確度が50%未満の要件
 
(2)今後の対策
リソースの強化により企画力・営業力・制作力の向上を図ると共に、差別化に向けTOWオリジナル商品(コンテンツ・メディア等)の開発に取組んでいく。
 
.螢宗璽垢龍化
専門領域からの中途採用と人材育成を並行して進めており、前者においては、昨夏以降、中国出身でバイリンガルな若手社員を1名採用した(2人目)。また、今春10名の新卒採用を予定しており、11名の内定者を確保した。
一方、後者においては、53名を対象に「チームビルディング」と「提案営業」をテーマにした外部講師によるゲーミフィケイション型の研修を実施した他、若手の制作基礎力の強化を念頭に“TOW版トータルプロモーション手引書”を作成し、研修と試験を実施した。
 
TOWオリジナル商品(コンテンツ・メディア等)開発
イベント演出・映像制作等を手掛ける子会社(株)ソイルが商品開発プロジェクトをスタートさせており、第一弾となるタブレットPCを活用した移動式媒体「デジ・サンド」の開発を完了した。「デジ・サンド」は、同期連動により2台以上のタブレットでインタラクティブなアクションが可能で、また、内蔵バッテリで駆動するため場所を選ばない(集客アップ等を目的に街中を練り歩く事も可能)。また、QRコード表示によるスマートフォンアプリへの展開やスマートフォン操作による外部からのコントロールが可能な上、ワイヤレス・ネットワークを介して街頭ビジョンや常設モニターと連動させる事もできる。今後、「デジ・サンド」に続くオリジナル商品を年間数本ペースで開発していく計画。
 
「タブレットPCを活用した移動式媒体「デジ・サンド」
 
また、慶應義塾大学 環境情報学部 筧 康明准教授との官民共同開発プロジェクトも始動しており、プロモーション施策に活用する体感システムとして、生活動線やタッチポイントにて人の五感を通じて新しい体験を生み出す装置やツール、或いは、イベント参加者の感情を感知し、イベントの効果を測るシステム等の開発が検討されている。
 
この他、サンプリングルートのメディア化にも取組んでおり(スペースの媒体化)、日本最大手の貸会議室を運用している(株)ティーケーピーと提携。オフィスシーンへの入り込みを狙う商品やビジネスマン等をターゲットにした商品の開発を念頭に的確なサンプリングを求めるクライアントを対象にした安価で効果的なパッケージメニューを独自に開発した。年間パッケージ化する事で、効率的なサンプリング業務の受注につなげていきたい考え。尚、(株)ティーケーピーは、伊藤忠商事グループ、(株)三井住友銀行、住友商事(株)等の出資の下、企業向け総合アウトソーシング事業を手掛けており、直営貸会議室数(1,057室、72,545席)で日本No.1。74,628社の会員企業を擁し、月間利用社数8,275社の実績を有する(東京エリアだけで月間30万人の利用者数)。
 
 
今後の注目点
足元の受注環境は厳しいようだが、株式市場の活況や過度な円高の修正は消費者マインドの回復を促し、企業の販促意欲を刺激する。実際、同社業績への影響が大きい自動車業界では、トヨタ自動車が13年の国内販売の見通しを引き上げており、新たな販促ニーズの顕在化が期待される。ちなみに、トヨタ自動車では、当初、エコカー補助金終了の影響で新車販売が減速するとみていたが、昨年末に全面改良した高級セダン「クラウン」や小型ハイブリッド車「アクア」等が好調に推移していると言う。広告業界は経済活動の活発化が素直に反映される業界であり、同社グループの事業領域であるプロモーション領域も同様。リソースの強化、領域の拡大と専門力&提案力の強化、更には収益管理の強化といった取り組みの成果と共に注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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