ブリッジレポート
(8912:東証マザーズ) エリアクエスト 企業HP
清原 雅人 社長
清原 雅人 社長

【ブリッジレポート vol.8】2013年6月期第3四半期業績レポート
取材概要「利益体質が定着してきた事がはっきりと確認できた。四半期ベースの売上高が2億円を超えてくると、収益の安定性が格段に増してくる事も良くわか・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年5月28日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社エリアクエスト
社長
清原 雅人
所在地
東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー7階
事業内容
ビルテナント誘致が主力。借り主への店舗開発提案も。関東圏基盤に、ネット配信でも顧客開拓
決算期
6月 末日
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年6月 646 4 5 19
2011年6月 595 -45 -43 -50
2010年6月 735 12 14 3
2009年6月 879 -182 -179 -381
2008年6月 1,015 -311 -307 -556
2007年6月 1,530 -95 -94 -118
2006年6月 1,580 18 18 -139
2005年6月 2,091 240 236 189
株式情報(5/15現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
192円 20,997,100株 4,031百万円 4.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 1.36円 141.2倍 21.63円 8.9倍
※株価は5/15終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
エリアクエストの2013年6月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
“ビルコンシェルジェ”を標榜。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の駅前商業地において、テナント誘致及び店舗・オフィス紹介等の「成功報酬型ビジネス」と、サブリースを含むビル管理及びメンテナンス(清掃、設備保守、警備管理等)や売買仲介を含む契約更新・契約管理のストック収入型ビジネスを展開。テナント誘致等を手掛ける(株)エリアクエスト店舗&オフィス及びビル管理等の(株)エリアクエスト不動産コンサルティングの連結子会社2社と共にグループを形成しており、同社自身はグループのマネジメントが中心。
 
【沿革】
現在代表取締役社長を務める清原雅人氏が野村證券(株)を経て起業。2000年1月にエリアリンク(株)として本格的なスタートを切った(01年3月、現商号に変更)。データベースマーケティングを駆使した営業力を武器にテナント誘致を中心とした成功報酬型ビジネスを急拡大させ03年2月に東証マザーズに株式を上場。その後も順調に業績を拡大させたが、米国での不動産市況の変調が国内にも波及し事業環境が一変。06/6期は前期の収益を押し上げた不動産売買が無くなった事とテナント誘致に伴う仲介手数料収入(成功報酬型収入)の減少で営業利益が急減。繰延税金資産の取り崩しもあり、1.4億円弱の最終赤字に転落した。
 
07/6期以降はグループをあげてのコスト削減に取り組むと共に構造改革に着手。テナント誘致を中心にした成功報酬型収入に依存する収益構造からストック型収入を中心とし安定成長が可能な収益構造への転換を進めた。ただ、リーマン・ショック後の世界的な不況が企業業績を直撃しオフィス需要の低迷が深刻化、09/6期にかけては成功報酬型収入の減少に歯止めがかからず、3期連続の営業赤字を計上。営業投資有価証券や投資有価証券の評価損・売却損等の計上で最終赤字も膨らんだ。
 
10/6期も成功報酬型収入の減少が続いたが、コスト削減が進んだ事と契約更新・契約管理・メンテナンス等のストック型収入が下支えとなり4期ぶりに営業損益が黒字転換。投資業務からの撤退も完了した。ただ、11/6期は景気低迷による企業活動の低下に加え、東日本大震災の影響で年度末にかけての契約も進まず成功報酬型収入が落ち込む中、コスト削減効果の顕在化の遅れで再び営業赤字となった。しかし、ストック型収入が着実に増加しており、顕在化が遅れているものの固定費を中心にしたコスト削減も進展、黒字体質定着への道筋が見えてきた。
 
 
【成長戦略】
(1)ストック収入型ビジネスと成功報酬型ビジネスを両輪に安定成長を目指す
会社設立から3年で東証マザーズに上場した同社だが、当時はトラブル防止・解決やテナントとの各種折衝を含めたテナント誘致等(現在の成功報酬型ビジネス)が売上のほぼ100%を占めており、ストック収入型ビジネスとして、現在、力を入れているビル管理・サブリースや更新及び契約管理(現在のストック収入型ビジネス)は積極的な営業を行っていなかった。しかし、06/6期以降、事業環境の変化で成功報酬型ビジネスが急激にシュリンクした反省を踏まえて、景気の影響を受け難いストック収入型ビジネスの育成に取り組んだ。
ストックの積み上げは根気のいる作業だが、ストック収入型ビジネスの売上が順調に拡大しており、12/6期に連結ベースの営業損益が黒字転換する原動力となった。
 
 
(2)同社サービスの強みと今後の展開− Only Oneのサービスでストック収入型ビジネスを強化 −
足元、順調なストック収入型ビジネスだが、事業拡大の起点となったのが11/6期下期に導入した「パノラマクリーニング」である。今後は、「トラブル(カギ、水漏れ、ガラス)への迅速対応」、「賃貸借変更」、及び「テナント誘致」、をワンストップで提供する「ビルコンシェルジェ」サービスを提供する事でサービスの付加価値を高め、ストック収入型ビジネスの拡大ピッチを加速させていく考え。
 
「ビル管理はうちが一番です。誰にも負けないと思っています。」
掃除をさせたら日本一! 顧客本位のサービスが評価され新規開拓が進展
ストック収入型ビジネス強化のポイントは、一にも二にも「掃除」に力を入れる事。そのバイブル的な存在となっているのが、「パノラマクリーニング」である。「パノラマクリーニング」は、清原社長が実際に提供されている掃除サービスの現場を見て感じた課題を解決するべくまとめあげたもので、パノラマスケッチ、項目指示書、抜打ちチェック、月次報告書が1セットになっている。
わかりやすい指示書と定期的な結果報告を特長とするパノラマクリーニングは清掃作業員の作業効率化と作業品質の向上につながったため、顧客からの評価が高まり、ひいては紹介案件の増加にもつながった。このため、導入から1年程度で月間350〜400百万円の粗利を確保できるようになり、11/6期には45百万円の損失だった連結ベースの営業損益が導入2年目の12/6期には4百万円の利益に転じた。
 
 
また、清掃業務を受託すると、ビルオーナー等が頭を悩ませる共用部のチェックと改善のためのテナントとの折衝も併せてサービスするのが同社のビル管理の特徴。これにより、ビルオーナー等のテナント管理も容易になり、「パノラマクリーニング」による定期的な業務報告と相まって信頼を勝ち得ていった。ちなみに、従来は管理を任された物件の大半は仲介を世話した物件だったが、現在、年間50〜60件に及ぶ新規管理物件のうちの80%程度が仲介取引のない物件であると言う。近年の実績が評価され、ビルオーナー等の間で同社の知名度が着実に向上しているようだ。
 
 
Only Oneのサービス “ビルコンシェルジェ”で差別化・高付加価値化
13/6期からは、「トラブル(カギ、水漏れ、ガラス)への迅速対応」、「賃貸借変更」、及び「テナント誘致」、をワンストップで提供する “ビルコンシェルジェ” サービスの展開を開始した。
80年代後半から90年代初めにかけてのバブル期に竣工したビルが20年を経過し、エアコンの故障や水漏れ等、トラブルが増えてくる築年数に入ってきた。しかし、「こうしたトラブルに対して、リーズナブルな価格ですぐに対応してくれるサービス会社が少ない」と言うのがビルオーナー等の共通の悩み。同社はこうしたオーナーニーズに応えるべく、作業内容を統一・マニュアル化すると共に、実際にサービスを提供する協力会社の整備を進めてきた。具体的には、トラブルの多い水回り、電気、ガス、空調等、連絡を受けてから平均6時間以内に出動して対応すると共に、24時間以内に、写真、原因究明、改善策、見積もりを提出する。一連のサービスを「ビルコンシェルジェ」としてブランディングし、12年8月に営業を強化したところ顧客の反応は極めて良好で、13/6期上期は10百万円程度の利益を計上。来14/6期通期の利益貢献は34百万円程度(約24百万円増)に拡大する見込み。
 
 
また、建て替えに備えて借家契約を定期借家契約へ変更する必要があるビル等で、ビルオーナー等に代わって、テナントとの交渉を代行する「賃貸借変更」(既得権が強いだけに、この交渉が実に難しい)や「テナント誘致」(ライバルよりも早く、かつ高い賃料で誘致)等のサービスを、「トラブル(カギ、水漏れ、ガラス)への迅速対応」と共に総合的に提供する事で、不動産会社やビルメンテナンス会社との差別化を図っている(同社は上記のサービスを総合的に提供できるOnly Oneの企業である)。
 
(3)早期の最高益更新を目指して(05/6期 営業利益2億40百万円、経常利益2億36百万円)
13/6期は新規開拓が想定以上に進んでおり、また、第3四半期には大型案件の受注にも成功した。一部は今期の業績にも寄与するが、本格的な寄与は来14/6期からで、通期で82百万円強、売上総利益を押し上げる。これを既存案件の利益と合算すると、14/6期の経常利益は1億円程度になる見込みだ(13/6期予想は45百万円)。
 
「見込み」としたが、既に契約締結済みのため、ほぼ確定値と考えてよく、現在の営業活動はもっぱら15/6期に向けたものとなっている。14/6期に、ここ数年の実績である年間50〜60件の新規開拓ができれば、15/6期の売上総利益を54百万円程度押し上げ(13/6期は大型案件の獲得に成功したため、通期売上総利益換算で82百万円強の契約を獲得)、この他、“ビルコンシェルジェ” の寄与(24百万円程度の売上総利益押し上げ要因)や人員増強効果(36百万円度の売上総利益押し上げ要因)も期待できる。そして、これらを14/6期までに積み上げた収益と合わせると、人員増による人件費や諸経費の増加を織り込んでも経常利益は2億円を超える見込み。
 
成功報酬型ビジネスの再強化で成長加速
また、今後の収益見通しには織り込まれていないが、改めて成功報酬型ビジネスにも力を入れ、ストック収入型ビジネスと車の両輪として収益拡大を加速させていく考え(この一環として、13/6期に2名を中途採用)。ピーク時には10億円を超えた成功報酬型ビジネスの売上だが、現在は3億円程度。同社は5億円台への回復を当面の目標としており、収益性の高い事業だけに目標が達成できれば利益面でのインパクトも大きい。
 
 
<参考:財務体質も着実に改善>
ストック収入型ビジネスの拡大による利益とキャッシュ・フロー(CF)の増加でキャッシュ・ポジションも確実に改善しており、有利子負債がピークの40億13百万円(04/6期末)から20百万円(13/6期第3四半期末)に減少する中で、現預金は12/6期を底に増加に転じている。ストック収入型ビジネスの拡大による長期預り保証金の増加(12/6期末:56百万円→13/6期第3四半期末:1億96百万円)もCF増加の一因で、現在、同社は実質無借金経営である。
 
 
 
2013年6月期第3四半期決算
 
 
黒字体質の定着転換
不動産業界は、空室率が改善傾向にあるものの、賃料水準が依然として弱含みで推移する等、厳しい事業環境が続いている。こうした中、同社は、12/6期第3四半期以降、前四半期比・前年同期比で増収を続けており、安定的に利益も計上。売上・利益の両面で成功報酬型ビジネスの減少をストック収入型ビジネスの増加で吸収できる収益体質が定着してきたと言える。
 
また、12年7月に交通の便の良い新宿アイランドタワーに本社機能を移転し、夏以降、人材採用を強化した。この結果、来春卒業予定の9名に採用の内定を出した他、成功報酬型ビジネス強化に向け経験者2名を中途採用し、来期以降の収益拡大に向けた布石も打った。
 
 
 
 
ストック収入型ビジネスの拡大による利益の増加とキャッシュ・フローの改善で第3四半期末の総資産は8億19百万円と前期末比2億25百万円増加した。借方では、現預金が増加した他、本社機能の移転(12年7月に新宿アイランドタワーに移転)で有形固定資産が、サブリース物件数の増加に伴う敷金及び保証金の増加で投資その他が、それぞれ増加。貸方では、長期預り保証金(ストック収入型ビジネスの拡大を反映)や純資産が増加した。自己資本比率は58.6%。
 
 
2013年6月期業績予想
 
 
上方修正された通期予想は前期比24.2%の増収、同656.1%の経常増益
「ストック型収入の売上拡大による売上構造改革が予想以上に進み、安定した収益の確保が見込める見通しである」として、売上高、営業利益、経常利益及び当期純利益の予想を上方修正した。本社機能の移転や人材採用等、先行投資負担を吸収して前期は5百万円にとどまった経常利益が45百万円に拡大する見込み。
 
 
今後の注目点
利益体質が定着してきた事がはっきりと確認できた。四半期ベースの売上高が2億円を超えてくると、収益の安定性が格段に増してくる事も良くわかった。また、既にその兆候が現れつつあるが、本来、キャッシュ・フローの良いビジネスであるだけに、今後、財務内容も加速度的に改善していくものと思われる。これらの事から、13/6期はビジネス基盤の再構が一段落する期と位置づける事ができ、そして来期は成長軌道への回帰に向けた新たなステージに立つ。具体的には、成功報酬型ビジネスの再強化であり、それはアイドリング状態に近かったもう一つのエンジンのギヤを入れる事だ。「安定収益源となるストック収入型ビジネスの継続的な成長と共に、成功報酬型ビジネスで収益の更なる上積みを図る」と言う理想系の収益体質構築に向けた取り組みが始まる。このため、清原社長はこれからもトップセールスで走り続ける考えだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2128)ノバレーゼ vol.10 | ブリッジレポート:(8848)レオパレス21 vol.3»

ブリッジレポート(バックナンバー)
最新のブリッジサロン動画
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE