ブリッジレポート
(2483:JASDAQ) 翻訳センター 企業HP
東 郁男 社長
東 郁男 社長

【ブリッジレポート vol.1】2013年3月期業績レポート
取材概要「同社は、第二次中期経営計画の最終年度2015年3月期目標を、「売上高100億円、営業利益7億円」としている。2014年3月期予想が「売上高88億円・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年6月11日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社翻訳センター
社長
東 郁男
所在地
大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪御堂筋ビル
事業内容
日本最大規模の翻訳会社。特許、医薬、工業、金融の4分野を中心とした企業向け産業翻訳が軸。M&Aにより、通訳、国際会議企画・運営、翻訳者・通訳者派遣にも進出。
決算期
3月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年3月 5,536 440 439 227
2011年3月 4,756 279 270 139
2010年3月 4,239 236 239 105
株式情報(6/4現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,100円 1,684,500株 5,221百万円 9.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
45.00円 1.5% 142.40円 21.8倍 1,459.64円 2.1倍
※株価は6/4終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期実績。
 
JASDAQ上場の(株)翻訳センターの会社概要、2013年3月期決算概要、2014年3月期業績見通しについて、ブリッジレポートにてご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
※(株)アイ・エス・エスは子会社として(株)アイ・エス・エス・インスティテュートおよび(株)アイ・エス・エス・コンサルティングを有しており、これら3社を総称して、以下ISSと表記する。
 
会社概要
 
翻訳業界の国内最大手で唯一の上場企業。特許、医薬、工業、金融分野において、産業翻訳と呼ばれる技術文書やビジネス文書の翻訳を行う。語学力、専門性、文章力に優れた約5,600名の登録翻訳者を有する。高い品質と専門性、対応言語約70言語という幅広さが特徴。M&Aによって、通訳も含めた言語サービスにおける事業領域の拡大を図る。
 
【沿革】
江戸時代から薬の町として有名な大阪・道修町(どしょうまち)で、医薬専門の翻訳サービスを提供するために設立された(株)メディカル翻訳センターが前身。その後、特許などへ翻訳業務の範囲を広げる過程で東京、大阪、名古屋に設立した数社を整理・統合して1997年8月に(株)翻訳センターとなる。2006年株式上場後、海外へも進出。2012年9月に通訳、国際会議企画・運営、人材派遣で実績を持つISSを子会社化。
 
 
【社長プロフィール】
東 郁男社長は1961年7月15日生まれ。
1992年8月同社入社後、1997年8月取締役就任。2001年9月に創業者からバトンを引き継ぎ、代表取締役に就任し、2006年の株式上場の指揮を執る。
 
【企業理念・経営方針】
 
【市場環境】
翻訳ビジネスは大きく分けて、「産業翻訳」、「出版翻訳」、「映像翻訳」があるが、同社の中心的な事業は、企業や官公庁で発生する技術文書、ビジネス文書の翻訳のことを指す「産業翻訳」と言われる分野。
日常生活においては出版翻訳や映像翻訳を目にすることが多いが、年間2,000億円といわれる日本の翻訳市場において、産業翻訳は90%と圧倒的な大半を占めている。
一般社団法人日本翻訳連盟によると、国内には約2,000社の翻訳会社・事業者があるが、売上高53億円(単体、2013年3月期)の同社の以下は、10位で売上高数億円程度と、小規模事業者が大多数の業界となっている。
 
 
日本企業の活動のグローバル化が進むにつれて、翻訳ニーズは益々拡大するものと予想されている。
高速鉄道、プラント設備・装置技術、水道など日本企業による現地インフラ事業の受注拡大。
震災、洪水などの教訓からリスク分散に伴う生産拠点の多極化。
医療分野が成長戦略の重要な柱の一つと位置付けられており、研究の進展、新薬の開発、日本製医療用機器の輸出拡大
所謂「クールジャパン」戦略に基づいた、コンテンツ、製品・サービスの輸出拡大や、来日誘致策の積極化
 
海外に目を向けてみると、アメリカの調査会社コモンセンスアドバイザリー社発表による2012年の世界の語学サービス会社の売上高ランキングにおいて、同社は世界で12位、アジア地域では1位にランクインされた。
同社レポートによると、世界の翻訳市場は約2兆3,500億円と、日本市場の10倍以上にあたる巨大市場が形成されている。当然競争も激しい事は予想されるが、同社は事業拡大のため、新規領域への取組も開始しており、将来的には世界トップ10入りを目指している。
 
 
 
【事業内容】
特許、医薬、工業、金融など、専門性の高い事業分野における産業翻訳を行っている。
産業翻訳の具体例としては、以下の様なものが挙げられる。
デジタル機器等における複数言語で書かれている取扱説明書
海外生産工場での機械の仕様書や現地従業員向けの作業マニュアル
現地会社で使う規程類などの人事労務資料
ソーシャルゲームを含めた各種ゲームやアニメ、マンガなどのコンテンツ類
日本国あるいは外国へ特許出願する際の特許明細書
日本国あるいは外国で医薬品の承認申請を取得するための資料
決算短信などのディスクロージャー関連資料
 
現在の顧客数は約3,500社。9割が法人顧客。
売上ベースで対応言語の80%が英語で、中国語6%、独・仏が数%と続くが、近年、東南アジア言語の翻訳依頼が増えている。
現在、約70言語に対応している。
 
◎ビジネスモデル
翻訳作業は、同社に登録している5,635名(2013年3月期。子会社ISSを含むグループ連結のべ人数)が行う。質の高い翻訳者をどれだけ確保できるかが事業拡大の上で大きなポイントとなる。
そのために、登録の際トライアルというテストを実施し、語学力のみでなく、技術知識など専門性や文章力、スピードも評価して一定以上の能力を有した翻訳者のみと契約している。合格率は約40%ということだが、一次審査として書類審査も行っていることから、実際の合格率はもっと低く、狭き門となっている。
登録翻訳の確保が重要な経営課題と認識しているが、実際のところは、翻訳者の数がボトルネックになった事はないということで、安定的に仕事を発注できる同社の事業規模の大きさもあり、登録者数は順調に拡大している。
同社の売上原価のほぼ大半が登録翻訳者への支払報酬で、原則的に「対応言語 1ワードあるいは1文字」当たりの従量制となっている。
 
業務フローを示したのが以下の図だが、同社が安定的に利益を生み出すためには以下の2点が最も重要であり、そのために様々なシステムを導入している。
 
 
①翻訳者の選定
品質確保のためには、顧客から依頼された原稿の内容に適した翻訳者を言語、専門性、スピード、発注単価などを加味して選定しなければならない。
この選定でミスをすると、納品までの後工程に支障をきたし、収益低下につながる。
 
同社では基幹業務システム「SOLA」を使用し、常に適切な選定が行う事が出来るような体制を構築している。
「SOLA」は、2003年4月に導入した、案件の受注から納品、回収までを一括管理する同社独自開発の基幹業務システムで、販売管理だけでなく、登録者に関する、専門分野、過去の実績、スケジュール等、詳細なデータが蓄積されている。
コーディネーターと呼ばれる社内の担当者が、このデータベースを用いて適切な翻訳者を選定する。「SOLA」を使うことでコーディネーターの属人的な経験などに頼らずに適切な翻訳者の選定を行う事が出来る。
 
②翻訳のスピードアップ及び品質チェック
顧客に納品する前に必要な校正作業は社内の校正スタッフ、ネイティブスタッフなど、専門スタッフが行っている。また、翻訳作業をより確実かつスピーディーに行えるよう、自社開発の「HC TraTool」を始めとした翻訳支援ツールを使用している。
 
 
従来の手作業による翻訳では、大量の原稿の重複箇所の表現統一を手作業で処理しており、業務の精度を高めるためには、多くの人手を投入するなど、効率的ではなかった。
この問題を解決するために同社は、翻訳支援ツール「HC TraTool」を開発し、2010年4月から本格導入した。これは、重複箇所の表現統一を機械的に処理するもので、ツール導入により、翻訳作業に関わる人出を減らし、より速く正確に行うことが可能となった。
 
◎事業セグメント
翻訳事業が売上、利益の大半を占める。なおISSの子会社化に伴い、セグメントの区分を変更している。
 
 
特許分野、医薬分野、工業分野、金融分野からなる。
 
①特許分野
主に、特許事務所および各種メーカーの知的財産関連部署を顧客とした、電気、電子、機械、自動車、半導体、情報通信、化学、医薬、バイオ分野における、外国出願ならびに日本出願等に伴う特許出願明細書、特許公報等の翻訳を行っている。
 
②医薬分野
主に、製薬会社を顧客とした、新薬等医薬品開発段階での試験実施計画書、試験報告書、医薬品の市販後の副作用症例報告、学術論文、および、医薬品・医療機器類の導入や導出に伴う厚生労働省、米国FDA(食品医薬品局)等への申請関連資料等の翻訳、医療機器メーカーを顧客としたマニュアルの翻訳や化学品、農薬関連の翻訳も行っている。
 
③工業分野
主に、自動車、電気機器、機械、半導体、情報通信関連の輸出・輸入メーカーを顧客とした、技術仕様書、規格書、取扱説明書、品質管理関連資料の翻訳、メディアコンテンツ類の翻訳も行っている。
 
④金融分野
主に、銀行・証券会社・保険会社等金融機関を顧客とした、市場分析レポート、企業業績・財務分析関連資料、運用報告関連資料、人事関連資料、マーケティング関連資料、報告書等の翻訳、また、各種メーカー等を顧客とした、株主総会招集通知やアニュアルレポート、有価証券報告書等のディスクロージャー関連資料の翻訳、会社案内・法律関連文書、人事規程等の翻訳も行っている。
 
 
顧客企業内において機密保持上、社外に持ち出せない文書類などの翻訳業務を行う翻訳者派遣を行っているほか、会議、商談、工場見学等の通訳業務を行う通訳者の派遣、外資系企業をメインターゲットとした人材紹介業務も行っている。
 
 
会議、商談、工場見学などの通訳業務(請負契約)、国際会議企画・運営、通訳者・翻訳者の育成の他、外国出願用の特許明細書の作成業務などを行っている。
 
 
特徴と強み
 
翻訳業界最大手で唯一の上場企業である同社は、以下の様な強みや特徴を有している。
 
◎専門性
特許、医薬、工業、金融の4分野において高い専門性を有している。
言語としての専門性はもちろんだが、外国特許出願に際しての出願書類の作成も手掛けるのに加えて、本業である翻訳も行う等、その業界に関する高い専門性と翻訳に付随した付加価値サービスを展開している。
近年様々な機械翻訳サービスがWEBを通じて提供されるようになっては来ているが、現在のところ、同社が手掛けるレベルの産業翻訳で使用に耐えられるものではなく、今後も顧客が要求する専門性と言う観点からすれば普及、浸透には相当な時間と開発コストが必要になるのではないかと思われる。
 
◎総合力
目指す姿として「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジェ」という経営ビジョンを掲げて、2012年9月に通訳業界で大きな実績をもつISSを買収した。
また、対応言語数が70言語という幅広さ、前述の外国特許出願時におけるワンストップ・サービスなど、守備範囲の広さが大きな競争優位性に繋がっている。
 
 
2013年3月期決算概要
 
 
ISS子会社化で増収も、先行投資的人件費増で減益
売上高は前期比3割増の72億円。2012年9月に子会社化したISSの売上高(7か月分)が寄与したほか、翻訳事業も特許分野中心に好調だった。
利益面では「HC TraTool」を含む翻訳支援ツールの積極利用により、単体の粗利率が0.7ポイント改善して売上高総利益も大きく伸びたものの、今後の成長を見据えた積極的な人材採用等により販売管理費が前期比約8億円増加したため、営業利益以下は減益となった。
 
 
<翻訳事業>
4分野すべてが過去最高の売上高となった。
 
<特許>
電気関連の出願用明細書の翻訳が大幅受注増となったほか、企業の知財関連部署との取引が拡大した。
 
<医薬>
複数の大手製薬会社との年間契約案件を獲得することができたことに加え、製薬会社・医療機器関連企業からの安定受注があった。
 
<工業>
自動車関連企業からの受注が増加したことに加え、エネルギー関連の受注が拡大した。
 
<金融>
金融機関からの受注が低迷し、IR関連資料の受注も減少したが、人事、総務、経理、財務といった企業の管理関連部署へのアプローチを強化したことで案件を獲得できた。
 
 
ISSの子会社化による、売上債権の増加やのれんの増加などで、資産は約4億円増加した。
負債面では、同じく子会社化により仕入債務、未払金が増加したほか、退職給付引当金も増加したため負債合計は2.3億円増加。純資産は1.5億円の増加となった結果、自己資本比率は前期に比べ2.7ポイント低下の64.3%となった。
 
営業CF、フリーCFとも超過額が拡大したが、短期借入金を返済したため財務CFのマイナス幅が拡大し、キャッシュポジションは若干低下した。
 
 
2014年3月期通期業績予想
 
 
ISSの業績が通期でフルに寄与し、2ケタの増収・増益
前期は7か月分の反映だったISSの業績寄与が今期は通期でフル寄与することに加え、主力の翻訳事業も堅調な伸びを見込み、売上高は前期比21.0%増加の88億円。東京本部の移転増床にかかる一時的費用増など販管費は売上の伸びを上回るものの、翻訳支援ツールの使用率向上により粗利率は1.3%上昇し経費増を吸収。営業利益、経常利益も2ケタの増加。
 
 
ISSの業績を通期で取り込むことにより派遣事業、その他事業が大きな伸び。翻訳事業も関連部署への営業強化などで堅調に拡大。
 
 
第二次中期経営計画について
 
同社は現在2015年3月期を最終年度とする3年間の第二次中期経営計画を進めている。
計画の概要及び取り組みについてまとめてみた。
 
1.経営ビジョンと基本方針
 
<経営ビジョン>
「すべての企業を世界につなぐ言葉のコンシェルジュ」
 
翻訳に留まらずに顧客企業の言葉に関するニーズに対応することが自社の使命と考えた。
 
<基本方針>
 峪業領域の拡大」
言葉に関する様々なニーズに対応できるよう事業領域の拡大を図る。
 
◆崗霾鵝Ψ亳海僚弧鵑罰萢僉
積み重ねてきた情報資産を活用するためにITを駆使し、付加価値の高いサービスが提供できる体制を整備する。
 
「お客様の期待を上回るサービス品質」
常にお客様の視点から解決策を明確にし、組織力を活かして、高いサービス品質を実現する。
 
2.重点施策
 
基本方針を実現するために以下の3つの重点施策を推進していく。
 
■ISS子会社化による事業領域の拡大
2012年9月に子会社化した(株)アイ・エス・エスは、1965年に設立、1966年に日本で初めての同時通訳者養成学校を設立した歴史と実績のある会社。通訳事業、国際会議企画・運営事業、通訳者・翻訳者養成事業、グローバル人材サービス事業において、長い歴史と確かなブランドを築いている。
翻訳に加え、通訳を事業ドメインに加えることで、言葉に関するサービスに関する多様化と収益の拡大を目指す。
 
具体的には、両社による共同クロスセールスを行う。翻訳センターの翻訳サービスの取引先部署は、技術関連部署が多い一方、ISSは管理関連部署が多い。そこで既に翻訳センターの顧客企業の管理関連部署にISSが、ISSの顧客企業の技術関連部署に翻訳センターがセールスを行い売上の拡大を狙う。
 
■専門性の強化
顧客に提供する付加価値を高めるため、同社の強みである専門性を更に強化する。具体的な施策は以下の3点。
 
【ローカライゼーション事業への本格参入】
国内翻訳市場 約2,000億円の内、最大の分野はコンピュータ分野の約600億円(3ページ「翻訳取扱分野構成」を参照)。
これまで同社はコンピュータ分野への開拓が必ずしも十分にできていなかったが、海外の翻訳会社と競争するためには総合翻訳会社としてコンピュータ分野への参入が不可欠と判断し、2013年3月期に専門部署を設立し、コンピュータ分野に本格参入した(翻訳業界では、ITソフトウェアなどコンピュータに関する翻訳を、ローカライズという)。
具体的にはITソフトウェアなどコンピュータ分野におけるマニュアルの翻訳が中心となる。コンピュータ分野を強化するため、2013年6月1日付で(株)アイタスから翻訳事業の一部譲渡を受け強化を図る予定。
 
【外国出願支援業務の増強】
顧客企業が海外で特許を出願する際のプロセスについて、出願書類の作成から、その翻訳、出願手続きまで一気通貫で支援する。同社の特許部門と外国出願支援専門の子会社である(株)外国出願支援サービスが一体となって、特許分野の事業拡大を図る。
 
【メディカルライティング事業の強化】
これも、翻訳のみに留まらず、製薬会社における開発部門との関係を強化し、申請書類の作成も引き受けることで受注拡大を図る。社内リソースを集約した専門チームを設置し、さらに体制を強化する。
 
■翻訳制作体制の増強
前述の「HC TraTool」を含めた翻訳支援ツールをより積極的に活用し、品質の安定と向上を図る。翻訳支援ツールの使用率のさらなる増加を目標に掲げる。
 
また他にも、
翻訳者の評価システムの再構築
制作工程の標準化
基幹業務システム「SOLA」の機能を強化した次世代システムの構築
等に着手し、「翻訳品質の安定・向上」と「業務効率化」の両立を目指している。
 
これらの取り組みを進め、経営ビジョンにある「言葉のコンシェルジェ」を目指し、
 
既存事業の2ケタ成長維持とISS子会社による増収
既存事業の効率化と年率15%以上の利益成長
 
により、第二次中期経営計画の最終年度である2015年3月期「売上高 100億円、営業利益7億円」達成を目標としている。また、決算短信内の「目標とする経営指標」にあるように、「売上高総利益率50%、売上高営業利益率10%」の早期達成も目指している。
 
 
今後の注目点
同社は、第二次中期経営計画の最終年度2015年3月期目標を、「売上高100億円、営業利益7億円」としている。
2014年3月期予想が「売上高88億円、営業利益 4.7億円」であるから、売上高はともかくとして、営業利益は5割近い増益を達成する必要があるため、一部市場関係者からハードルの高さを指摘する声も聞かれるようだが、この点については、以下の点を留意しておく必要があるだろう。
 
まず同社の業績予想の傾向。
同社は2006年4月の上場以来、2007年3月期分から2014年3月期分まで8回の業績予想を行ってきたが、経常利益の期初予想と実績を比較してみると、2009年3月期と前2013年3月期は期初予想に届かなかったが、7回中5回は実績が期初予想を上回っており、比較的堅めの業績予想を行う傾向にあることが見て取れる。(平成19年3月期予想に関しては営業利益予想が開示されていなかったが、同社の場合、営業利益と経常利益に大きな差は無い。)
 
次に、今後の同社の取組みだ。
ISSの子会社化に伴い、ISSとのシナジー促進を最優先に掲げており、東京本部の増床移転計画を含めた業務効率化を進展させていく考えだ。
また、翻訳支援ツールの使用率引き上げ等、原価率改善の取組みも更に進めていく。
 
上述に加え、今期予想売上高営業利益率は5.3%と、上場以来最も低い数値となっていることも考慮すると、今期予想については上振れとなる余地もあるだろう。また、最終年度2015年3月期の予想売上高営業利益率は7%と、過去5年間の5.6%〜7.9%というレンジと比較して決して高い水準ではない点も指摘しておく。
長期的には、企業活動のグローバル化に伴い、同社活躍の場が拡大することは容易に想像できるし、現時点では国内においては大きな競合も想定できないことからフォローの風が続くものと思われる。
日本企業・日本経済のグローバル化を黒子となって支援する社会的存在意義の大きい同社の今後に期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2018 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(4317)レイ vol.29 | ブリッジレポート:(2435)シダー vol.23»

ブリッジレポート(バックナンバー)
最新のブリッジサロン動画
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE