ブリッジレポート
(3031:東証マザーズ) ラクーン 企業HP
小方 功 社長
小方 功 社長

【ブリッジレポート vol.25】2013年4月期業績レポート
取材概要「EC事業並びに売上債権保証事業の拡大が継続している。主力の「スーパーデリバリー」は、会員小売店の客数と客単価が拡大傾向にあり、更に出展企業・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年7月2日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ラクーン
社長
小方 功
所在地
東京都中央区日本橋蛎殻町一丁目 14 番 14 号
事業内容
ネットを利用した卸売業
決算期
4月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年4月 9,101 140 133 109
2011年4月 8,057 125 116 160
2010年4月 7,642 102 102 108
2009年4月 7,018 93 93 89
2008年4月 5,662 -158 -158 -160
2007年4月 3,334 -205 -203 -305
2006年4月 2,289 131 95 122
2005年4月 1,247 26 23 45
2004年4月 890 -56 -57 -58
2003年4月 621 -104 -105 -130
2002年4月 494 -192 -193 -200
2001年4月 204 -171 -175 -179
株式情報(6/17現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
402円 5,448,600株 2,190百万円 10.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 24.78円 16.22倍 246.54円 1.63倍
※株価は6/17終値。予想は会社予想の上限。2013年5月に1:300の株式分割を実施。
 
ラクーンの2013年4月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
中小企業間の取引を便利でスムーズに行うためのサービスを提供する企業として、インターネット上でBtoB(企業間電子商取引)市場である「スーパーデリバリー」というWebサイトを運営している。
「スーパーデリバリー」は、アパレル、雑貨を中心にメーカー、インポーター等(以下、出展企業)の取扱う商品を、全国の中小規模小売店(以下、会員小売店)に販売している。
 
また、2010年11月に売掛債権保証事業を行っている(株)トラスト&グロースを子会社化、これによって中小企業間決済事業を新たな事業ドメインと位置づけし、本格的に取組開始し。更に、2011年10月から、企業間取引を安心かつスムーズにする後払い決済サービス「Paid(ペイド)」の提供を開始している。
 
 
<事業内容>
(1)「EC事業」
「スーパーデリバリー」は、ファッション・雑貨向けの企業間取引(BtoB)サイトである。商品を販売する企業(以下、出展企業)が、「スーパーデリバリー」サイト上に出展、ショッピングモールのように並び、会員小売店と注文から出荷までのやり取りの他、商品についての問い合わせ対応を2社間で直接行い、商品代金の決済に関して同社を介して行う仕組みになっている。「スーパーデリバリー」を利用することにより、出展企業は、地方・中小小売店との取引上ネックだった決済機能、営業コスト、事務処理の手間を解消することが出来る。また、出展企業が許可した会員小売店にのみ卸値等の情報開示を行うため、ブランドイメージのコントロールが可能になっている。
一方、会員小売店は多様な旬の商品の仕入が可能になる。同社は受注・出荷のデータ処理と決済のみを担当するため、運営負担が少ない。債権回収リスクは同社が負うことになるが、信販・クレジット・保証会社を利用することでヘッジしている。小売店は月額2,000円の小売店会費を負担し、出展企業は月額4万円の出展基本料と「スーパーデリバリー」での取引金額の10%をシステム利用料として負担する。したがって会員小売店数、出展企業数が増加することが同社の売上総利益増につながる。また、会員小売店にとって商品の購入は「仕入」となるため、継続した取引となり、購入率、客単価がBtoCよりも高くなる。
 
「Paid」は、掛売りの請求書発行から代金回収まで全て代行するサービス。「Paid」を利用することで、バイヤーは全ての加盟企業と締め支払いで取引が可能となり、効率的にかつ運転資金にゆとりを持った取引が実現できる。サプライヤーは、登録するバイヤーと代金未回収のリスクや請求督促の手間なく決済ができ、効率的かつ安全で顧客に喜ばれる取引が可能となる。
 
(2)「売掛債権保証事業」
「売掛債権保証事業」は、11年4月期第3四半期から子会社化した(株)トラスト&グロースにおいて行っている事業である。「売掛債権保証事業」は、取引先が倒産した場合に、あらかじめ保証を掛けておけば、保証した売掛債権が支払い不能になった場合に、同社が予め設定した保証額を支払うサービス。審査に際して、取引先に対する直接的なヒアリングや取引先からの申し込みの必要はない。独自の与信判断により90%以上の高い承認率を実現。審査依頼から2営業目程度で回答がくるなど利便性も高い。
 
 
 
 
2013年4月期決算(連結)
 
 
前期比7.6%の増収、同32.4%の経常増益
売上高は前期比7.6%増の97.9億円。天候不順の影響を受けたもののEC事業及び、売上債権保証事業ともに増加。EC事業は、「送料おトク便」の提供開始や「Paid」の加盟企業とPaidメンバー獲得の増加が寄与し、売上債権保証事業は、営業強化による保証残高の増加が寄与した。
営業利益は同29.1%増の1.8億円。「Paid」や売上債権保証事業の先行投資継続により人件費が増加したものの、本社移転に伴う地代家賃の減少など経費のコントロールにより売上高販管費率が14.9%と前期比横ばいにとどまった。また、経常利益は有利子負債の減少による営業外費用の減少により同32.4%増となった。一方、当期純利益は本社移転費用(32.8百万円)やソフトウエアの減損損失(9.8百万円)などが影響し、同21.8%増と営業利益や経常利益の増益率に比べて見劣りした。
配当金は、1株当たり年間1,200円を実施(前期比200円の増配)。2013年5月に実施した株式分割(1:300)を考慮すると1株当たり年間4円。
 
 
EC事業 売上高94.9億円(前期比6.5%増)、セグメント利益125百万円(同33.7%増)
主力の「スーパーデリバリー」は、会員小売店の客数と客単価が拡大傾向にあり、更に、出展企業の販売額の拡大も継続している。1ショッピングカートの同時注文であれば複数の出展企業にまたがり商品を注文しても送料を一律にする「送料おトク便」の提供開始が販売額増加につながっている。同社のサイトへ出展している約1000社の内、約220〜230社が既に「送料おトク便」に加入している模様。また「Paid」は、加盟企業とPaidメンバーの獲得を注力するとともに、「Paidカート連携サービス」導入のための業務提携を企業間取引や卸売サイトの運営会社に対して行っている。
 
 
 
 
売上債権保証事業 売上高2.9億円(前期比55.2%増)、セグメント利益35百万円(同17.3%増)
保証残高の拡大を受け、売上は急拡大しているが、先行投資局面にあり営業を中心に積極的に人員を増加させていることから人件費がアップし、売上ほどセグメント利益は増加していない。より分かりやすい内容の商品へ絞り込み、今後更に営業を強化する方針。
 
 
 
「Paid」や売上債権保証事業の先行投資継続により人件費や販売促進費が増加したものの、本社移転に伴う地代家賃の減少など経費のコントロールにより売上高販管費率が14.9%と前期比横ばいにとどまった。
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
期末の総資産は前期末比2.0億円増の28.3億円。フリーCFを活用し有利子負債の削減を進めたものの、売上の増加により、売上債権、仕入債務を中心に増加。期末の自己資本比率は、47.3%に上昇し財務体質が向上。
CFの面では、仕入債務の増加や法人税負担の減少などから営業CFのプラス幅が拡大。増加したフリーキャッシュフローを活用し、有利子負債の返済を進めたことから、期末の有利子負債は、前期末の3.9億円から2.3億円へ減少した。
 
 
 
2014年4月期業績予想
 
 
前期比8.3%の増収、同25.0%の経常増益予想
EC事業の主力事業である「スーパーデリバリー」は、良質な「会員小売店」と「出展企業」の獲得を推進するとともに、客単価や稼働率の向上を図ることで商品売上を増加させる。また、サイトを運営する同社側の自動化、効率化を推進し低コスト化を図る。また、「Paid」は、引き続き知名度向上及び加盟企業とPaidメンバーの獲得に注力するとともに、「Paidカート連携サービス」導入のための業務提携を企業間取引や卸売サイトの運営会社に対して積極的に行う。更に、「売上債権保証事業」は、中小企業金融円滑法が終了し、今後企業の売掛債権保証ニーズが高まると予想される環境下、積極的に保証残高を拡大させることで保証料収入の増加を目指すとともに、審査精度の向上に努める方針。順調な利益の計上により繰越欠損金が概ね解消されつつあることから、2014/4期末以降、税負担が正常化する見込み。なお、期末の配当金予想は、現時点で未定。
 
 
今後の注目点
EC事業並びに売上債権保証事業の拡大が継続している。主力の「スーパーデリバリー」は、会員小売店の客数と客単価が拡大傾向にあり、更に出展企業の販売額の拡大も確認された。また、売上債権保証事業における保証残高も大幅に増加している。しかし、天候不順の影響があったものの13/3期の売上高が期初予想の下限である100億円を下回るなど不安材料が全くない訳ではない。これを受け同社は、今期に、①商品が探しやすくなるよう自社サイトの検索機能を改善・強化する、②組織を変更し、営業とMDを一本化し、会員小売店が買いたい商品を充実させる、③管理画面をシンプル化することで、自社サイトのユーザビリティの向上を図る、④獲得する会員小売店のターゲット変更(若干上位に設定)を行い、審査基準の見直しと登録周りのマーケティングを強化する、などの施策を実施する。これらの施策が実を結び、主力の「スーパーデリバリー」の成長性が再度高まるのか注目される。
更に、中小企業金融円滑法の終了で、今後企業の売掛債権保証ニーズが高まると予想される中、積極的な先行投資が花開き保証料収入が大幅に増加するのかにも注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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