ブリッジレポート
(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.21】2014年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は先行投資負担から比較的大きな減益率となったが、想定の範囲内。上期予想に対する進捗率は、売上高50.7%、営業利益49・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年8月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
社長
逸見 愛親
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
事業内容
10年4月に(株)システムプロとカテナ(株)が合併。携帯電話向けソフト開発・技術支援、金融機関・企業向けシステム開発、IT関連商品の企業向け販売を中心に、システムの運用・保守、クラウド型業務アプリの開発等も手掛ける
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 31,662 2,244 2,292 1,203
2012年3月 30,630 1,822 1,918 904
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(8/21現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
738円 26,135,500株 19,288百万円 9.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 4.1% 41.03円 18.0倍 458.74円 1.6倍
※株価は8/21終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
システナの2014年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末のほぼ全ての工程に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識と基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。グループは、同社の他、連結子会社5社、持分法適用会社3社。
 
 
【事業内容】
13年5月1日付けでソリューションデザイン事業を、プロダクトソリューション事業、サービスソリューション事業、金融・基盤システム事業の3事業に再編したうえで、新たに海外事業をセグメントに加えた。
14/3期第1四半期実績ベースの売上構成比は、プロダクトソリューション事業24.8%、サービスソリューション事業6.7%、金融・基盤システム事業11.1%、ITサービス事業14.1%、ソリューション営業41.6%、クラウド事業2.0%、コンシューマサービス事業0.1%、及び海外事業(同0.0%)の8事業に分かれ、営業利益ベースではプロダクトソリューション事業が全体の54.4%を占める。
 
プロダクトソリューション事業
メーカーや通信キャリアとの取引を通じて開発に携わったモバイル製品は800機種を超え、最上流工程(企画、仕様策定)から最下流工程(品質評価)に至る全工程への対応が可能。また、ワイヤレスサービス開発に必要な組込みソフトウエア技術、Webソリューション技術、更にはオープンプラットフォーム等の最新技術にも優れ、Android、iOS等の現行のプラットフォーム上での開発に加え、Tizen、Firefox OS等の次世代プラットフォーム上での端末開発、更には今後本格化する様々なサービスのワイヤレスソリューションへの移行を想定し、カーエレクトロニクスやネット家電、M2M(Machine-to-Machine)等の非携帯分野への事業展開にも力を入れている。顧客は、国内外の携帯端末メーカーや通信キャリアに加え、情報家電メーカー、エネルギー関連、インフラ関連、車載関連と幅広い。
 
サービスソリューション事業
各種Webサイト、バックエンドシステム(Webサイトの統合管理システムの構築)、及びアプリ・コンテンツ開発といったWeb関連の開発を手掛け、近年ではデジタルサイネージソリューション「Totally Vision」、MDM(MobileDevice Management)製品の「cloudstepMDM」、企業内狭域SNS「Compath」といった自社商材の開発・販売にも力を入れている。顧客は、インターネットを利用したサービス、ゲーム、証券、教育といったネットビジネスを展開する企業等。
 
金融・基盤システム事業
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発経験を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。
 
ITサービス事業
システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。
 
ソリューション営業
ITプロダクト(サーバ、PC、周辺機器、ソフトウエア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売からサービス提供へシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へのニーズの変化に対応する事で事業拡大、高付加価値化を図っている。主要顧客は電機メーカー、外資系企業。
 
クラウド事業
クラウド型サービスの導入支援及びアプリケーションの提供を手掛けている。アプリケーションとしては、代表的なクラウド型サービスである「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」やOffice製品・サーバ製品をクラウド型で提供する「Microsoft Office 365」を扱っており、同社の独自サービス「cloudstep」とのセット販売で付加価値を高めている。「cloudstep」とは、「Google Apps」や「Microsoft Office 365」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上するために同社が開発した業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。 現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。
 
コンシューマサービス事業
連結子会社(株)GaYaが主体の事業。スマートフォン向けソーシャルゲームの企画・開発・提供、受託開発・開発支援に係る収益がセグメントされている。
 
海外事業
13年4月にタイの首都バンコクに設立した現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.を設立した(連結子会社)。タイ及び周辺諸国に進出している日系企業や現地企業に対して、「業務アプリケーション」をクラウド型サービスで提供すると共に、今後現地に進出する日系企業とその駐在者・家族に対する進出支援業務を展開するべく、サービス開発やM&Aによるパートナー協業を展開していく。
 
 
 
2014年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比3.9%の増収、同38.6%の営業減益
売上高は前期比3.9%増の76億49百万円。旧ソリューションデザイン(プロダクトソリューション、サービスソリューション、金融・基盤システム)の売上がわずかに減少したものの、ITサービス事業との連携強化が奏功したソリューション営業や業務アプリケーションが伸びたクラウド事業の売上が増加した。
 
ただ、営業利益は同38.6%減の2億75百万円。新プラットフォーム(OS)「Tizen」への研究開発投資、地方の開発拠点拡充、オートモーティブ関連市場への参入、クラウド関連市場向け自社商材開発、SNSゲーム市場への新コンテンツ投入、更には経済成長が著しいアジア諸国への進出等、積極的な先行投資で営業費用が73億73百万円と同6.6%増加し利益を引き下げた。
 
 
プロダクトソリューション事業
売上高18億93百万円。主要取引先である国内端末メーカーのシェアが低下する厳しい事業環境の中、意欲的にラインナップをそろえたメーカーからの受注が伸びた他、外資系メーカーからの受注も拡大。また、通信キャリアからの案件も、大手通信キャリアから「認定アプリベンダー」に認定された事で、プラットフォーム開発や性能改善、端末の品質検証等の案件を中心に受注が伸びた他、LTE関連の基地局やネットワーク通信関連も堅調に推移した。非携帯分野でも、同社のスマートフォン開発の豊富なノウハウと実績が評価され、情報家電、エネルギー、インフラ、車載関連等からの引き合いが増えた。
尚、6月24日に発表した同社開発の新製品10.1インチTizenタブレットは内外から多くの問い合わせがあり、改めて「Tizen」(後述)に対する関心の高さを実感したと言う。
 
サービスソリューション事業
売上高5億09百万円。インターネットを利用したサービス、ゲーム、証券、教育といったネットビジネス分野で受注が堅調に推移。デジタルサイネージソリューション「Totally Vision」、MDM(MobileDevice Management)製品の「cloudstepMDM」、企業内狭域SNS「Compath」といった自社開発製品の販売も順調に進んだ。
 
金融・基盤システム事業
売上高8億48百万円。金融系では、前期からの大型案件(第2四半期にカットオーバーの予定)の寄与に加え、外資系保険案件も領域拡大に伴い増員を実施した。一方、基盤系では、ソリューション営業やITサービス部門と連携した提案活動を開始した。インフラ周りの調達からアプリケーション基盤構築、更にはサービス開始後の運用・保守に至るワンストップソリューションの提供に向け体制整備を進めている。
 
ITサービス事業
売上高10億77百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益30百万円(同44.8%減)。ソリューション営業の顧客に対する機器選定から基盤構築、IT導入支援、運用・保守までのワンストップサービスの提案や海外進出企業やグローバル企業のサポートを念頭に「ITスキル+英語力」のサービス対応ができる人材の採用・教育にも取り組んだ。
 
ソリューション営業事業
売上高31億80百万円(前年同期比7.1%増)、セグメント利益40百万円(同41.3%減)。クライアントPC・サーバの仮想化やバックアップサービスの売上が増加した他、Windows XPのサポート終了に伴うWindows 7へのリプレイス需要の取り込みが進んだ。
 
クラウド事業
売上高1億49百万円(前年同期比80.3%増)、セグメント利益23百万円(前年同期は1百万円の損失)。企業システムのクラウド化の進展を追い風に、メールやカレンダー等のコミュニケーションツール「Google Apps」や「Google Apps」と組み合わせて提供する「cloudstep」等のクラウド型業務アプリケーションが伸びた。「cloudstep」とは、「Google Apps」や「Microsoft Office 365」等のクラウドサービスをより使いやすく、より安全に使うために、業務アプリケーションや運用者向けの管理ツールをシステナ独自のソリューションとして展開するサービス群の事。
 
コンシューマサービス事業
外部への売上計上はなく、内部売上高10百万円を計上。セグメント損失24百万円(前年同期は7百万円の損失)。当事業は、主に連結子会社(株)GaYaの事業領域である。(株)GaYaは、スマートフォン向けゲームコンテンツを開発し、大手SNSサイトへ提供している。ただ、未だ先行投資の段階であり、現在、ラインアップ拡充に向け、新コンテンツの制作に取り組んでいる。
 
海外事業
本年4月、経済成長が著しいアジア諸国の中でも特に安定的かつ継続的な成長が期待できるタイの首都バンコクに、現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.を設立した(連結子会社)。子会社は、タイ及び周辺諸国に進出している日系企業はもとより、現地の企業に対して、「業務アプリケーション」をクラウド型サービスで提供すると共に、今後現地に進出する日系企業とその駐在者・家族に対する進出支援業務を展開するべく、サービス開発やM&Aによるパートナー協業を展開していく。第1四半期は売上計上がなく、営業損失1百万円を計上した。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
業績予想に変更なく、通期で前期比1.3%の増収、同14.9%の営業減益
売上高は前期比1.3%増の320億76百万円。クラウドやコンシューマサービスの売上が伸びるものの、事業の再構築を進めている金融・基盤システムの売上が減少する他、「Tizen」Projectへの研究開発要員の投入による人材リソース不足でプロダクトソリューションの売上が伸び悩む。また、ハード販売からサービス販売への移行を進めるソリューション営業も、通期では売上がわずかに減少する見込み。
 
営業利益は同14.9%減の19億10百万円。人材投資、「Tizen」Project関連の研究開発投資、クラウド事業投資、海外投資(タイ子会社)、SNSゲームコンテンツ投資等、来期以降の成長に向けた投資が重なり利益に影響する。
 
尚、上期予想は、売上高151億円(前年同期比2.2%減)、営業利益5億52百万円(同50.0%減)、経常利益5億50百万円(同50.5%減)、四半期純利益2億56百万円(同57.6%減)。
 
 
(2)新製品開発及び新サービスの投入
「TIZEN」を搭載した10.1インチ タブレット
新プラットフォーム(OS)「TIZEN」を搭載した10.1インチ タブレットを開発した。開発したタブレットは、「TIZEN Ver.2.0」を搭載し、「TIZEN」向けの各種アプリを搭載する事が可能。「TIZEN」の新バージョン「TIZEN Ver.2.1」の実装と操作性の向上、Webアプリケーションやクラウドを想定した開発に引き続き取り組んでいく他、車載を含めた総合的なサービス実現に向けてTIZEN IVIへの対応も進めていく。「IVI」とは、In-Vehicle Infotainmentの略で車載インフォテインメントの事。
正式な製品発表の場として、2013年10月23日(水)から25日(金)にかけて幕張メッセで開催される「第3回スマートフォン&モバイルEXPO秋」を予定している。
 
 
「Tizen」とは、
「Tizen」とは、LinuxベースのOSS(オープンソースソフトウエア)。スマートフォンやタブレット等のモバイルOSとしての話が先行しているが、本来は、IVI、STB(セットトップボックス)といった様々な機器を対象としている。同社は大手通信キャリアから、メーカー以外のソフト開発会社としては初めて「認定アプリベンダー」に認定され、ソフトベンダーとして唯一、Tizenプラットフォーム上で開発を行っており、Tizen関連開発で既に豊富な経験を有している。
モバイル端末のOSとしてはiOS やAndroidのシェアが高いが、AppleやGoogleに利益が集中するビジネスモデルへの反発もあり、多くのキャリア、ベンダー、業界がオープンソースによる第3のOSを模索しており、パソコンに次ぐビジネスの育成に力を入れている半導体最大手の米Intel、海外も含めた通信キャリア、自動車業界等が注目しており、特に自動車業界は、車載(IVI)機、或いはIVIとスマホを連携させるプラットフォームの両面から強い関心を示している。尚、HTMLはWeb上の文書を記述するためのコンピュータ言語で、HTML5はその最新バージョン。Webアプリケーションのプラットフォームとしての機能やマルチメディア要素が実装されている。
 
Google Apps 企業向け掲示板サービス「cloudstep Share」の提供開始
7月に「Google Apps」と連携するクラウド型掲示板サービス「cloudstep Share(シェア)」の提供を開始した。
 
これまで、「Google Apps」での掲示板機能は「Google Sites」をベースに提案してきたが、「Google Sites」は、利用者ニーズの多い「閲覧/投稿権限の設定」、「既読/未読管理」、「投稿通知」等の機能を備えていなかった。このため、よりユーザーフレンドリーな画面で、かつ、グループウェアの掲示板と同等以上のサービスを「Google Apps」上で提供し、社内コミュニケーションの円滑化と活性化を促進するべく、「Google Apps」での新しい掲示板サービスとして「cloudstep Share」を開発し投入した。
 
「cloudstep Share」は、従来のグループウェアが備えるオーソドックスな掲示板の機能性を踏襲しつつ、FacebookやTwitterといった先進的なWebサービスの備えるインターフェース性、ソーシャルコミュニケーション要素を取り入れる事で、マニュアル不要の直感的な操作性と業務アプリケーションとしての機能性を実現している。また、「Google Apps」とシームレスに連携し、面倒な初期設定を行う事なく利用を開始できる。タブレット端末、スマートフォンからのアクセスにも対応し、企業内・部門内の情報共有を、いつでも・どこでも、素早く、かつ簡単に行う事ができる。
 
尚、同社の提供するクラウド型グループウェアサービス「cloudstep」シリーズの、「cloudstep Workflow(ワークフロー)」、「cloudstep Group Scheduler(グループ スケジューラー)」と同様、「cloudstep Share」についても無償トライアル版を Google Apps Marketplace で公開する予定。
 
 
 
今後の注目点
第1四半期は先行投資負担から比較的大きな減益率となったが、想定の範囲内。上期予想に対する進捗率は、売上高50.7%、営業利益49.8%、経常利益54.2%、純利益59.4%と順調だ。14/3期は13/3期から15/3期にかけての3年スパンで進めている成長投資がピークを迎えるため、13/3期は3億円だった投資額が11億円に増加する。尚、投資のポイントは、①R&D「Tizen」Project(Tizen関連投資+HTML5関連投資)、②リソース不足解消のための地方拠点拡充投資、③営業力強化投資(ソリューション営業)、④クラウド事業投資、⑤海外投資(タイ子会社)、及び⑥SNSゲームコンテンツ投資(子会社(株)Gaya)、の6項目である。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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