ブリッジレポート
(4290:東証2部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.10】2014年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「売上が順調に伸びている事に加え、コストの抑制や業務プロセスの見直し等による生産性の改善も顕著で、合弁会社への業務移管に伴う利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年8月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
事業内容
コールセンター活用のBPO。自動車の事故、故障対応や金融関連が主業。不動産分野に注力
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 24,225 2,380 2,158 1,409
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(8/15現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,300円 15,045,400株 19,559百万円 13.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
18.00円 1.4% 131.81円 9.9倍 762.30円 1.7倍
※株価は8/15終値。ROE、BPSは前期末実績。
 
プレステージ・インターナショナルの2014年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
 
会社概要
 
連結子会社21社、持分法適用関連会社1社と共にグループを形成し、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、損害保険会社、自動車関連会社、クレジットカード会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、自動車保険加入者向けのロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンション等の入居者に対するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。01年7月の大証ナスダック・ジャパン(その後、ヘラクレス市場に名前を改称し、現在JASDAQ)上場を経て、12年12月に東証2部に上場した。
 
 
同社の成長を支えてきたのが、秋田BPOキャンパスだ(緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンター)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから03年10月に開設した秋田BPOキャンパス(WEST棟550席)は、その後、07年EAST棟(650席)開設、12年サテライト棟(300席)開設と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割も担っている。
 
秋田BPOキャンパス
03年10月WEST棟(650席)開設
07年 4月EAST棟(550席)開設
12年 4月サテライト棟(300席)開設
 
【事業内容】
事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業、派遣・その他事業に分かれる。
 
ロードアシスト事業 13/3期売上構成比38%
損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス(コンタクトセンター)において緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスは、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本、(株)プレミアロータス・ネットワーク、及び自動車整備会社やレッカー業者等の協力会社に委託。関連するシステムの開発については、(株)プレミアネットワークがその役割を担っている。
 
インシュアランス事業 同32%
損害保険会社向けの海外日本語アシスタンス及び海外旅行保険クレームエージェント、海外進出企業向けヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)、自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラム、少額短期保険事務代行サービス、及び(株)イントラスト、(株)オールアシストによる家賃保証サービス等を手掛けている。海外は、米国、英国、香港、中国(上海)、シンガポール、タイ、オーストラリア、ブラジルに現地法人を展開。
 
CRM事業 同12%
通信販売会社、海外ブランド、ポータルサイト運営会社等に対して、国内・海外のコンタクトセンターのアウトソーシングサービスや損害保険会社向け24時間事故受付業務全般のアウトソーシングサービスを提供。日本及びアジアにフォーカスしている。
 
カード事業 同7%
日系航空会社、海外金融機関との提携により、米国、香港及び上海において主に日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカード(グループ独自のクレジットカード「プレミオカード」)の発行・運営を行っている。
 
プロパティアシスト事業 同8%
不動産向けサービス「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を提供しており、前者では分譲マンション等の入居者に対して一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を、後者では無人駐車場及びカーシェアリング車両のステーションにおけるトラブル(機器保守、補修、緊急・点検出動等)対応を行っている(実際のサービスは関係会社の(株)プレミア・プロパティサービス、(株)プレミアパークアシスト及び協力会社が提供)。
 
上記のBPO事業を補完するべく子会社がIT事業(同2.0%)、派遣・その他事業(同1.0%)を手掛けている。
 
【富山BPOキャンパス及び山形BPOガーデン建設計画】
現在、同社は秋田県秋田市に1,500席規模の秋田BPOキャンパス(WEST棟:550席、EAST棟:650席、サテライト棟:300席)を展開しているが、ほぼフル稼働の状態。加えて、東日本大震災の発生を契機にしたBCP(事業継続計画)に対する意識の高まりから、秋田BPOキャンパスと一定距離を置いた地点へのオペレーションの分散(2拠点化)を求める声が増えていた事もあり、富山BPOキャンパス(約1,500席)を富山県射水市に開設する事とした。総投資額は建物・付属設備で約35億円(土地64,000m²は地元自治体から貸与を受ける)、15年2月のサービス開始を予定している(建設期間は14年4月〜15年1月を予定)。
 
ただ、富山BPOキャンパスの業務開始までのキャパシティ不足に対応するべく、山形県酒田市に山形BPOガーデン(約500席)を建設中。富山BPOキャンパスと同様、土地(30,000m²)は地元自治体から貸与を受けるため、同社は建物・付属設備に対する投資だけで済む(投資額:11.8億円)。年内のサービス開始を予定しており(100名〜150名でスタート)、これに先立つ13年2月に山形県酒田市内に仮センターを開設した。
 
尚、富山BPOキャンパス、山形BPOガーデンは、共に託児所、カフェテリア、研修施設等を備え、従業員の約70%に女性を採用する計画。同社は、女性が長く働ける職場をつくり、女性の社会進出に最大限の貢献をしていく考えで、特に山形BPOガーデンについては、当初、“山形BPOセンター”と言う名称を予定していたが、「光・水・緑が織り成すリラクゼーション空間など女性が安心して長期的に働ける環境づくりをしていきたい」との思いを込めて名称が変更された。
 
 
2014年3月期第1四半期決算
 
 
前年同期比15.5%の減収、同12.3%の経常減益
売上高は前年同期比15.5%減の50億07百万円。NKSJグループ向けロードアシストサービスを同グループとの合弁会社プライムアシスタンス(株)へ移管した影響や延長保証・メンテナンスプログラムにおける契約内容変更の影響(後述)が主な減収要因。
 
一方、営業利益は同12.7%増の6億09百万円。原価管理の徹底や業務プロセスの見直し等の効果に加え、延長保証・メンテナンスプログラムにおける契約内容変更の影響もあり、原価率が5ポイント改善し売上総利益が増加。山形BPOガーデン開設に向けた採用・教育研修コストや、プロパティアシスト事業等のフィールドワーク専門子会社の先行投資に伴う販管費の増加を吸収した。
 
グループ資金取引等の影響による為替差損82百万円及びプライムアシスタンスに係る持分法投資損失32百万円の計上による営業外損益の悪化で経常利益が4億99百万円と同12.3%減少したものの、投資有価証券売却益4億29百万円を特別利益に計上した事等で四半期純利益は5億50百万円と同62.3%増加した。
 
 
ロードアシスト事業
国内での損害保険会社向け及び自動車メーカー向けのロードアシストサービスに係る収益が計上されている。
この第1四半期は、売上高16億91百万円(前期比33.3%減)、セグメント利益1億83百万円(同17.2%減)。昨年10月にNKSJグループ向けサービスを同グループとの合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管した影響で減収・減益(売上高への影響額約10億円)となったものの、原価管理を徹底した事で営業利益率が前年同期の8.7%から10.8%に改善した。
 
 
インシュアランス事業
国内で延長保証・メンテナンスプログラム、家賃保証プログラム、及び小額短期保険事務代行全般、海外で海外旅行傷害保険クレームエージェント・サービス及びヘルスケア・プログラム等の収益が計上されている。
この第1四半期は、売上高13億09百万円(前期比26.0%減)、セグメント利益1億47百万円(同44.8%増)。大口案件の寄与でヘルスケア・プログラムの売上が増加した他、クレームエージェントも堅調に推移。両事業は海外で提供しているため、円高是正の恩恵も受けた。この他、家賃保証事業も採算が改善しつつある等、各サービスの出足は順調だったが、延長保証事業での契約内容変更の影響をカバーできなかった。契約内容変更の影響とは、これまで売上として計上していた保証リスクの保険化部分が今期より売上から除外された事(今期より預り金として計上されている)。ただ、売上計上に際して売上と同額の売上原価を計上していたため利益への影響はなく、言い換えると、今期より売上から売上原価を控除した後の利益のみが計上されている。また、為替の影響は、対前年同期で売上高73百万円増、セグメント利益19百万円増。通期予想に対して、売上高10百万円増、セグメント利益3百万円増。
 
 
CRM事業
国内及び海外でのコンタクトセンターアウトソーシング及び国内での損害保険会社向け24時間事故受付サービスの収益が計上されている。
この第1四半期は、売上高7億25百万円(前期比6.5%増)、セグメント利益77百万円(同17.5%増)。英国及び米国において事業を縮小したものの、既存受託業務の拡大と新たな受託業務を獲得した事による国内売上高の増加で吸収。不採算事業の終了とコスト管理の徹底で採算も改善した。海外でのサービスは円高是正の恩恵も受けており、対前年同期で売上高6百万円増、セグメント利益1百万円増。通期予想に対して、売上高1百万円増、利益面ではほぼ影響なし。
 
 
カード事業
主に、海外の日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカードサービスを提供している。
この第1四半期は、売上高4億74百万円(前期比30.5%増)、セグメント利益1億44百万円(同32.6%増)。クレジットカード会員数が、米国で4.4%、中国で4.5%、それぞれ増加。円高是正も増収・増益に寄与した。尚、5月は単月の新規加入者数が過去最高を更新。米国では、1人当たりの単月平均使用額が過去最高を更新したと言う。為替の影響は、対前年同期で売上高92百万円増、セグメント利益26百万円増。通期予想に対して、売上高19百万円増、セグメント利益5百万円増。
 
 
プロパティアシスト事業
水廻りやガラスなど住宅にまつわるトラブル対応サービスを不動産関連会社との契約の下でホームアシスト事業、及び機器保守、補修、緊急、点検出動等のサービスを駐車場管理会社に提供するパークアシスト事業の収益が計上されている。
この第1四半期は、売上高5億75百万円(前期比26.0%増)、セグメント利益24百万円(同24.9%減)。サービス導入戸数が50万戸を超えたホームアシストは既存受託業務が順調に拡大し売上が増加。パークアシストも関西地区での新規業務の受託が進んだ。ただ、利益面では、主にフィールドワーク子会社における拠点拡充・管理体制強化のためのコスト増と山形BPOガーデンへの業務移行に伴う費用の発生が負担となった。
 
 
 
2014年3月期業績予想
 
第1四半期決算は概ね予想に沿った着地となったものの、業績予想に織り込んでいなかったグループ間の資金取引に係る為替差損82百万円、NKSJホールディングス(株)との合弁会社である(株)プライムアシスタンスに係る持分法投資損失32百万円(共に営業外費用に計上)、及び投資有価証券売却益4億29百万円(特別利益)が発生した。このため、業績予想に上記の営業外費用及び特別利益を織り込むと共に、想定以上に進んでいる収益性の改善を反映させた。
 
上期については、売上高の予想を据え置いたものの、営業利益が期初予想を上回る見込みで、上記営業外費用の発生を吸収して期初の予想経常利益を達成できる見込み。四半期純利益については特別利益の計上で上振れする。一方、通期については、山形BPOガーデン稼働に伴う採用促進や富山BPOキャンパス開設準備等の活動を前倒しで行う事を検討しているため、売上高、営業利益、経常利益は期初予想を据え置き、当期純利益のみ修正した。
 
 
 
 
 
今後の注目点
売上が順調に伸びている事に加え、コストの抑制や業務プロセスの見直し等による生産性の改善も顕著で、合弁会社への業務移管に伴う利益面での影響を吸収できる体制が整いつつあるようだ。このため、下期は山形BPOガーデンの立ち上げや富山BPOキャンパスの開設準備等の先行投資負担を吸収して営業利益が前年同期比35%弱増加する見込みである。もっとも、上方修正されたとは言え、未だ予想は保守的。上期にどれだけ上積みできるか注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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