ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.45】2013年12月期上期業績レポート
取材概要「07/12期の221億円をピークに下降トレンドをたどった売上が、13/12期は6期ぶりに過去最高を更新する見込み。円高是正の追い風もあるが、国内外で・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年9月10日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
赤外線を利用した各種センサ及びシステムの開発・販売
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2012年12月 20,699 1,398 1,680 825
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(9/6現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,304円 16,550,534株 21,581百万円 4.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 2.3% 96.67円 13.5倍 1,107.53円 1.2倍
※株価は9/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2013年12月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界シェア40%を誇る屋外用防犯用センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛ける。子会社21社及び関連会社2社とグループを形成。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。
ファイバーセンシス社及びレイテック社とは、オプテックス(株)を含めた3社の強みを融合した大型重要施設向けソリューション(施設への侵入警戒システム)の育成に取組んでおり、また、国内及びEUに強みを持つオプテックス(株)、北米を中心とした米州や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社、更には英国及びEUでの売上が大半を占めるレイテック社と、事業エリアの面でも3社は補完関係にあり、オプテックス(株)による中東への展開やレイテック社による北米、中南米、中東等への展開等で実績を上げつつある。
 
【事業内容】
事業は、センシング事業(防犯関連、自動ドア関連、その他)、FA事業、生産受託事業、その他に分かれ、事業内容と売上構成比は下記の通り。尚、地域別の売上構成比は、日本35.2%、北米10.6%、欧州34.7%、アジア14.6%、その他4.9%(いずれも12/12期実績)。海外売上高が65%弱を占めるが、販売通貨比率は円53%、ドル18%、ポンド13%、ユーロ15%。一方、生産高の55%は中国で、原価の通貨比率は円57%、ドル・ポンド43%と、販売・原価共に円貨決済が過半を占めている。
 
 
【沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。
04年には、客数情報システム、駐車台数管理システム等を手掛ける技研トラステムを子会社化。近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ用赤外線補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
 
【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】
センサが検知する物理的変化は、人の認識では困難な微小な変化を扱う場合が多い。このため、確実で安定したセンシングの実現には複数の要素技術とノウハウに加え、物理的変化を制御する「アルゴリズム」が欠かせない。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。
 
 
 
事業拡大に向けた取り組み
 
同社は、“「生産性の倍増」を達成する事による体質強化”、及び“利益を最優先にした計画数値達成へのこだわり”を経営方針として掲げ、“15/12期に売上高325億円、経常利益46億円、当期純利益28億円”等の数値目標を示している。現在、この目標達成に向け、コア事業の拡大、新規アプリケーションの開拓、新興国市場の開拓、新規事業フィールドへの挑戦、の4つの課題に取組んでいる。
 
 
(1)進捗状況
コア事業の拡大では、新製品を継続的に投入しており、国内大型重要施設向けでは前期から継続的に受注を得ている。また、欧米の大手自動ドアメーカー向けOEMも順調に拡大している。新規アプリケーションの開拓では、レイテック社のセキュリティ照明事業が順調に拡大している他、省エネ・調光事業も軌道化しつつある。
一方、新興国市場の開拓は若干遅れ気味だが、2011年にロシア、2012年12月にインド、ブラジルに販売会社を設立し、現在マーケティング活動を展開している。また、新規事業フィールドへの挑戦では、車両検知等のリサーチを進めている。
 
(2)取り組みの状況
①コア事業の拡大 −センシング事業(防犯関連製品及び自動ドア関連製品)、FA事業−
防犯関連製品では、海外で、大型重要施設向けの高付加価値製品の受注拡大と新興国を対象にした汎用屋内センサの拡販に取組んでおり、国内では、大手警備会社や原発施設・メガソーラーなど新規開拓に成功した大型重要施設との取引拡大に取組んでいる。
 
 
※ 世界各国の大型重要施設でファイバーセンシス社の屋外防犯用センサの採用が進んでいる。豊富な製品バリエーションと高い精度で広域エリアをカバーする製品や技術力が高い評価を得ている。
 
自動ドア関連製品は、現在、国内で60%のシェアを有するが、海外は、欧州12%、北米16%とマーケット開拓の途上にある。ただ、欧米では大手自動ドアメーカーへのOEM供給が順調に伸びており、今後の見通しは明るい。また、国内も復興需要が顕在化しつつある上、80%のシェアを有するシャッター業界向けも市況が回復傾向にあり事業環境は良好だ。
 
FA事業では、国内事業の拡大に向け、三菱電機との協業及びLED事業の拡大に取組むと共に、物流やエネルギーデバイス市場の開拓を進めており、海外では、中国、ブラジルの開拓とアプリケーション機器の拡販に取組んでいる。また、並行して生産革新も進めており、生産工場の再編、物流改革、及びコストダウンに取り組むと共に、China+1を模索している。
尚、オプテックス・FAセンサの強みは「高品質かつ低価格」。高品質を支えるのは、制御機器大手の独SICK社との技術提携、基幹技術の自社開発、及び優れた品質管理体制であり、また、適正な営業利益の追求、ファブレス経営、及び量産効果により低価格を実現している。
 
②新規アプリケーションの開拓
レイテック社のカメラ補助照明を、オプテックス(株)の販売網を活用してワールドワイドに拡販していくと共にセンサ事業等とのシナジーを追求する。また、調光システムを備えた施設照明事業を国内で展開していく。
 
カメラ補助照明
世界の監視カメラ市場はNetworkカメラを中心に年率13%程度の成長を続けていると言う。同社は、カメラに不可欠な補助照明の販売を通じて成長を取り込んでいく考え。事業の中心となる子会社レイテック社は世界シェア50%を有するNo.1のカメラ補助照明メーカー。屋外中長距離用途の暗視用赤外線照明と可視光LED照明に強みを有し、製品ラインアップも多彩だ。IPカメラ需要が急速に拡大している米国において、軍需施設等での外周警戒用補助照明に採用されており、中南米(広域発電施設や刑務所の外周警戒用補助照明に採用)や中近東(UAEやクウェートで石油関連施設の外周警戒用補助照明に採用)でも実績を有する。
また日本では、オプテックス(株)が日本総代理店として国内販売を開始し、現在、重要施設を中心に認知度の向上に取り組んでいる他、VMS(= Video Management Software)世界最大手のマイルストーン・システムズ社(Milestone Systems A/S、本社:デンマーク)との協業によりIP(インターネットプロトコルによるコンピュータとの連動)対応も進めている。
 
 
光ファイバーセンサとの組み合わせによる警備システム
長距離光ファイバーセンサで侵入者をピンポイント検知、照明で撮像精度を向上させる
(同社資料より)
 
調光システムを備えた施設照明事業
調光システムを備えた施設照明事業では、商業施設や大型事業所向けセンサ連動型調光システムを販売している。調光システムを備えた施設照明事業は、利用者がいない時には最低限の明るさで点灯し、人や車が来るとすぐさま100%に増光可能な調光点灯が可能だ。安全・防犯面で不安を抱えながら、節電のため間引き点灯していたケース等で問題を一気に解消する。
既に大手フランチャイズ、外食レストラン、スーパーマーケットなど50社を超える企業で試験導入済みで、今後、順次本採用へ移行する見込み。また、水銀灯交換需要の取り込みにより国内大手既存コインパーキングの全国830ヶ所にも設置済みだ。今後開設される新規駐車場で、ゲートの開閉に連動する調光システムの導入も予定している。
 
③新興国市場の開拓
15/12期に、新興諸国(ロシア、東南アジア、インド、中南米)のセキュリティ市場で売上30億円を目指している。現在、拠点整備を進めており、12年12月にブラジル(サンパウロ)に現地法人を、インド(デリー)に合弁会社を、それぞれ設立した。
 
中南米の想定市場規模は200億円。現地法人を設立したブラジル市場を足がかりに、中南米市場の販売網を整備していく。流通、資源、交通関連の地場企業をターゲットとし、顧客に密着したマーケティングに力を入れる。また、セキュリティに留まらず、グループシナジーを追求し、新たなビジネスチャンスの創出にも取組んでいく。
ビザ取得に時間を要したため、現地法人の実際の活動開始は4月からとなったが、北米から輸出していた案件の引継ぎもあり、立ち上がりは順調なようだ。
 
一方、インドは想定市場規模が10億円にとどまり、同社自身も市場の育成にかかわっていく必要がある。人的警備から機械警備へ移行するインドのセキュリティ市場に先鞭をつけ、センサによるソリューションを展開していく。また、現地特有の文化・風習に適応した製品を開発し、新たなビジネスチャンスの創出にも取り組んでいく。
 
(3)当面の数値目標
15/12期の数値目標達成に向け、コア事業の拡大、新規アプリケーションの開拓、新興国市場の開拓、新規事業フィールドへの挑戦、といった取り組みを進めると共に、グループシナジーを追求していく考え。
 
現在、21社の子会社を有し、その過半の14社が海外子会社だが、海外子会社は各事業部がエリア毎に設立した子会社だったため、グループシナジーを発揮していなかった。このため、前期からグループの販売権の整備を進めており、子会社各社がグループの全ての商品を取り扱う体制が整いつつある。
 
 
 
2013年12月期上期決算
 
 
前年同期比9.3%の増収、同85.8%の営業増益
売上高は前年同期比9.3%増の111億28百万円。中国工場における生産受託事業の苦戦やアジアでの防犯関連製品の伸び悩み等があったものの、日米欧で伸びた防犯関連製品を中心にセンシング事業の売上が同13.0%増加。国内の好調でFA事業も堅調に推移した。
 
利益面では、ハイエンド製品の好調による売上構成比の良化と円高修正による利益の押上で(6億07百万円)、売上総利益が58億42百万円と同17.6%増加。販管費の増加を吸収して営業利益が9億94百万円と同85.8%増加した。為替差益の増加(35百万円→1億78百万円)による営業外損益の改善と税効果会計の影響で四半期純利益は7億32百万円と同2.3倍に拡大した。尚、販管費の増加は、人件費、経費の増加による部分もあったが、大半は円高修正に伴う外貨建て経費の円換算額の増加によるもの(3億01百万円)。
 
予想との差異要因
中国工場における生産受託事業及びアジア地域における防犯関連の伸び悩み等で売上が下振れしたものの、相対的に収益性の低い生産受託事業の売上比率が低下する一方、相対的に収益性の高い防犯関連の屋外用センサ売上比率が上昇した事で売上構成が良化し想定以上に収益性が改善した。
 
 
 
 
防犯関連
売上高は前年同期比16.5%増の56億94百万円。世界規模で高シェアを有する屋外警戒用センサをけん引役に主力の欧州向けが大きく伸び、海外売上が同13%増加。国内も、大型重要施設向け屋外警戒用センサの寄与で同33%増加した。国内は、警備会社向けの好調や原発再稼働関連の需要増に加え、メガソーラー向けが増加傾向にあると言う。
 
自動ドア関連
売上高は前年同期比4.9%増の18億15百万円。欧州が前年同期並みにととどまったものの、北米が大きく伸び、海外売上が同18%増加。同4%減となった国内も、復興需要の顕在化を背景に市況は回復傾向にある。
 
FA事業
売上高は前年同期比2.4%増の21億67百万円。金融不安の影響のよる欧州の低迷や景気減速による中国での設備投資抑制で海外売上が同6%減少したものの、物流業界向け汎用光電センサを中心に国内が同20%増加した。
 
 
上期末の総資産は前期末比19億55百万円増の256億19百万円。順調な受注・売上を反映して売上債権、たな卸資産、仕入債務が増加した他、利益の増加等によるCFの改善で現預金及び余資運用の投資有価証券等も増加した。自己資本比率は76.3%。実質無借金経営(ネットキャッシュ67億65百万円)で、流動性に富んだ優れた財務体質も同社の強みである。
CFの面では、利益の増加等で営業CFが11億75百万円と前年同期比57.5%増加する一方、M&A関連の支出の減少で投資CFのマイナス幅が縮小したため、前年同期は3億58百万円のマイナスだったフリーCFが3億03百万円の黒字に転じた。
 
 
2013年12月期業績予想
 
 
修正後の通期予想は前期比15.9%の増収、同64.5%の営業増益
上振れした上期業績を反映させると共に、下期の売上・利益予想を引き上げた。下期は欧州向けの防犯関連製品が期初予想以上に伸びる他、国内では自動ドア関連製品の回復が力強さを増してくる。増収効果で収益性の改善も一段と進む見込み。配当は期末・中間合わせて1株当たり30円を予定。
 
 
 
 
今後の注目点
07/12期の221億円をピークに下降トレンドをたどった売上が、13/12期は6期ぶりに過去最高を更新する見込み。円高是正の追い風もあるが、国内外での防犯ニーズの高まりが追い風となる中、価格競争力のある汎用品と大型重要施設向け等の高付加価値品の両面でラインナップを拡充してきた成果が顕在化してきた。実績をあげつつある大型重要施設の開拓では、M&Aにより高性能のファイバーセンサやカメラ用照明等を取り込んだ事も成功要因。下期は、企業業績の回復で国内FAセンサ事業の一段の伸びが見込まれる上、復興需要の顕在化で国内自動ドアの回復ピッチも加速してくる。
ファイバーセンサやカメラ用照明等とのシナジーによる大型重要施設向けソリューション、新規アプリケーション、更には新興国市場の開拓等が軌道に乗れば、中長期での成長力も担保できよう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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