ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

プライム

ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.23

(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
宮本 雅弘 社長
宮本 雅弘 社長

【ブリッジレポート vol.23】2014年2月期上期業績レポート
取材概要「女性の社会進出や単身世帯の増加、小子高齢化等を背景に中食市場は成長を続けており、スーパーやコンビニ等が競って惣菜を強化している。同社の・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年11月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
宮本 雅弘
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年2月 24,063 915 974 570
2012年2月 21,587 982 1,066 591
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(10/23現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
861円 6,394,585株 5,506百万円 8.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.4% 113.67円 7.6倍 1,134.35円 0.8倍
※株価は10/23終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績、BPSは、第2四半期末実績。
 
ピックルスコーポレーションの2014年2月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、連結子会社8社及び持分法適用会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはISO9001、HACCPの取得や5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

13/2期の品目別売上構成は、製品売上が64.1%(浅漬・キムチ47.0%、惣菜14.5%、ふる漬2.6%)、商品(漬物)売上が35.9%。資本関係では、東海漬物(株)が株式の49.6%を保有するが、取引はふる漬等の仕入がわずかにあるのみ(13/2期は仕入高全体の1.9%)。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、13/2期は同グループ向けの売上が全体の35.6%(12/2期は37.9%)を占めた。
 
【強み】
大ヒットしている「ご飯がススムキムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。
 
 
【市場動向と事業戦略】
(1)市場動向
漬物市場の動向
漬物市場は約3,500億円(工業統計2013.08:野菜漬物製造業出荷額3,265億円、食品新聞2013.08:漬物品目別推定出荷額3,250億円)。コメ消費の減少、食の多様化、少子高齢化等の影響を受けて、漬物市場は縮小傾向にあるものの、品目別では、沢庵等のふる漬市場の縮小が大きい一方で、浅漬やキムチの市場は安定成長が続いている。また、徐々に寡占化も進んでいるが、同社(シェア7.3%でトップ)を含めた上位10社のシェアは32.6%に過ぎず、上位企業による寡占化はこれから。
昨今、円安による海外産原料価格の上昇で海外原料に頼るメーカーの収益が悪化している他(同社は100%国産原料)、健康志向、惣菜化、機能性訴求等をキーワードにした商品開発が事業拡大に不可欠な要素となりつつある。
 
 
惣菜市場の動向
単身世帯の増加や高齢化の進展、更には女性の社会進出もあり、惣菜市場は拡大傾向にある。同社の資料によると、米飯類や調理パン・調理麺等も含む惣菜市場の規模は約8兆1,238億円。このうち、同社の事業領域である一般惣菜市場は3兆5,736億円で、販路別の内訳は、食料品スーパー1兆107億円、総合スーパー5,073億円、コンビニ3,194億円、専門店・百貨店等が1兆7,361億円。
同社は、7年ほど前に惣菜事業に本格参入した後発企業だが、製品開発力、全国をカバーする製造拠点、更には直販ならではのきめ細かい営業を強みに売上を順調に伸ばしている。
 
 
(2)事業戦略
継続的な新製品の開発・投入、広告宣伝・販促活動、及び全国を網羅する営業・物流ネットワークを三位一体とする事業戦略を推進し、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓に取り組んでいく考え。
 
①継続的な新製品の開発・投入
継続的な新製品の投入で浅漬・キムチ、惣菜の売上が順調に増加しており、浅漬・キムチでは、今期、独自技術により美味しさを追求した浅漬の減塩製品、生きて腸まで届く植物性乳酸菌「Pne-12」を添加し機能性を高めつつ、日本人好みの食べやすい味に仕上げた「ピーネ乳酸菌キムチ」、更には川越達也シェフとのコラボ製品「ご飯がススムキムチ×川越達也オススメカクテキコラボキムチ」等を投入。

また、惣菜では、12年10月に子会社化したメンマやザーサイの専門メーカーでメンマを使った惣菜製品等も手掛ける 東洋食品(株)と共に、健康志向の高まりに応えるべく「野菜」をキーワードに、既存商品の継続的な改善と商品ラインナップの拡充に取組んでいる。今期は、「ナムルセット」、「ふろふき大根」、「メンマと豆もやしの黒こしょう和え」、「オクラのおひたし」、「肉みそ風大根」、「麻婆風なす」、「棒棒鶏サラダ」等のリニューアル商品や新商品を投入し、ヒットした。
 
②広告宣伝・販売促進
様々な媒体を活用して広告宣伝活動を展開している。例えば、お馴染みの西武ドームでの看板に加え、テレビ・ラジオCM、レシピ本、「川越達也のキムチ研究所」(中国・四国)や「GOGO!ご飯がススム隊」(関東)のTV番組等。ラジオCMでは、全国(TBSラジオ)、北海道、首都圏、中京、開催、中国・四国等、テレビCMでは、首都圏(日本テレビ、TBS、フジテレビ)、北海道、中国・四国等でオンエアされた。
 
③全国ネットワークを活かした営業戦略
自社工場や物流管理センターに加え、子会社8社・合弁会社4社等との連携により、漬物・惣菜メーカーとしては唯一、全国を網羅した生産・物流体制を構築している事が同社の強みで、全国どこにでも同じ品質・同じ味の製品を届ける事ができる。ちなみに、浅漬は賞味期限が短いため(冷蔵管理で4日~7日)、生産は受注生産。各得意先からオンラインで注文を受け、365日休まず生産を行っている。また、品質を維持するため、得意先の店頭とはコールドチェーン(低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったままの流通)で結ばれている。
このインフラを活かすと共に売場提案の強化等によりスーパーや生協との取引拡大を図っていく考えで、惣菜の拡大に向け、従来の漬物売場だけでなく、惣菜売場等への営業も強化している。また、プライベートブランドへの対応を含めてコンビ二との取引拡大にも力を入れている。
 
手薄だった中国・四国地区事業の強化・拡大
西日本は子会社(株)ピックルスコーポレーション関西(京都府大山崎町)の事業エリアであり、浅漬、キムチ、惣菜の製造販売、漬物の仕入販売を行っている。この6月には、手薄だった中国・四国地区や九州地区の強化に向け広島工場(広島県府中市)が稼働した。(株)ピックルスコーポレーション関西の14/2期売上高は39億63百万円を見込んでおり、このうち9億円が広島工場の寄与によるもの(京都本社工場は30億63百万円)。尚、広島工場は、13年5月の竣工で敷地面積が4,800㎡、総投資額(土地、建物、機械設備等)は9億円。13/2期は課題の一つだった中国・四国地区で売上が伸びたもの、京都工場から製品及び商品を配送していたため物流費が想定以上に増加する等で連結ベースの利益を圧迫した。加えて、京都工場もフル操業の状態で増産余力が乏しかった。
 
 
中期経営目標として掲げていた15/2期の売上高255億円、営業利益11億円を1年前倒しで達成できる見込み。6月に稼働した広島工場を起点に引き続き中国・四国地区の販売を強化していく考えで、現在、合弁会社で展開している九州地区のてこ入れも図る。品目別では、12/2期に12.1%だった惣菜の売上構成比が15/2期には17.3%に上昇する見込み(12/2期比で70%弱の増収)。浅漬・キムチは構成比が48.0%から45.9%に低下するものの、売上高は12/2期比で13%弱の増加を見込む。
また、販路については、スーパーにおける売場拡大(精肉売場、麺売場等)に取り組む考えで、子会社東洋食品(株)やグループ外企業との連携等で漬物・惣菜以外の製品開発にも力を入れる。
尚、広島工場への投資がピークとなる14/2期の設備投資は13億14百万円に膨らむが(減価償却費4億52百万円)、15/2期は4億円に減少する見込み(同4億42百万円)。
 
 
2014年2月期上期決算
 
 
前年同期比6.2%の増収、同37.0%の経常増益
売上高は前年同期比6.2%増の134億73百万円。継続的な新製品の投入による既存取引先の深耕と新規取引先の開拓でスーパー・生協向けの売上が同5.0%増加した他、コンビニ向けも同10.5%増と高い伸びを示した(この他、外食・その他向けが同9.2%増)。品目別では、「オクラのおひたし」や「棒棒鶏サラダ」など既存製品のリニューアルと新製品の投入で惣菜が同21.5%増加。浅漬・キムチも、定番化しつつあるご飯がススムキムチシリーズ」や「川越達也オススメキムチシリーズ」に加え、味を損なう事無く塩分をカットした減塩浅漬や生きて腸まで届く植物性乳酸菌「Pne-12」を添加し機能性を高めた「ピーネ乳酸菌キムチ」など新製品の寄与で同1.8%増と堅調に推移した。

利益面では、春先の原料野菜価格の安定で売上総利益率が24.5%と1.2ポイント改善。売上の増加に伴う物流費の増加や営業・開発面での人材投資による人件費の増加を吸収して営業利益が7億70百万円と同31.2%増加した。持分法投資利益の増加(12百万円→27百万円)や貸倒引当金の戻入(28百万円)等による営業外損益の改善と税負担率の低下で四半期純利益は5億42百万円と同44.8%増加した。

尚、売上高、営業利益、経常利益、四半期純利益は、いずれも半期ベースで過去最高を更新した。
 
 
 
(2)財政状態及びキャッシュ・フロー(CF)
上期末の総資産は前期末比23億64百万円増の161億50百万円。業容拡大に伴う売上債権・仕入債務の増加に加え、広島工場関連の投資で有形固定資産が増加した。CFの面では、営業CFの大幅な増加で広島工場関連の投資をカバーし、2億40百万円のフリーCFを確保した。業容の拡大により自己資本比率は44.9%と前期末に比べて4.2ポイント低下したものの、有利子負債はわずかな増加にとどまった。
 
 
 
 
2014年2月期業績予想
 
 
上期決算を受けて通期業績予想を上方修正。前期比6.0%の増収、同21.9%の経常増益を見込む
利益が大きく上振れした上期決算を受けて通期業績予想を上方修正した。ただ、夏場の猛暑と台風等による秋以降の天候不順で野菜価格が高騰している事を踏まえ、下期の見通しは当初予想よりも慎重なものとなった。

販路別の見通しは、新規開拓と惣菜の販売拡大でスーパー等が同5.5%増加する他、コンビニ向けも同7.1%増加。外食・その他は同8.1%増と高い伸びが見込まれる。商品別では、惣菜が同36.3%増と大きく伸びる他、浅漬・キムチも同1.9%増と堅調に推移する見込み。

利益面では、物流費、人件費、広告宣伝費の増加による販管費の増加を吸収して営業利益が同22.0%増加する見込み。尚、原料野菜価格の上昇による原価率の悪化や広告宣伝費の増加(前年同期に比べて70百万円程度増加)等を織り込んだ結果、下期の利益率は上期に比べて低下する。
設備投資は広島工場の立ち上げや既存工場の増改築等で12億円(4億22百万円)を計画しており、減価償却費は4億52百万円(3億83百万円)を織り込んだ。

配当は1株当たり12円の期末配当を予定している。
 
 
 
今後の注目点
女性の社会進出や単身世帯の増加、小子高齢化等を背景に中食市場は成長を続けており、スーパーやコンビニ等が競って惣菜を強化している。同社の惣菜事業は、訴求力の強い「野菜」をキーワードにした製品開発によって、こうした追い風をうまく捉えている。また、賞味期限が短くタイムリーな製品供給が不可欠な浅漬や惣菜等では、業界で唯一の全国的な製造・販売ネットワークを有する事も強みだ。加えて、浅漬・キムチに次ぐ第2の柱として順調に売上が拡大している惣菜は、その市場の大きさに加え、浅漬・キムチほど原価に占める原料野菜の比率が高くないため、生産性改善による原価率の低減余地も大きい。