ブリッジレポート
(8912:東証マザーズ) エリアクエスト 企業HP
清原 雅人 社長
清原 雅人 社長

【ブリッジレポート vol.10】2014年6月期第1四半期業績レポート
取材概要「業績予想に修正はなかったが、上期予想に対する進捗率は、売上高55.6%、営業利益80.0%、経常利益81.8%。純利益は特別利益を計上したため・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年11月26日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社エリアクエスト
社長
清原 雅人
所在地
東京都新宿区西新宿六丁目5番1号 新宿アイランドタワー7階
事業内容
ビルテナント誘致が主力。借り主への店舗開発提案も。関東圏基盤に、ネット配信でも顧客開拓
決算期
6月 末日
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年6月 819 49 50 37
2012年6月 646 4 5 19
2011年6月 595 -45 -43 -50
2010年6月 735 12 14 3
2009年6月 879 -182 -179 -381
2008年6月 1,015 -311 -307 -556
2007年6月 1,530 -95 -94 -118
2006年6月 1,580 18 18 -139
2005年6月 2,091 240 236 189
株式情報(11/18現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
123円 20,997,100株 2,583百万円 7.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 3.72円 33.1倍 26.96円 4.6倍
※株価は11/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
エリアクエストの2014年6月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
“ビルコンシェルジェ”を標榜。東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の駅前商業地において、店舗を中心にしたテナント誘致等の「成功報酬型ビジネス」と、サブリースを含むビル管理及びメンテナンス(清掃、設備保守、警備管理等)や売買仲介を含む契約更新・契約管理の「ストック収入型ビジネス」を展開している。グループは、グループマネジメントが中心の同社の他、テナント誘致等を手掛ける(株)エリアクエスト店舗&オフィス、ビル管理等の(株)エリアクエスト不動産コンサルティング、及び不動産賃貸の(株)まや商会の連結子会社3社。
 
 
【振り返れば、上場から10年が経過】
野村證券を経て起業
現在代表取締役社長を務める清原雅人氏が野村證券(株)で7年の営業経験を積んだ後、98年に友人と共に起業。2000年1月に独立し、エリアリンク(株)として本格的なスタートを切った(01年3月、現商号に変更)。データベースマーケティングを駆使した営業力を武器に客付け・テナント誘致を行う仲介事業(成功報酬型ビジネス)を急拡大させ03年2月に東証マザーズに株式を上場した。
 
リーシング(客付け=仲介)に経営資源を集中。
会社設立から上場の数年間は、REIT(不動産投資信託)や不動産ファンドが全盛の時代と重なる。清原社長は、REITや不動産ファンド向けの開発ビジネスに魅力を感じつつも、そのリスクの大きさを懸念し、仲介に経営リソースを集中させた。不動産ファンドの成功のポイントは、デューデリ(買う前の調査)とリーシング(客付け・テナント誘致=仲介)と言われており、同社はリーシングに特化する事でリスクを限定しながら業容拡大を図る道を選んだ。
 
経営理念は「貸主・借主に徹底サービスを提供」。丁寧過ぎて断られた事も
経営理念は「貸主・借主に徹底サービスを提供」。上場当時は売上高のほぼ100%が仲介手数料で、貸主、借主のどちらに偏る事もなく、また大企業、中堅・中小企業にかかわらず、丁寧な接客サービス(不動産の紹介)を徹底した。ただ、人の心とはおかしなもので、丁寧過ぎると、逆に「裏があるのでは?」と不信感を持たれてしまう。今では、上場企業としてマツモトキヨシやドトール等の有力クライアントを抱える同社であり、最近はそういう苦労をしていないそうだが、当時は丁寧過ぎて断られた事が少なくなかったと言う。
 
サバイバル 同業が倒れる中、リーマン・ショックを乗り切った
日本の不動産業界は、米国サブプライムローン問題の波及、そしてリーマン・ショックと続き、大打撃を受けた。株式上場後も順調に業績を伸ばした同社だが、主要顧客の出店ペースの鈍化と外部環境の急変が重なり、業績はかなり急角度で下降線をたどった。利益は04/6期を、売上高は05/6期を、それぞれピークとし、不動産売買で底上げを試みたが、06/6期は市況悪化による特別損失の計上で1億39百万円の最終損失を余儀なくされた。このため、07/6期以降、グループをあげて構造改革に着手し、コスト削減を推進すると共に、収益性は高いが振れの大きい客付け・テナント誘致の仲介(成功報酬型ビジネス)から、経営基盤の構築に時間はかかるが、契約の積み上げで安定収益が期待できるビル管理・契約管理等のストック収入型ビジネスへ事業の軸足を移していった。
 
不幸中の幸いだったのは、05/6期は特損計上で最終損失となったが、当時は未だ本業の収益力があった事と財務面で致命的な問題を抱えていなかった事。09/6期にかけて3期連続の営業赤字を計上し、投資有価証券等の評価損・売却損の計上で最終赤字も膨らんだが、10/6期はコスト削減が進んだ事と積み上がってきたストック型収入で4期ぶりに営業損益が黒字転換。投資業務からの撤退で財務内容も改善した。11/6期は東日本大震災の影響による営業面での停滞で再び営業赤字となったが、12/6期以降はストック収入の積み上げと固定費を中心にしたコスト削減の進展で黒字体質が定着してきた。
 
同社は創業から3年で東証マザーズに株式を上場したが、筆者の記憶では、同社と同時期に株式を上場した不動産会社の中には、マンション等を開発しREITや不動産ファンドに売却するビジネスで短期間に売上高を数百億円規模、或いは1,000億円超に急拡大させた企業が複数あった。しかし、現在、いずれの企業も株式市場に見当たらない(社名を覚えている範囲ではあるが)。結果として、同社を救ったのは、リーシング(客付け=仲介)に軸足を置いた当初の経営戦略。基本線を外さなかった事でリーマン・ショックを乗り越えた。
 
 
【ストック収入型ビジネス拡大の原動力となったパノラマクリーニング】
ストック収入型ビジネスを展開する上での同社の強みは、掃除・メンテナンスだけでなく、従来からの成功報酬型ビジネスで培った仲介(客付け・テナント誘致)やアフターフォロー(トラブル防止・解決、テナント折衝力)をワンセットできる事。
 
一にも二にも「掃除」を重視
ストック収入型ビジネスの拡大に向け、一にも二にも「掃除」を重視しており、そのバイブル的な存在となっているのが「パノラマクリーニング」である。「パノラマクリーニング」は、清原社長が実際に掃除サービスの現場を見て感じた課題を解決するべくまとめたもので、パノラマスケッチ、項目指示書、抜打ちチェック、月次報告書がパッケージになっている(次項参照)。足元、順調に拡大しているストック収入型ビジネスだが、11/6期下期の「パノラマクリーニング」の導入が事業拡大の機転となった(「名前はベタだが、ヒット商品」清原社長)。
 
顧客対応力
消防法上問題となる共用部分の不正使用等はビルオーナー等に共通の悩みであり、ビジネス上大きな問題だが、テナントの接点がないビルメンテナンス会社等で対応する事が難しく、逆にテナントとのトラブルになりかねない。同社グループは、仲介業務でテナントとの接点がある事に加え、従前からトラブル防止・解決やテナントとの各種折衝等をテナント誘致のサービスとして提供していた。
 
 
【サービスラインナップの拡充  −ビルコンシェルジェ(商標登録)、
 賃貸借変更、テナント誘致−】
他社との差別化は掃除や共用部のチェックだけにとどまらない。同社は更なる差別化のポイントとして挙げているのが、"ビルコンシェルジェ"ブランドで展開するトラブルへの迅速対応、賃貸借変更、及びテナント誘致。いずれも需要の多さに注目して対応を強化すると共にサービス内容をブラッシュアップしてきた。
 
80年代後半から90年代初めにかけてのバブル期に竣工したビルが20年を経過し、エアコンの故障や水漏れ等、トラブルが増えてくる築年数に入ってきた。しかし、「こうしたトラブルに対して、リーズナブルな価格ですぐに対応してくれるサービス会社が少ない」と言うのがビルオーナー等の悩み。同社はこうした現状に着目し、作業内容を統一・マニュアル化すると共に、実際にサービスを提供する協力会社の整備を進めてきた。トラブルの多い水回り、電気、ガス、空調等、連絡を受けてから平均6時間以内に出動して対応すると共に、24時間〜72時間で、写真、原因究明、改善策、見積もりを提出する。一連のサービスを「ビルコンシェルジェ」としてブランディングして事業展開している。
 
建て替えに備えて借家契約を定期借家契約へ変更する必要があるビル等で、ビルオーナー等に代わって、テナントとの交渉を代行する賃貸借変更(既得権が強いだけに、この交渉が実に難しい)やテナント誘致(ライバルよりも早く、かつ高い賃料で誘致)等のサービスを総合的に提供する事で、不動産会社はもとより、ビルメンテナンス会社との差別化を図っていく(同社は上記のサービスを総合的に提供できるOnly Oneの企業である)。
 
【サブリースも順調に拡大】
ビルオーナー等からの高い評価を背景にサブリース(転貸)も拡大している。同社のサブリースの特徴は、ターゲットを1日の乗降客数が3万人以上の駅に絞り、その周辺の物件で1階部分に限定している事。サブリースは空室リスクを伴うが、同社は、人の流れが多い一等地(乗降客の多い駅周辺)に絞り込む事と、客付けで同社が強みを持つ小売業等に人気の1階部分に限定する事でリスクの顕在化確率を極小化している。サブリース事業開始から約3年半が経過した13年10月で45物件(うち2物件のみが最寄駅の乗降客が2万人/日)を扱っているが、解約が発生しても概ね1カ月程度で次のテナントが決まっていると言う(テナントが解約する場合は、6か月前までに同社に連絡する必要がある)。ただ、物件が一等地にあるだけに、ビルオーナー等からサブリース(転貸)の同意を得る事自体が難しい。優良物件があっても、同意を得られるのは20件に1件程度と言う(確率にすると5%程度)。
 
 
2014年6月期第1四半期決算
 
 
前年同期比55.2%の増収、経常利益27百万円(前年同期は2百万円の利益)
売上高は前年同期比55.2%増の2億69百万円。契約の積み上がりでストック収入型が伸びた事に加え、事業環境の好転も追い風となり、成功報酬型ビジネスの立て直しも進んだ。
 
利益面では、新規案件の立ち上げ等で原価率が上昇した他、人員増強等に伴う関連費用の増加があったものの、経費全般には抑制が効き、前年同期は2百万円にとどまった営業利益が27百万円に拡大。投資有価証券売却益84百万円を特別利益に計上した事等で四半期純利益は経常利益を上回る74百万円となった。
 
 
 
 
 
 
業容の拡大とM&Aにより、第1四半期末の総資産は10億52百万円と前期末に比べて1億23百万円増加した。長期預り保証金が第1四半期の3か月間で10%強増加しており、ストック収入型ビジネスが順調である事が財政状態からも推察できる。
 
尚、8月9日付けで不動産賃貸業を手掛ける(株)まや商会(東京都杉並区)の全株式を取得し連結子会社化した。(株)まや商会が保有する建物を同社グループ保有の賃貸物件とする事で賃貸収入を取り込み、グループの収益基盤の強化と企業価値向上につなげていく。(株)まや商会は、直近13/6期の売上高が56百万円。償却負担等から3百万円の営業損失となったが、キャッシュフローは黒字。また、損益についても、節税目的の経費計上等が多く、損益改善の余地は大きい。
 
 
2014年6月期業績予想
 
上期及び通期業績予想に変更はなく、通期で前期比20.8%の増収、同58.6%の経常増益を見込む。売上の面では、契約の累積効果でストック収入型ビジネスが伸びる上、景況感の改善や企業業績の回復でオフィスを移転・拡張する動きが活発化しており、成功報酬型ビジネスにも期待が持てる。また、「トラブル(カギ、水漏れ、ガラス)への迅速対応」、「賃貸借変更」、及び「テナント誘致」、をワンストップで提供する"ビルコンシェルジェ"や(株)まや商会の寄与も注目される。
 
一方、利益面では、新規案件の立ち上げによる一時的な売上原価の増加や、15/6期、16/6期を視野に入れた先行投資と営業強化に伴う販管費の増加を織り込んだものの、増収効果で吸収。営業利益は80百万円と同63.7%増加する見込み。
 
 
 
今後の注目点
業績予想に修正はなかったが、上期予想に対する進捗率は、売上高55.6%、営業利益80.0%、経常利益81.8%。純利益は特別利益を計上したため、既に上期予想を上回っている。契約期間内に均等に売上が上がるストック収入型が順当に伸びている事を考えると、新規案件の立ち上げによる一時的な売上原価の増加や、15/6期、16/6期を視野に入れた先行投資と営業強化に伴う販管費の増加が極端なものでなければ、上期の営業利益及び経常利益の上振れは必至。また、通期業績は売上高が11億円近くに迫り、営業利益は1億円を超えるのも楽観視ではないと思われる。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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