ブリッジレポート
(2468:東証マザーズ) フュートレック 企業HP
藤木 英幸 社長
藤木 英幸 社長

【ブリッジレポート vol.26】2014年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「各業界で音声認識を採用する動きが活発化しており、同社においても引き合いが増加している。しかし、その一方で他社との競争も激化しているため・・・」続きは本文をご覧ください。
2013年12月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フュートレック
社長
藤木 英幸
所在地
大阪市淀川区西中島 6-1-1
事業内容
携帯電話用音源LSIの開発で成長し、現在は音声認識ソフトウェアや音声対話システムの開発を中心に新たなビジネスマーケットを開拓中。知財戦略重視。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 3,165 896 901 491
2012年3月 2,562 501 502 261
2011年3月 2,085 482 485 284
2010年3月 1,996 530 540 315
2009年3月 1,777 404 415 221
2008年3月 1,598 264 277 159
2007年3月 1,253 249 256 162
2006年3月 1,443 173 165 99
2005年3月 1,059 69 79 33
2004年3月 907 9 6 -1
2003年3月 736 12 12 3
2002年3月 435 17 34 29
株式情報(11/22現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
810円 9,312,800株 7,543百万円 16.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.50円 1.3% 28.99円 27.9倍 346.03円 2.3倍
※株価は11/22終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フュートレックの2014年3月期第2四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
スマートフォンに話しかけるだけで操作を行う事ができるスマートフォンアプリ「しゃべってカンタン操作」(NTTドコモ)や声で入力できる銀行向け業務日報ソリューション等、「多くのビジネスシーンにも耐え得る高い認識精度」、「幅広い品揃え」、及び「カスタマイズ可能な柔軟性」を強みとする音声認識技術を用いてソリューションを展開。NTTドコモの音声エージェントサービス「しゃべってコンシェル」は、同社の音声認識エンジンを使用してサービスが提供されている。
グループは、同社の他、音声認識コア技術の開発を担う(株)ATR-Trek、CRMソリューションやシステムソリューションを手掛けるイズ(株)、及びiPhoneを中心にしたスマートフォンやタブレット向けアプリ開発の(株)スーパーワンの連結子会社3社。NTTドコモが発行済株式の約6%を保有し、13/3期はNTTドコモ向けの売上高が全体の64.2%を占めた。
 
【事業内容】
事業は、ライセンス事業とライセンス以外の事業に分かれ、14/3期第2四半期の売上構成比は前者が87.6%、後者が12.4%。また、前者は、音声認識・UIソリューション事業分野(同60.7%)、音源事業分野(同11.3%)、CRMソリューション事業分野(同15.6%)に分かれ、後者は基盤事業分野(同4.0%)及びカード事業分野(同8.4%)に分かれる。各事業の概要は次の通り。
 
 
フュートレックの音声認識関連技術は、3つの製品を中心として展開している。ひとつは音声認識で、ユーザーの声を認識する技術。次に、音声合成で、文章を機器に発話させる技術である。最後に、音声対話は機器と対話しながら操作できる技術である。
 
 
尚、音声認識・UIソリューション事業分野の収益は、技術や製品を提供する際、最初に受け取る許諾料「イニシャルフィー(初期許諾料)」、技術や製品を搭載するに当たり、周辺のシステム改変等を行う場合(実施毎)に受け取る実費用「カスタマイズ費用」、技術や製品を搭載した最終製品の生産や販売等に応じて、「1台当たり」、「1ダウンロード当たり」等の基準で受け取る継続許諾料「ランニングロイヤルティ」等からなる(ビジネス環境の変化等でこのビジネスモデルに収まらないものも増えている)。
 
 
 
2014年3月期第2四半期決算
 
 
前年同期比60.8%の減収、141百万円の経常損失(前年同期は7億82百万円の利益)
前期に発生した「しゃべってコンシェル」関連のカスタマイズ業務による反動が大きいうえ、開発案件が一部下半期に延伸したことにより、売上高が損益分岐点を下回った。
尚、NTTドコモの2012冬モデルのスマートフォンからプリインストールされている「しゃべってコンシェル」アプリは音声認識技術を用いたアプリだが、同社はこのアプリ向けに音声認識関連のミドルウェアライブラリを提供しており、前年同期はこれに伴うカスタマイズ収入が大きく寄与した。今期はその反動が大きいほか、携帯電話市場における国内出荷台数が(スマートフォンを合わせて)前年比でマイナスとなっており、ロイヤルティが減少している。同社が注力している携帯電話業界から他の業界への事業拡大による成果はあったものの、上記関連のカスタマイズ業務にかかる収入とランニングロイヤルティの落ち込みをカバーできなかった。
 
 
ライセンス(音声認識・UIソリューション事業分野、音源事業分野、CRMソリューション事業分野)
売上高は前年同期比63.6%減の6億72百万円。このうち音声認識・UIソリューション事業分野の売上高は同69.9%減の4億65百万円。前年の(株)NTTドコモ向けの「しゃべってコンシェル」関連のカスタマイズ業務による収入の減収およびロイヤルティ収入の減少が大きく影響した。フィーチャーフォン(従来型携帯電話)の市場縮小により、(株)NTTドコモとの音源IPライセンス契約に基づくロイヤルティ収入が減少し、音源事業分野の売上高は同14.3%減の86百万円。受託開発の売上が減少したことで、CRMソリューション事業分野の売上高は119百万円と同39.3%減少した。
 
ライセンス以外(基盤事業分野、カード事業分野)
売上高は前年同期比14.0%減の95百万円。基盤事業分野では、カスタマイズ業務による収入の減少で売上高が30百万円と同37.3%減少した。カード事業分野においては、英語リスニング模擬試験用メモリーカードの書込みによる収入が増加し、売上高が64百万円と同4.3%増加した。
 
 
第2四半期末の総資産は前期末比約530百万円減の3,303百万円。配当や法人税等の支払いが総資産減少の主な要因。自己資本比率は90.8%と前期末に比べて6.8ポイント改善した。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
前期比18.8%の減収、同43.4%の経常減益
前期に大きく売上が計上された「しゃべってコンシェル」関連のカスタマイズ業務に代わる売上は当期には見込めず音声認識・UIソリューション事業分野の売上が減少。フィーチャーフォンの減少で音源事業分野等の売上も減収が続く見込み(機種によるが、フィーチャーフォンには音声認識・音声対話技術も供給している)。営業利益は前期比44.2%減の5億円と、比較的大きな落ち込みとなる。ただ、下半期には上半期からの延伸案件の売上に加えて、徐々に非携帯電話業界向けの案件が寄与する見込み。配当は1株当たり10.5円の期末配当を予定している。
 
フュートレック製品の他業界へのひろがり
2014年3月期の最重点課題として、音声認識事業の他業界への進出を掲げている。音声認識を使った製品は年々増加しており、家電、医療、車・カーナビ業界等において、音声認識採用の取り組みが急激に進んでいる。業務日報ソリューションがアドバンスクリエイトで採用された(2013年8月27日)のをはじめとして、カーナビ市場においてはパイオニアの市販ナビに採用(2013年5月8日)、家電市場においても、パナソニック製エアコンの操作用アプリに採用された(2013年6月19日)。
 
 
 
今後の注目点
各業界で音声認識を採用する動きが活発化しており、同社においても引き合いが増加している。しかし、その一方で他社との競争も激化しているため、営業力、製品力、技術力の強化が不可欠である。このため、同社は、この3月に、従来の4本部制(技術本部、営業本部、経営企画本部、管理本部)を廃止し、ターゲット市場を絞り込むと共にターゲット市場毎の事業部制に再編した。技術力に磨きをかけると共に、各事業部がターゲット市場での集中的な営業活動と顧客の声を基に最適な製品・サービスを提案していく事で、営業力と製品力の強化につなげたい考え。
14/3期は売上・利益が共に落ち込むものの、既にカーナビ、教育ソリューション、エアコンといった非携帯電話業界向けの案件獲得に成功しており、商談中の案件も多いようだ。携帯業界よりも格段に市場規模の大きい非携帯電話業界向けが軌道に乗れば、潜在成長力を高める事ができる。取り組みの成果に期待したい。
 
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