ブリッジレポート
(4290:東証1部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.12】2014年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「合弁会社への業務移管の影響を短期間で吸収し、14/3期は増益に転じる見込み。円高修正の恩恵も一部にはあったが、充実したサービスラインナップ・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年2月18日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
事業内容
コールセンター活用のBPO。自動車の事故、故障対応や金融関連が主業。不動産分野に注力
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 24,225 2,380 2,158 1,409
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(1/31現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
991円 30,398,740株 30,125百万円 13.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 1.5% 67.98円 14.6倍 381.15円 2.6倍
※株価は1/31終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。BPSは13年10月の株式分割を反映。
 
プレステージ・インターナショナルの2014年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
連結子会社22社、持分法適用関連会社1社とグループを形成し、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、損害保険会社、自動車関連会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、実際のサービスは自動車保険加入者に提供するロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンション等の入居者に対するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。
 
【事業セグメントの概要】
事業は、ロードアシスト事業、インシュアランス事業、CRM事業、カード事業、プロパティアシスト事業のBPO事業と、BPO事業の補完的な役割を担うIT事業、派遣・その他事業に分かれる。
 
ロードアシスト事業 13/3期売上構成比38%
損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス(コンタクトセンター)において緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスは、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本、(株)プレミアロータス・ネットワーク、及び自動車整備会社やレッカー業者等の協力会社に委託。関連するシステムの開発については、(株)プレミアITソリューションがその役割を担っている。
 
インシュアランス事業 同32%
損害保険会社向けの海外日本語アシスタンス及び海外旅行保険クレームエージェント、海外進出企業向けヘルスケア・プログラム(海外駐在員の傷害・病気への対処)、自動車メーカー及び中古車販売会社向け延長保証・メンテナンスプログラム、少額短期保険事務代行サービス、及び(株)イントラスト、(株)オールアシストによる家賃保証サービス等を手掛けている。海外は、米国、英国、香港、中国(上海)、シンガポール、タイ、オーストラリア、ブラジルに現地法人を展開。
 
CRM事業 同12%
通信販売会社、海外ブランド、ポータルサイト運営会社等に対して、国内・海外のコンタクトセンターのアウトソーシングサービスや損害保険会社向け24時間事故受付業務全般のアウトソーシングサービスを提供。日本及びアジアにフォーカスしている。
 
カード事業 同7%
日系航空会社や海外金融機関との提携により、米国、香港及び中国本土(上海)において主に日本人駐在員向けに海外通貨建てクレジットカード(グループ独自のクレジットカード「プレミオカード」)の発行・運営を行っている。
 
プロパティアシスト事業 同8%
不動産向けサービス「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を提供しており、前者では分譲マンション等の入居者に対して一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を、後者では無人駐車場及びカーシェアリング車両のステーションにおけるトラブル(機器保守、補修、緊急・点検出動等)対応を行っている(実際のサービスは関係会社の(株)プレミア・プロパティサービス、(株)プレミアパークアシスト及び協力会社が提供)。

上記のBPO事業を補完するべく子会社がIT事業(同2.0%)、派遣・その他事業(同1.0%)を手掛けている。
 
【コンタクトセンター投資】
同社の成長を支えてきたのが、秋田BPOキャンパスだ(緊急要請を24時間年中無休で受け付けるコンタクトセンター)。「長期的かつ安定した人材の確保によってはじめて顧客への安定したサービスの提供が可能になる」との考えから03年10月に開設した秋田BPOキャンパス(WEST棟550席)は、その後、07年EAST棟(650席)開設、12年サテライト棟(300席)開設と規模を拡大。高品質のインフラに対するクライアントからの評価は高く、ショールームとしての役割も担っている。
 
 
ただ、秋田BPOキャンパスは既にフル稼働に近いため、13年11月11日に山形県酒田市に山形BPOガーデンを開設した他、富山県射水市で富山BPOタウンの第1期工事を進めている。
山形BPOガーデンは、13/3期の第4四半期から仮センターで100席体制の運用を行っていたが、施設の竣工を受けて、150名体制で自動車保険のロードサービスや自動車メーカーのアフターサービスに関する業務等を開始した。今後、プロパティアシスト事業のパークアシストやインシュアランス事業のクレームエージェント・サービスに業務範囲を広げていく計画で、14年4月には250名体制となる見込み。秋田BPOキャンパスの補完的な位置付けで、キャパシティは500席。
 
 
一方、秋田から南に500キロメートルの距離にある富山県射水市で第1期工事が進められている富山BPOタウンは、クライアントが求める BCP(事業継続計画)要件を満たしており、秋田BPOキャンパスと並び立つ拠点としての位置付け。秋田の業務を2分し、富山BPOタウンに移管する計画だ。キャパシティは1,000席を予定しているが、15年2月完成分の設置設備を第1期工事とし、1,000席で稼働する(サービス開始は15年4月を予定)。東日本大震災を契機に、BCPの観点から、秋田BPOキャンパスと一定距離を置いた地点へのオペレーションの分散(2拠点化)を求める声が増えていたと言う。
 
 
【中期事業方針】
同社は経営目標である「利益の持続的な成長」と「長期、継続的、独自性の高いサービスの創出」の達成を念頭に(言い換えると、外部環境に左右されない収益基盤の確立に向け)、12年5月に「新たなるビジネス開発」と「事業インフラの開発」を主要方針とした「中期事業方針」を策定した。

「中期事業方針」は、①パートナーとして顧客と強固で永続的な関係を構築して事業を進めるビジネス・パートナーモデル、②クライアントが必要とするサービスを単体で提供するサービスプロバイダーモデル、そして③IT戦略、の3本の矢からなり、概要は次の通り。
 
(1)ビジネス・パートナーモデル
第1弾となるNKSJホールディングスとの合弁会社を12年4月に設立し、12年9月に稼働した。現在、順調に業務を拡大しており、14/3期の黒字化が見込まれる。ロードアシスト以外の分野への展開も計画しており、自動車延長保証商品(大手損害保険会社や大手金融機関系カード会社とそれぞれ商品を開発中)や住宅設備の延長保証プログラム(大手マンションデベロッパー及びその系列管理会社と商品を開発中)について開発プロジェクトが進められている。
 
(2)サービスプロバイダーモデル
NKSJホールディングスとの合弁会社が運営する秋田センターに人材・システム・設備を提供しており、同じく東京センター及び14年開設予定の鹿児島センターにおいてもシステムを提供する予定。また、合弁会社向けに限らず、サービスを通じて寄せられる多様なニーズに応えるべく、人材、システム、設備を個別に提供するプランも用意しており、コンタクトセンター運営の根幹を成すPBXシステム(IP-PBX)の提供が既に決まっている(保険会社で導入予定)。更なる横展開が見込めるため、積極的な営業活動を行なっていく考え。
 
(3)IT戦略
グループ内のITシステム需要を鑑み、ITシステム統合会社を設立した(グループIT資産を一本化)。自家運用でブラッシュアップした後、プレミアITソリューションとしてクライアントへも提供していく。
 
 
 
 
2014年3月期第3四半期決算
 
 
選択と集中による業務の効率化で、同24.3%の営業増益
ロードアシスト事業におけるJVの影響やインシュアランス事業の延長保証・メンテナンスプログラムにおける契約内容変更の影響で売上高は162億12百万円と前年同期比10.4%減少した。

利益面では、サービス利用に伴う費用の抑制や業務プロセスの見直し等、原価抑制に取り組んだ成果が現れた事に加え、円高修正による利益の押し上げもあり、売上総利益が38億05百万円と同15.2%増加。山形BPOガーデン、海外拠点、及びフィールドワーク子会社の体制強化に伴う販管費の増加を吸収して営業利益は20億63百万円と同24.3%増加した。

営業外では、合弁会社が第3四半期に黒字転換した事で持分法投資損益が改善(△49百万円→6百万円)したものの、グループ間の資金取引等に伴う為替差損が増加(42百万円→1億71百万円)。特別損益では、投資有価証券売却益が増加(10百万円→5億16百万円)する一方、固定資産圧縮損が減少した(2億51百万円→1百万円)。

尚、円高の修正が(1ドル=86.58円→105.39円)、前年同期比で5億09百万円の増収、1億34百万円の営業増益要因となった。
 
 
ロードアシスト事業
国内での損害保険会社向け及び自動車メーカー向けのロードアシストサービスに係る収益が計上されており、第3四半期累計期間は売上高55億80百万円(前年同期比23.4%減)、セグメント利益5億85百万円(同16.9%減)。昨年10月にNKSJグループ向けサービスを同グループとの合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管した影響で減収・減益となった。ただ、分離業務以外の受託業務が堅調に推移した他、成長分野である自動車ディーラー向け業務も拡大した模様。引き続き業界内での横展開に注力していく考え。利益面では、減収の影響をカバーするには至らなかったものの、システム化による手配工数削減効果が顕在化してきた事や原価(仕入)の抑制により利益率が改善した(9.7%→10.5%)。
単純合算によるメニュー別構成比は、売上が損保84.4%、メーカー15.6%、利益が88.6%、11.4%。
 
インシュアランス事業
国内での延長保証・メンテナンスプログラム、家賃保証プログラム、及び少額短期保険事務代行全般、海外での海外旅行傷害保険クレームエージェント・サービス及びヘルスケア・プログラム等の収益が計上されている。
ただ、これまでは延長保証・メンテナンスプログラムにかかる保証リスクの“保険化部分”を売上計上する一方、同額を売上原価に計上していたが(言い換えると、“保険化部分”の利益貢献はなかった)、今期より「預り金」としての計上に変更され、損益計算書に反映されなくなった。このため、第3四半期累計期間は売上高が41億48百万円と前年同期比25.5%減少したものの、セグメント利益は、各業務が総じて堅調に推移した事に加え、円高修正による押し上げ効果もあり、4億50百万円と同57.5%増加した。

家賃保証プログラムでは新規クライアントの獲得が順調に進み、ヘルスケア・プログラムでは下期にスタートした新規2案件が寄与(来期開始案件の獲得も進んだ)。一方、海外旅行傷害保険クレームエージェント・サービスは業容拡大に向けた体制強化に取り組んだ。円高修正による押し上げは、前年同期比で売上高が2億16百万円、利益が53百万円。
 
 
CRM事業
国内及び海外(香港)でのコンタクトセンターアウトソーシング及び国内での損害保険会社向け24時間事故受付サービスの収益が計上されており、第3四半期累計期間は売上高22億45百万円(前年同期比7.9%増)、セグメント利益3億10百万円(同50.0%増)。既存受託案件の寄与で24時間事故受付サービスが伸び増収をけん引。一方、コンタクトセンターアウトソーシングは、国内で新規受託業務を獲得したものの、既存受託業務が伸び悩んだ他、不採算事業から撤退した海外の売上が減少した。利益面では、売上の増加に加え、海外での不採算事業からの撤退や円高修正もあり、大幅な増益となった。円高修正による押し上げは、前年同期比で売上高が19百万円、利益が4百万円。
単純合算による地域別別構成比は、売上が国内95.0%、海外5.0%、利益が91.8%、8.2%。
 
カード事業
米国、香港、中国において海外通貨建てクレジットカードサービスを提供しており、第3四半期累計期間は売上高15億22百万円(前年同期比28.3%増)、セグメント利益4億62百万円(同36.6%増)。積極的なマーケティング活動が成果をあげる中、円高修正も追い風となり大幅な増収・増益となった。クレジットカード会員数は、米国で3.9%、中国で5.3%、それぞれ増加。中国では、旅行やビジネス利用を目的に中国人会員が増加していると言う。円高修正による押し上げは、前年同期比で売上高が2億72百万円、利益が76百万円。単純合算による地域別別構成比は、売上が米国93.5%、香港・中国6.5%、利益が91.8%、8.2%。
 
プロパティアシスト事業
不動産関連会社向けホームアシスト(水廻りやガラスなど住宅にまつわるトラブル対応サービス)、及び駐車場管理会社向けパークアシスト(機器保守、補修、緊急、点検出動等のサービス提供)の収益が計上されており、第3四半期累計期間は売上高18億75百万円(前年同期比27.8%増)、セグメント利益1億28百万円(同72.1%増)。ホームアシストは、大手クライアントからの受託業務が10月に終了したものの、分譲マンション分野での既存受託業務が伸びた他、賃貸分野も新規受託案件を獲得。システム化による業務効率の改善で収益力の強化も進んでいる。また、下期に新規事業「住設機器延長保証事業」がスタートし、既に大手不動産2社からの受託にも成功している。今後、一段の横展開を進めていく考え。
一方、パークアシストは既存受託業務が拡大した。山形BPOガーデンにおいて業務を開始したが、複数拠点における業務運営体制の確立が喫緊の課題である。
単純合算によるメニュー別構成比は、売上がホームアシスト55.6%、パークアシスト44.4%、利益が83.1%、16.9%。
 
 
第3四半期末の総資産は175億72百万円と前期末に比べて17億18百万円増加した。借方では、山形BPOガーデンへの投資及び国内外の拠点拡充等で有形固定資産が増加した他、サービス利用の増加で立替金も増加。一方、投資有価証券の売却で投資その他が減少した。貸方では、主に純資産が増加。投資有価証券の現金化等で設備投資資金を賄ったため、有利子負債は減少した。有利子負債の残高は1億01百万円と僅少で実質無借金経営。自己資本比率は73.1%と前期末に比べて2.4ポイント改善。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前年同期比9.2%の減収、同13.4%の営業増益
前年同期比9.2%の減収を見込んでいるが、合弁会社への業務移管と契約内容変更の影響52億を除いた実質ベースでは二桁の増収。利益面では、原価抑制に向けた取り組みが成果をあげている事に加え、円高修正もあり、営業利益が同13.4%増加する見込み。為替の前提は1ドル=94.39円と保守的。配当は、1株当たり5円(うち50銭は東証1部指定替えに伴う記念配当)の期末配当を予定。上期末配当10円と合わせて年15円となるが、13年10月1日付けで1株を2株に分割しており実質的には年20円。
 
 
 
 
今後の注目点
合弁会社への業務移管の影響を短期間で吸収し、14/3期は増益に転じる見込み。円高修正の恩恵も一部にはあったが、充実したサービスラインナップを有する事と、個々のサービスにおいて販売力・収益性の両面でブラッシュアップが進んでいる事が原動力だ。
通期業績予想に対する進捗率は、売上高73.7%(前年同期の実績ベースの進捗率74.7%)、営業利益76.4%(同70.0%)、経常利益69.6%(同72.2%)。山形BPOガーデンの稼働や富山BPOタウン関連の先行投資等はあるものの、合弁会社も含めて収益性の改善が顕著に進んでいる事や為替の前提が保守的である事を考えると、利益面で上振れる可能性が高いと思われる。来15/3期業績を考える上でも参考になるため、第4四半期(1-3月)の業績に注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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