ブリッジレポート
(4319:東証1部) TAC 企業HP
斎藤 博明 社長
斎藤 博明 社長

【ブリッジレポート vol.12】2014年3月期第3四半期業績レポート
取材概要「厚生労働省が教育訓練給付制度の大幅な拡充を検討していると報じられた。また、昨年末の公認会計士試験合格者はほぼ全員が採用されたこと・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年2月18日掲載
企業基本情報
企業名
TAC株式会社
社長
斎藤 博明
所在地
東京都千代田区三崎町3-2-18
事業内容
「プロフェッションの養成」を基本理念として、社会人、大学生を対象に資格教育、実務教育を核とした人材育成事業を展開
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年3月 20,999 136 377 977
2012年3月 22,578 -606 -530 -799
2011年3月 24,575 465 283 -244
2010年3月 23,991 623 442 40
2009年3月 21,092 1,330 1,352 669
2008年3月 20,741 1,069 1,230 443
2007年3月 20,553 1,173 1,333 742
2006年3月 19,828 421 631 249
2005年3月 19,669 459 558 81
2004年3月 19,542 988 943 470
株式情報(2/5現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
333円 18,503,932株 6,161百万円 35.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
1.00円 0.3% 24.51円 13.6倍 181.59円 1.8倍
※株価は2/5終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
TACの2014年3月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「資格の学校TAC」として、資格取得スクールを全国展開。社会人や大学生を対象に、公認会計士、税理士、不動産鑑定士、社会保険労務士、司法試験、司法書士等の資格試験や公務員試験の受験指導を中心に、企業向けの研修事業や出版事業等も手掛ける。
 
 
【沿革】
1980年12月、資格試験の受験指導を目的として設立され、公認会計士講座、日商簿記検定講座、税理士試験講座を開講。2001年10月に株式を店頭登録。03年1月の東証2部上場を経て、04年3月に同1部に指定替えとなった。09年9月には司法試験、司法書士、弁理士、国家公務員擬錙Τ位垣賁膺εの資格受験講座を展開していた(株)KSS(旧・早稲田経営出版)から資格取得支援事業及び出版事業を譲受。これにより、会計分野に強みを有する同社の資格講座に法律系講座が加わると共に、公務員試験のフルラインナップ化も進んだ。2013年12月、小中高生向け通信教育事業を柱とする(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結。
 
 
 
2014年3月期第3四半期決算
 
売上高について
各講座の受講者は受講申込時に受講料全額を払い込む必要があり(同社では、前受金調整前売上高、あるいは現金ベース売上高と呼ぶ)、同社はこれをいったん「前受金」として貸借対照表・負債の部に計上する。その後、教育サービス提供期間に対応して、前受金が月毎に売上に振り替えられる(同社では、前受金調整後売上高、あるいは発生ベース売上高と呼ぶ)。損益計算書に計上される売上高は、「発生ベース売上高(前受金調整後売上高)」だが、その決算期間のサービスや商品の販売状況は現金ベース売上高(前受金調整前売上高)に反映され(現金収入を伴うためキャッシュ・フローの面では大きく異なるが、受注産業における受注高に似ている)、その後の売上高の先行指標となる。このため、同社では経営指標として現金ベース売上高(前受金調整前売上高)を重視している。
 
 
減収率は上昇も、コスト削減効果継続し大幅な増益
現金ベース売上高は前年同期比3.2%減収の154億8千万円。第2四半期累計期間の同2.6%減少から減収率はやや上昇した。
税理士講座の主要な開講時期が2014年にずれ込んだことや、合格者数や難易度に大きな変動があったために中小企業診断士講座、社会保険労務士講座の売上が減少したことが主な要因。現金ベース売上高の減少に伴い、前受金戻入れも鈍化しており、損益計算書に計上される売上高である発生ベース売上高は155億66百万円と同2.9%の減収だった。

同社は前第3四半期より事業構造改革に着手し、大幅なコスト削減を進めている。そのため、今第3四半期(10-12月)のみをとると大幅なコスト削減効果は生じていないが、第3四半期累計で見れば、講師料、外注費を中心とした売上原価は同10.2%減少の90億87百万円、人件費、広告宣伝費を中心に販管費は同10.4%減少の53億23百万円とコストは大幅に減少している。
この結果、営業利益は第2四半期に続き第3四半期としても過去最高を更新した。
投資有価証券の利息計上および運用益を計上した一方、支払利息、持分法による投資損失、為替差損もあったが、営業外損益は2億44百万円のプラスとなり、経常利益も大幅に増加した。
前第3四半期累計期間に特別利益に計上していた移転補償金がなくなったため増益率は経常利益には及ばなかったものの、四半期純利益も2ケタの増益となった。
 
 
 
【個人教育事業】
現金ベース売上高は前年同期比5.2%減少の103億34百万円。
第2四半期(7−9月)に入り申し込みが減少した税理士講座が、合格発表の影響で第3四半期(10-12月)に主要な開講日が第4四半期にずれ込んだほか、法律分野の各講座も低調だった。
一方で、公務員講座は国家総合職・外務専門職コース、国家一般職・地方上級コースともに引き続き好調だった。
営業費用は同13.1%減少の98億74百万円となり、現金ベースの営業利益は4億59百万円(前年同期は4億65百万円の営業損失)と大幅に改善。3期ぶりに黒字転換した。
発生ベースでは売上高104億63百万円(同4.5%減)、営業利益5億88百万円(前年同期 415百万円の営業損失)となった。
教室講座と通信講座の構成比は、前年同期よりも通信講座の構成比が上昇した。(通信講座 39.2%→40.9%、教室講座60.8%→59.1%)
Web通信、ダウンロード通信など比較的新しい通信形態での受講が増加している。2012年11月より新Web-Schoolがスタートし、PCでのMac対応、スマートフォンおよびタブレット(iOS、Android)でも利用できるようになったこと等、利用環境の整備に注力してきた効果が現れている。
 
【法人研修事業】
現金ベース売上高は前年同期比1.8%増加の33億67百万円。
企業研修は景気回復を追い風に同10.4%増と、第2四半期の同3.2%から伸び率が上昇している。財務・会計系研修は同横ばいだったが、経営・税務分野は同9.7%増と堅調。金融・不動産分野の研修も大きく伸びた。その他、宅建 同8.5%増、証券アナリスト 同8.6%増、ビジネススクール 同3.2%増、新規開発のヒューマンスキル系研修 同17.9%増と概ね堅調に推移した。第2四半期マイナスだった情報処理研修も同0.8%増とプラスになったが、中でもCompTIA研修は同10.5%増と2ケタの伸びを見せた。
専門学校に対するコンテンツ提供は、宅建・公務員・情報処理が同10.4%増、大学内セミナーは公務員講座が好評で同3.8%増となった。一方、地方の専門学校との提携校事業は宅建、公務員が好調だった以外は低調で同7.5%減となったほか、自治体等の委託訓練が同7.9%減、税務申告ソフト「魔法陣」事業も同10.1%減と低調だった。売上高は微増だったが、コスト削減により現金ベースの営業利益は同12.7%増の10億41百万円と2ケタの増益となった。
発生ベースでは売上高33億24百万円(同+0.6%)、営業利益9億99百万円(+8.7%)となった。
 
【出版事業】
売上高は前年同期比1.1%減少の14億58百万円。
同社が展開するTAC出版は、刊行点数は324点と前年同期の350点を下回ったものの、FP講座書籍等が好調で売上高は11億99百万円だった。一方、子会社(株)早稲田経営出版が展開するW出版は、司法書士講座や行政書士講座を中心に書籍の刊行点数は同横ばいの115点を維持したが単体売上高は364百万円と同9.1%減少した。
全体の売上高は減収となったが、FP講座のように資格関連の書籍売上が講座売上に結び付く好循環を生み出し始めている。
コスト削減と共に在庫圧縮を行った結果、営業利益は同2.4%減の3億68百万円となった。
なお、前受金調整がないため現金ベースと発生ベースの売上高は一致する。
 
【人材事業】
売上高は前年同期比6.4%増加の3億58百万円。
会計業界向けの夏の就職説明会には大手4大監査法人が全て出展を決める等、環境は改善している。冬の税理士合格者中心の就職説明会も過去最高水準の出展社数となった。イベント収入が同30.8%増加したことに加え、会計事務所・税理士法人の求人増加により、人材紹介成約件数も同28.6%増と堅調だった。コスト低減を徹底したため、営業利益は93百万円(同55.7%増)となり、二期連続の増収増益となった。
なお、前受金調整がないため現金ベースと発生ベースの売上高は一致する。
 
 
【マーケット概要】
当社が取り扱う資格の2012年の本試験申込者は2,692千人(前年比 -6.4%)と2年連続して減少した。2013年は全ての結果が出ている訳ではないが、試験別の傾向を見ると、会計士 同-4.6千人、税理士 同-3.1千人と会計系は減少が続いている。宅建は戻りが一服。司法試験 同-0.9千人、司法書士 同-1.9千人、行政書士 同-4.9千人と法律系も減少が続いている。一方、簿記は同-6.3千人とマイナスではあったが、下げ止まり感がでてきたようだ。地方上級公務員は人気が持続し、前年並みを維持している。

(以下、同社動向。原則発生ベースで記載。)
 
財務・会計分野
発生ベース売上高は前年同期比15.0%減少の25億41百万円。
平成25年度公認会計士試験は、第飢鵝βII回合わせて出願者数合計が前年比 -24.9%の13,224名となり、内部統制監査導入前の出願者数にまで低下した。最終合格者数は同 12.5%減少の1,347名だった。一方で、新規株式公開件数の回復を背景に大手4大監査法人は積極採用姿勢に転じており、上記合格者はほぼ全員が採用され、未就職者の問題は完全に終息したと会社側は考えている。また、合格率は8.9%と前年の7.5%を上回り、公認会計士試験の受験環境は好転している。
同社の公認会計士講座は、新規学習者向けの入門コースは前年を若干上回る水準を維持しているが、再受験者向けの上級コースは十分な受講申し込みが確保できず低調だったため、第3四半期累計(4-12月)の発生ベース売上高は前年同期比19.8%の減少となった。
簿記検定講座は、2級試験が難しくなっているため、その後の1級への進級や税理士講座へのステップアップを行う受講者が減少した。こうした落ち込みをカバーするため、3級及び2級については新規顧客獲得のためのキャンペーンを積極的に実施したことにより、受講申込みが増加している。また2013年の3級本試験受験者数は前年を1.6%上回り、環境に明るさも見え始めている。ただ、足元の数字を押し上げるまでには至らず、第3四半期累計(4-12月)の簿記検定講座の発生ベース売上高は同9.3%の減少となった。
 
経営・税務分野
発生ベース売上高は前年同期比6.3%減の33億86百万円。
平成25年の税理士試験の受験申込者数は55,332名(前年比5.3%減)と漸減傾向が続いており、最終合格者数も905名と前年より18.0%減少した。2013年の合格発表は前年よりも遅くなったため、税理士講座の年内開講が難しく、主要コースは開講が2014年にずれこんだため発生ベース売上高は同8.9%減となった。中小企業診断士講座は、前期の大量合格の反動で再受験者が減少している影響があったが、発生ベース売上高は同1.0%の微増となった。
 
金融・不動産分野
発生ベース売上高は前年同期比8.4%増の21億12百万円。
不動産鑑定士講座は景気回復により不動産市場が活発化しつつあるが、受験者市場にまで波及しておらず発生ベース売上高は同8.8%の減少。一方、宅建主任者講座及びマンション管理士講座は引き続き好調で、それぞれ発生ベース売上高は同8.5%増、同10.8%増となった。
FP講座はリニューアルした出版物が好評で、発生ベース売上高は同11.1%増加。書籍購入が講座申し込みに繋がるケースも増えている。証券アナリスト講座は、2014年1月からのNISA(日本版少額投資非課税制度)開始に伴い、コールセンター要員に証券外務員試験を受験させる証券会社や金融機関のニーズが高まり発生ベース売上高は同8.9%増加した。またビジネススクール講座も企業研修が好調で発生ベース売上高は同2.6%増加した。
最近開講したヒューマンスキル講座、建築士講座も順調な立ち上りとなっている。
 
法律分野
発生ベース売上高は前年同期比10.8%減の15億37百万円。
予備試験受験者数が1万人を超えた等、明るい兆しが見えてきた司法試験だが、司法試験講座規模縮小の影響を受け、発生ベース売上高は同23.0%と大幅な減少となった。司法書士講座は、前期に出版部門が好調だった反動及び新規の個人申込みが低調で、発生ベース売上高は同11.4%減となった。弁理士講座は、本試験合格者数が大幅に減少し難易度が上がったため、新規・再受験者向けともに低調。行政書士講座もふるわず、両講座の発生ベース売上高はそれぞれ、同7.4%減、同7.5%減となった。
 
公務員・労務分野
発生ベース売上高は同5.8%増の39億87百万円。
社会保険労務士講座は、景気回復と共に本試験受験者数が前年比4.7%減少し、合格者数も同27.0%減少。合格率も前年の7.0%を下回る5.4%となるなど受験環境が厳しくなったことを受け、合格発表後の受講申し込みが振るわず、発生ベース売上高は同6.6%の減少となった。一方、公務員講座は、国家総合職・外務専門職コースの発生ベース売上高は同4.8%減少したが人気は回復傾向にある。また、国家一般職・地方上級コースは景気回復を受けて民間企業への就職状況が回復しているものの好調を持続しており、発生ベース売上高は同13.3%増加した。また、同社が推定市場規模約600億円と想定し、当面10%の市場シェア獲得を目指し、今後の注力分野と位置付けている教員試験対策講座は、2014年1〜2月の本格開講を前に、先行開講が始まり、売上も計上された。
 
情報・国際分野
発生ベース売上高は同1.3%増の11億21百万円。
情報処理講座は第2四半期から回復傾向にあり、前期並みの発生ベース売上高となった。CompTIA講座の発生ベース売上高は同11.4%増と引き続き好調だった。米国公認会計士講座は、TOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)講座、BATIC(国際会計検定)講座が順調だったが、発生ベース売上高は同1.5%の減少となった。
 
その他
売上高(現金ベース売上高=発生ベース売上高)は同0.2%増加の8億79百万円。
夏に開催する会計業界向け就職説明会関連の売上高が好調なことに加え、景気回復につれて他の人材派遣・人材紹介関係の売上高も伸び、人材事業売上は同7.4%増となった。一方、税務申告ソフト「魔法陣」の売上高は同10.1%減と不振だったことに加え、各拠点での受講申込みが低調なため、受付雑収入も同16.2%の減少となった。
 
 
個人受講者数、法人受講者数ともに前年同期に比べ減少し、受講者全体では前年同期比1.3%減少の166,602人となった。
法人受講者は大学内セミナーが就職対策講座を中心に同17.4%減及び提携校が同8.9%減と低調だったが、通信型研修が同13.0%増と好調だった。
講座別には、公認会計士講座 同18.6%減、税理士講座 同9.5%減、不動産鑑定士講座 同16.1%減、社会保険労務士講座 同10.3%と低調だった一方、公務員講座は国家一般職・地方上級コース 同18.3%増、簿記検定講座 同10.9%増、宅建主任者講座 同4.5%増、FP講座 同4.7%増、証券アナリスト講座 同9.6%増、ビジネススクール講座 同17.7%増と好調だった。
 
 
固定資産は投資その他の資産減少などで4億円減少したが、現預金、売上債権の増加などで流動資産が18億円増加し、総資産は14億14百万円増加。一方、有利子負債6億円増加等で負債は5億53百万円の増加。自己資本比率は第2四半期末と変わらず22.9%で、前期末の19.7%から約3ポイント上昇した。
 
 
2014年3月期業績予想
 
 
通期見通しに変更なし。事業構造改革により大幅な増益を計画。
第3四半期実績の通期業績見通しに対する進捗率を見ると、売上高については順調で、利益に関しては既に大幅な超過となっているが、会社側は、主力講座を中心に申し込み状況につき今後も不透明要因が残ると考えており、現時点でも修正を行っていない。また、事業構造改革によるコスト削減効果も下期には一巡すること、監査法人変更に伴う期末決算整理で追加的な費用が発生する可能性も想定している。
配当は1円/株へ復配の予定。
 
 
トピックス
 
①(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結
2013年12月27日、静岡県の本社を置く、子会社(株)Z会による小中高生向け通信教育等で定評のある(株)増進会出版社と資本・業務提携契約を締結した。
 
 
(株)増進会出版社は、子会社の(株)Z会を通じて、通信教育事業を柱とし、教室事業、出版事業、WEBを使った指導サービスまで、総合教育サービス企業として、幅広いチャネルを活用した教育サービスの提供を行っている。2013年11月には、大学生・社会人教育コンテンツの企画、開発、販売を行う孫会社の(株)Z会CAを会社分割により分社化。大学生・社会人向け教育事業の拡大に向けた取り組みも開始した。

両社が保有するそれぞれの特徴、強みを融合することで、「顧客基盤の広がり」、「コンテンツ開発力の向上」、「サービス内容の一段の進化」等を通じて、高い専門性と、知性・感性を兼ね備えた次世代を担う人材の育成に資すると同時に、収益力を更に拡大させ、企業価値向上を図ることができると考え、資本・業務提携契約を締結することとした。
 
<アライアンスの内容>
「1・業務提携の内容」
① TACのコンテンツ力と増進会出版社の通信教育ノウハウを集約した、資格系通信講座の共同開発、販売
② TACの資格系コンテンツのノウハウと増進会出版社の教養系コンテンツを活かした、新たなコラボレーション講座の共同開発、販売
③ 増進会出版社が保有するTOEFL関連のコンテンツ等を用いた、大学生・社会人向け英語教材の共同開発、販売

これらを中心に、その他にも随時協議のうえ、さまざまな展開を進めていく。

「2.資本提携の内容」
① 増進会出版社は、本契約締結後すみやかに、TACの既存株主から株式を取得し、TACの発行済普通株式総数の2%にあたる370,080株の普通株式を取得する。
② さらに、2014年1月31日を目途に、TACが増進会出版社に対して行う第三者割当による自己株式の処分及びTACの既存株主からの株式取得により、①の取得と併せてTACの発行済普通株式総数の5%にあたる925,200株を増進会出版が取得する。
③ 一方、TACは、2014年2月28日を目途に、Z会CA社の総議決権の10%に相当する株式を、Z会CA社がTACに対して行う第三者割当による新株発行により、取得する。(取得価額は未定)。
(①、②については予定通り実行された。)
 
<TACにとってのメリット>
このアライアンスにより同社では以下の様なメリットが生まれると考えている。

*国家公務員講座における英語講座強化
平成27年度に実施する国家公務員採用総合職試験から、外部英語試験が活用されることとなった。(2013年12月人事院発表)
具体的には、TOEFL、TOEIC、IELTS、実用英語技能検定(英検)の4種類を活用し、これらの英語試験のスコア等を有する受験者には、最終合格者決定の際に、下記の様にスコア等に応じて、総得点に15点又は25点を加算するというもの。
 
 
TACの公務員講座において、増進会出版社の持つ優良な英語関連コンテンツを活用することで、受講生に対する公務員講座の訴求力を一段と強化する事が出来る。

*大学内セミナーのバリュエーション拡大
近年、未履修・学力不足の大学生の増加が問題になっており、こうした学生に対し高等学校教育課程での教科、特に数学について再教育を行う「リメディアル教育」に対する大学側のニーズ、必要性が高まっている。
TACでは以前から法人研修事業の一つとして大学内セミナーを手掛けてきたが、今後は増進会出版の保有する高校生を対象とした豊富なコンテンツを活用した「リメディアル教育」をラインアップとして強化することができる。

*資格取得のための啓蒙・啓発
資格取得は社会人、ビジネスマンとしての価値向上のための大きな武器であるということを、増進会出版のチャネルを用いて高校生の段階から啓蒙、啓発を行うことができる。
「プロフェッショナルな教育を通して、個人が成長し自立する支援をし、社会の発展に貢献する。」というTACの経営理念実現と同時に、将来的な顧客創造に繋がる。
 
②「オンスク.jp」サービスの提供開始
2013年5月に設立した、インターネットを通じた会員制教育事業を手掛ける子会社 (株)オンラインスクールが、スマートフォンやタブレットを主要デバイスとした新しいオンライン教育サービス「オンスク.jp」を、2014年1月29日にリリースした。
「無料で」、「簡単に」、「始めやすい」をコンセプトに、「いつでも・どこでも・誰でも」気軽に始められ、スマホを使ってスキマ時間に資格取得の学習ができる、という新しい学習の形を提供していく。

<概要>
iOS、Androidに対応
原則無料
SNS機能を搭載
 
<学習アプリ概要>
本格的な講義ムービーを提供
ゲーム感覚で楽しく問題演習
「日商簿記3級」Android版リリース(2014年1月29日)
「日商簿記3級」iOS版リリース予定(2014年2月上旬)
「証券外務員二種」Android版リリース予定(2014年2月下旬)
「FP技能3級」、「ビジネス実務法務検定3級」等も順次リリース予定
 
SNSサービスは、「友達作り」、「コミュニティ」などの一般的なSNS機能に加えて、日々の勉強時間や成果を記録・共有する「勉強の記録」機能、学習上の疑問点を会員同士で解決できる「Q&A」機能など、「みんなで楽しく勉強」できるサービスを提供する。
 
 
今後の注目点
厚生労働省が教育訓練給付制度の大幅な拡充を検討していると報じられた。また、昨年末の公認会計士試験合格者はほぼ全員が採用されたこと、小学生から社会人まで英語教育ニーズは着実に拡大していること等、資格教育業界を取り巻く環境の潮目は大きく変化している。
投資家からすれば、「こうしたフォローの風を、どの企業が自社の成長に確実に結び付ける事ができるのか?」が現在の関心事となる訳だが、その点で(株)増進会出版社とのアライアンスのメリットは大きく、スピード感を持った案件具体化が期待される。
また、次の収益の柱とすべく教員講座の拡大に注力している同社だが、これまではアプローチ先でなかった有力な教育学部を持つ大学に新たに営業する過程で、簿記、FPといった同社の既存講座についての引合いや売上も生まれ始めているということで、新たな大学生層への開拓・営業基盤の拡充にも繋がっている点も注目したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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