ブリッジレポート
(9441:JASDAQ) ベルパーク 企業HP
西川 猛 社長
西川 猛 社長

【ブリッジレポート vol.3】2013年12月期業績レポート
取材概要「完全子会社化した(株)OCモバイルの店舗は契約社員と派遣社員が中心で正社員がほとんどいない状態。同じキャリアショップでも正社員が中・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年3月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ベルパーク
社長
西川 猛
所在地
東京都千代田区平河町1-4-12
事業内容
独立系で最大級の携帯電話販売代理店。東名阪に集中してソフトバンクショップ、ウィルコムプラザ、auショップを展開。
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 84,227 3,239 3,425 1,878
2012年12月 74,468 3,122 3,200 1,783
2011年12月 70,572 2,849 2,781 1,489
2010年12月 60,168 2,905 2,893 1,659
2009年12月 46,890 3,576 3,550 2,046
2008年12月 33,457 1,460 1,423 1,143
2007年12月 31,453 1,684 1,685 840
2006年12月 24,356 1,076 1,087 557
2005年12月 24,355 948 946 483
株式情報(2/28現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,566円 6,456,700株 16,568百万円 14.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 1.2% 284.98円 9.0倍 2,120.86円 1.2倍
※株価は2/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績(非連結)。
 
ベルパークの2013年12月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
移動体通信事業者のキャリアショップ運営を主力事業とする独立系携帯電話販売代理店。東名阪を中心に232店舗の店舗網を有する。13年12月末現在の内訳はソフトバンクショップ218店(直営165店・FC53店)、auショップ1店(直営1店)、ウィルコムプラザ9店(直営6店・FC3店)、Apple関連4店舗。
 
【沿革】
1993年2月、東京都千代田区に設立。95年4月、東京デジタルホン(後のJ-フォン。03/12期にボーダフォンにブランド変更)と代理店委託契約を締結し、同年5月に千代田区麹町に同社のキャリア公認店舗1号店「J‐PHONE SHOP 半蔵門」(現ソフトバンク市ヶ谷)を開設した。成長軌道に乗ったのは、監査役だった現社長の西川猛氏によるMBO(Management Buy Out。96年2月)以降。資金が枯渇する中でのMBOとなったが、短期間で経営を軌道に乗せ、4年後の00年5月に株式を店頭登録(現JASDAQ上場)した。ボーダフォンが苦戦した05年にかけては業績が伸び悩んだが、この間に店舗オペレーションのブラッシュアップが進み、M&Aのノウハウ蓄積も進んだ。

大きな転機となったのが、06年10月のソフトバンク(株)によるボーダフォン(株)の買収(ソフトバンクへのブランド変更)。事業主体となったソフトバンクモバイル(株)が次々と打ち出す新施策への迅速な対応と優れた財務力を武器にした積極的なM&Aが成果をあげる中、番号ポータビリティ制度の開始や「iPhone」の発売による市場の活性化もあり成長軌道に回帰。割賦方式による新しい販売方式及び料金プランも、一時的には逆風となったが、その後の収益力向上につながった。
09年6月にはパナソニックテレコム(株)の運営していたソフトバンクショップ52店舗(直営22店舗、FC30店舗)及び卸売事業を譲受し、店舗ネットワークを一気に拡大。10年12月には、ソフトバンクグループに加わった(株)ウィルコムと代理店基本契約を締結した。更に13年2月には、au携帯端末の販売及びその他サービスの提供を目的にKDDI(株)と代理店契約を締結した。
 
 
 
2013年12月期決算
 
 
前期比13.1%の増収、同7.0%の経常増益
売上高は前期比13.1%増の842億27百万円。過去3年の増店効果と「かいかえサポートキャンペーン」効果で総販売台数が934,233台と同 5.3%増加した他、付属品販売も増加し、商品売上高が475億59百万円と同13.2%増加。のりかえ(MNP)手数料・継続手数料共に増加し、受取手数料も366億68百万円と同13.0%増加した。

利益面では、新規販売に占めるLow ARPU端末の比率が上昇(33.3%→40.9%)したものの、のりかえ(MNP)手数料と継続手数料の増加で売上総利益率が改善。人件費や広告・販促費を中心にした販管費の増加を吸収して営業利益が32億39百万円と同3.8%増加した。為替差益の増加(96百万円増)等で営業外損益も改善し、経常利益は34億25百万円と同7.0%増加した。

尚、人件費は、13/12期の出店による人員増に伴う増加1億86百万円に加え、サービスレベルの維持や他社との差別化を目的とした戦略的なショップスタッフの増員に伴う増加5億08百万円(直営SBショップ既存店ベース)もあり、前期に比べて9億87百万円増加。一方、広告・販促費の増加はのりかえ(MNP)獲得の競争激化によるところが大きく、前期に比べて10億50百万円増加した。特に下期は3キャリアによるiPhone取り扱いの影響を大きく受け、前期の下期に比べて8億48百万円(直営SBショップ既存店ベース)増加した。期末店舗数は、ソフトバンクショップ218店舗、auショップ1店舗、ウィルコムプラザ9店舗、Apple関連4店舗。また、既存店とは、 2012年末時点ですでに出店していた店舗の事。
 
期末配当金は創立20周年記念配当5円を含む20円を予定
期末配当は創立20周年記念配当5円を含む20円を予定しており、上期末配当20円と合わせて年40円となる見込み(普通配30円+記念配10円)。13年1月に1株を100株に分割している。
 
 
(2)13/12期の重点課題と成果
13/12期は、人材への投資、CS(お客様満足度)の向上、及び販売構成比の改善、の3項目を重点課題とし、課題解決に取り組んだ。3つの課題全てで、以下説明する通り、一定の成果をあげる事ができた。
 
人材への投資
ショップのパフォーマンスを左右する最も大きな要因は人材であり、商品知識や接客スキルが必要な事は言うまでもないが、何よりも大切な事は、ショップで働くスタッフの「やる気」であり、「サービスのクオリティ」である。同社は人材の優劣が将来の業績を左右するとの考えから、ES(従業員満足度)向上を徹底するべく、店舗運営の適正要員数を4月に戦略的に増員した。
 
各店舗の要員数(店舗に必要な戦力数)を4月に引き上げた。当初は実際の戦力数と要員数のギャップが大きかったが、期末にはほぼ充足された。
尚、戦力数とは、充分にトレーニングされ1人前としてカウントできる人数である。
 
第2四半期(4-6月)以降、適正要員数の増員に加え、ショップスタッフの労働環境の改善にも積極的に施策を講じた。バックオフィス業務の負荷を軽減するため、独自で開発した販売管理システム「BellPos」の導入はその一例。スマートフォンの普及による説明時間の長時間化で残業時間が増加傾向にあったが、「BellPos」の導入と増員効果が相まって残業時間が大きく減少した。
 
ショップスタッフの労働環境に向けた施策と成果
連休取得  5連休希望者に対して100%
有給取得  マイホリデー制度で有給の取得を推進
(有給取得日数:11年3.45日→12年4.89日→13年6.34日)
退職率(※) 4月の適正要員数見直し後、前年同期比2.63ポイント改善
※ソフトバンクショップにおける直雇用(正社員+契約社員)従業員の4-12月退職率
 
CS(お客様満足度)の向上
CS向上に向けた取り組みとして、2012年11月-12月に専門会社にミステリーショッパーを委託した。
この報告を踏まえて、消費者目線からの課題に取り組んだ結果、2013年3月-4月に再度ミステリーショッパーを委託したところ、課題が改善した事が確認された。
これを踏まえて、より細かい課題の解決に着手した。
 
販売構成比の改善
13/12期は、第1四半期に、みまもりシリーズ、フォトビジョン、USIMといったLow ARPU端末(毎月の通信料収入が低い端末)の比率が急激に上昇したが、第2四半期以降、iPhone、Android、フィーチャーフォン、データカード、iPadといったNormal ARPU端末(毎月の通信料収入が通常である端末)の販売を強化した成果が現れた。
 
ARPU:
Average Revenue Per Userの略。
加入者一人当たりの月間売上高。
 
 
2014年12月期業績予想
 
(1)事業環境
差別化しにくい時代への突入と運営代理店の選別・淘汰
3キャリアがiPhoneの取扱いを開始した事で、サービスやネットワークも含めて基本的な要素ではどのキャリアも差別化し難い時代へ突入した。こうした中、キャリアは販売パフォーマンス・顧客満足度の優劣で代理店手数料を差別化する政策を継続しており、今後、パフォーマンスが劣る店舗もしくは代理店は生き残りが難しくなり、運営代理店の交代が引き続き起こる、と言うのが同社の見方。
 
中長期ではキャリアショップが元気かどうかがより重要に
販売チャネルの中でもキャリアショップはブランドの最後の砦であり、最も忠実な販売拠点である。また、キャリアの少々の無理も聞き、様々な施策が即時に浸透する拠点でもある。一方、キャリアショップの一翼を担う販売代理店は勝ち組が収益微増か現状維持、負け組は収益が大きく落ち込むというのが現在の状況(勝っても辛勝、負けると大敗)。苦楽を共にする拠点が衰退すると、そのブランド全体の活力が弱まる。キャリアショップの単なる効率化だけでなく、より元気にする施策がキャリアの中長期の繁栄を決める、と同社は考えている。
 
危険なMNPのキャッシュバックの過熱
昨今、キャッシュバック合戦が過熱しており、「顧客から見たブランド価値を毀損するリスクがある」とキャリアショップが感じるほど。のりかえ(MNP)顧客優遇への偏重は、長期の優良ユーザーが使っているブランドの価値に疑問を抱きかねない。販売店はこれまで地道な努力を積み重ねてユーザーを獲得してきているが、本音はキャッシュバックの過熱に危機感を抱いている。
 
M&A環境  買い手市場へ
これまで販売代理店のM&Aは「売り手市場」だったが、今後、「買い手市場」に移行する可能性が高い、と言うのが同社の見方。その理由は、‖緲店契約上、M&Aによる店舗運営権の引継はキャリアの許可が必要なため、資金があっても買えないケースもあり得る事、M&A後に店舗の業績改善を図るためには移転・改装コストがかかる事(のれん代と移転コストが二重に発生)、M&Aで高いのれん代を払わずとも、キャリアによっては不振エリアへの新規出店の権利が与えられる事、更にはで磴ぜ(同業他社)の総資金力には限界がある事の4点。尚、い砲弔い董同社は、資金力を活かし、新店出店とM&Aを両にらみで進め、更なる成長を目指すべく、内部留保の充実に努めている(現金及び現金同等物期末残高は68億96百万円)。
 
(2)14/12期の経営方針  「人材の成長を第一に考える」
14/12期は「人材の成長を第一に考える」と言う経営方針の下、人材への更なる投資とCSへの更なる踏込みに加え、2月10日に子会社化した(株)OCモバイルの早期の融合と収益改善に取り組む。
 
 
 
(株)OCモバイルの子会社化に伴い連結決算に移行。売上高962億円、経常利益33.8億円を見込む
14年2月10日に(株)OCモバイルの全株式を取得し、完全子会社した。14年3月末をみなし取得日とし、14/12期第1四半期から連結決算に移行する(第1四半期は貸借対照表のみを連結財務諸表に反映)。

(株)ベルパーク個別では、前期の総販売台数を維持しつつ、顧客満足度(CS)の向上とのりかえ(MNP)の取り込みで手数料収入の最大化を図る事で人件費及び広告・販促費を中心にした販管費の増加を吸収。営業利益が35億10百万円と同8.3%増加する見込み。業績予想に織り込んだ出店は上期の8店舗のみ。既存店は前期比増収を想定している。
一方、(株)OCモバイルは直近3期で最終赤字を計上しているが、人を大切にし、ノウハウを共有する事で早期の黒字化を目指す。また、(株)OCモバイルを通して九州地域での事業展開を加速する。尚、(株)OCモバイルの子会社化に伴い、連結決算において45百万円ののれん償却が発生する(来15/12期は通期で発生するため60百万円)。
 
(株)ベルパーク個別では前期比7.3%の増収、同2.2%の経常増益予想
音声端末の市場は前期比でマイナス成長と予想しているものの、キャリア、代理店にとって音声端末の重要性は変わらない。一方、スマートフォンについては、3キャリアの取扱でiPhone販売の競争が激化するため、Android端末への期待はあるものの、依然として主戦場はiPhoneと考えている。また、手数料については、個別の商材手数料に大きな変更なく、MNPは春商戦まで過熱が続くとみている。パフォーマンスが劣る代理店については手数料の減額が予想される。

こうした中、収益性の低いLow ARPU端末は販売抑制に努めるため減少するが、のりかえ(MNP)の獲得や音声端末の販売に注力し、主力のソフトバンクモバイルの携帯電話等の総販売台数は93万台(前期比0.5%減)と前期の販売台数を維持する見込み。CS向上及びMNP獲得を徹底する事で手数料収入の最大化を図り、前期比増収を達成したい考え。
 
(株)OCモバイルの全株式の取得(完全子会社化)
(株)OCモバイルは、キャリアショップ(ソフトバンク、NTTドコモ、au)を直営で19店舗、FCで3店舗の合計22店舗を運営している携帯販売代理店。東日本支店、大阪営業所、中国支店、九州支店と東日本以西に営業ネットワークを展開しているため、(株)ベルパークは(株)OCモバイルを通して九州地区に販売エリアを拡大する事になる。(株)ベルパークがこれまでに培ってきたノウハウを活かす事ができるソフトバンクショップの収益改善のみを14/12期連結決算に織り込んだ。(株)OCモバイルは東京都新宿区に本社を置くが、グループ一体経営を促進するべく本社事務所の早期移転を計画している。尚、ドコモショップは、(株)富士通パーソナルズ、MXモバイリング(株)傘下の二次代理店として展開している。
 
 
年30円の配当を予定
配当は創立20周年記念配当10円を落とした30円を予定(上期末配当15円、期末配当15円。予想配当性向10.5%)。この他、上期末、期末の年2回1単元(100株)以上保有の株主にクオカード1,000円分を贈呈している。同社は、業績、販売網の拡大、経営管理体制の強化、及び将来の積極的な事業展開に備えるための内部留保等を総合的に勘案して利益還元を安定的に実施していく考え。
 
 
今後の注目点
完全子会社化した(株)OCモバイルの店舗は契約社員と派遣社員が中心で正社員がほとんどいない状態。同じキャリアショップでも正社員が中心の(株)ベルパークの店舗とは大きく異なるようだ。「これまでのM&A の経験から、販売現場のモチベーションの向上には思い切った人事戦略が必要である」と言うのが、かねてからの西川社長の考えであり、この点で(株)OCモバイルの店舗オペレーションは改善できるポイントが多いと言う。au 部門とドコモ部門についてはまだ勉強中でこれからノウハウを築いていく必要がある、と謙虚だが、ソフトバンク部門については、(株)ベルパークのノウハウを注入するだけですぐに改善できる、と自信を持っている。
今回のM&Aで店舗数が約10%増加するだけに、(株)OCモバイルの全店舗が戦力化すれば連結業績へのインパクトが大きい上、ソフトバンクショップ以外の展開余地も広がってくる。また、(株)OCモバイル本社には金融業界で経験豊かな優秀な管理職が多く、ベルパーク本社の補強にもつながるだろうと言う。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
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