ブリッジレポート
(9837) モリト株式会社

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ブリッジレポート:(9837)モリト vol.1

(9837:東証2部) モリト 企業HP
一坪 隆紀 社長
一坪 隆紀 社長

【ブリッジレポート vol.1】会社概要および2013年11月期業績レポート
取材概要「同社は近年積極的なIR活動を推進しているが、その大きなきっかけとなったのは東証と大証の統合だと、一坪社長は言う。 全3,700社の上場企業の中・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年4月30日掲載
企業基本情報
企業名
モリト株式会社
社長
一坪 隆紀
所在地
大阪市中央区南本町4-2-4
決算期
11月末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年11月 33,145 1,390 1,699 1,081
2012年11月 31,521 1,389 1,405 787
株式情報(4/4現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
936円 14,486,780株 13,559百万円 4.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
24.00円 2.6% 82.83円 11.3倍 1.888.11円 0.5倍
※株価は4/4終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。ROE、BPSは前期末実績。
 
東証2部上場のモリト株式会社について、ご紹介します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
靴・衣類などに紐を通す穴に取り付ける環状の金具である「ハトメ」をはじめとし、ホック、マジックテープ®などの服飾の付属品や、自動車の内装品等の企画・開発から製造、流通までを一貫して手掛ける。
創業100年を超す歴史の中で培われた高い信頼性、高シェア、グローバルネットワークなどが強み。
2013年11月末現在、連結子会社は国内4社、海外9社の合計13社.
 
【沿革】
大阪の呉服商で奉公人として働いていた創業者・森藤寿吉氏が、1908年(明治41年)に独立し、ハトメ、ホックの仲買商「森藤商店」を一人で開業。大正時代に入りファッションの洋装化が進むのに伴い、靴の需要も拡大し、急成長を遂げる。1937年にはホックをスマトラ、ジャワへ、靴ひもをヨハネスブルグ(南アフリカ)、イギリスへ輸出するなど国際化も進めた。太平洋戦争後は、カラーナイロンファスナーやマジックテープ®の販売を開始したほか、1990年代に入り汎用資材の拡販を目指し、自動車の内装品、カメラのストラップなど生活産業資材関連事業にも進出し事業ドメインを拡大した。海外事業も積極的に展開。1989年、大阪証券取引所第2部に上場し、2013年7月の東証・大証の統合に伴い東京証券取引所第2部に移行。
 
 
【ビジョンなど】
1.創業理念
「積極・堅実」
創業期より培われてきた同社の精神。「自ら進んで判断・行動することで確実に成果を上げることが出来る」という意味を表す。
また、「他人に勝つためには常に他人の意表をつくアイデアが必要。日頃から何かないかと考えながら商売せよ。」という、創業者・森藤寿吉氏の精神が同社事業のバックボーンとなっている。
 
2.経営理念
「パーツでつなぐ、あなたとつながる、未来につなげる」
(1)多彩なパーツを全世界に供給し、ジャンルを超えた無限の市場作りを追求します。
(2)お客様の要望を形にし、人々の豊かな暮らしにつながる本物のもの造りを実現します。
(3)ファッション性、機能性、快適性、安全性といったトータルな視点で価値創造力を発揮し、全ステークホルダーと一体になって未来創りに貢献します。
 
 
3.経営ビジョン
「グローバル成長企業を目指して」
 
4.企業行動指針
 
【事業内容】
ハトメ、ホック、バックル、ファスナーなど服飾の付属品を扱う「アパレル資材関連事業」と、マットエンブレム、ドアグリップなど自動車の内装品、新幹線の座席ネット、カメラ・携帯端末用のストラップ、靴の中敷きなどフットケア商品を扱う「生活産業資材関連事業」の2事業で構成される。
どちらの事業においても、ファッション性、機能性、快適性、安全性等を勘案し、市場や顧客ニーズに沿った商品の企画、開発からはじまり、製造、流通、販売までを一貫して手掛けている。
報告セグメントは、日本、アジア、欧米の3セグメント。(セグメント別動向は、「2013年11月期決算概要」をご参照ください。)
 
◎アパレル資材関連事業
「2013年11月期 売上高 17,281百万円。売上構成比 52.1%」
 
 
ハトメ、ホック、バックル、ファスナー、リベットなど服飾品やフットウェアの付属品を、主として卸、商社、代理店などを通じて同社の最終顧客である国内外のアパレルメーカー等に納入している。
ファーストリテイリング、GAPなどとは直接取引を行っている。
海外における同社の知名度は高く、GAP、H&M、ZARAといったメーカーとは10年から20年以上という長い取引関係にある。
 
 
売上構成はアパレル関連が約6割、フットウェア約2割、マジックテープ約2割。
 
◎生活産業資材関連事業
「2013年11月期 売上高 15,861百万円。売上構成比 47.9%」
 
 
マットエンブレム、ドアグリップ、アームレストといった自動車の内装品、新幹線の座席ネット、カメラ・携帯端末用のストラップ等を自動車部品メーカー、映像関連の電機メーカー等に納入しているほか、靴の中敷き、靴クリームなどフットケア商品は同社オリジナル製品として自社ブランドで販売している。

売上構成は輸送機器事業が約2割、パソコン周辺グッズ等を含めた映像機器資材事業が約6割、フットケア事業が約2割となっている。
輸送機器事業では自動車関連が約9割を占める。内半分がトヨタ系顧客向けで、次いで日産系3割、ホンダ系1割となっている。
映像機器資材事業では、キヤノン向け35%、ニコン向け30%などとなっており、その他、オリンパス、京セラ等が顧客となっている。
 
 
特徴と強み
 
①安定した業績推移
沿革でも触れたように、創業以来ハトメ、ホック、マジックテープ®などを中心にアパレル資材関連事業を展開してきた同社だが、汎用資材の用途拡大を進め、生活産業資材関連事業をスタートさせ、現在では両事業の構成比は概ね半々となっている。
この事業ポートフォリオは同社の業績に安定性をもたらしており、戦後2度の石油ショック、世界的な経済危機「リーマンショック」を含めても赤字に陥ったことが無い。
 
②多くのアイテムで高いシェア
下表の様に様々な商品アイテムにおいて高いシェアを有している。
価格のみで見れば同社よりも低価格で供給する新興国の企業もあるが、企画・開発から製造、流通にわたり一貫し、加えて様々な状況にも適切に対処できる対応力、長い歴史の蓄積の中で培った安全性も含めた品質の高さ等で発注元からの信用、信頼度をは高く、それが高シェアにつながっている。

例えば、同社では顧客のサンプル製作段階から適切な技術的アドバイスを提供したり、顧客の要望に合わせた微妙な色味の調整を何度も繰り返すほか、本生産に入ってからも定期的にチェックを繰り返すなど、単に完成品を販売するのではなく、取引開始に至るまで多くのハードルをクリアし、川上から川下までの全工程を仕組みとして顧客に提供している。こうした付加価値の提供が海外の有名ブランドを中心とした顧客から高く評価されている。
 
 
 
③グローバルネットワーク
企画・開発は主として日本で行う一方、欧州、北・中・南米、アジア太平洋、アフリカに製造・販売の拠点を多数有している。
 
 
 
同社では現在進行中の中期経営計画(2011年~2015年)において「グローバル成長企業を目指して」というテーマを掲げ、グローバルな生産拠点、販売網の拡充とグローバル経営を支える内部体制の構築を進めている。
これが計画通りに進捗し、より強固なグローバルネットワークが構築されれば、同社の競争優位性は一段と強固なものとなるだろう。
以上の3点に加え、「ユニークなポジショニング」も同社の特徴の一つと言って良いだろう。
同社が取り扱う品目一つ一つをとれば競合先もあるが、これだけ多彩な品目を取扱いながら、その企画・開発から製造、流通、販売までを一貫して自ら手掛け、売上高300億円を超すというボリュームを実現している企業は世界的にも他に見当たらないということだ。
 
 
2013年11月期決算概要
 
 
アジア、欧米が大幅に伸長。為替差益も寄与し、増収・増益を達成
売上高は前期比5.2%増の331億円。日本は微減だったが、アジア、欧米が金属ホックや金属付属品の増加などで大幅に伸びた。
販管費も人件費中心に同360百万円増加したため営業利益はほぼ前年並みだったが、円安により為替差益が同250百万円増の258百万円となったため、経常利益は同2割増加。株高により前期あった投資有価証券評価損が無くなったこともあり、当期純利益も大幅な増益となった。
 
 
◎日本
カジュアルウエア向け金属付属品の売上高は順調に増加したが、スポーツグッズ、アパレル無縫製品が減少したほか、自動車生産のグローバル化や尖閣諸島問題などの影響で、自動車内装品関連の売上が減少した。コンパクトデジタルカメラ市場の縮小により、ケース等のアクセサリーグッズも売上高が減少した。
 
◎アジア
欧州向け金属ホックが回復したほか、ベビー服向け金属ホックの売上高が増加した。子会社カネエムタイランドが連結に加わった。
 
◎欧米
英国王室御用達ブランド向け資材の販売が好調に推移。自動車、ヨット用付属品も売上が増加したが、欧州向け高級服飾資材の販売は減少した。欧州向けデジタルカメラケースの売上高が引き続き増加した。
 
 
現預金、売上債権増加などで流動資産は前期末に比べ1,431百万円増加した。固定資産も投資有価証券、土地の増加などで同1,605百万円増加し、総資産は同3,036百万円増加の35,813百万円となった。
一方負債合計は、仕入債務の増加などで同572百万円増加の8,460百万円となった。
純資産は、利益剰余金が増加したほか、円安により為替換算調整勘定がプラスに転じた結果同2,463百万円増加の27,352百万円となった。
この結果自己資本比率は前期より0.5%上昇の76.4%となった。
 
 
営業CFは前期に続きプラスだったが幅は縮小。有形固定資産の取得などで投資CFのマイナス幅は拡大し、フリーCFのプラス幅は縮小した。現金同等物残高は上昇した。
 
 
2014年11月期業績予想
 
 
 
円安効果は減少するものの、日本市場の回復などで連続して増収・増益へ
売上高は前期比11.6%増収の370億円を計画。前期微減となった日本市場がプラスに転じる。
製品別では、スポーツシューズ関連、海外ナショナルブラン向け金属ホックの伸びを見込んでいる。特に後者は市場規模も大きく、他社シェアの奪取を図る。
粗利率は若干低下するが、販管費のコントロールにより営業利益は同22.2%増益へ。円安効果を前期ほど見込んでいないため経常利益は同5.9%増にとどまるものの、2期連続の増収・増益を見込んでいる。上の表のように、上期以上に下期に売上、利益ともに大きく増加し、利益率もアップする計画となっている。
配当は前期比4.00円/株増の24.00円/株の予定で、予想配当性向は前期比約2%上昇の29.0%。
 
 
(2)トピックス
◎株式会社マテックスの子会社化
2014年3月25日、グラフィックデザイン、制作、デジタルコンテンツの作成並びに独自開発のワンパックシステム(顧客からの発注により必要な資材をまとめ、パッケージ化して縫製工場に納入するシステム)を用いた服飾メーカーに対する副資材の調達事業を運営する株式会社マテックスの株式を100%取得し子会社とした。

<子会社化の背景・理由>
服飾資材市場では、資材のパッケージング手配のニーズが高まっている。そうした中、この子会社化により、ハトメ、ホック等のモリトが扱う服飾資材と、マテックスの得意とする下げ札(衣類等に付く、価格等の情報が記載されているタグ)、ネーム(衣類等に付く、印刷・刺繍等でブランド名やサイズ・品質表示等が記載されているタグ)等服飾副資材を組み合わせることにより、資材調達のトータルサポートをさらに充実させることが可能になる。また、国内市場に留まらず、双方の海外生産拠点・販売拠点を活用することにより、両社におけるグローバル展開の更なる加速を実現することができると考えている。
また、服飾以外の市場においても、マテックスの有するデザインノウハウを活用し、モリトの製品販売の機会が増えることも営業シナジーとして見込んでいる。
モリトでは、今回の子会社により以上のシナジーを追求すると同時に、創業以来の事業である服飾資材営業を改めて注力事業として捉え、服飾市場におけるグローバルトップポジションを目指していく。
連結業績に与える影響は現在精査中。
 
 
 
中期経営計画について
 
①経営方針
同社では中期経営計画(2011年~2015年)において「グローバル成長企業を目指して」というテーマを掲げ、経営の基本方針として「グローバルな生産拠点、販売網の拡充」「グローバル経営を支える内部体制の構築」を上げている。
 
「グローバルな生産拠点、販売網の拡充」
日本は企画・開発の拠点として安全・安心、環境を重視した付加価値商品の開発を進める。
アジアを中心としたグローバルな生産・販売網構築を進めており、2012年5月にはカネエムダナン(ベトナム)が操業を開始した。
中国生産拠点は機械化を進め、ベトナムでは人手の必要なものを中心に取り扱う。
 
<カネエムダナンの概要>
2012年5月18日にベトナムのダナン市において竣工、操業開始。アパレル資材、生活産業資材のASEANでの生産・物流の拠点として位置づけている。またリスク分散、地産地消を目的とし日本、中国、ASEANの資材を取り扱う。
世界にも稀な服飾部品複合工業団地で、敷地面積5万平米、建物延べ床面積3万平米の広大な工場では、テープの製造・染色加工、インナー関連金具やファスナー関連金具の製造、メッキ・塗装加工、ジッパーの製造、ビジネスバッグやトラベル用バッグの製造など、多様なアイテムを取り扱う。
2015年度単体売上7億円、モリトグループ売上効果30億円を計画しているが、立ち上がりは順調で前倒しでの達成も可能と会社側は見ている。
また、現在はASEANに向けては中国・深センの生産拠点から船で資材を運搬しているが、ベトナム・ダナンとミャンマー・モーラミャインを結ぶ「東西経済回廊」やベトナム・ハノイとタイ・バンコクを結ぶ「南北経済回廊」という陸路が開通すれば、深センからモーラミャインまで海路で約4週間の行程が、ダナンからモーラミャインまで陸路で約1週間と大幅に短縮されることとなり、運賃も2.8USD/kmが0.8USD/kmと大きく低減させる事が可能になりメリットは大きい。
 
「グローバル経営を支える内部体制の構築」
下記の様なポイントに注力する。
 
 
特にローカル社員の育成が急務であると認識している。(詳細は後述)
 
 
付属品セット販売とは、例えばジーンズであれば、ヒップラベル、ジッパー、ジーンズボタン、リベットなど様々な付属品が使われているが、こうした付属品の取扱い種類を増やし売上増につなげるもの。
また、高級ブランドおよび有名スポーツメーカーへは付加価値の高い高額商品の採用を積極的に提案していく。
中米、東欧などの市場開拓はまずは出張ベースで対応するが、将来的な市場近くでのものづくりも視野に入れて進めていく。
 
 
LCCとは「Leading Competitive Countries」の略で、コスト競争力の高い新興国の事。これらの国から設備、部品、機械、サービスを調達し原価低減を行うのが最近のトレンド。
 
 
③目標とする経営指標
最終2015年の経営指標として以下を掲げている。
 
 
 
 
 
一坪 隆紀社長に聞く
 
一坪 隆紀社長は1954年1月生まれの現在60歳。1981年に同社入社後、オランダ子会社の社長、常務取締役海外事業部長、常務取締役アパレル事業本部長、常務取締役海外事業戦略室長などを歴任後、2013年11月に代表取締役社長に就任した。
一坪社長に現在の想い、グローバル成長に向けた取組みなどを伺った。
 
<現在のモリトについて>
現在売上、利益ともに国内80%、海外20%という構成だが、主要顧客である日本メーカーにおける生産の海外シフトの進展や少子高齢化等を背景に今後の国内マーケットの伸びしろは小さいと想定せざるを得ず、その中でグローバル化を進めなければならない。決して安穏としていられる状況ではないと認識している。
ただ、そうした状況にもかかわらず当社は実質無借金、自己資本比率70%超、長い社歴と、経営基盤がしっかりしているだけに、危機を頭では理解していても実際には現状を肯定する雰囲気が残念ながら社内の多数を占めている。
こうした意識を改革する事が社長としての重要な使命の一つだと考えている。
 
<社員へのメッセージの伝達のために>
そうした私の考えや経営理念を浸透させ意識改革を進めるために、社長就任以来「ランチミーティング」を継続的に実施している。これは社員10人前後と昼食をとりながらざっくばらんに、私の想いを伝えると共に、現場の様々な声を吸い上げるもの。
また当社では毎月「三日会」という全社員に対して社長が話をする機会を設けている。始業前に5分程度私の考えを述べるもので、1時間後にはWEBを通じて海外拠点とも話をする。また四半期決算の開示月は夕方にもう少し長く時間をとり、決算概要なども含め現在の当社の状況、今後の取組みについても説明し、意識の共有を図っている。
こうした機会を通じて意識改革を進めると共に、積極的に営業に同行し顧客との対話も行っていく。
 
<創業精神継承のために行っていること>
当社では以前から「モリト総合展」という催し物を行っている。当社がどんなアイテムを取り扱っているのかを一堂に展示し、お客様に見て頂くものだ。
開催をしばらく中断していたのだが、2012年12月に10年ぶりに復活させた。
「モリト総合展」の開催に当たっては若手社員とベテラン社員が一緒になって展示準備に当たるため、全社ベースで経験やノウハウの継承を行う絶好の機会となっている。
また、来場したお客様の多くはモリトがこんなに多数のアイテムを扱っている事を初めて知り驚く共に、「こんなものが出来ないか?」など新しいビジネスチャンスにつながるケースも多い。「常に新しい事を模索する事」の重要性を説いた創業者の精神を体現する場ともなっている。
 
<グローバル人材の育成について>
海外拠点の役割は二つあり、一つはその国・地域を市場として捉え営業すること。もう一つはグローバルに展開する有名ブランド企業等へアプローチすること。
特に営業面においてはローカルスタッフでないと地場に密着した営業は難しいため、その育成が急務だ。現在全ての拠点のトップは日本人だが、トップが日本人ではローカルスタッフが育たない。これを出来るだけ早く変えなければならないと考えている。
加えて、グローバルに企画立案及び営業が出来る人材の育成、教育も必要だ。
当社では現在既に日本国内でアメリカ、ロシア、インドネシア、ブラジル、スペイン、韓国、中国出身の社員が働いている。こうした多様性(ダイバーシティ)をより促進させグローバルに活躍できる人材を育成していく。
また、税務、法務、IRといった、グローバル経営体制を支える管理部門の拡充も必要なため、そうした分野での知識や経験が豊富な人材も採用している。
 
<株主・投資家へのメッセージ>
当社は所謂「B to Bビジネス」を展開する企業であるため特に個人投資家に皆さんの認知度が大変低い。
ただ、取扱いアイテムは皆さんの身近なものばかりである。また、安定した業績推移、強力なグローバルネットワーク、多彩なアイテムにおける高いシェア、世界に類を見ないユニークな企業であることなど、当社の特徴や強みを一人でも多くの人に知って貰い、当社の企業価値を理解していただきたい。
その上で、PBRなどの株価指標から当社の株価に是非注目してもらいたい。
株主への利益還元は重要な課題と認識している。継続的に配当を実施していくとともに、配当性向は30%を基準にし、連結自己資本配当率は1%を維持する。
 
 
今後の注目点
同社は近年積極的なIR活動を推進しているが、その大きなきっかけとなったのは東証と大証の統合だと、一坪社長は言う。
全3,700社の上場企業の中で埋没してしまうことを懸念し、個人投資家向け説明会の開催を中心に認知度向上、理解促進に努めた結果、議決権を有する株主数は2012年11月末の743名から2013年11月末には1,143名と大幅に増加し、今年2月の株主総会の参加者数も105名と、昨年の50名から急増したそうだ。
また、上場の意義を社員により深く理解してもらうとともに、モリトで働いたことでハッピーになって貰いたいとの考えからESOP(Employee Stock Ownership Plan。企業拠出による従業員に対する退職時雇用者株式給付制度)も2013年4月よりスタートさせていることに加え、目標とする経営指標にROEを掲げる等、従来にも増して株価を意識した経営が行われていくこととなるだろう。株主数基準などから東証1部へのステップアップはすぐには難しいかもしれないが、その進捗度合いも同社を見るポイントの一つである。
一方、事業面では、ベトナム工場の貢献度が注目される。ベトナムをどう伸ばしていくかは様々な視点から検討する必要があるということだが、グローバルネットワーク拡充の要である事に間違いないため、そのグループ業績への寄与が期待される。
また、真のグローバル成長企業へと成長するためには、社員の意識改革が不可欠であり、それに向けた一坪社長のリーダーシップにも大いに注目したい。