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(3667:東証1部) enish 企業HP
安徳 孝平 社長
安徳 孝平 社長

【ブリッジレポート vol.6】2014年12月期第1四半期業績レポート
取材概要「2014年は同社にとって「ネイティブ元年」。ネイティブでヒットを出す事を至上命題としている。2012年の上場以来、資金調達と人材確保に力を入れ・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月13日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社enish
社長
安徳 孝平
所在地
東京都渋谷区広尾1-13-1
事業内容
ソーシャルゲームの企画・開発・運営会社。ゲーム運営能力に優れ、主力の経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストラン供廚筺屮ルショ☆」はロングランのヒット作品
決算期
12月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 6,624 1,109 1,078 653
2012年12月 4,430 666 654 373
2011年12月 2,590 526 523 298
2010年12月 415 64 71 55
2010年1月 22 -40 -41 -41
株式情報(5/2現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,635円 6,918,720株 11,312百万円 32.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- -% 119.96円 13.6倍 429.90円 3.8倍
※株価は5/2終値。
 
enishの2014年12月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
レストラン経営シミュレーションゲーム「ぼくのレストラン供廚筌▲僖譽襯轡腑奪廚侶弍張轡潺絅譟璽轡腑鵐押璽燹屮ルショ☆」、カードバトルゲーム「ドラゴンタクティクス」等の人気作品を有するソーシャルゲームの開発会社。14年3月には実質的創業者である安徳孝平(アントク コウヘイ)氏が代表取締役社長に就任。ブラウザアプリの収益性を維持しつつ、ネイティブアプリでヒットを創出し、国内とアジアを中心にしたグローバル配信で業容拡大を図っていく考え。

尚、ネイティブアプリとは端末にダウンロードして楽しむアプリで、主にスマートフォン向けに提供されている。一方、ブラウザアプリはダウンロードせず、GREE、mixi、Mobage等のプラットフォームにアクセスしてブラウザ上で楽しむ。いずれも、アプリは無料だが、アプリを進める上で有効なアイテム等(「ぼくのレストラン供廚両豺隋店を繁盛させるために必要なレシピや店舗を飾るアイテム等)を購入した場合、課金が発生する。ブラウザアプリでは、ユーザへの課金及び料金回収はSNSを運営するプラットフォーム事業者に委託し、同社はその対価としてシステム利用料等を支払っている。
 
【事業内容】
事業はソーシャルアプリ事業の単一セグメント(ゲームはアプリのカテゴリーの一つ)。ブラウザアプリを収益基盤にネイティブアプリの開発を強化しており、ブラウザアプリは、「GREE」(構成比38%)、「Mobage」(15%)、「mixi」(23%)、「dゲーム」(12%)、「Ameba(アメーバ)」(9%)といったプラットフォーム(SNSやソーシャルゲームサイト)を通して提供しており、ユーザはフィーチャーフォン(従来型携帯電話)やスマートフォンでゲームを楽しむ事ができる。
 
 
【沿革】
創業まもなく始まった「SNSプラットフォームオープン化」を背景に、実質的創業者である安徳氏と公文氏が「世の中にまだ存在しない、作り手もユーザもワクワクできるサービスを創り出す」という考えの下、09年10月、ソーシャルアプリの提供を開始した。

ソーシャルアプリ市場は順調に拡大したものの、SAP事業者(Social Application Provider:ソーシャルアプリの開発や運営を手掛ける企業)の新規参入が急増。既存のゲームソフトメーカーの進出も相次ぎ競争が激化したため、同社は改めて体制整備に着手。株式公開を視野に事業拡大に向けた組織化を進め、11年6月には、占いコンテンツ大手ザッパラス(3770)を東証1部上場へ導いた杉山氏(前代表取締役社長)と松本氏(現在、管理本部担当取締役)が合流。経営及び管理体制の強化が進んだ。

創業から4年を経た12年12月に東証マザーズに上場し、13年12月には東証一部に市場変更。13/12期で開発体制の整備と財務基盤の強化が進んだ事、そして、ネイティブアプリのビジネスを拡大させていく必要がある事を踏まえて(13年10月にネイティブアプリの開発を開始し、11月に韓国子会社を設立)、代表取締役社長が交代。14年3月、サービステクノロジーに精通した安徳孝平氏が代表取締役社長に就任した。

第2の創業期と位置付ける事ができる14/12期。同社は新たに「世界中にenishファンを作り出す」というミッションステートメントを定め、これまでの国内市場だけでなくグローバルな市場で事業拡大する方針を明確に打ち出した。ネイティブアプリでの成功と日中韓3つの市場で開発・展開する体制づくりを進めている。
 
 
 
 
成長戦略
 
ブラウザアプリの収益性を維持しつつ、ネイティブアプリでヒットを創出し、国内はもとより、アジアを中心にグローバル配信していく事で業容拡大を図る考え。
 
 
「ネイティブ元年」となる14/12期の取り組みのポイントは、(1)ネイティブタイトルの投入、(2)日中韓にフォーカスしたグローバル展開の推進、及び(3)ブラウザゲームによる安定収益の維持、の3点。
 
(1)ネイティブタイトルの投入
2014年5月にリリースを予定している「ぼくのレストラン3」を含め、上期3タイトル、下期2タイトルの計5タイトルのリリースを予定している(上期リリースタイトルは現在調整中。クオリティ向上のため1〜2ヶ月程度の遅延の可能性がある)。「ぼくのレストラン3」は、「ぼくレス」シリーズのクオリティを担保しながら、ネイティブならではの新機能を加えると共に、スペックの大幅アップグレードを実現しており、新規ユーザの獲得が期待されている。実際、特段の告知をしていないにもかかわらず、4月14日現在で事前登録者数が3万人を突破していると言う。シミュレーションゲームとしては、上々の事前登録者数である。
 
 
現在のパイプラインは、今期リリース予定の上記5タイトルを含めた7タイトルで、同社が得意とし、安定収益を確保できる女性向けゲーム3タイトル、メガヒットを見込める男性ミッドコアゲーム4タイトル。開発中の全タイトルをアジア市場へ展開していく予定で、ローカライズも同時行中である。
 
(2)日中韓にフォーカスしたグローバル展開の推進
“アジアを中心にグローバル配信体制の確立”と言う経営目標の下、アジア各国の有力パートナーを通じて、パイプライン及び配信チャネルの拡充に取り組んでいる。パイプラインの拡充については、同社の海外拠点を通じてスタジオとのオフショア共同開発を促進し、コストパフォーマンスを追求していく。この一環として、2013年11月に韓国子会社(ソウル)を、2014年4月に中国子会社(上海)を、それぞれ設立。現在、オフショアで3タイトルの共同開発が進行中だ(韓国:2タイトル、中国:1タイトル)。ちなみに、日中韓3カ国合計のモバイルゲームマーケットは、今後数年以内に、世界のモバイルゲームマーケットの半分を占めると言われている。
また、現在開発中のネイティブアプリは、韓国・中国以外のアジア市場へも順次展開していく計画で(グローバル配信)、地域・ジャンルに応じて、大手パブリッシャー経由で配信していく。
 
(3)ブラウザゲームによる安定収益の維持
ブラウザゲームでは一定の漸減を予想しているものの、運用力を活かし安定運用体制を確立する事でネイティブアプリ事業育成の糧とする。
 
 
2014年12月期第1四半期決算
 
 
前年同期比10.1%の増収、同46.2%の経常減益
売上高は前年同期比10.1%増の17億63百万円。ブラウザゲームを取り巻く事業環境が厳しさを増す中で「ガルショ☆」(10/12期第4四半期リリース)が四半期ベースで過去最高の売上を上げた他、前期の第2四半期(4-6月)にリリースした「魁!!男塾」も寄与。前年同期比減収となった「ぼくのレストラン 2」や「ドラゴンタクティクス」も運用力でカバーし大きな落ち込みはなく、想定に沿った着地となった。

ただ、第2四半期以降にリリースを予定しているネイティブアプリの開発に伴う労務費・外注費の増加や売上増に伴う支払手数料の増加で売上原価が12億50百万円と同30.1%増加(原価率が70.9%と10.8ポイント上昇)。採用費及び人件費等を中心に販管費も増加し、営業利益は2億20百万円と同46.2%減少した。
 
 
 
 
 
14/12期第1四半期は、前期リリースのアプリに費用対効果が見込めないため広告宣伝費の投入を停止した。一方、東証1部への市場変更及びオフイス移転等で採用環境が大幅に良化した事を受けてネイティブアプリ向けの採用を強化した。
 
 
2014年3月末の全従業員数は184名(うち業務委託等30名)。人員の6割をネイティブへシフトさせ、開発・運用体制の強化を加速した。
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて2億50百万円減の37億72百万円。法人税等の支払いに伴う流動資産の減少が、総資産減少の主な要因。固定資産が増加したのは、オフイス移転に伴う有形固定資産の取得によるもの。自己資本比率は78.8%と前期末に比べて4.4ポイント改善した。
 
 
2014年12月期業績予想
 
(1)上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比31.3%の増収、同25.2%の経常増益
第1四半期は想定に沿った着地。第2四半期以降、5月にリリース予定の「ぼくのレストラン 3」を含む5タイトルのネイティブアプリのリリースを予定しており、上期は開発費や海外の拠点整備等のコストが先行するが、下期は新規タイトルの寄与で前年同期比増益に転じる見込み。
上期予想に対する進捗率は、売上高47.7%、営業利益・経常利益46.8%、純利益45.5%。通期予想に対する進捗率は、売上高20.3%、営業利益・経常利益16.3%、純利益15.9%。
 
 
(2)配当は未定
同社は、内部留保の充実に努め、成長を継続させる事で企業価値を高めていく方針。この方針の下、総配分性向20%を目途とした株主還元を実施していく考え。

尚、総配分性向とは、純利益のうち株主に配分した額がどの程度の割合かを示す指標。
総配分性向=(配当総額+自社株買総額)÷純利益
 
 
今後の注目点
2014年は同社にとって「ネイティブ元年」。ネイティブでヒットを出す事を至上命題としている。2012年の上場以来、資金調達と人材確保に力を入れてきたため、ネイティブ開発のための基盤整備は進んだ。また、ブラウザアプリを取り巻く環境が厳しさを増す中、既存のブラウザアプリのみで高い売上の伸びを維持しており、運用面での秀逸さも示した。しかし、ソーシャルアプリ開発会社としての真価が問われるのはこれから。このため、マーケット、顧客、そしてサービスに精通した安徳氏の社長就任は時宜を得たものと言える。安徳社長の経営手腕に期待したい。
尚、上期のリリースタイトルは現在調整中で、クオリティ向上のため1〜2ヶ月程度の遅延が生じる可能性がある。このため、今期の業績は若干の下振れリスクを否定できないが、大切な事は今期の着地よりも今後の成長力だ。今後の成長力を図る上でポイントとなるネイティブアプリの立ち上がりと海外展開の進捗に注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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