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(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
宮本 雅弘 社長
宮本 雅弘 社長

【ブリッジレポート vol.25】2014年2月期業績レポート
取材概要「14/2期は営業減益となったものの、売上が過去最高を更新した事に注目したい。関西以西で事業拡大余地が大きい事に加え、札幌で増産投資を実施した・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月27日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
宮本 雅弘
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
事業内容
漬物業界のリーディングカンパニー。浅漬、キムチ、惣菜等、野菜の元気を全国の食卓へ届け、現代人の野菜不足を補い、健全な食習慣の実践に貢献。
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年2月 25,648 852 971 608
2013年2月 24,063 915 974 570
2012年2月 21,587 982 1,066 591
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(4/30現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
786円 6,394,561株 5,026百万円 8.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.5% 115.54円 6.8倍 1,146.90円 0.7倍
※株価は4/30終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ピックルスコーポレーションの2014年2月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、連結子会社8社及び持分法適用会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCPの導入やISO9001の認証取得、更には5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

14/2期の品目別売上構成は、製品売上が65.7%(浅漬・キムチ44.8%、惣菜18.5%、ふる漬2.4%)、商品(漬物)売上が34.3%。資本関係では、東海漬物(株)が株式の46.5%を保有(14年2月28日現在)するが、取引はふる漬等の仕入がわずかにあるのみ(14/2期は仕入高全体の1.7%)。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、14/2期は同グループ向けの売上が全体の33.6%を占めた(12/2期37.9%、13/2期35.6と依存度は低下傾向にある)。
 
【強み】
大ヒットしている「ご飯がススム キムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。
 
 
【食の安心・安全への取り組み】
自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で保存料・合成着色料は使用しない。また、製造工場では一貫した品質・衛生管理体制を整えている。最新鋭の設備の導入や従業員教育はもちろん、HACCPの導入やISO9001の認証を取得する事で業界のリーディングカンパニーとして信頼される製品づくりを目指している。

尚、HACCPは1960年代に米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品の衛生管理の方式。国連食糧農業機関(FAO)と世界保健機構(WHO)の合同機関である食品規格(Codex)委員会が発表し、各国にその採用を推奨している。また、ISO9001は、国際標準化機構(ISO)が定めた品質マネジメント規格。
 
 
 
【環境保全活動の推進】
1999年8月に、食品業界で初めて全事業所一括でISO14001(後述)の認証を取得しており、経営者によって策定された環境方針の下、省資源・省エネルギーへの取り組みをはじめ、廃棄物の削減、環境関連法規制順守、従業員教育、環境保全団体への支援等の取り組み等を通じて、より環境に優しい企業グループとなれるよう努めている。

尚、ISO14001は、国際標準化機構(ISO)が企業等の活動が環境に及ぼす影響を最小限にとどめる事を目的に定めた、環境に関する国際的な標準規格。
 
 
 
市場動向と事業戦略
 
(1)漬物市場と惣菜市場の動向
漬物市場の動向
漬物市場は約3,500億円(2013年08月発表の食品新聞の漬物品目別推定出荷額は3,250億円、2008年8月時点での推定では3,800億円)。コメ消費の減少、食の多様化、少子高齢化等の影響を受けて漬物市場は縮小傾向にあるものの、全ての品目が減少している訳ではなく、沢庵等のふる漬市場の縮小が大きい一方で、浅漬やキムチの市場は安定成長が続いている。また、徐々に寡占化も進んでいるが、同社(シェア7.3%でトップ)を含めた上位10社のシェアは32.6%に過ぎず、上位企業による寡占化はこれから。昨今、円安による海外産原料価格の上昇で海外原料に頼るメーカーの収益が悪化している他(同社は100%国産原料)、健康志向、惣菜化、機能性訴求等をキーワードにした商品開発が事業拡大に不可欠な要素となりつつある。同社は製品開発力と販売力を強みに早期のシェア10%達成を目指している。
 
 
惣菜市場の動向
単身世帯の増加や高齢化の進展、更には女性の社会進出もあり、惣菜市場は拡大傾向にある。同社の資料によると、米飯類や調理パン・調理麺等も含む惣菜市場の規模は約8兆1,238億円。このうち、同社の事業領域である一般惣菜市場は3兆5,736億円で、販路別の内訳は、食料品スーパー1兆107億円、総合スーパー5,073億円、コンビニ3,194億円、専門店・百貨店等が1兆7,361億円。
同社は、8年ほど前に惣菜事業に本格参入した後発企業だが、製品開発力、全国をカバーする製造拠点、更には直販ならではのきめ細かい営業を強みに売上を順調に伸ばしている。ライバルとなるのは、フジッコ、ケンコーマヨネーズ、エバラ食品、デリア食品等。いずれも400〜500億円規模の年商を誇るが、13年度の同社の当期純利益は、予想売上高が500億円のエバラ食品の予想と1億円強の差に過ぎない。
 
 
(2)15/2期の事業戦略
継続的な新製品の開発・投入、広告宣伝・販促活動、及び全国を網羅する営業・物流ネットワークを三位一体とする事業戦略を推進し、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓に取り組んでいく考え。
 
継続的な新製品の開発・投入
独自技術で美味しさを追求しつつ減塩を実現した減塩漬物が消費者の健康志向をとらえて市場に浸透しつつある事から、浅漬、ふる漬、梅干し等の減塩製品シリーズの売場提案を積極化していく。また、キムチでは、「ご飯がススム キムチ」シリーズのラインナップを強化し、「川越達也オススメキム」シリーズとの2本柱でマーケットの深耕と開拓を進める。この一環として、14年3月に「ご飯がススム ホタテでデカうまキムチ」を発売した。
 
 
引き続きコラボレーションによるマーケットの開拓にも力を入れていく考えで、14年5月にカゴメとの提携でカゴメの高リコピントマトを使用した「トマトキムチ」を発売した。リコピンとは、トマトの赤色成分で、抗酸化作用が強く、美容や生活習慣病を予防する効果あると言われている。「トマトキムチ」は、大きくカットしたトマトのおいしさを活かし、トマトの酸味とキムチのうまみのバランスに配慮した。
尚、この製品は5月〜6月発売の期間限定商品。1年中食べられる訳ではないので、興味を持たれた方は購入を急いだ方がいい。
 
 
同じく5月に、塩こんぶ等で有名な(株)くらこん(大阪府枚方市)とのコラボレーションによる「ご飯がススム」シリーズ(塩こんぶ入りのふる漬)を発売する。しば漬、しょうが大根、きざみ野沢菜の投入を予定しており、いずれも、しょうゆ漬けで、北海道産昆布を100%使用し、本醸造醤油と共に釜で炊き上げた旨味たっぷりの(株)くらこん製塩こんぶ入りだ。
 
 
一方、惣菜では、「ナムルセット」、「ふろふき大根」、「メンマと豆もやしの黒こしょう和え」、「オクラのおひたし」、「そら豆」、「棒棒鶏サラダ」等、サラダ感覚で食べる事が出来る製品を中心に、既存製品の継続的な改善とラインナップの強化に取り組むと共に、開拓余地の大きいスーパー等の総菜売り場への営業を強化していく。
 
 
広告宣伝・販売促進
地元である西武ドームでの看板に加え、テレビ・ラジオCM、鉄道広告等、引き続き様々な媒体を活用して広告宣伝活動を展開していく。また、山崎製パン(株)とのランチパック、サンヨー食品(株)とのサッポロ一番カップスター、(株)みまつ食品との「ご飯がススム キムチの味 餃子」及び「ご飯がススム キムチの味 焼売」と言った食品メーカーと同社ブランドのコラボレーション製品について広告宣伝及び販売促進を強化していく。
 
 
全国ネットワークを活かした営業戦略
自社工場や物流管理センターに加え、子会社4社・合弁会社4社等との連携により、漬物・惣菜メーカーとしては唯一、全国を網羅した生産・物流体制を構築している事が同社の強みで、全国どこにでも同じ品質・同じ味の製品を届ける事ができる。浅漬は賞味期限が短いため(冷蔵管理で4日〜7日)、生産は受注生産で行っている(オンラインで注文を受け、365日休まず生産)。また、品質を維持するため、得意先の店頭とはコールドチェーン(低温・冷蔵・冷凍の状態を保ったままの流通)で結ばれている。

15/2期は(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場が通期で稼働する事で、シェアが低い関西以西での販売拡大と生産性の向上が期待できる他、生産がフル稼働だった(株)ピックルスコーポレーション札幌で新工場の整備が進む。強みである製造・物流インフラを活かすと共に、製品ラインナップの拡充と売場提案の強化でスーパー等での売場拡大(精肉売場、麺売場等)やドラッグストア等の新たな販路の開拓に取り組んでいく。
 
 
これまで15/2期の売上高を255億円、営業利益1,011億円としていたが、売上高・営業利益共に引き上げた。販売エリアでは、生産能力が拡大する北海道、中国・四国、九州地区に注力し、販路については、量販店における売場拡大(精肉売場、麺売場等)やドラッグストア等を拡大する。また、漬物・惣菜以外の製品開発も強化していく考え。
 
 
2014年2月期決算
 
 
前期比6.6%の増収、同0.3%の経常減益
売上高は256億48百万円と前期比6.6%増加し、過去最高を更新。浅漬・キムチが同1.7%増と堅調に推移する中、多彩なラインナップを有する惣菜がスーパー等を中心に同36.1%増と大きく伸びた。

営業収益は同6.9%減の8億52百万円。第2四半期(6-8月)から第3四半期(9-11月)にかけての天候不順による原料となる野菜価格の高騰や(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場稼働に伴う減価償却費の増加で原価率が76.9%と前期に比べて0.3ポイント悪化。このため売上総利益が想定に届かず、事業拡大や積極的な広告宣伝活動(テレビCM等の広告宣伝を全国規模で実施)に伴う販管費の増加を吸収できなかった。
ただ、持分法投資利益の増加や貸倒引当金の戻入等で営業外損益が改善し、経常利益はほぼ前期並みを確保。固定資産圧縮損等の増加等で特別損失が増加したものの、税効果会計の影響で当期純利益は6億08百万円と同6.7%増加し、過去最高を更新した。
 
 
 
※14/2期第3四半期(9-11月)の販管費の増加は計画通りに実施した広告宣伝活動に伴うもの。原料野菜の価格高騰で原価率が悪化したため販管費の増加を吸収できなかった。第4四半期(12-2月)は原料野菜の価格が前年同期を下回り、収益性が改善した。
 
 
期末の総資産は前期末に比べて6億17百万円増の144億03百万円。業容拡大に伴う売上債権・仕入債務の増加に加え、広島工場関連の投資や札幌での工場取得で有形固定資産が増加した。ただ、手元資金と潤沢な営業CFで投下した資金の大半を賄ったため、有利子負債は減少。自己資本比率は50.9%と前期末に比べて1.8ポイント改善し、有利子負債は1億77百万円減少した。
 
 
CFの面では、資金効率の改善と税金費用の減少で営業CFが大幅に増加。広島工場関連や札幌での工場取得等で投資CFのマイナス幅が前期比3倍近くに拡大したものの、その大半を営業CFで賄った。
 
 
2015年2月期業績予想
 
 
前期比6.4%の増収、同26.0%の経常増益予想
売上高は前期比6.4%増の273億円。新製品の投入と既存製品の更なる改善で惣菜や浅漬・キムチの売上が増加。13年6月に稼働した(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場が通期で稼働する事に加え、北海道地区での生産能力増強を目的とした(株)ピックルスコーポレーション札幌の新工場が14年6月に稼働する事も支援材料となる。
利益面では、原料野菜の価格はほぼ前期並みを想定しているが、原料野菜や商品の仕入強化に加え、広島工場の生産も軌道化し原価率の改善が進む。売上の増加による物流費の増加に加え、引き続き積極的な広告宣伝活動を計画しているものの、前期の経験を踏まえて、広告宣伝費の投下を平準化し、事業環境の変化に柔軟に対応していく事で急激な収益性の悪化を防止する。
配当は前期と同額の1株当たり12円を予定。同社は製品開発・研究体制の強化及び設備投資等に必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を実施していく考え。
 
 
 
13/2期の設備投資は既存工場の増改築や設備更新にとどまったが、14/2期は(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場関連(建物、機械設備)及び(株)ピックルスコーポレーション札幌の新工場取得(既存建物を購入)で設備投資額が大幅に増加した。15/2期は前期に取得した(株)ピックルスコーポレーション札幌の工場改築や生産能力増強のための設備導入等を実施する計画(15/2期の予想売上高は273億円だが、この規模で6〜7%売上が増加すると、ほぼ1工場分の生産能力が満杯になると言う)。
 
 
今後の注目点
14/2期は営業減益となったものの、売上が過去最高を更新した事に注目したい。関西以西で事業拡大余地が大きい事に加え、札幌で増産投資を実施したように既存エリアも深耕余地は大きい。15/2期は広島工場が通期で稼働し、生産性の改善も見込まれる。また、札幌の新工場も稼働する。一方、利益は、トレンドを重視すべきで、単年度の結果に一喜一憂する必要はない。15/2期は前期の教訓を活かした施策が講じられるため、その成果に期待したい。
尚、4月に消費税率が引き上げられたが、同社の製商品は賞味期限が短いため、同社が駆け込み需要の恩恵を受ける事はなく、逆に4月以降の反動減もなかった。ただ、節約志向の高まりから、家庭での食事が増えるとみられており、消費税率が引き上げが追い風になる可能性が高い。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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