ブリッジレポート
(8860:東証1部) フジ住宅 企業HP
宮脇 宣綱 社長
宮脇 宣綱 社長

【ブリッジレポート vol.37】2014年3月期業績レポート
取材概要「消費税増税前の駆け込み需要の反動から15/3期の同社業績は減収減益が避けられないものと予想される。一方で、同社が属する不動産業界においては・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年5月27日掲載
企業基本情報
企業名
フジ住宅株式会社
社長
宮脇 宣綱
所在地
大阪府岸和田市土生町1丁目4番23号
事業内容
大阪府下を中心に阪神間、和歌山県北部地域で分譲戸建住宅、分譲マンション・中古住宅再生・土地活用・賃貸及び管理事業・注文住宅事業を多角的に展開。
決算期
3月
業種
不動産業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 86,363 5,806 5,660 3,261
2013年3月 66,047 3,809 3,761 2,268
2012年3月 71,594 4,928 4,903 2,767
2011年3月 59,796 3,648 3,680 2,027
2010年3月 48,614 2,137 2,118 1,237
2009年3月 45,300 2,584 2,388 1,361
2008年3月 48,793 2,723 2,413 2,097
2007年3月 52,221 4,233 4,090 911
2006年3月 41,333 3,229 3,196 1,312
2005年3月 43,954 3,208 2,799 1,661
2004年3月 34,387 2,034 1,891 684
2003年3月 32,905 1,198 1,028 545
2002年3月 33,419 899 692 297
2001年3月 31,433 2,928 2,681 1,503
2000年3月 34,268 1,596 1,117 -2,237
株式情報(5/9現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
567円 35,914,954株 20,364百万円 14.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
26.00円 4.6% 77.96円 7.3倍 676.44円 0.8倍
※株価は5/9終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
フジ住宅の2014年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
地盤である大阪府下全域の他、阪神間・和歌山県北部地域で、戸建分譲・中古住宅等の住宅・不動産事業を展開。主力の戸建分譲は、分譲ながら間取りや設備仕様等、建築基準法の範囲内で最大限に顧客の要望を取り入れる「自由設計方式」と50〜150戸規模で街並みの統一性を重視した開発を行う「街づくり」に特徴がある。また、中古住宅の改装販売、金融機関とタイアップした土地有効活用事業や個人投資家向けの賃貸マンション販売事業、賃貸・管理事業、注文住宅事業も事業の柱である。
販売代理や戸建住宅から派生した各事業が独自のノウハウを持ち、他の事業部門を相互に補完する(相乗効果)、単なる住宅の分譲会社ではなく地域や時代の住宅に関するあらゆるニーズに対応できる機能を備えていることが「住まいのトータルクリエイター」である同社の特長である。地域密着型経営の特長を活かし、顧客に顔を向けた「売りっ放し」、「建てっ放し」のない顧客満足度の高い住宅づくりを目指している。
 
分譲住宅事業(14/3期売上構成比48.0%)
戸建とマンションの分譲を手掛けており、「自由設計方式」と「街づくり」を特徴とする戸建では、用地仕入・許認可の取得から、宅地造成、設計、建築、販売までの一貫体制を構築。マンション分譲は地価上昇とその後の供給過剰・需要低下に伴う事業リスクの高まりを予見し05年春に事業を停止したが、リーマン・ショック後の地価の下落と分譲マンション市場の需給改善を踏まえて12年2月に再開。駅近の利便性の高い立地等、物件を厳選した1次取得者向けの価格訴求力のある分譲マンション販売を特徴とする。
 
 
住宅流通事業(同 31.4%)
「快造くん」のブランド名で展開している中古住宅の再生・販売及び新築建売住宅の販売に係る収益が計上されている。エリア毎に住まい探しの情報拠点となる「おうち館」や、仕入・販売の拠点となる「フジホームバンク」を設けており、中古住宅では地域密着営業により交差点単位での地域情報の収集・分析力をベースとした物件の鑑定力や仕入・販売価格の査定の速度と正確性、更にはリフォーム業者の育成やマニュアル化等、独自のノウハウを強みとする。一方、新築建売住宅では、泉州地区(泉佐野、熊取、貝塚、岸和田中心)で小規模分譲地を開発し手頃な価格の建売住宅を販売。当事業は分譲住宅事業でカバーできない低価格ゾーンをカバーしている。
 
 
土地有効活用事業(同 8.4%)
賃貸住宅等の建築請負と個人投資家向け一棟売賃貸マンションの収益が計上されている。建築請負では、遊休地の有効活用を目的とした賃貸マンション・アパート等の建築提案を行なっており、市場調査・企画・設計・建築・竣工引渡後の運営管理までを一貫してサポート。コスト競争力のある木造アパート「フジパレス」シリーズに08年11月サービス付き高齢者向け住宅「フジパレスシニア」が加わり、より独自性が強まった。飛び込みによる営業活動は行っておらず、金融機関や既契約者からの紹介、及びリピートを中心に案件を獲得。また、個人投資家向け一棟売賃貸マンションでは、1棟当たり1億円前後の賃貸アパートが中心。資金運用手段として根強い需要がある。
 
 
賃貸及び管理事業(同 11.2%)
100%子会社フジ・アメニティサービス(株)が手掛けている。安定収益源となるばかりでなく、賃貸住宅の建築請負や個人投資家向け一棟売賃貸マンションの他、分譲マンションの販売等との相乗効果も高い事業。
 
注文住宅事業(同 0.9%)
市況の影響を受けにくい非不動産販売事業育成の一環として、戸建住宅の新築や建替えを請負うといった事業を行っている。会社の第5の柱として展開中。
 
 
 
中期事業計画と進捗状況
 
同社は、地域に根付いた住宅提供事業者として、新築戸建住宅、分譲マンション、改装付中古住宅、土地有効活用の一環としてのアパート建設や個人投資家向け一棟売賃貸マンション販売、更には不動産管理等、住宅・不動産に関する多様な商品及びサービスの提供に取り組んでいる。また、市況変動への対応策として、地価の急激かつ大きな下落にも耐え得る独自の財務指標の下で在庫コントロールを徹底すると共に、市況の影響を受けにくい注文住宅の建築請負等の非不動産販売事業の育成・強化にも取り組んでいる。現在、進行中の中期事業計画では、最終の15/3期に売上高870億円、経常利益55億円の数値目標としている。
 
 
分譲マンションの本格的な引渡しが当期にピークとなり売上高が計画を上回って推移した他、消費税増税前の駆け込み需要により、中古住宅の販売も計画を上回る進捗となった。また、賃貸及び管理セグメントは、土地有効活用セグメントでの賃貸アパート、及び分譲マンションの引渡しにより管理物件が増加したことから、収益が拡大した。
 
 
2013年10月以降の受注低下の影響で、15/3月期の販売戸数が減少する他、消費税増税後の影響により、戸建住宅の受注高が減少する見込み。また、マンションの建築資材の高騰及び労務費の増加により、マンション供給を大幅に抑制する計画であるため、売上戸数が減少する見込み。一方、前月期の土地有効活用の好調な受注を反映し、土地有効活用セグメントは売上高の拡大が見込まれる。
 
 
 
2014年3月期決算
 
 
前期比30.8%の増収、同50.5%の経常増益
売上高は前期比30.8%増の863億63百万円。前期の受注水準の低さが影響した土地有効活用セグメントが減少したものの、分譲マンションの引渡しが増加した分譲住宅セグメントと中古住宅の仕入れが回復傾向となった住宅流通セグメントなどが増加した。また、販売状況を示す受注契約高は、自由設計住宅の受注減少が影響した分譲住宅セグメントで減少したものの、住宅流通セグメントに加え、土地有効活用セグメントなどがけん引し同8.0%増加。売上高の先行指標となる3月末の受注契約残高は、消費税増税前の駆け込み需要の影響により前年同期末比14.1%減少した。
利益面でも、土地有効活用セグメントで売上減少が影響し減少したものの、分譲マンションの引渡しが本格化したことや中古住宅の販売増加が寄与し、分譲住宅セグメントや住宅流通セグメントなどが増加した。分譲住宅セグメントや住宅流通セグメントの売上高増加が寄与したものの、収益性の高い土地有効活用セグメントの売上高減少が影響し、売上総利益率は同0.9ポイント低下した。販売の増加にともない広告宣伝費、人件費などの費用も増加したが、販管費の増加は前期比12.1%の増加と売上高の伸び率を下回ったことから、営業利益は52.4%増の58億6百万円となった。その他、営業外費用においてコミットメントフィー97百万円や特別損失において減損損失1億91百万円を計上したことなどから、経常利益以下の増益率は営業利益の伸び率を下回った。
 
 
分譲住宅セグメントの売上高は前期比68.4%増の414億67百万円、セグメント利益は同104.9%増の43億67百万円。売上及び利益の増加は、当期に分譲マンションを534戸引渡したことが寄与。一方、受注契約高は自由設計住宅の減少が大きく、321億円63百万円と同12.2%減少。受注契約残高も199億61百万円と同31.8%減少した。

住宅流通セグメント売上高は前期比24.9%増の271億45百万円、セグメント利益は同94.6%増の10億93百万円。中古住宅の仕入れが回復傾向となる中、中古住宅の受注契約戸数が1,372戸(前期は1,067戸)と好調に推移し、住宅流通セグメントの受注契約高は263億60百万円と同21.6%増加。受注契約残高は建売住宅の減少が大きく24億42百万円同24.3%減少した。

土地有効活用セグメントの売上高は前期比32.3%減の72億73百万円、セグメント利益は同57.2%減の6億73百万円。売上及び利益の減少は、前年度前半の受注が低調であったことが影響。一方、「フジパレスシニア」(低賃料タイプサービス付き高齢者向け住宅。契約当たり単価は1億80百万円程度が中心)や「個人投資家向け一棟売り賃貸マンション」が好調に推移し、受注契約高は同73.1%増の119億15百万円、受注契約残高は同73.0%増の109億95百万円。

上記の他、賃貸及び管理事業セグメントは、土地有効活用事業にリンクした賃貸物件及び管理物件の取扱い件数が増加したことや中古住宅アセット事業が軌道に乗ったことから売上高が97億9百万と前期比13.4%増加し、セグメント利益も6億19百万円と同36.7%増加した。また、立ち上げ期にある注文住宅事業は、売上高が7億67百万円と同105.5%増加したものの、集客効果が望めない住宅展示場からの撤退費用の計上によりセグメント利益は39百万円の損失となった。
 
 
 
 
販売状況を示す受注契約高は、増加傾向。
 
 
2014年3月末の総資産は858億52百万円と前期末比89億25百万円増加した。たな卸資産の増加85億97百万円が主なもの。たな卸資産の主な内訳と金額は、販売用不動産174.4億円(前期末128.7億円)、仕掛販売用不動産132.4億円(同155.7億円)、開発用不動産353.8億円(同290.0億円)。有利子負債は48億99百万の増加。利益剰余金の増加などから自己資本比率は28.3%と前期末並となった。
 
 
CFの面ではたな卸資産の増加などがあったものの、当期純利益の増加などから営業CFのマイナス幅が縮小した。有形固定資産の取得などで投資CFのマイナス幅が拡大したものの、フリーCFのマイナス幅は縮小した。一方、長期借入金の返済などから財務CFのプラス幅は縮小した
 
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
前期比7.4%の減収、同24.0%の経常減益予想
15/3期の会社予想は、売上高が前期比7.4%減の800億円、経常利益が同24.0%減の43億円。売上面では、2013年10月以降の消費税増税の駆け込み需要の反動により、戸建住宅の売上戸数が減少する見込み。また、マンション建築にかかる労務費・材料費の高騰により、適正利益の確保が困難となることから、マンション供給を大幅に抑制する計画となっている。一方、前期の受注水準が高かった土地有効活用セグメントは大幅に増加する見込み。
利益面でも、売上高が増加する土地有効活用セグメントが大幅な増益となるものの、売上高が減少する分譲住宅セグメントの減益幅が大きくなる予想。また、仕入単価上昇の影響を考慮し、住宅流通セグメントの利益率が悪化する計画となっている。
配当は、前期と同じ1株当たり年26円(上期末13円、期末13円)の予想。
 
 
 
 
15/3期の受注は、第1四半期は消費税増税の駆け込み需要の反動で中古マンション中心に落ち込みが避けられないものの、第2四半期以降は新築分譲一戸建住宅を中心に徐々に回復傾向が強まる会社計画となっている。
 
 
今後の注目点
消費税増税前の駆け込み需要の反動から15/3期の同社業績は減収減益が避けられないものと予想される。一方で、同社が属する不動産業界においては、超低金利の住宅ローン金利の継続と住宅ローン減税の実施により、大幅な落ち込みは回避され、早期に販売が回復に転じるとの期待も大きい。特に、同社は今後新築分譲一戸建住宅の販売拡大を図るべく、前期の後半に優良なたな卸資産の積み増しを実施した。これらの販売が本格化する年後半以降、同社の受注が急回復するものと期待される。加えて、潜在重要が大きな中古住宅は、消費税増税前の駆け込み需要の反動の影響が小さく、早期に拡大トレンドに回帰するものと予想される。同社が来期以降に高成長路線に戻れるかは、今期の受注動向が鍵を握ることから、今期の受注がどの段階で底入れし、どれ位の水準まで回復するのかに注目が集まる。中でも、そのけん引役と期待される新築分譲一戸建住宅の今後の販売拡大戦略に注目したい。
更に、前期に受注が急回復した高収益事業である土地有効活用セグメントにおいても、成長を継続することができるのか、土地有効活用セグメントの受注拡大の取り組みにも注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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