ブリッジレポート
(4290:東証1部) プレステージ・インターナショナル 企業HP
玉上 進一 社長
玉上 進一 社長

【ブリッジレポート vol.13】2014年3月期業績レポート
取材概要「14/3期は合弁会社への業務移管の影響を吸収して、営業利益が過去最高を更新した。円高修正の恩恵も一部にはあったが、充実したサービス・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年7月15日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社プレステージ・インターナショナル
社長
玉上 進一
所在地
東京都千代田区麹町1-4
事業内容
コールセンター活用のBPO。自動車の事故、故障対応や金融関連が主業。不動産分野に注力
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 22,223 2,809 2,704 1,981
2013年3月 24,225 2,380 2,158 1,409
2012年3月 23,385 2,621 2,651 1,543
2011年3月 19,210 2,291 2,360 1,145
2010年3月 16,174 2,390 2,434 1,587
2009年3月 14,729 2,316 2,311 1,410
2008年3月 13,438 1,806 1,817 1,074
2007年3月 12,829 1,631 1,634 877
2006年3月 10,040 1,298 1,206 655
2005年3月 8,306 1,052 1,055 566
2004年3月 7,101 458 387 353
株式情報(6/11現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
889円 30,729,540株 27,319百万円 16.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
10.00円 1.1% 65.08円 13.7倍 435.87円 2.0倍
※株価は6/11終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
プレステージ・インターナショナルの2014年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
連結子会社22社、持分法適用関連会社1社とグループを形成し、国内外でBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業を展開している。サービスの主なものは、損害保険会社、自動車関連会社、不動産管理会社等を主な取引先とし、実際のサービスは自動車保険加入者に提供するロードアシスタンスサービス、海外旅行損害保険加入者向けの日本語緊急コンタクトセンターサービス、物件の管理会社等と契約しマンション等の入居者に対するホームアシストサービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)、駐車場管理会社向けのパークアシストサービス等。
 
【事業セグメントの概要】
成長分野の情報をより明確に数値化する事を目的に、15/3期より下記の通りセグメントを変更した。
 
 
ロードアシスト事業では、損害保険会社及び自動車メーカー等との契約に基づき、その顧客であるエンド・ユーザーに対してロードアシスタンスサービスを提供している。同社が秋田BPOキャンパス等のコンタクトセンターにおいて緊急要請を24時間年中無休で受け付け、実際のサービスは、関係会社である(株)プレミアアシスト東日本・西日本や協力会社等に委託している。
また、プロパティアシスト事業では、分譲マンション等の入居者へ一次修繕サービス(水漏れ、鍵開け、ハウスクリーニング等)を提供する「ホームアシスト」及び駐車場管理会社向けサービス「パークアシスト」を手掛けており、実際のサービスは関係会社(株)プレミア・プロパティサービス等が提供している。この他、ITソリューション事業では、(株)プレミアネットワークプレミアITソリューション が、グループ各社の事業に関連するシステム開発を手掛けている。
 
 
成長戦略
 
【基本戦略】
(1)「エンド・ユーザー(消費者)のお困りごとを解決する」というコンセプトを軸に事業を展開
(2)夢と誇りを持って働くことのできる職場環境を創造し、女性の社会進出を支援する。
(3)地方都市にサービス業としての雇用を創造し、継続する企業として社会に貢献する。
 
【グループ重点課題と国内外での取り組み】
グループの重点課題として、新体制による組織運営の効率化、3拠点運営に向けた体制構築(山形 BPOガーデンの安定稼働とBCPの観点から第2 BPOキャンパスと位置付ける富山BPOタウンの開設準備)、更なる企業価値向上に向けたグループシナジーの追求、「感謝・感動」を追求したサービスの実現に向けたサービス品質の向上、及び地方都市での雇用創出と地域における職場環境NO.1の実現による社会貢献と人材育成、の5項目を掲げている。

上記の課題を踏まえ、国内では、① 「Premier Assist」ブランドの浸透(ロードアシスト、ホームアシスト、パークアシスト)、② ワランティ事業(旧インシュアランス事業の保証に関連するビジネス)での家賃保証、延長保証、及び住宅設備保証の強化、③ カスタマーサポート事業(旧CRM事業及び旧カード事業)における事業横断的なOnly1商材の確立、及び④ ITソリューション事業によるグループ企業業務のシステム化(生産性向上)と各種端末(スマホ・タブレット)連動のシステム開発に取り組む。
また、海外では、インシュアランスBPO事業において、海外旅行保険クレームやヘルスケア・プログラムの業務拡大に備えた体制構築(人財育成)に取り組む。15年6月には台湾拠点を法人化する予定(マレーシア・ベトナム拠点についても法人化を検討する)。
 
(1)国内における取組
① 「Premier Assist」ブランドの浸透
「Premier Assist」ブランドの浸透に向け、ロードアシストにおいて、スマホアプリによるロードサービス自動手配の提案営業を展開すると共にグループ外売上の拡大に取組む(現場で実際のサービスを提供するグループ企業のグループ外企業向けビジネスの拡大。既に首都高速道路(株)から24時間対応サービスの受注に成功している)。また、ホームアシストでは、女性サービスプランナーチームがサービス導入率の上昇に寄与している。賃貸物件向けサービスを拡大させ、一層のブランド浸透を図る。
 
 
② ワランティ事業における家賃保証、延長保証、及び住宅設備保証の強化
家賃保証では、営業所増設(岡山、仙台)、人員の増強、及びシステム開発で、ハード、マンパワー、ソフトを強化して20%の増収を目指している。一方、延長保証では、外国車メーカーで培ったノウハウを国産車メーカーに展開する。また、大手不動産デベロッパー2社で導入済みの受託設備保証では設備メーカーへの横展開を図る。
 
③ カスタマーサポート事業における事業横断的なOnly1商材の確立
コンタクトセンター・アウトソーシング単独では差別化が難しいため、同社オリジナルのサービスと組み合わせた魅力的な商材を開発し、提案営業を行っていく。
 
④ ITソリューション事業によるグループ企業業務のシステム化、各種端末(スマホ・タブレット)連動のシステム開発
システム化を進め業務効率の改善を図ると共に、各種端末(スマホ・タブレット)連動のシステムを開発して既存クライアントの深耕及び新規クライアントの獲得につなげる。また、独自のポイント制度の拡充・拡大で差別化を図る(ポイント保有企業及び商品・サービス提供企業の開拓を推進)。
 
(2)海外における取組
 
インシュアランス事業において、成長著しい東南アジア地域を中心に人員増強による体制強化を図る他、今後、日本人駐在員の増加が見込める中南米で運営準備を進める。また、カスタマーサポート事業では、景気回復に伴う日本人駐在員の増加やマーケティングパートナーである日系航空会社の路線増便でカード事業のビジネスチャンスが拡大する。サービス品質の向上と、キャッシュバック機能、通訳、更にはロードサービス等の付加価値サービスの強化で新規会員の獲得を図る考え。
 
【山形BPOガーデン及び富山BPOタウンの概要】
山形BPOガーデン
 
 
所在地  :山形県酒田市
投資額  :11.8億円
総敷地面積:38,197m2(約12,000坪)
総席数  :500席
構成整備 :託児所、カフェテリア、研修施設、自家発電装置
従業員数 :220名(2014年4月時点)
男女比率 :男性20%、女性80%
平均年齢 :33歳
 
フル稼働に近い秋田BPOキャンパスを補完的するべく開設。従業員が喜びと誇りを持って働く事のできる職場環境の実現を目指している。3〜5年内には500名規模に拡大する見込みである。
 
 
富山BPOタウン
秋田BPOキャンパスの稼働率が既に適正稼働率(80%)を超えている事に加え、東日本大震災以降、BCP(事業継続計画)に対する意識の高まりから、災害時におけるバックアップ体制強化への要望が増えている。加えて、既存クライアントの業務拡大ニーズにも応える必要がある事から富山BPOタウンを開設する事となった。
 
 
所在地(予定)  :富山県射水市黒川846番1、
          射水市池多285番1
投資総額(予定) :約30億円
総敷地面積(予定):約64,000m2(約20,000坪)
          ※東京ドーム1.4個分
総席数(予定)  :1,000席
厚生設備(予定) :託児所、カフェテリア、
          社員寮、研修施設、
          自家発電装置、
          駐車場(1,010台)
操業開始(予定) :2015年4月
 
2014年に富山県内に仮センターを開設し、2015年4月に200〜250名規模で業務を開始する予定。3年後には1,000名体制に拡大させ、更に500席の増設スペースを活用して5年後には1,500名規模への拡大を見込んでいる。同社は、富山BPOタウンの安定稼働が、更なる業務拡大に向けたブレークスルーポイントになると考えている。
 
 
 
 
 
 
 
2014年3月期決算
 
 
営業利益が過去最高を更新
ロードアシスト事業における合弁会社への一部業務の移管とインシュアランス事業における延長保証・メンテナンスプログラムの契約内容変更の影響等で売上高が222億23百万円と同8.3%減少したものの、これら特殊要因を除いた実質ベースでは増収。原価抑制や円高修正による売上総利益の増加で山形BPOガーデンの本格稼働等による販管費の増加を吸収した。持分法による投資の改善(13/3期:△72百万円 → 14/3期:24百万円)等で営業外損益が改善した他、投資有価証券売却益や補助金収入の増加等で特別損益も改善し、当期純利益は19億81百万円と同40.6%増加した。
 
 
ロードアシスト事業
売上高76億22百万円(前期比17.2%減)、セグメント利益8億01百万円(同7.6%減)。NKSJグループ向けサービスを同グループとの合弁会社(株)プライムアシスタンスに移管した影響をカバーするには至らなかったものの、認知度の向上で損害保険会社向けの既存受託業務が順調に拡大した。利益面では、減収の影響をカバーするには至らなかったものの、サービス利用に伴う費用の抑制やシステム化による手配工数削減効果で利益率が改善した。
 
インシュアランス事業
売上高60億12百万円(前期比22.6%減)、セグメント利益6億96百万円(同42.2%増)。これまでは延長保証・メンテナンスプログラムにおける保証リスクの“保険化部分”を売上高及び売上原価に両建て計上していたが(言い換えると、“保険化部分”の利益貢献はなかった)、今期より「預り金」としての計上に変更され、損益計算書に反映されなくなった。このため、表面的には前期比減収となったが、海外関連事業が堅調に推移した事で実質的には増収。家賃保証プログラムの収益性改善でセグメント利益が大幅に増加した。
 
CRM事業
売上高30億12百万円(前期比7.2%増)、セグメント利益4億30百万円(同36.2%増)。部門縮小で英国及び米国の売上が減少したものの、既存受託業務の拡大と新規受託開始による国内売上の増加で吸収した。利益面では、売上が増加する中、間接費用の削減が成果を上げた。
 
カード事業
売上高19億57百万円(前期比15.9%増)、セグメント利益5億62百万円(同16.6%増)。カード会員の増加で売上が増加する中、原価管理の徹底が成果を上げた他、円高修正も追い風となった。
 
プロパティアシスト事業
売上高25億06百万円(前期比24.7%増)、セグメント利益1億65百万円(同36.1%増)。ホームアシスト、パークアシスト共に既存受託業務が順調に拡大。売上の増加とコスト削減で、子会社による拠点拡充及び機能強化のための先行投資負担を吸収した。
 
 
期末総資産は前期末に比べて27億59百万円増の186億13百万円。借方では、現預金や山形BPOガーデン等の設備投資に伴い有形・無形固定資産が増加。貸方では、未払法人税等や純資産(株主資本及び為替換算調整勘定が増加)が増加した。自己資本比率は前期末に比べて1.3ポイント改善の72.0%。
 
 
設備投資等の資金を営業CFで賄い、5億96百万円のフリーCFを確保した。実質無借金経営の状態にあり、期末の現金及び現金同等物は前期末に比べて8億35百万円増の63億52百万円と潤沢。

尚、14/3期の設備投資額は山形BPOガーデン(建設費16億59百万円)を中心に22億94百万円。山形BPOガーデンは、現在、250名体制だが、15/3期末までには350名〜400名規模に拡大する見込み。一方、富山BPOタウンの建設費は30億円を予定しており、15/3期分として25億円が計上される予定。15年2月に第1期工事が完了し、稼働は15年4月を予定しており、減価償却も始まる。また、夏までには全工事が完了する予定だ。
15/3期の設備投資は前期比15.5%増の26億50百万円を予定押しており、減価償却費は8億65百万円と同51.0%増加する見込み。
 
(4)中期事業方針の進捗状況
同社は経営目標である「利益の持続的な成長」と「長期、継続的、独自性の高いサービスの創出」の達成を念頭に(外部環境に左右されない収益基盤の確立に向け)、12年5月に「新たなるビジネス開発」と「事業インフラの開発」を主要方針とした「中期事業方針」を策定した。

「中期事業方針」では、パートナーとして顧客と強固で永続的な関係を構築して事業を進めるビジネス・パートナーモデルの育成、クライアントが必要とするサービスを単体で提供するサービスプロバイダーモデルの育成、及びIT投資といった当初からの3項目に、第2BPO拠点開設及び注力分野(延長保証、ヘルスケア・プログラム、ホームアシスト)の2項目を加えた5つの課題に取り組んでいる。
下記の通り、各取り組みで一定の成果を上げており、中期事業方針を継続しつつ、現場対応機能、海外拠点、及びITへの先行投資を加速させていく考え。
 
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
前期比10.2%の増収、同6.8%の営業増益予想
連結売上高が前期比10.2%増の245億円。案件の精査で海外CRMが縮小するカスタマーサポートの売上が減少するものの、その他のセグメントでは売上の順調な増加が見込まれる。利益面では、減価償却費の増加(同51.0%増の8億65百万円)や、プロパティアシスト事業での体制強化及びインシュアランスBPO事業での東南アジアを中心にした拠点機能強化等の先行投資を吸収して営業利益が30億円と同6.8%増加。(株)プライムアシスタンスの寄与による持分法投資利益の増加で経常利益は同12.8%増の30億50百万円が見込まれる、設備投資は富山BPOタウンを中心に同15.5%増の26億50百万円を予定している。
 
 
ロードアシスト事業  売上高85億38百万円(前期比12.1%増)、セグメント利益9億10百万円(同20.8%増)
合弁会社への業務移管の影響が一巡する中、既存受託業務の拡大で売上・利益が増加する。
 
プロパティアシスト事業  売上高29億04百万円(前期比16.3%増)、セグメント利益1億71百万円(増減なし)
ホームアシスト・パークアシスト共に売上が増加するものの、現場での対応を行うフィールドワーク専門子会社の体制強化のための先行投資が利益を圧迫する。
 
インシュアランスBPO事業  売上高31億07百万円(前期比28.1%増)、セグメント利益4億00百万円(同6.49%増)
日本人駐在員向けヘルスケア・プログラムの増加が見込まれる。東南アジア中心に拠点機能を強化する計画。
 
ワランティ事業  売上高38億23百万円(前期比8.6%増)、セグメント利益3億76百万円(同7.7%増)
家賃保証事業をけん引役に増収・増益を見込んでいる。
 
ITソリューション事業  売上高8億44百万円(前期比1.3%増)、セグメント利益1億77百万円(同37.2%増)
社内向け業務システムの外部利用を促進する。
 
カスタマーサポート事業  売上高44億44百万円(前期比2.7%減)、セグメント利益8億53百万円(同9.4%減)
案件の精査で海外CRMが縮小する見込み。
 
派遣・その他  売上高8億38百万円(前期比9.8%増)、セグメント利益1億12百万円(同30.2%増)
増収・増益に向け通所介護支援サービスの黒字化に取り組む。
 
(3)配当は1株当たり年10円を予定
同社は事業計画や事業規模の拡大に向けた内部留保の充実を勘案しつつ、各期の連結ベースの利益水準及びキャッシュ・フローの状況を勘案し、継続的かつ安定的に配当を実施していく考え。また、配当性向については、連結ベースで15%〜20%を目途としている。
15/3期については、1株当たり上期末5円、期末5円の年10円を予定しており、連結配当性向は15.4%となる見込み(14/3期;15.2%、13/3期:15.8%)。
 
 
今後の注目点
14/3期は合弁会社への業務移管の影響を吸収して、営業利益が過去最高を更新した。円高修正の恩恵も一部にはあったが、充実したサービスラインナップを有する事と、個々のサービスにおいて販売力・収益性の両面でブラッシュアップが進んでいる事がその原動力だ。住宅設備の延長保証プログラム等のように、クライアント企業との継続的関係から得られる消費者ニーズを素早く汲み上げ、迅速に新しいサービスを生み出している点も見逃せないし、社内向けサービスや社内向け業務システムの外販等も、新しいBPOの形態として興味深い。
ただ、事業の拡大もさる事ながら、同社に関して最も注目すべきは、地方では少ないサービス業としての雇用を創造する事で地方都市の活性化に貢献している事。社会に貢献する企業として、同社の更なる発展を願わずにはいられない。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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