ブリッジレポート
(2660:東証1部) キリン堂 企業HP
寺西 忠幸 会長
寺西 忠幸 会長
寺西 豊彦 社長
寺西 豊彦 社長
【ブリッジレポート vol.30】2014年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「消費税増税前の駆け込み需要の反動減は予想以上に大きかったという事だ。6月は既存店売上高の前年同月比マイナス幅は5月より縮小したものの、依然・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年7月29日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キリン堂
会長
寺西 忠幸
社長
寺西 豊彦
所在地
大阪市淀川区宮原4-5-36
事業内容
関西を中心に売場面積150〜300坪型のドラッグストアをチェーン展開。医療コンサルティング会社を子会社化するなど調剤事業の強化を推進。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年2月 103,055 1,820 2,282 942
2013年2月 101,761 1,924 2,242 882
2012年2月 102,229 1,684 1,960 184
2011年2月 100,465 1,118 1,537 188
2010年2月 104,964 1,232 1,527 -443
2009年2月 106,695 1,781 2,030 500
2008年2月 106,098 2,321 2,530 804
2007年2月 72,803 1,312 1,651 577
2006年2月 66,690 1,308 1,574 753
2005年2月 58,165 745 985 414
2004年2月 48,281 1,084 1,283 607
2003年2月 39,144 1,095 1,215 577
2002年2月 33,274 868 982 253
2001年2月 28,192 718 742 341
2000年2月 25,537 535 596 309
株式情報(7/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
684円 11,331,080株 7,751百万円 8.4% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
20.00円 2.9% 85.61円 8.0倍 1,030.59円 0.7倍
※株価は7/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
キリン堂の2015年2月期第1四半期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
関西圏を地盤とする中堅のドラッグストア。グループで医薬品等の卸売事業や医療・介護コンサル等も手掛けている。ドラッグストア事業では、近畿2府5県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重)を中心に、香川、徳島、石川、及び関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)においてドミナント戦略を進めており(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)、グループ店舗数は329店舗(FC2店舗、海外3店舗を含む)。
グループは、ドラッグストアを展開する同社を含め全9社から成る。なお、2014年2月期よりBEUNETグループを連結範囲に含めることとなったことに伴い、海外における事業セグメントの区分を見直し、従来「小売事業」に区分していた「忠幸麒麟堂(常州)商貿有限公司」の事業を「その他」に変更した。麒麟堂美健国際貿易(上海)有限公司は15/2期中にBEUNETグループに統合する予定。BEUNETグループについては、2014年2月期は貸借対照表のみの連結となっている。
連結の従業員数は1,602名。(いずれも2014年5月15日現在)
 
 
【中期3カ年計画】
中期3カ年計画の骨子として、①既存店の活性化、②調剤事業の推進、及び③中長期の成長に向けた取り組み、の3点を挙げている。①既存店の活性化では、セルフサービス売場を徹底しライトカウンセリングに軸足を置いた店舗運営を強化する。また、業務システムの改革によるコストコントロールとPB商品の強化で収益力向上にも努める。②調剤事業の推進では、調剤売上高の拡大と在宅支援を進めていく。一方、③中長期の成長に向けた取り組みでは、関西地域へのドミナント出店を継続すると共にM&Aやアライアンスにも対応していく考え。

ローリング方式を採用した数値計画は以下の通り。
2014年2月期はトップラインを計画通り伸ばすことが出来ず、利益率も引き上げられなかったこと、消費税増税の影響も考慮せざるを得ないことなどから、保守的に見積もり、売上高経常利益率3%の達成を2015年2月期から2016年2月期に1年後ろ倒しとした。
既存店売上の伸びは横這いと想定し、増収要因は主として新店効果および調剤売上の寄与を前提としている。
粗利率は消費税増税の影響をPB売上比率の上昇等でカバーする。
販管費比率は24.4%を想定している。出店は15店以上のペースで、M&Aも含めながら、進めていく。2014年8月には持株会社体制移行し、15/2期第2四半期終了時点で改めて中期経営計画について説明する予定。
 
 
 
【同業他社比較】
ドラッグストアを中心業態とする上場企業は、以下の16社が挙げられる。(売上規模順)
 
 
前回レポート時から売上高トップは(3088)マツキヨHDで変わらないものの、時価総額トップは(9989)サンドラッグが(7649)スギHDに変わってトップとなった。(株)キリン堂の、売上高で12位、時価総額で13位は前回と変わらない。
関西地区ではシェア8.9%の第3位の同社だが、PBR1倍割れなど、株価評価は芳しくない。
繰り返しとなるが、収益性の向上と、関西に商圏を絞り込む中で継続的にトップラインを伸張させる具体策が市場から求められている。
 
 
2015年2月期第1四半期決算概要
 
 
増収も販管費増加により営業利益は減少
売上高は前年同期比3.5%増収の253億80百万円。化粧品を中心とした消費税増税前の駆け込み需要および好調な調剤部門が寄与した。化粧品部門の売上構成比の伸びなどで粗利率は同0.4%改善したが、販管費もほぼ計画通りにコントロールできたものの同5.4%増加した結果、営業利益は同2.3%減と若干の減益となった。経常利益は受取賃貸料増、支払利息減などで同4.9%増の増益だった。四半期純利益は、法人税等調整額の増加があり、同15.8%の減益となった。
 
 
◎出退店状況
15/2期第1四半期末の国内グループ店舗数はFC2店舗を含む326店舗(前年同期末 327)。期初計画どおり、出店1店舗、退店2店舗。人手不足による工期の延長、建築資材の値上りなどにより出店コストが想定以上に上昇している。出店16店舗という期初計画に今のところ変更は無いが、今後の対応を検討しなければならないとのこと。
 
◎既存店の状況
消費税増税前の駆け込み需要および調剤部門の伸びにより第1四半期の既存店売上高は前年同期比1.8%増とプラスになったが、計画3.1%は下回った。駆け込み需要の反動から、5月は客数、客単価とも想定以上のマイナスとなり売上高も前年同月に比べ約1割減少した。6月30日に開示された6月度の既存店売上高はマイナス5.4%だった。マイナス幅は縮小したものの、本格的な回復にはまだもう少し時間がかかりそうだ。

既存店の活性化対策としては、4月より「新ポイントカード」を導入し、囲い込みとポイントカード会員の来店回数増に向けた販促、ライトカウンセリングによる推奨販売等を行った。
 
 
◎PB商品売上高動向
PB商品のSKU(商品の最小管理単位)は828で、前年同期末の611および前期末の742から増加している。
小売事業の商品売上高全体に占めるPB商品の比率(PB比率)は目標を10%としているが、当期は9.4%と前期の通期実績を上回り、10%に近づいている。力を入れているHBC(ヘルス&ビューティケア。医薬品、健康食品、化粧品)商品の構成比率、PB商品の売上総利益率ともに前期実績を上回った。
HBCを中心とした商品リニューアルと新規開発、雑貨などの開発輸入に取り組んでいる。
 
 
 
平均処方箋単価のアップ、処方せん取扱い店舗数の増加(53店舗、前年同期末比 1店舗増)などにより、粗利率の高い調剤売上高は引き続き好調だった。また、化粧品部門では消費税増税前の買い置きの動きが目立った。
 
 
新ポイントカード導入などに伴い販売促進費80百万円を支出したため販売費が前年同期および計画を上回ったのを始めとして、販管費合計は前期比5.4%増加したものの、ほぼ計画範囲内でコントロールすることができた。
 
◎調剤事業について
同社は調剤売上100億円をめざしその基盤作りを進めている。(2014年2月期 8,420百万円。2015年2月期計画 8,502百万円)
2015年2月期第1四半期末の処方箋取扱店舗数は、前年同期比1店舗増の53店舗。今期中に調剤併設1店舗、調剤開局1店舗の合計2店を新規に開局し、55店舗とする計画。

要となる薬剤師については、前回レポートで紹介したように3月に発表された第99回薬剤師国家試験の合格率は、前年より18.26ポイント低い60.84%となった。
同社でも今春の採用内定者のうち不合格者が出たが、入社後、実務研修を行うとともに再度受験させるなど、薬剤師確保に向けた対応に力を入れる。
 
 
現預金、売上債権、たな卸資産等の増加により流動資産は前期末比448百万円増加。無形固定資産、投資その他の資産はともに減少したが、建物及び構築物の増加で有形固定資産は増加し、固定資産は同97百万円。総資産合計は同545百万円の増加となった。
一方負債面では、仕入債務は減少したが、短借入金の増加などで、負債合計は同538百万円増加した。
純資産は前期末とほほ同水準の11,808百万円。この結果、自己資本比率は前期末比より0.3ポイント低下し、27.1%となった。
出店は営業キャッシュ・フローの範囲内で行い、有利子負債は削減する方向である。
 
 
2015年2月期業績予想
 
 
業績予想に変更無し。既存店活性化策およびコストコントロールの継続で増収・増益を見込む
業績予想に変更は無い。売上高予想は前期比4.6%増の1,078億円。「新ポイントカード」の稼働、PB商品の強化等により既存店売上高同1.8%増を目指す。関西地区への集中出店で国内店舗数は前期比9店舗増の336店舗に。
PB商品比率アップなどによる粗利率改善と販管費のコントロール継続により、2ケタの営業増益を計画。退店等に伴う特別損失は下期を中心に420百万円を見込んでいる。各種施策の効果は今期後半から顕在化してくる見通し。
配当は新設予定の(株)キリン堂ホールディングスにて、20.00円/株を予定。予想配当性向は23.4%。
 
 
 
(2)主な方針
1.既存店活性化策の継続
「新ポイントカード」稼動を起点とした客数増加による既存店の増収
2014年4月より、「新ポイントカード」を導入した。今回、ポイントカード新規導入となる「サーバ」店舗での新規会員の獲得が中心的な目的となるが、そのほか、会員に対する定期DMの内容も従来は一律の割引提示だったが、顧客ニーズに対応して内容をフレキシブルに変更。ステージアップクーポン制度を導入し、上位顧客に対するインセンティブを提供する。会員数は10万人を超える規模まで拡大したが、明確なリピーター増にまで結びついていないのが課題と認識しており、こうした施策により来店回数の増加と買い上げ点数の増加による客単価アップを図る。値引きによるマイナス面とのバランスも考慮している。
他にも、棚割り、商品構成などの見直しを特に食品部門で行い、顧客に対する利便性を向上させる。
 
2.関西地区への出店計画
出店16店舗、退店7店舗を予定している。引き続き営業キャッシュ・フローの範囲内で関西地区に集中して出店を行う。
新店、改装、システム関係を含めた設備投資は2,725百万円を計画している。
ただ、前述のように建築資材コストの上昇が顕著となっており、投資回収期間など、同社が定める出店基準に満たない場合は品揃えの変更による対応の他、場合によっては出店取り下げも検討しなければならないケースもあり得るということだ。
 
 
今後の注目点
消費税増税前の駆け込み需要の反動減は予想以上に大きかったという事だ。6月は既存店売上高の前年同月比マイナス幅は5月より縮小したものの、依然大きいため、まずは7月の数字が注目される。
一方で調剤売上は引き続き好調なこと、PB商品の売上構成比が目標の10%にもう少しというレベルまで上昇してきたことは明るい材料だ。
PB商品についてはこれまで通り開発に力を入れれば順調に拡大すると思われるが、問題は調剤の店舗拡大であろう。人材の確保も勿論だが、時間を買うためのM&Aが、買われる側の意向や思惑によって、想定通りに進みにくいケースもあるという。
M&Aは持株会社体制への移行の最大の目的でもあるわけで、調剤部門を含めたその進捗度合いが大いに注目される。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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