ブリッジレポート
(6826:東証2部) 本多通信工業 企業HP
佐谷 紳一郎 社長
佐谷 紳一郎 社長

【ブリッジレポート vol.2】2015年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「戦略投資途上のためコスト増は限定的であったとはいえ、注力中の車載分野が大きく伸び、加えて粗利率も改善し2ケタの増収増益と好スタートを・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
本多通信工業株式会社
社長
佐谷 紳一郎
所在地
東京都品川区北品川5-9-11 大崎MTビル
事業内容
コネクタ中心。通信やFAなどの産業機器向けで長年培ったコア技術を自動車や医療機器向けなどに展開。パナソニックと提携、生産の半分は中国
決算期
3月末日
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 14,824 932 975 1,479
株式情報(7/30現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
629円 12,054,215株 7,582百万円 23.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 1.9% 62.22円 10.1倍 572.83円 1.1倍
※株価は7/30終値。発行済株式数は直近期決算短信より(発行済株式数から自己株式を控除)。ROE、BPSは前期末実績。
 
本多通信工業株式会社の2015年3月期第1四半期決算概要について、ご紹介します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
通信インフラ、FA機器、民生機器、車載用途向けの電気コネクタおよび光コネクタの製造販売を行う。「Segments No.1」を掲げ、特定分野での高い競争力を追求している。長い歴史の中で培われた幅広い設計技術力、産業用機器向けで培った長期信頼性と堅牢性に関するノウハウ、多品種少量生産体制などが特長。子会社ではソフトウエア開発なども手掛けている。グループ認知度の向上に向けて、複数存在していたブランドを「HTK」に統一。グループは同社と連結子会社7社(国内2社、海外5社)の計8社で構成されている。
 
【沿革】
 
1932年5月に精密ねじ加工業として現在の東京都目黒区で創業。第二次大戦後は、日本電信電話公社(現NTT)の電話交換機用プラグ・ジャック、防衛庁向けプラグ・ジャックを始め、その発展形となるコネクタの製造販売を手掛け、業容を拡大。2001年に東証2部に上場した。だが、ITバブル崩壊で売上が急減。数度のリストラクチャリングを経て、成長路線への復帰と拡大発展をめざし、2008年に松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)と資本業務提携契約を締結。2014年2月、約80年に亘って本社を置いていた目黒から品川区へ本社を移転した。
 
【経営理念など】
特定分野で特徴あるソリューションを提供することで顧客に「この分野なら本多通信グループに限る」と高く評価される事をめざし、「Segments No.1」を掲げている。
 
【佐谷 紳一郎社長プロフィール】
佐谷紳一郎社長は1957年11月生まれの現在56才。松下電工株式会社(現パナソニック株式会社)では事業戦略企画部門に在籍し、M&Aや他社とのアライアンス締結等に長年に亘り携わってきた。そうした中、コネクタ事業のアライアンス先として幅広い技術力・製品ラインアップを有する企業を調査している中、本多通信工業の実力に着目し、アライアンスを推進、2008年資本業務提携を実現させた。同年、取締役就任。2009年にはパナソニック電工を退社し、同社副社長に就任。2010年4月に同社社長に就任した。社長就任後は中期経営計画「Plan 80」を策定・実行。基本戦略として「Segments No.1」を設定し、複数のニッチ分野でNo.1となることを目指すと共に、様々な構造改革を断行し、黒字体質の確立、財務基盤の安定化を実現した。現在は次の中期経営計画「DD15」を推進中で、成長分野への投資による更なる事業拡大と企業体質の一層の強化に取り組んでいる。
 
【事業内容】
事業セグメントはコネクタ事業と情報システム事業の2つ。
 
◎コネクタ事業
「2014年3月期 売上高 12,826百万円、営業利益 845百万円、営業利益率 6.6%、売上構成比 86%」
 
<コネクタとは?>
電子回路や光通信において配線基板同士を接続し、電気や信号を繋ぐために用いられる部品・器具のこと。基板をはんだ付けや圧着で接続した場合、分断時にはケーブル切断等が必要になり再接続は困難となるが、コネクタを使用した場合、手または簡易的な工具を用いて容易に繰り返し脱着することが可能であるため、ほぼ全ての電子機器で使用される。
 
<利用分野>
長年の経験で培われた高い技術力により、以下の6分野を中心に付加価値の高く、顧客志向のコネクタを始めとした製品をラインアップしている。
 
 
 
2014年3月期の分野別売上構成比率(全売上高に対する構成比)は、FA分野20%、通信分野30%、民生分野14%、車載分野22%となっている。
なかでも、安全性向上や運転性アップの観点から車載カメラやセンサの搭載台数が増加しているカーエレクトロニクス分野の成長に対応して投資や製品開発を進めている。
 
◎情報システム事業
「2014年3月期 売上高 2,058百万円、営業利益 87百万円、営業利益率 4.3%、売上構成比14%」
 
通信分野でのソフトウエアの重要性が高まる中、1983年に事業をスタート。
システム開発から保守運用まで幅広いソリューションを展開している。なかでも仮想化(*)サーバの構築では業界屈指の技術を有し、クラウドコンピューティングの広がりに貢献している。
 
*仮想化とは?:1台のサーバ(物理サーバ)を複数台の仮想的なサーバ(仮想化サーバ)に分割して利用する仕組み。それぞれの仮想化サーバではOSやアプリケーションを実行させることができ、あたかも独立したコンピュータのように使用することが可能となる。
サーバ台数の適正化や消費電力を含めた運用管理コストの低減など、企業のITコスト見直しニーズに対応し、注目が集まっている。
また、仮想化環境下ではハードウェア等を新たに購入しなくても新サーバを容易に追加することができるため、ビジネスの変化に迅速かつ柔軟に対応するというITシステムニーズに対する有効なソリューションの一つとなっている。
 
 
特徴と強み
 
① 幅広い設計技術力
前述のように、同社のコネクタは、様々な分野で用いられている。
同社は、日本電信電話公社(現NTT)を始めとした多くの顧客からの様々なニーズに対応したカスタマイズによる製品作りに長年取り組んできた。この「顧客密着度の高さ」が、同社の幅広い設計技術力の源泉である。
 
② 長期信頼性と堅牢性を武器にFA分野、通信インフラ分野に強み
売上構成で見ると、FA分野、通信分野の2つでコネクタ事業の約5割を占めている。
特に制御装置に用いられる「1.27mmピッチコネクタ」、FTTH(Fiber To The Home:光通信のための光ファイバーを家屋内に引き込むこと)に用いられる「シャッター付きSC形プラグ」、プロジェクタに用いられる「高耐圧電源用コネクタ」などで強みを持っている。
これらは、顧客から長期信頼性や堅牢性が求められる分野であり、長年に亘って培ってきた同社の技術力や製造能力が顧客に高く評価されている証となっている。
 
③ 多品種少量生産
同社は現在約4,000品目のコネクタを生産しているが、このうちの月間生産個数が1万個未満の品目数は94%を占める。また生産金額ベースでも1万個未満の生産が62%、1万個以上が38%と、多品種少量生産が同社の特長となっている。
こうした状況に対応し、国内工場、海外工場の2つの車輪で最適なものづくりを行っている。

国内工場(松本工場)は1万個未満の多品種少量生産の拠点。今後も同社の得意技を磨き、迅速な納入を行うため国内で稼動を続ける。
海外工場(深圳工場)は1万個以上の中量品の一気通貫生産を行い、機動力を高め世界で戦うための拠点とする。
 
 
2015年3月期第1四半期決算概要
 
 
2ケタの増収・増益。好スタートを切る。
売上高は前年同期比14.9%増の3,891百万円、FA分野の本格回復に加え、車載分野が大きく伸長した。情報システム事業も2桁の増収。
増販・合理化等に加え、当四半期に限れば戦略投資によるコスト増は限定的であったため営業利益は同75.2%増の311百万円と大きく増加。四半期営業利益としては2001年以降で最高となった。直前四半期(2014年3月期第4四半期)との比較でも営業利益は約4割増となった。これは合理化と利益率の高い産業用製品の売上伸長によるが、2Q以降に戦略投資等のコストが嵩むことを勘案すると当四半期の営業利益率8.0%の水準はやや高めと会社側は考えている。
前年同期にあった為替差益15百万円が無くなり為替差損14百万円が発生したが経常利益、四半期期純利益ともに大幅な増益となった。全売上高に占める海外販売比率は 41%であった。
 
(2)分野別動向
 
◎コネクタ事業
車載分野が前年同期比54%増と引き続き好調。国内外の設備投資増でFA分野も同35%増と本格的に回復している。
 
◎情報システム事業
引き続き仮想化ソリューションが好調で前年同期比15%の増収となった。
 
(3)第1四半期の取組み
 
◎「新・旬分野 2桁成長」・・・商品開発、技術開発
基板技術グループを新設し、次代に向けたPOF(プラスチック光ファイバー)等の開発体制を強化したほか、車載用高速伝送コネクタ「TAK-V」を開発。販売を開始した。
また、車載用コネクタの重要納入先であるS社から評価され、優秀サプライヤ賞を受賞した。
商品開発及び技術開発のために総額5億円を投資する計画だが、これまでに4割にあたる2億円を投資した。
 
◎「基幹分野 2桁利益」・・・製造力強化
短納期を顧客に提供する1weekデリバリーの対象を500品目までに拡充。ネット販売サイトをオープンした。
また、ロボット導入による24時間フルタイム稼動の工場が操業を開始したほか、多品種金型の開発に対し「ものづくり補助金(※)」が交付されることとなった。
製造力強化のための総額4.5億円投資計画に対し、2.5億円を投資した。
 
※ものづくり補助金:革新的な取組にチャレンジする事業者に対し、地方産業競争力協議会とも連携しつつ、試作品・新サービス開発、設備投資等を支援する中小企業庁による補助金制度。
 
◎「経営効率 2桁ROA」・・・事業インフラ強化、組織/人材強化
ベースアップ及び福利厚生を拡充した。前下期から累計で33名の新卒及びキャリア採用を行った。
新本社への移転を行い、株主総会時には本社案内会を開催した。
また、本社売却益等によって生じた余剰資金を、有価証券(期間3年程度を目処とした安全性重視の投資信託)へ3億円投資したほか、子会社HKTエンジニアリングの北陸営業所を開設した。
事業インフラ及び人材に対し総額3.5億円を投資する計画だが、ここまで3億円の投資を行った。
 
 
現預金の減少などで流動資産は前期比137百万円減少した一方、投資その他の資産の増加で固定資産は同386百万円増加し、資産合計は249百万円増加した。一方、負債合計は退職給付に係る負債の減少等で同101百万円減少した。純資産は、利益剰余金の増加などで同350百万円増加した。自己資本比率は前期より1.8%上昇の64.9%となった。
 
 
利益増、未払金の増加などで営業CFのプラス幅が前年同期に比べ大幅に拡大した一方、投資CFは投資有価証券の取得等によりマイナス幅は拡大し、フリーCFもマイナスに転じた。財務CFは配当金の増加でマイナス幅は若干拡大した。
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
 
業績予想に変更無し。戦略投資によるコスト増を車載分野中心とした増収で吸収し、前期並み利益確保へ
第1四半期実績の第2四半期(累計)及び通期見通しに対する進捗率は表にあるように順調であるが、7月以降の戦略投資による固定費増を考慮し、半期・通期とも業績予想に変更は無い。
売上高は前期比4.6%増の155億円の計画。車載分野を今期も着実に伸ばす。情報システム事業も増収を達成する。成長のための戦略投資を行うため、利益は前年並みの計画。当期純利益は大幅減益となるが、前期あった本社移転に係る売却損益を除いたベースでは、同1.4%の増益。
配当は前期と同じく12円/株を予定。予想配当性向は19.3%。
 
 
 
第2四半期(7-9月)は車載、情報サービスが伸び、FAは堅調な一方、通信や民生は低水準で推移し、全体でも第1四半期プラスαの水準と見ている。
 
 
◎新本社移転後初めての株主総会を開催
2014年6月23日(月)、新本社移転後初となる株主総会を開催した。

前回のレポートでも紹介したように、佐谷社長は本多通信工業という会社の立ち居振る舞い、さらに言えば社長本人の立ち居振る舞いや考え方に共感し、応援してくれるファン株主を一人でも多く増やしたいと考えている。
そのため、株主総会を、株主と対峙する場ではなく、対話の場と考え、出席しやすい日時と発言しやすい環境づくりにこだわっている。

例えば、株主総会の集中日を外すことはもちろん、午前開催が一般的なのに対し、同社は午後1時からの開催として少々遠方の株主でも参加しやすい時間とした。(午後開催は昨年の株主総会から実施。)
また、質問は出尽くすまで全て受けるという方針で、積極的な対話の場とすることを心がけている。

こうした取り組みの結果、今回の株主総会は今迄を大きく上回る約100名の株主が参加した。
同社は参加した株主に対するアンケートを実施し、同社HPで公開しているが、回答者の77%が総会全体について「大変良いまたは良い」と回答しており、加えて以下の様なコメントが寄せられた。

・時代の流れを取り入れた株主総会で良かった。
・午後開催を維持して欲しい。
・社長の人柄や説明に好感が持てる。(5名)
・多くの意見を聞こうとする態度や質問に対する回答がわかりやすく良かった。(4名)

もちろん、以下の様な要望や意見もあった。
・会社の業績と比較して株価が低い。株価を高める努力をしてほしい
・攻めと同時に守り/BCP に対してもバランスよく投資してほしい
・役員の持株数が少ない

一方、当日は残念ながら不規則発言で退場命令を受けた株主がいたが、お土産を渡さない等の対応に対して、

・不当な要求をする株主への毅然かつ節度をもった対応は良い

といった評価の声もあった。

以上の様に、個人株主の支持の下、自由度の高い、将来に向けた経営を志向する同社の株主総会は参加株主から高く評価されており、同社は今後も投資家、株主との対話を継続していく考えだ。
 
 
今後の注目点
戦略投資途上のためコスト増は限定的であったとはいえ、注力中の車載分野が大きく伸び、加えて粗利率も改善し2ケタの増収増益と好スタートを切ることが出来た。
上記の表にあるように、前年同期比で見ると上期よりも下期からの上昇を見込んでいることから、戦略的投資が増加する2Q(7-9月)の動向が大いに注目される。
 
 
 
<参考:中期経営計画「DD15」>
 
同社は2014年3月期から2016年3月期までの3年間の中期経営計画「DD15」を掲げている。
 
(1)基本コンセプト
DD15は「Double-Digits by 2015」の略で、2015年度に向け3つの2桁(double digits)で成長性・収益性・効率性をワンランクアップさせ、特長と魅力ある「Segments No.1プロバイダ」となることを目指している。
また、DD15には「どんどん 行こう!」という意味も含めている。
早い・軽い・上手いが特長の、業界No.1のフットワークを武器に、以下の数値目標の達成に挑戦する。
 
 
 
① 基幹分野での2桁利益率
一般的に少品種大量生産は生産性・効率性が高く、多品種少量生産となるほど生産性や効率性が低くなるというトレードオフが働いてしまうが、同社は、FA分野、通信分野といった基幹事業分野においてこのトレードオフ関係の解消を目指しており、営業利益率を現在の8%台から10%超へと引き上げることを目指している。
 
 
このためには、短納期、在庫の極小化、スピード開発、生産自動化、ROI向上などを実現しなければならないが、具体的な施策としては、以下の様な、「コンビニ3兄弟」という取り組みを進めている。
 
 
このコンビニ3兄弟を核に、以下の様な施策を推進し「製造力の強化」を図る。
 
「1week デリバリー」
多品種少量生産ながらも短納期を実現させ、顧客満足度を向上させるべく2013年から積極的に取組んでいるのが、「1weekデリバリーサービス」だ。
これは、顧客から発注を受けたら1週間以内での製品配送を確約するもの。

同社は多品種少量生産を特徴としてきたが、一方で多品種少量生産は一般的には納期が遅くなりがちで、同社もそれは仕方のない事という認識があった。
佐谷社長は、こうした多品種少量生産のデメリットを克服し、進化したものづくり実現のためにこの「1week デリバリー」というアイデアを導入した。

コンビニ3兄弟の取り組みの結果、同社製品約4,000品目のうち「1week デリバリー」の対象品目数は、2013年10月の150品目から、2014年4月には500品目へ大幅に拡充され、今後も対象品目を拡大していく。

サービスの拡充と品目数の拡充により「1week デリバリー」を同社の看板サービスとすることを目指している。
 
「ECサイト:HTK AZショップ」
4月1日より会員制ネット販売サイト「HTK AZショップ」をオープンし、顧客の拡大を進めている。同サイトは、直接的な売上の拡大を目的とするというよりは、現在は取引のない潜在顧客からの試作品の注文などを同サイト経由で受け付ける事で、顧客の窓口を拡大することを狙いとしている。

この他、4月14日には24時間フルタイムの組み立て工場が稼働を開始した。

同社の特長である多品種少量生産を鍛え、国内においては「ものづくりの強化」を、海外においては「地産地消化」を進める。
 
② 新・旬分野での2桁成長
新たな事業分野や旬の市場分野を年率10%超のスピードで拡大させ、2016年3月期には現在の倍 60億円の売上、売上構成比30%を目指す。
 
<新事業分野での取り組み>
*コネクタ事業
大きな成長が見込まれるカーエレクトロニクス市場で、同社の特長を生かした製品開発、販売を進める。

自動車メーカーは各社とも、「環境、安全、快適」を高めるためにカーエレクトロニクスの進化に取り組んでいる。
中でも、自動走行を含めた走行制御、ドライバーの負荷を減らす運転アシスト、危険警告の進化などの機能強化に伴い、車体周辺の状況を常に監視・感知するアラウンドビューカメラ、バックカメラ、路面センサ、衝突探知センサなど、搭載するカメラやセンサの台数が増加している。
また、自動車メーカーは、快適な運転をサポートするためのナビゲーションやエンタテインメント機能の充実にも力を入れており、カーナビ、リアモニター、スピーカー、スマートデバイスとの接続など、車内・車外の通信機能の進化が著しい。

こうした状況下、同社では「車載カメラ用コネクタ」や「車載高速伝送コネクタ」などにフォーカスし販売を拡大する。
車載カメラ用コネクタに関しては、前期、電機メーカー3社目への納入が決まり、売上は前期比5割増となったが、今後も4社目、5社目の納入先を開拓し、水平展開を進める。
また両コネクタとも、同時並行で、収益性向上のための合理化および次世代製品に向けた投資・開発を行っていく。

車載関連分野は高い安全性や信頼性が求められる分野である。同社は特長・強みであげたように、長年にわたる製品開発で培ってきた長期信頼性・堅牢性に関するノウハウを活用し、上記2つのコネクタにとどまらず、カーエレクトロニクスの新しい部位へも進出していく考えだ。
 
 
車載分野以外では、GI-POF(高速大容量プラスチック光ファイバー)の開発にも着手している。これは、伝送速度、伝送容量共に従来の光ファイバーを大きく上回るもの。FA用や現在のフルハイビジョンモニターの4倍の高解像度を有する4K映像用など、産学連携で新たな市場を創出しようと考えている。
実用化に向け先行したポジションにあり、今後は使い易さの向上に注力していく。
 
*情報システム事業
同社の強みの一つである機器制御技術を活かして、スマートメーター等の通信・制御機能を活用して停電防止や送電調整のほか多様な電力契約の実現や人件費削減等を可能にした電力網「スマートグリッド」、家電や設備機器を情報化配線等で接続し最適制御を行うことで、生活者のニーズに応じた様々なサービスを提供する「スマートハウス」といった、コンピュータネットワークに繋がれた機械同士が人間を介在せずに相互に情報交換し、自動的に最適な制御が行われるシステムである「M2M:Machine to Machine System」におけるビジネス拡大を目指す。初期の設計段階である上流工程からいかにして参画するかが課題と認識している。
 
<旬市場分野>
*コネクタ事業
コアとする技術、製品、ソリューションを以下の旬市場で応用展開。業種別営業体制による顧客開拓に取り組む。
 
◎医療
多品種少量対応、高信頼性という強みを武器に活躍できる分野と考えており、カスタム対応で市場に参入する。
 
◎セキュリティ
監視カメラ世界No.1メーカーに採用されている実績を武器に、グローバルマーケットでの水平展開を目指す。
 
◎環境エネルギー
通信技術資産をフルに活用し、スマートグリッドや蓄電池、パワーコンディショナー(*)などでの応用展開を図る。
 
*パワーコンディショナー(パワコン):太陽光発電システムや家庭用燃料電池を利用する上で、発電された電気を家庭などの環境で使用できるように変換する機器であり、インバータの一種。ソーラーパネルなどから流れる電気は通常「直流」であり、これを日本の一般家庭で用いられている「交流」に変換することで、通常利用可能な電気にすることができる。
 
旬市場での期待製品の一つが、SDメモリカードソケットの最新規格「UHS-供廖
同社には、従来規格の「UHS-機廚ある。これはソケットの両面を金属シェルで構成し、堅牢性と耐ノイズ性で業務用・産業用途に浸透し高い信頼性を得ている製品で、「UHS-供廚蓮△海瞭団Г魴兢気靴疹紊嚢垢某焚修気擦燭發痢
今後搭載が始まるプロ用ハイエンド機種への採用を狙う。
既に国内外で高評価を得ており、レンズ交換式カメラ・PCから引き合いが入っている。

このほか、「Segments No.1」製品を中国や新興国市場で拡販し、海外売上高比率を現在の35%から40%まで引き上げる。
 
*情報システム事業
得意とする仮想化技術を更に深めてクラウドコンピューティングのインテグレーターを目指す。
 
③ 経営効率を高め、2桁のROA(総資産利益率)実現
同社は前中期経営計画「Plan 80」において過剰資産の売却、在庫削減、有利子負債の返済でバランス・シートをスリム化し、総資産回転率を引き上げるとともにROAを8%まで引き上げてきたが、総資産回転率1.5回を堅持しつつ、高回転ビジネスモデルを確立し、ROA10%を目指す。
 
(3)成長戦略のためのインフラ投資
今回の数値目標を達成するためには風土改革も必須と佐谷社長は考え、様々な基盤強化への投資も行っている。
 
◎本社移転と最新設備への投資
2014年2月24日、創業以来約80年間本社を置いていた東京・目黒から品川のオフィスビルへ移転した。
旧本社は、面積は広いが部門間が分断される構造であり、社員間のコミュニケーションが取りづらい状況だった。

新本社は、「Close Communication」というコンセプトに基づいて設計された。
顧客に対しては、什器備品を一新し、新しい「HTK」で迎えるほか、3Dプリンター備えた試験室を設置し、顧客に対する提案のスピードアップを図っている。
従業員に関しては、営業と設計と本社部門が1フロアに集結。広々とした様々なエリアで部署・部門を超えてのコミュニケーションを加速させ、生産性の向上を目指している。
また、ITの活用により業務、テレビ会議、打合せなどがいつでもどこでも可能になったほか、整理整頓から服装までの5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)を佐谷社長自らの徹底で進めている。例えば、社員は毎日終業し帰宅する際は、机の上に何も置いてはならず、全て自分のロッカーにしまわなければならない。また、移転に当たり多くの書類や資料をデジタル化し、不要な紙の資料を廃棄した。

こうして、本社移転を契機とした「風土改革」により、『早い・軽い・上手い』という業界No.1のフットワークを実現させ、生産性を一気に高めることを狙っている。
実際に社員の声として、「企業風土や仕事の仕方を大きく“CHANGE”するきっかけになる本社移転であった。企業に変革を促す有効な手法の一つだと認識した。」との声も上がっている。
 
◎組織と人材の強化
組織力及び人材の強化は今後の経営における大きなポイントと認識しており、人材育成、増員、処遇アップにより事業活動のベースを固めていく。
 
グループ新卒採用は2014年度17名に拡大
中堅リーダーの育成
管理職の指導力強化
執行役員への若手起用
 
新卒社員の採用を拡大し、同社DNAの継承を図ると共に、中堅や管理職ではキャリア採用を拡大する。
これは、同社の「変えなければならない古い部分」を壊すためには外部の風や力が必要との考えからきている。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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