ブリッジレポート
(6914:東証1部) オプテックス 企業HP
小林 徹 会長兼社長
小林 徹 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.49】2014年12月期上期業績レポート
取材概要「国内でもカメラを組み合わせたセキュリティシステムの需要が増えているが、カメラと組み合わせたセキュリティシステムの課題はカメラの消費電・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年8月12日掲載
企業基本情報
企業名
オプテックス株式会社
会長兼社長
小林 徹
所在地
滋賀県大津市雄琴 5-8-12
事業内容
防犯、自動ドア、FA用センサ、システムをグローバル展開。高シェア、強固な財務基盤、製品の高い信頼性などが強み。
決算期
12月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 23,582 2,108 2,628 1,620
2012年12月 20,699 1,398 1,680 825
2011年12月 18,502 1,677 1,830 1,033
2010年12月 17,395 1,705 1,761 981
2009年12月 15,124 620 735 332
2008年12月 20,916 2,661 2,489 1,004
2007年12月 22,167 3,854 4,075 2,377
2006年12月 20,294 3,728 3,921 2,282
2005年12月 19,012 2,655 2,776 1,584
2004年12月 17,138 2,159 2,321 1,297
2003年12月 15,173 2,203 2,215 1,354
2002年12月 13,047 1,595 1,546 951
2001年12月 11,507 1,173 1,305 544
2000年12月 11,240 1,081 1,213 620
1999年12月 11,201 1,133 957 861
株式情報(8/6現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,092円 16,549,529株 34,622百万円 8.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
35.00円 1.4% 111.78円 18.7倍 1,269.42円 1.6倍
※株価は8/6終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
オプテックスの2014年12月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
赤外線を応用した防犯・自動ドア等のセンサ大手。世界シェア40%を誇る屋外用防犯用センサや世界シェア30%・国内シェア60%の自動ドアセンサを中心に、環境関連製品等の製造・販売も手掛ける。産業機器用センサ事業を手掛けるオプテックス・エフエー(株)、光ファイバー侵入検知システムを手掛けるファイバーセンシス社(米国)、カメラ補助照明で50%の世界トップシェアを有するレイテック社(英国)等の有力子会社を有する。
ファイバーセンシス社及びレイテック社とは、それぞれの強みを融合した大型重要施設向けソリューション(施設への侵入警戒システム)を展開している。また、国内及びEUに強みを持つオプテックス(株)、北米を中心とした米州や中近東等に強みを持つファイバーセンシス社、更には英国及びEUでの売上が大半を占めるレイテック社と、事業エリアの面でも補完関係にあり、オプテックス(株)による中東への展開やレイテック社による北米、中南米、中東等への展開等、グループ企業の販路を活かした事業展開でも実績を上げつつある。
 
【事業内容】
事業は、防犯関連や自動ドア関連等のセンシング事業、産業機器用センサを手掛けるFA事業、中国工場で展開する電子機器受託生産サービス(EMS)の生産受託事業、及び客数情報システム・電子部品の開発・販売、スポーツクラブ運営その他に分かれる。
 
 
【センシングに関する多様な技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムが強み】
確実で安定したセンシングの実現には、複数の要素技術とノウハウ、そして物理的変化を制御する「アルゴリズム」が不可欠。同社は用途に適した技術・ノウハウと独自のセンシングアルゴリズムを強みに世界トップクラスのシェアを有している。
 
 
【沿革】
1979年に設立され、その翌年には世界初の遠赤外線利用の自動ドア用センサを開発した。当時の自動ドアはゴムマットの足踏み式が主流であり、遠赤外線利用の自動ドア用センサは極めて画期的な製品。メンテナンスや施工対応力でも他社の追従を許さず、創業3年目には自動ドアセンサでトップシェアを有するに至った(現在、国内シェア約60%)。業容の拡大を背景に91年に店頭登録(JASDAQ上場に相当)。2001年の東証2部上場を経て、03年には東証1部に指定替えとなった。

近年では、画像処理技術をコアとしたソリューションやハイエンド防犯システムの強化に取り組んでおり、08年に画像処理関連のIC・LSIの受託開発等を手掛ける(株)ジーニックを子会社化。10年には欧米各国の重要施設向けハイエンド防犯システム(光ファイバー侵入検知システム)で豊富な実績を持つファイバーセンシス社(米国)を、12年には大型重要施設に設置されるハイエンド防犯システム向けのカメラ補助照明を手がけるレイテック社(英国)を、それぞれ子会社化した。
 
 
 
2014年12月期上期決算
 
 
前年同期比12.5%の増収、同12.9%の経常増益
売上高は前年同期比12.5%増の125億17百万円。円高修正の追い風もあり、欧州(同19%増)を中心に海外が同15%増加した他、国内もFA事業をけん引役に同8%増加。事業セグメント別では、防犯関連(同13%増)、自動ドア関連(同15%増)、及びFA関連(同17%増)の主要3セグメントで二けたの増収を達成した。

利益面では、円高修正効果と売上構成の良化(センシング事業の売上構成比が上昇する一方、生産受託事業の売上構成比が低下)で原価率が46.2%と1.3ポイント改善。円高修正による海外子会社の経費増、人件費の増加、営業統括本部の設置(組織改編)に伴う統括エリア毎のHead Quarter設立、米国及び英国での展示会出展、更には子会社が設立した合弁会社関連費用等による販管費の増加を吸収して営業利益が13億80百万円と同38.8%増加した。経常利益が同12.9%の増加にとどまったのは、為替差損益(178百万円→△106百万円)の悪化による。

尚、6月13日発表の修正予想は、売上高126億円、営業利益14億40百万円、経常利益14億60百万円、四半期純利益8億80百万円。子会社の利益が下振れしたため、利益面で修正予想と実績のかい離がやや大きくなった。子会社の利益下振れは、売上構成の変化による利益率の低下と合弁会社関連の費用計上による。
 
 
14/12期上期は、為替の変動が、売上高を7億43百万円、売上総利益を4億80百万円、それぞれ押し上げた一方、2億13百万円の販管費増加要因となった。
 
 
第1四半期(1-3月)は消費税率引き上げ前の駆け込み需要が売上・利益を押し上げたものの(特に連結子会社技研トラステム(株)の利益が大きく伸びた)、第2四半期(4-6月)はその反動で売上が減少する中、米州、EMEA(欧州・中東・アフリカ)、及びアジアでのHead Quarter設立、米国・英国でのセキュリティ関連の展示会出展、及び子会社による中国合弁会社の立ち上げ等で販管費が増加した(販管費:第1四半期25億58百万円、第2四半期27億92百万円)。
 
 
センシング事業
売上高88億07百万円(前年同期比13.4%増)、営業利益9億54百万円(同48.4%増)。売上高の内訳は、防犯関連が64億16百万円(前年同期比12.7%増)、自動ドア関連が20億82百万円(同14.7%増)。防犯関連は、南欧向け住宅用屋外警戒用センサの好調や韓国販売会社の販売増で海外売上が大幅に増加。国内も、原発関連の減少をメガソーラー関連の顧客開拓や堅調な警備会社向けで吸収して前年同期の実績を上回った。一方、自動ドア関連は、自動ドアメーカー向け、ディストリビューター向け共に伸びた欧州を中心に海外売上が増加。国内も消費増税に伴う駆け込み需要の反動が軽微にとどまる中、建築業界の活況に伴い堅調に推移した。
 
FA事業
売上高25億41百万円(前年同期比17.3%増)、営業利益1億14百万円(同18.6%減)。独SICK社向けが中心の欧州及び中国で合弁会社の設立効果があったアジアの好調で海外売上が増加。国内も、物流、電子部品、自動車業界の活発な設備投資を背景に売上が増加した。ただ、売上構成の変化による利益率の低下と中国合弁会社の本格的な稼働に伴う販管費の増加で利益が減少した。
 
生産受託事業
売上高3億55百万円(前年同期比11.3%減)、セグメント利益77百万円(同140.6%増)。受託製品の減少で売上が減少したものの、原価率の改善等で利益が増加した。
 
 
上期末の総資産は前期末に比べて3億36百万円増の278億68百万円。好業績を背景に、借方では余資運用の有価証券・投資有価証券が、貸方では純資産が、それぞれ増加。自己資本比率は76.6%と前期末に比べて0.3ポイント上昇した。
 
 
営業CFの減少は税金費用の増加によるもの(△2億85百万円→△7億07百万円)。税引前の営業CFは、前期の14億11百万円から16億27百万円に増加した。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
東証発表の「決算短信集計」によると、東証1部、東証2部、及びマザーズ上場企業の14/3期のROEは、金融を除く全産業8.65%(前期は4.99%)、製造業8.55%(同4.53%)、非製造業8.79%(同5.67%)。同社の13/12期のROEは8.24%。円高修正を受けた利益率の改善で前12/12期の4.65%から大きく上昇した。12/12期、13/12期共に、ほぼ東証上場企業製造業の平均的なROEの水準である。更なるROEの改善には、株主還元の拡充を含めて潤沢なキャッシュを有効活用しつつ、15/12期に売上高300億円、19/12期に売上高500億円、と言う目標を確実に達成していく事がポイントと考える。
 
 
2014年12月期業績予想
 
6月13日に上方修正された業績予想に変更はなく、通期で前期比13.2%の増収、同14.2%の経常増益
下期も前年同期比及び上期比で増収・増益が見込まれるものの、「景気の回復が想定したよりもフラットになってきた」として、下期の利益予想をわずかに引き下げた。1株当たり15円の期末配当を予定している(創立35周年記念配5円を含む20円の上期末配当と合わせて年35円)。
 
 
 
事業戦略の進捗状況
 
これまで同社は事業部制の下で経営を進めていたが、14/12期期初に組織変更を行い、EMEA(欧州、中東、アフリカ)、米州、アジア、及び日本の4つの営業統括本部が、防犯関連、自動ドア関連、及び新規事業を横断的に手掛ける事業と地域のマトリックス制に移行した。事業間シナジーの更なる追求と管理効率の向上を目的としたもので、各営業統括本部は現地化を進め、グループ全体でグローバル展開を進めていく。
 
 
事業と地域のマトリックス制の下、更に強固な技術力と販売力、ビジネスフィールドの拡張を目指して、グループの技術、製品、販売チャネル等のリソースを共有すると共にシナジーを追及していく考え。当面の目標として、15/12期に売上高300億円以上、経常利益41億円以上を掲げている。

事業毎の取り組みは下記のとおりである
 
防犯関連
最大の注力地域であるEMEA地域では、南欧でのセキュリティ用屋外センサのトップシェア維持と中東・アフリカ諸国への営業展開が2大方針。セキュリティ用屋外センサは屋外事前防犯の認知度向上を背景に市場拡大が見込まれる成長分野であり、中東では石油施設等でハイエンド・センサの需要が強く、アフリカ諸国では各種プロジェクト案件が増加している。
EMEA地域に次ぐ注力地域である米州では、Visual Verification(視覚による確認)への対応を強化する。米国等では画像で侵入者を確認した後に警察官等が現場対応するケースが一般化しており(法改正がなされた州もあると言う)、センサとカメラをセットにしたアラームシステムの需要が増加している。
この他、国内ではメガソーラー等へのハイエンド・セキュリティの拡販に努めると共に、駐車場やカーディーラー等へのLED照明を使ったシステムの展開を進め、アジアではインフラ整備に伴い需要が増えているハイエンド・セキュリティとレジデンシャルマーケット向けセルフプロテクション(自己完結型)の拡販に取り組む。

尚、同社の説明によると、セキュリティ業界の市場規模はワールドワイドで10兆円。このうち8兆円を現金輸送や駆けつけサービスが占め、機器類の市場規模は2兆円。機器類の中の防犯カメラシステムの市場規模は8,000億円、アラームシステムの市場規模は3,000億円で、侵入センサはこのうちの1,000億円(屋外センサに限れば約300億円)と言う。侵入センサ市場でトップシェアを有するのは、Honeywellで18.5%。以下、tyco11.5%、United Technologies10.0%、同社7%、BOSCH6%。同社は、センサカメラやカメラ用照明等の取り扱いを増やす事でセキュリティシステム全体の需要を取り込んでいく考え。
 
自動ドア関連
自動ドア関連の最注力地域でもあるEMEA地域では、欧州安全規格やドア規格に準拠した製品のラインナップ拡充に取り組んでいる(主要センサのラインナップ拡充は完了した)。今後は周辺機器の拡充を図る他、自動ドアメーカーとのロードマップ共有による信頼関係構築にも取り組んでいく。EMEA地域と並ぶ注力地域である米州では、強みである赤外線技術で差別化を図る考え。具体的には、全機種にドアウェイ(立ち止まりに対する安全性)機能を搭載する事で赤外線技術の信頼性をアピールしていく。
この他、国内において顧客の満足レベルを維持するべく製品投入を計画的に実施していく他、高品質で信頼性の高い製品が徐々に浸透してきたアジアにおいて、営業の効率化を図るべく現地ローカルメーカーとの協業を模索していく。
 
新規事業フィールド
同社は、下に示す「事業展開マトリックス」に沿った成長戦略を推進している。「事業展開マトリックス」では、市場展開と製品展開のマトリックスによって、「コア事業の拡大」、「新規アプリケーションの開拓」、「新興国市場の開拓」、及び「新規事業フィールドへの挑戦」、といった4つの取り組みが示されている。このうち「新規事業フィールドへの挑戦」として取り組んでいるのが、電鉄や交通機関、或いは車両検知等の分野で、現在、英国での電鉄分野及び米国での車両検知分野で事業化に向けた取り組みが具体化している。

英国では踏切事故予防にレーザスキャンセンサを導入するケースが増えている。
一方、米国においては、パーキングメーター用センサの実証実験が進行中である。
 
 
※FA事業(連結子会社オプテックス・エフエーの事業領域)
自動車、半導体、電気・電子、三品(食品・医薬品・化粧品)、物流関連などの業界へのソリューション提案を積極化して、国内及び海外(主に新興国)で新規顧客の開拓に取り組む。この一環として、国内では、既存提携先である三菱電機との取り組みを強化すると共に協業の輪を広げていく。また、海外では、人から装置へと生産の自動化が進む中国において、今後の現地販売の中核を担う中国販売会社(合弁会社)が本格稼働した。
【オプテックスグループの主要企業】
オプテックス(株) 赤外線を利用した各種センサ及びシステムの開発・販売
国内
オプテックス・エフエー(株)   光電センサ、産業用画像検査、計測装置の開発、製造、販売
ジックオプテックス(株) 汎用型光電センサの開発。独SICK AG社とオプテックス・エフエー(株)の合弁会社
技研トラステム(株) 客数情報システム、来場者計数装置等の開発、製造、販売
(株)ジーニック 画像処理関連のIC、LSIの受託開発ならびにFAシステムの設計、販売
オーパルオプテックス(株)   社員の福利厚生施設も兼ねた会員制アウトドアスポーツクラブ
海外
FIBER SENSYS INC.(米国) 光ファイバー侵入検知システム等の開発、製造、販売
FARSIGHT SECURITY SERVICES
LTD.(英国)
遠隔画像監視による警備会社
RAYTEC LIMITED.(英国) 監視カメラ用補助照明の開発、製造、販売
 
今後の注目点
国内でもカメラを組み合わせたセキュリティシステムの需要が増えているが、カメラと組み合わせたセキュリティシステムの課題はカメラの消費電力の大きさ。カメラを作動させるためには100〜200ミリアンペアの電流が必要で、その量はセンサ(4マイクロアンペア程度)の25,000〜50,000倍に相当するため、セキュリティシステムにカメラを加えると高価な大容量バッテリーが必要となり投資額が跳ね上がる。投資額を抑えるためには、センサとカメラが連動して、カメラが必要な時だけ作動するシステムにする必要がある。
こうした中、同社は、センサで侵入を検知し光で威嚇するセンサライト(調光機能付き照明)を手掛けており、施設駐車場や時間貸駐車場等で実績を積み上げている。また、画像処理関連のIC、LSIの開発を手掛ける(株)ジーニック、撮像精度の向上に寄与するCCTVカメラ補助照明を手掛けるRAYTEC LIMITED.(英)、更には光ファイバー侵入検知システムを手掛けるFIBER SENSYS INC.(米国)等、この分野の有力企業を傘下に持つ。これらとカメラを組み合わせたセキュリティシステムの市場拡大は同社グループにとって大きなビジネスチャンスであり、今後の展開が注目される。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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