ブリッジレポート
(6465:東証1部,名証1部) ホシザキ電機 企業HP
坂本 精志 会長兼社長
坂本 精志 会長兼社長

【ブリッジレポート vol.11】2014年12月期第2四半期業績レポート
取材概要「下期の売上動向について会社側は国内外共に慎重に見ているようだが、上方修正後の通期見通しに対する上期実績の進捗率は売上で5割を上回り、利益・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年10月7日掲載
企業基本情報
企業名
ホシザキ電機株式会社
会長兼社長
坂本 精志
所在地
愛知県豊明市栄町南館3-16
事業内容
業務用厨房機器大手。全自動製氷機、業務用冷凍冷蔵庫など主力製品で国内首位。製氷機は世界シェア3割でトップ。M&Aに積極的
決算期
12月末日
業種
機械(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 205,513 20,052 26,349 15,769
2012年12月 178,863 16,483 19,768 11,276
2011年12月 169,297 13,808 13,750 7,220
2010年12月 169,379 13,842 13,058 8,884
2009年12月 160,291 8,738 9,455 4,896
2008年12月 170,281 9,364 7,144 4,209
2007年12月 178,379 9,770 9,768 3,546
2006年12月 86,793 3,861 4,586 1,939
2006年6月 34,106 2,971 3,521 1,629
2005年11月 51,231 4,463 4,854 3,204
株式情報(9/1現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
5.020円 72,290,624株 362,898百万円 11.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
40.00円 0.8% 199.21円 25.2倍 2,012.90円 2.5倍
※株価は9/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
ホシザキ電機の2014年12月期第2四半期(累計)決算概要についてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
外食産業、病院・老人健康施設、学校・保育園、スーパー、コンビニ、オフィスなどを顧客とし、製氷機、業務用冷蔵庫を始めとしたフードサービス機器の研究・開発・製造・販売を行っている。
製氷機、業務用冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサなどの主力製品では国内トップシェア。製氷機に関してはグローバル市場でもトップシェアである。
独自の製品開発力、高品質、強力な営業力、迅速できめ細かなサービス&サポート体制などが強みであり、同業他社に対する大きな優位性となっている。
海外売上高比率は27.7%(2013年12月期)。ホシザキ電機を含まない連結グループ会社は、2014年6月時点で、国内17社、米州15社、欧州・アジア21社の合計53社。工場は国内9、米州7、欧州・アジア5とグローバルでの生産体制を構築している。国内営業体制は、北海道から沖縄までの15販売会社及びその436営業所によって日本全国をカバーしている。また海外では米州、ヨーロッパ、アジア・オセアニアに、100%独資の販売会社を配置し、全世界を幅広くカバーできる体制を整備している。
 
 
【事業内容】
製品別売上は、製氷機17.6%、業務用冷蔵庫25.1%、食器洗浄機6.8%、ディスペンサ12.0%、他社仕入商品12.3%、保守・修理17.4%、その他8.9%となっている。(2013年12月期)
 
 
【特徴・強み】
1.独自の技術に基づく製品開発&高い品質基準
独自技術に基づいた製品企画から製品化までの一貫した研究体制を持つことにより、最終顧客の多様なニーズへの対応を可能にしている。また、新製品開発、先端技術開発、既存製品の改良や改善、シリーズ展開及び原価低減活動に加え、販売及び保守サービス活動から得られる情報や市場品質情報を製品開発に活用する体制を確立している。また、厳しい品質基準を設定し、業務用という厳しい使用環境に耐えられる構造設計を行っており、過酷な条件で繰り返し行われるテストに合格した部品や技術のみが採用されている。
 
2.主要製品でトップシェア
高品質、サービス&サポート体制、耐久性、使いやすさ、デザイン性など様々なポイントが顧客に評価され、製氷機、業務用冷蔵庫、食器洗浄機、生ビールディスペンサなどの主力製品では国内トップシェアとなっている。また、製氷機に関しては、グローバル市場においても、ブランド別でトップシェアである。
 
 
3.きめ細かいサービス&サポート体制
同社では国内を15販社・436営業所でカバーし、約2,400名のサービススタッフによる地域密着型のきめ細かいサービス&サポート体制をとっている。また365日24時間対応のコールセンターを設置しており、ユーザーから故障やトラブルの問い合わせがあった際は、短時間で駆けつける「即日対応」を掲げて、スピーディーな対応行っている。
(いずれも2014年6月末現在)
 
4.営業力の強さと強固な顧客基盤
約2,900名の営業マンが日本全国をカバーする直販体制による営業力の強さも同社の大きな特徴である。
代理店を利用しないため顧客との密着度は高く、現在の強固な顧客基盤の構築に繋がっている。
また、サービス部門との緊密な連携により、顧客の状況に即応した提案を行う事が出来る機動性の高さも顧客から高く評価されている。
 
 
同社のROEは毎期着実に上昇しているが、その中身を分析してみると、総資産回転率およびレバレッジはほぼ同水準で推移している一方、売上高当期純利益率の上昇がROE向上の要因となっていることがよくわかる。
もちろん為替による部分も大きいだろうが、製品の競争力、継続的な原価低減の取組みなどが実を結んでいると言えるだろう。
 
 
2014年12月期第2四半期(累計)決算概要
 
 
堅調な国内売上に加え、円安効果、海外買収先の寄与もあり2ケタの増収・増益を達成。
売上高は前年同期比16.8%増の1,175億円。国内売上高は、同10.6%増の825億円。引き続きフードサービス産業全体における設備投資の回復を受け、大都市圏における旺盛な需要を取り込むことができた。消費税率引上げに伴う駆け込み需要も追い風となった一方、4月以降の反動減は想定以下であった。省エネタイプ冷蔵庫の販売拡大が続いている。
海外売上高は、同34.8%増の349億円。昨年度買収したJackson社、Western社、Macom社の寄与、円安によるプラス効果、米国での製氷機販売好調等が主要因。為替の影響を除いた外貨ベースでみた場合、上記3社を除いた既存会社ベースでみた場合でも、それぞれ同27.5%、12.2%と2ケタ増収だった。
営業利益は同45.1%増の152億円。サービススタッフを中心とした国内における人員増などにより販管費は同6.8%増加したが、増収効果、原価低減、高利益率商品の拡販などで吸収した。営業利益率は13.0%と前年同期の10.5%を上回った。前年同期に28億円を計上した外貨預金等における為替差益が当期は10億円の為替差損となったため、経常利益の伸び率は同5.2%にとどまり、売上高経常利益率も前年同期を下回る12.4%となったが、為替差損を除くと13.3%とほぼ前期並みであった。四半期純利益は同10.6%増の88億円。
好調な足下の状況を反映し第2四半期(累計)および通期の業績予想を上方修正した。ただ、第3四半期以降はフードサービス産業の設備投資継続が不確実であり、海外景気動向にも不透明感が残ると考えている。
 
 
<国内>
大手外食チェーン店の店舗数は前年を上回る状況が続いている。全店売上高を見ると、関東甲信地方を中心とした大雪および大雨のあった2月、6月は前年同月比でマイナスとなったものの、総じてプラスで推移している。
四半期(3か月間)売上の前年同期比は、第1四半期(1-3月)は消費税率引上げに伴う駆け込み需要及び官公庁需要の増加に伴い、大幅に増加した。一方、第2四半期(4-6月)は増税後の反動減を吸収し、微増となった。当初、会社側は増税後の反動を注視する必要があると考えていたが、結果的には想定したほどの落ち込みではなかった。
顧客属性別の売上高構成比を見ると、飲食店向けの売上構成比は、減少傾向が続いており、飲食店以外の構成比が上昇した。病院・老健、オフィス・工場、学校保育園などが構成比の押上要因であった。飲食店は売上高構成比を落としたものの、売上高自体は伸びており、引き続き順調である。
製品別では、引き続き省エネ冷蔵庫が顧客ニーズを捉え好調。特にタテ形冷蔵庫は好調で国内販売の成長に寄与している。
メンテナンス等に赴いたサービス担当者が顧客の状況やニーズを営業に連絡することによって成約につながった売上高の比率は着実に上昇しており、国内営業部門の目標値を大きく上振れている。全国を網羅する営業及びサービスネットワークの有機的なコンビネーションは、同社の強力な差別化要因となっている。
 
<海外>
 
M&Aの寄与もあり、全てのエリアにおいて円貨ベース、外貨ベースともに売上高は前年同期を上回った。
米国市場では日本同様にフードサービス産業が好調であり、主力製品である製氷機が牽引した。
アジアでの拡販のため製氷機やビールディスペンサの普及版(低コスト製品)を投入している。
2014年2月にホシザキインドネシアを設立した。今後もアジアを中心としたグローバルネットワークの拡充を計画している。
 
 
前期末と比べ、現預金および売上債権増などで流動資産は190億円増加。固定資産は、無形固定資産、投資その他の資産の減少等で21億円減少した結果、資産合計は169億円増加した。一方、仕入債務22億円増加、賞与引当金8億円増加などで、負債合計は116億円増加した。利益剰余金の増加などで株主資本が59億円増加し、純資産は52億円の増加となった。この結果、自己資本比率は60.3%と、前期末62.4%より2.1%低下した。
 
 
前年同期に比べ好調な業績を受け高水準の営業CFはプラス幅が拡大した。期間3か月以上の定期預金増により投資CFは同マイナスとなり、これに伴いキャッシュポジションは79億円低下した。
なお、バランスシート上の現預金から預入期間が3か月を超える定期預金を控除したものを、CFにおける現金及び現金同等物としている。
 
 
2014年12月期通期業績見通し
 
 
国内・海外とも不透明要因あるものの営業力強化などで増収・営業増益を見込む
売上高は前期比11.2%増の2,285億円の予想。
国内売上は、消費税率引上げに伴う駆け込み需要の反動減の影響は想定した程ではなかったものの、フードサービス機器産業の設備投資が今後も継続するか不確実なことから下期(7-12月)の前年同期比伸び率を上期よりも小さく見込んでいる。
海外売上は米国の景気回復は予想されるものの、欧州やアジア等の市場環境が不透明なこと、為替動向の不確実性を考慮し、下期は数%増と想定している。

営業利益は、前期比27.2%増の255億円を予想。
国内においては粗利率改善施策を継続する一方、人材補充などにより販管費も引き続き増加する。
海外では業務用冷蔵庫拡販施策のための立ち上げ費用、商圏拡大のための先行費用を想定している。
経常利益は同4.7%減の251億円の予想。なお、上期実績分の為替差損10億円のみを見込んでいる。

為替の前提は、期中平均で1米国ドル=100円、1ユーロ=138円。

設備投資は特に大きなものを想定していない。
配当は前期と同じく40.00円/株の予定。
 
 
 
今後の取組み
 
<国内>
第2四半期終了時点で以下の様なプラス要因、リスク要因を想定し、合理的な範囲で通期見通しに織り込んでいる。
 
◎主なポイント
*生産性改善及び生産能力増強
同社ではメーカー部門における生産性向上を目的として社内に「価値向上研究所」という組織を設け、生産性の改善や生産能力の増強を進めている。
2012年以降、製造部門におけるIT導入による全行程の迅速化、直接作業におけるムリ・ムラ・ムダの排除、セル生産方式による在庫の圧縮、セル生産に対応できる熟練作業者の計画的な育成、といった施策を着実に実施したことで、タテ形業務用冷蔵庫の生産工場では約8時間の定時作業時間内での生産台数が向上した。生産に携わる直接人員数に大きな変動がない中、1日あたりの生産台数は増大している。
 
*単品販売に加えて物件提案力の強化
同社の営業は従来、冷蔵庫、製氷機といった製品の単品販売が中心であったが、最近では施設の厨房一式を丸ごと受注する物件受注も増加傾向にある。

物件受注の新規成約に向けた主な活動としては以下の様なものが上げられる。
 
3DCADを駆使した立体的な図面提案
自治体の予算編成時に前もって、自主的に見積もりを提出し同社製品をアピール
設計事務所やゼネコン、サブコンとの関係強化
栄養士の資格を持った女性社員によるメニュー開発などのコンサルティング営業
電解水生成装置など衛生機器についての提案
 
*大型物件のプロジェクト管理能力強化
物件受注の中でも特に大型物件に関しては受注後のプロジェクト管理能力を強化し、顧客満足度を高めている。
製販一体でグループとして最適な人材を配置すると共に、設計事務所、ゼネコン、サブコン、仕入先との緊密な連携を進め、スケジュールや予算管理のノウハウを蓄積している。
こうした対応が評価され毎年複数の大型物件を受注し、多数の機器を納品することができている。

物件受注に関しては、物件全体の管理を通して次回の機器更新時に同社製品を納入する機会が得られること、同社のサービスマンは他社製品の修理も可能であるため、サービスの売上にも繋げることができるというメリットがあり、今後も注力していく考えだ。
 
<海外>
第2四半期終了時点で以下の様なプラス要因、リスク要因を想定し、合理的な範囲で通期見通しに織り込んでいる。
 
◎主なポイント
*大手バイインググループとの関係強化(米州)
バイインググループ向け売上は毎期大きく伸長しており、引き続き関係強化を進める。
前期は、最大手グループから製氷機に引き続き、冷蔵庫も指定ブランドとして認定された。また、最優秀サプライヤーとして表彰も受けた。
 
*業務用冷蔵庫の拡販(米州・アジア)
同社は業務用冷蔵庫 世界シェアNo.1を目指している。品質、省エネなど商品性能については高い評価を受けており、現在は積極的な販売促進、販売チャネル・生産体制の強化等、基盤整備に向けた先行投資を実施している段階だが、販売台数は着実に拡大している。
 
*コカコーラ社からサプライヤー賞を受賞
インドのWestern社がUSコカコーラ本社主催の「Global supplier conference」において「2014 Global Sustainability Award」を受賞した
様々な業種のサプライヤーがいる中でAwardは5つしかなく、冷蔵機器分野ではWestern社と、メキシコの2社のみが受賞した。
CO2冷媒機器の推進における貢献および評価項目の品質、イノベーション、価格の面が評価されたという。
インドおよびその周辺諸国で受賞したのはWestern社のみであり、同社の持つ低コスト製造のノウハウを活用してアジア市場での拡販につなげていく考えだ。
 
*ボリュームゾーン向け低コスト製品の投入
Western社の低コスト製造ノウハウの活用による事業拡大は、当面2通りのルートを想定している。
一つはインド国内向けに業務用冷蔵庫、業務用冷凍庫を供給するもの。
もう一つはホシザキシンガポール等、アジアのグループ会社向けにショーケースを輸出するもので、こちらは既に販売が始まっている。今後は品質の安定化を進めつつ、OEM供給先の開拓も進めて行く考えだ。
 
 
今後の注目点
下期の売上動向について会社側は国内外共に慎重に見ているようだが、上方修正後の通期見通しに対する上期実績の進捗率は売上で5割を上回り、利益では6割に近い。また、売上構成比の高い第3四半期(7-9月)が冷夏の予想から一転猛暑となったことなどから、引き続き業績面における不安は極めて小さいようだ。
中期的な視点からは、説明会の中で会社側が何度か触れていた「アジア市場攻略のための低コスト製品の開発・投入」がどのようなスピードで進むかが注目される。
また、今後も人件費を中心に販管費の上昇が予想されるなか、トップラインの伸びに加えて、調達・VA改善による原材料費低減、生産性および生産能力向上、間接部門のスリム化など粗利改善策も着実に実施するなど、更なる利益率アップに向けた積極的な取り組みにも引き続き注目していきたい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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