ブリッジレポート
(6890:JASDAQ) フェローテック 企業HP
山村 章 社長
山村 章 社長

【ブリッジレポート vol.43】2015年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「装置関連事業は、中国の3大半導体製造装置メーカーや、台湾、中国、及び日本(一部)のデバイスメーカーとの関係強化が進んでいる他、チャンバー・・・」続きは本文をご覧ください。
2014年12月24日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フェローテック
社長
山村 章
所在地
東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル
事業内容
半導体・FPD製造装置部品、太陽電池関連製品等の製造・販売及び各種技術サービス
決算期
3月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年3月 44,745 798 1,262 1,391
2013年3月 38,424 -3,608 -3,465 -6,532
2012年3月 60,088 4,124 3,287 1,715
2011年3月 57,880 6,931 6,290 4,483
2010年3月 31,541 703 524 156
2009年3月 36,653 2,790 2,097 743
2008年3月 36,625 3,057 2,414 1,903
2007年3月 32,517 2,288 2,081 1,703
2006年3月 23,946 1,210 1,040 708
2005年3月 21,105 1,762 1,456 633
2004年3月 15,000 615 -177 -645
2003年3月 12,845 111 -626 -899
2002年3月 14,775 916 984 -357
2001年3月 16,435 2,665 2,561 1,644
2000年3月 7,988 892 629 288
株式情報(12/8現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
626円 30,810,278株 19,287百万円 4.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
8.00円 1.3% 25.97円 24.1倍 1,160.36円 0.5倍
※株価は12/8終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
フェローテックの2015年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
消耗品を含めた半導体・FPD製造装置部品、冷熱素子「サーモモジュール」を核とする電子デバイス、太陽電池関連製品等の製造・販売、及び関連する各種技術サービスを手掛けている。
1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生。創業から30年余りにわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営も同社の特徴だ。
 
【事業セグメント】
事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の装置関連事業、サーモモジュールが中心の電子デバイス事業、及びシリコン結晶やPVウエーハ、結晶製造装置に使われる坩堝等の太陽電池関連事業に分かれ、14/3期の売上構成比は、それぞれ装置関連48.3%、電子デバイス14.8%、太陽電池関連29.5%、及びソーブレード、装置部品洗浄、工作機械等の報告セグメントに含まれないその他7.4%。
 
 
装置関連事業
同社が最も力を入れている事業であり、エンジニアリング・サービスをトータルに提供。装置部品、消耗品、スペアパーツの生産に加え、装置洗浄(中国でシェア50%)も手掛ける。主力製品で世界シェアNo.1の真空シールは、製造装置内部へのガスやチリ等の侵入を防ぎつつ回転運動を装置内部に伝える機能部品で、半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置に不可欠。その内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただ、いずれの分野も設備投資の波が大きいため、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野での営業を強化しており、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。
一方、石英製品とセラミックス製品は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品。石英製品は半導体の製造工程に不可欠な高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品。同社はLEDメーカー向けで高いシェアを有する。太陽電池の製造プロセスで使われる石英坩堝(太陽電池関連事業)でも高いシェアを有し、この技術を活かして半導体向け高純度坩堝を育成中である。また、材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラッミックスがフラッシュメモリ向けで伸びている。
この他、ディスクリート半導体向けの小口径ウエーハ加工(インゴットのスライス)も月産30万枚規模に達しており、小口径ウエーハの加工分野で一定の存在感を有する。
 
電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、遺伝子検査装置、光通信、家電製品等、利用範囲は広い。高性能材料を使用した新製品の開発や自動化ラインの導入によるコスト削減と品質向上により新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。また、釣り具のリール(リール内部の防水用途)や4Kテレビのスピーカー向け等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体の販売も当セグメントに含まれる。
 
太陽電池関連事業
2005年に太陽電池関連事業に参入し、シリコン結晶製造装置、石英坩堝等の消耗品、及びシリコン製品等の製造販売を手掛けてきた。現在は市場ニーズを踏まえて、太陽電池の基板となるシリコンインゴットとウエーハの受託生産や、インゴットとの製造時に使用される単結晶シリコン用坩堝や多結晶シリコン用角槽坩堝(共に石英の加工技術がベースになっている)の製造・販売が中心。消耗品である坩堝については、多様なラインナップを揃えると共にカスタマイズにも対応し、高い市場シェアを有する。
 
【新たな取り組み】
中期的には、食料、水、エネルギー、コミュニケーション、医療といった市場拡大が見込まれる分野で、強みである真空技術や精密加工技術を活かしていく考え。医療分野では、CTスキャンやMRIで真空チャンバー、真空シール、真空パーツ等の需要があり、足元、中国メーカーとの商談が進んでいる。また、欧州のパワーデバイスメーカーとの間でパワー半導体用基板の商談も進んでいるようだ。
尚、長寿命と温度制御の正確さを強みに、同社はDNAのPCR法増殖装置向けのサーモモジュールで90%以上のシェアを有する。
 
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
過去5期間、業績の変動でROEも大きく振れた。具体的には、主要3セグメントがそろって好調だった11/3期は売上・利益(売上高578億円、営業利益69億円)が過去最高を更新したが、12/3期第2四半期後半から太陽電池関連事業の各製品の需要が急減し、その後、製品価格にも波及した。また、半導体等の生産や設備投資がピークアウトしたのも、この頃だった。12/3期は第1四半期から第2四半期前半にかけての好調で下期の落ち込みをカバーできたが、13/3期は事業環境が一段と悪化し営業損益以下の各利益段階で損失を計上した(太陽電池関連の多額の在庫評価減を売上原価に計上した他、販管費や特別損失もリストラ費用で膨らんだ)。
この時期は太陽電池関連を中心に巨額の設備投資を実施した時期でもある。10/3期の投資キャッシュ・フロー(CF)は15億円のマイナスだったが、11/3期はマイナス幅が約3.5倍の44億円に拡大し、更に12/3期はマイナス幅が倍増し85億円弱のマイナス。この結果、13/3期は売上の減少と資産の増加で総資産回転率が0.55回に低下した。

12年11月から、事業構造改革に着手し、コアコンピタンスである真空技術や精密加工を用いたエンジニアリング・サービスの拡大に注力すると共に、採算性の観点から全ての事業を厳しく峻別し、不採算分野からは撤退する等、いわゆる“選択と集中”による経営の見直しを行った。この結果、14/3期は営業損益が8億円弱の黒字に転換。加えて、投資有価証券売却益13億60百万円など特別利益13億78百万円を計上したため当期純利益が営業利益を大幅に上回る14億円弱となった。ただ、総資産回転率は0.63回にとどまり、設備の過剰感は否めなかった。
 
 
過去20年間の売上高と総資産の推移をみてみると、00/3期から12/3期にかけて、売上高が79億円から600億円へ、総資産が179億円から725億円に拡大した。00/3期から12/3期までの平均営業CFは20.8億円と、営業利益の平均16.9億円を20%強上回る等、確かにキャッシュを稼ぐ力は強かったが、この間、フリーCFはほぼ一貫してマイナス。安定した営業CFを背景に強い資金調達力を有していた事もあるが、同社の経営は売上高の拡大ばかりに目が行き、資産効率やフリーCFの視点が欠けていたと言わざるを得ない。時には思い切った投資が必要だが、「身の丈に合った経営」を頭の片隅に置いておく必要もあっただろう。設備の過剰感解消には時間を要するものと思われるが、現在は“選択と集中”による経営の下、収益力の強化と共に有利子負債の圧縮による財務体質の改善や財務基盤の強化にも力を入れている。こうした取り組みの進捗と共に、ROEの改善が進むものと思われる。
 
 
2015年3月期上期決算
 
 
前年同期比44.5%の増収、同57.3%の経常増益
売上高は前年同期比44.5%増の292億38百万円。全てのセグメントで売上が増加。太陽電池用シリコンのOEMをけん引役に太陽電池関連事業の売上が同78.7%増と高い伸びを示した他、自動車温調シート向けを中心にサーモモジュールが伸びた電子デバイス事業の売上も同48.6%増と伸長。半導体・FPD等の投資や生産の増加で装置関連事業の売上も同27.1%増加した。

利益面では、売上構成の変化で原価率が2.1ポイント上昇する中、円安による円ベースの子会社経費増等で販管費も増加したものの(構造改革プランの推進による固定費削減効果で販管費率は低下)、増収効果で吸収して営業利益が前年同期の1億59百万円から11億99百万円に拡大した。ただ、上期末(子会社は6月)の対元レートが前期末よりも円高水準だったため中国子会社の円建て債務に係る為替差損が発生した(前年同期は11億円の為替差益を計上したが、この上期は1億06百万円の差損を計上)事等で営業外損益が悪化。前年同期に投資有価証券売却益を計上(6億45百万円を特別利益に計上)した反動で四半期純利益は3億54百万円と同48.9%減少した。尚、四半期純利益が期初予想に沿った着地となったのは、業績の回復で子会社の税負担が予想を上回ったため(税率は55.5%)。

尚、設備投資は上海、杭州、銀川の中国子会社を中心に同19.9%減の13億14百万円(前年同期16億40百万円)、減価償却費は同4.1%減の18億99百万円(前年同期19億81百万円)。期中平均の為替レートは、1米ドル=102.23円(前年同期95.90円)、1人民元16.56円(同15.53円)。
 
 
 
 
装置関連事業は売上高129億47百万円(前年同期比27.1%増)、営業利益9億17百万円(前年同期は77百万の利益)。回復が遅れているLED向けの減少でEBガン・LED蒸着装置が減少したものの、活発な半導体・FPD投資を背景に真空シールが伸びた他、ウエーハ回路検査治具・医療関連向け等のマシナブルセラミックス(製品名「ホトベール」、セラミックス製品売上高の37%)と半導体製造装置向けファインセラミックス(同47%)を2本柱とするセラミックス製品も高い売上の伸びを示した。この他、OEMが売上高の62%(エンドユーザー向けは23%)を占める石英製品が国内外の大手半導体メーカー向けを中心に増加した他、小口径向けに展開するウエーハ加工も、自社ブランド(中国・台湾で客先認定を取得)、OEM(受託加工)共に増加した。
尚、真空シールは、半導体の3D・微細化投資や携帯端末向け中小型液晶製造装置・有機EL製造装置、更には自動車搭載用途でデバイスメーカー向けが増加。半導体装置向け受託製造も堅調に推移した。

利益面では、売上の増加で利益も増加し、収益性の改善で利益率が想定をやや上回る結果だった。
 
 
売上高101億53百万円(前年同期比78.8%増)、営業損失2億46百万円(前年同期は1億11百万円の損失)。顧客ニーズの強い高変換効率のN型単結晶に特化した太陽電池用シリコン(インゴッド、ウエーハ)が主要OEM先を中心に伸びた他、売上が減少した石英坩堝(多結晶用角槽を含む)も長寿命品で顧客ニーズに対応した成果等で数量が回復傾向にある。シリコン結晶製造装置は受注残の消化で売上が増加したものの、受注は回復感が乏しい。太陽電池向け石英坩堝やウエーハ加工で培った技術を活かしたディスクリート半導体向けの小口径用坩堝の販売を開始した。セル・その他では、インド市場向けにセルの販売が大きく伸びたが、一時的なプロジェクトであった。

利益面では、多結晶用角槽の価格低迷が続いている他、太陽電池用シリコンもユーザー間の競争激化でコストダウンの要求が厳しい。不採算事業の縮小・撤退を進めているが、減価償却費等の固定費負担も重く、当初の予想以上に利益率が低下した。
 
 
売上高41億64百万円(前年同期比48.6%増)、営業利益6億04百万円(同142.1%増)。売上の63%を占める自動車向けを中心にサーモモジュールの売上高が大きく伸びた。サーモモジュールは、北米を中心に自動車温調シート向けの好調が続いている。産業用途も、半導体、バイオ、光学、光通信等が堅調に推移する中、民生向けに新規用途の開拓が進んだ。採用機種の増加でパワーデバイス用基板も軌道に乗ってきた。
利益面では、営業利益率が8.9%から14.5%に改善し、ほぼリーマン・ショック前の水準に戻った。
 
 
この上期は、従来であれば、資産が増加する円安・売上拡大局面だったが、構造改革プラン効果(有利子負債の削減を含めた資産効率の改善)で上期末の総資産は724億86百万円と前期末に比べて22億37百万円減少した。ただ、現預金は増加しており、“100%超であれば短期的な支払い能力は安全”とされる「流動比率」が136%(前年同期140%)。長期的な財務の安全性を示す「固定比率」も前年同期の114%から107%に改善した。自己資本比率は49.3%。
尚、中国の金融情勢が先行き不透明なため、中国子会社が厚めの流動性を確保しておく必要があり、80億円強の現預金水準は妥当であると言う(ネット有利子負債 74億円)。一方、中国での加工貿易原料への課税強化(9月1日から実施)を前に仕入を前倒しで行ったため、一時的に仕入債務が増加した(営業CFへのインパクトも大きかった)。
 
 
資金効率の改善で前年同期は20億13百万円だった営業CFが43億73百万円に増加する中、投資CFを減価償却費(18億99百万円)の範囲内に抑え、32億49百万円のフリーCFを確保した。手元流動性を有効活用するべく、長短借入金の返済を進めたため、財務CFはマイナスとなった。
 
 
2015年3月期業績予想
 
 
前期比25.2%の増収、同18.9%の経常増益予想
上期の業績を織り込むと共に、下期の業界動向を踏まえて通期業績予想を上方修正した。装置関連事業が前期比16.3%増、太陽電池関連事業が同39.1%増、電子デバイス事業が同26.6%増と、いずれも高い売上の伸びを見込む。

ただ、装置関連事業でFPD向けウエーハ加工の調整等が予想される事、太陽電池関連事業の不透明感が強い事、更には全般に価格の戻りが鈍い事等から、下期は減速する見込み。売上高の予想を期初予想比9.2%引き上げたものの、営業利益の予想を据え置いた。下期予想は、売上高267億61百万円(前年同期比9.2%増)、営業利益8億円(同25.3%増)、経常利益6億65百万円(同9.0%減)、純利益4億45百万円(同36.2%減)。

下期も大規模な設備投資の計画はなく、通期の設備投資は前期末設備未払金を考慮したCFベースで30億円(前期比21.6%減)を計画しており、減価償却費は40億円(前期比1.5%増)を織り込んだ。為替の前提は、1米ドル=105.00円(前期97.90円)、1人民元=17.00円(同15.97円)。

配当は1株当たり2円増配の期末8円を予定している。
 
 
 
 
装置関連事業は、年末のOEM先の生産調整が見込まれるウエーハ加工を除く全ての製品・サービスの売上が増加する見込み。
真空シールは、半導体向けが緩やかながら増収基調を維持する他、車載向けLED用MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition:有機金属化学気相蒸着)向けが増加に転じる見込み。一方、FPD向けは中国メーカーの投資計画があるものの、中小型パネルの価格低下や需要減速の影響を受ける可能性がある。
オーバーホール事業も含めて台湾市場での営業を強化する他、医療機器や食品関連機器で受託製造案件の取り込みも図る。また、中国進出の日本企業とのアライアンスによる中国市場の開拓にも取り組む。

石英製品は、米国大手向けOEMの好調が続く他、国内大手向けのOEMも、一旦ピークアウトした後、増加に転じる見込み。OEM以外では、高水準の稼働率が続く国内やアジアの半導体メーカー向けが堅調に推移する他、スマートフォン用途の需要増でLED向けも増加する見込み。
中国拠点に生産を集約してコスト低減を図ると共に、短納期・安定品質・カスタマイズ対応を継続する事で台湾メーカーの需要取り込みを図る。また、シリコンパーツの次世代装置やその他のプロセス装置への参入も計画している。

セラミックス製品は、スマートフォンの新機種対応等で夏場(子会社は12月決算)に台湾・韓国メーカーからマシナブルセラミックスの大口案件を受注した。秋以降も、一部に調整色があるものの、基本基調は変わっていない。ファインセラミックスも、半導体業界の活発な微細化・増産投資を背景に新規装置用が好調で受注・売上が国内外で増加する見込み。また、マシナブルセラミックス、ファインセラミックス共に、新規顧客開拓や新用途開拓(医療機器関連等)の営業活動を継続する。

上記の他、EBガン・蒸着装置は、スマホ用通信チップ向けの拡大に加え、LED市場も回復に転じる見込み。光学市場に的を絞った営業活動を進める他、EBガンは不透明感のある欧州市場でテコ入れを図る。一方、ウエーハ加工は、自社ブランド品の好調が続くものの、年末のOEM先の生産調整を織り込んだ。インゴット製造を内陸部の銀川へ移設しコストダウンを図る他、技術・品質等サービス体制の再整備を進める。
 
 
石英坩堝は米国での中国製品に対するアンチダンピング政策の影響で需要の減少が見込まれる(台湾向け多結晶用角槽も価格・数量の両面で影響を受ける)。OEMをけん引役に増収を見込む太陽電池用シリコンだが、一方でセル・その他が、米国のアンチダンピング政策に対する中国の報復関税措置の影響で前期比では増収だが、上期比では50%弱の減収に留まる。太陽電池用シリコンはOEM先からのコスト要求も厳しさを増している。この他、メンテナンス部品のみの出荷でシリコン結晶製造装置の売上も減少する見込み。中国政府による太陽光発電の年間導入量の引き下げ(14GW → 10GW)や日本での系統接続問題等もあり、太陽電池関連事業は懸念材料が多い。

こうした中、石英坩堝の収益性改善に向け、長寿命品の投入による価格面でのテコ入れや銀川工場への生産移管によるコスト低減を進める。また、上海のシリコン結晶製造工程を銀川工場へ移管し、生産集中による収益性の改善、 固定砥粒・薄型ウエーハの細線化対応促進、N型単結晶の性能向上による顧客拡大等にも取り組む。一方、半導体向けの小口径用石英坩堝の販売や国内半導体メーカーの認定取得を継続する。
 
 
サーモモジュールは、北米の自動車需要を受けて自動車温調シートが増収基調を維持する他、光通信設備向けやバイオ・医療向けに加え、その他一般産業向け等でも堅調な推移が見込まれる。
パワーデバイス用基板の量産立上や新規用途に対応できる新型モジュール製品の立ち上げを計画しており、営業面では、提案営業で顧客満足度の向上を図る他、 サーモモジュール応用製品の立上げサポートも強化する。
 
 
今後の注目点
装置関連事業は、中国の3大半導体製造装置メーカーや、台湾、中国、及び日本(一部)のデバイスメーカーとの関係強化が進んでいる他、チャンバー関係でMOCVDメーカーの開拓も進んでいる。このため、下期は一部の製品・サービスで若干の調整が入るが、来期は10〜15%の増収が見込まれる。
また、電子デバイス事業は、車載機器でサーモモジュールの用途が広がっており、現在、7種類程度のアプリケーション開発が進んでいる。また、標準タイプの形状サイズで高い吸熱量を誇り、製品の小型化と熱交換器の冷却性能の向上に寄与するハイパワーサーモモジュールの量産開発も進めている。同時にパワーデバイス用基板の認定取得も進んでいる(日本と中国で認定を取得し、現在、韓国で認定作業が進行中。今後、欧米での認定取得を目指している)。サーモモジュールの売上は今期26%増の76億円超に拡大するが、2年後には、従来型とハイパワー型、パワーデバイス用基板を合わせて150億円程度に拡大させたい考えだ。
一方、太陽電池関連事業では、現在、小口径を手掛けている半導体向け石英坩堝を大口径にも広げ事業拡大を目指す。坩堝は、太陽電池用の石英坩堝を銀川工場に集約する事で電力コストを中心に20〜30%のコストダウンが見込めると言う。また、OEMが順調な太陽電池用シリコンの生産(インゴットの引上げ)も銀川工場に集約してコストダウンを図る計画(20%超のコストダウンにつながる)。
この他、電力コスト削減に加え、銀川政府の支援も期待できる事から(補助金支給等、各種の優遇策が用意されている)ディスクリート半導体用のインゴットの引上げも銀川に移管する。インゴットのスライス(ウエーハ加工)では、80ミクロンのダイヤモンド・ワイヤー(従来は90ミクロン)を使用したワイヤーソーの導入による製造原価のコストダウンも期待できる。

前期決算及び今上期決算で業績が底打ちし、利益体質が定着してきた事は確認できた。中国製品に対する米国のアンチダンピング政策(詳細は米国商務省の発表待ち)や中国での加工貿易原料への課税強化の影響等の不安材料があるものの、取引先との関係強化や新製品の開発及び新規分野の開拓が進んでいる事から装置関連事業や電子デバイス事業の見通しは明るく、太陽電池関連事業も徐々に銀川工場への集約効果が顕在化してくる見込み。来期は成長軌道への回帰に向けた足取りの確かさを示す事になるだろう。
 
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