ブリッジレポート
(4248) 竹本容器株式会社

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ブリッジレポート:(4248)竹本容器 vol.1

(4248:東証2部) 竹本容器 企業HP
竹本 笑子 社長
竹本 笑子 社長

【ブリッジレポート vol.1】2014年12月期業績レポート
取材概要「上場競合企業は見当たらないが、プラスチック、包装、メーカーといったキーワードによる類似企業をピックアップし、同社の業績、株価指標・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年4月14日掲載
企業基本情報
企業名
竹本容器株式会社
社長
竹本 笑子
所在地
東京都台東区松が谷2-21-5
決算期
12月末日
業種
化学(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年12月 10,017 757 813 592
2012年12月 9,654 632 658 434
株式情報(4/10現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,380円 5,682,200株 7,841百万円 13.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
24.00円 1.7% 118.31円 11.7倍 893.56円 1.5倍
※株価は4/10終値。発行済株式数は直近決算期末。ROE、BPSは前期末実績。
 
竹本容器株式会社の会社概要、2014年12月期決算概要、今後の成長戦略などをご紹介致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
化粧品・美容事業者、食品・健康食品事業者、日用・雑貨事業者、化学・医薬品事業者を主な顧客として、自社で容器の企画・設計を行い、製造に必要な金型を自社で製作・所有する容器である「スタンダードボトル」を製造・販売。
2014年12月末で2,704の金型を所有する。高い開発提案力、豊富なストックに加え、幅広い顧客層、小ロット・多品種・短納期に対応する製品供給体制等が大きな特徴。海外展開にも積極的。海外子会社は中国に2社、米国に1社。タイに駐在員事務所を開設。
 
【沿革】
創業者竹本茂氏(竹本笑子社長の祖父)が、同社の前身となる竹本商店を1950年に創業。第二次大戦終戦後のモノ不足の中、使用後のガラス壜を回収し、新品同様に再生する「古壜再生業」でスタートした後、1953年に竹本容器株式会社を設立し、ガラス容器の販売を開始。1963年には同社を特徴づける自社ブランド品「スタンダードボトル」の取扱いを始めた。
1980年には大阪営業所を開設。竹本雅英専務(現相談役、竹本笑子社長の父)が先頭となり、顧客の注文に応じて容器を製造する「特注品」が主流で、ボトルと付属品の取扱い業者が分離していた関西地区において、「スタンダードボトル」と「ワンストップ供給」を武器に新規開拓に注力。品揃えの豊富な同社は顧客の需要を確実に取り込み、販路を拡大した。当時としては画期的であったこの大阪進出がその後の福岡、札幌、名古屋への展開につながり、全国をカバーする販売・サービス網の構築に成功した。
1984年にはさらに競争力を強化するためには商社機能に加えメーカー機能が必要と考え、吉川工場(埼玉県吉川市)を開設し、プラスチック容器の加工・印刷を開始した。
1996年には業界で先駆けて中国に製造・販売の子会社を設立し、グローバル化戦略をスタート。
2004年、竹本笑子氏が代表取締役社長に就任し、国内市場におけるシェアアップと海外市場の開拓をさらに推進中。
2014年12月、東京証券取引所市場第2部に上場した。
 
【経営理念など】
 
1996年の中国進出も、器文化の本場中国といつかは手を組んで事業がしたいと考えていた創業者の想いが実を結んだものであった。竹本笑子社長もこの理念、使命を企業の根幹に置き、社員研修を始めとした様々な機会を使って社員への浸透を図っている。
 
【市場環境】
下のグラフにあるように、容器の出荷金額はここ数年横ばいが続いており、今後も人口減少の進行が予想される中、国内需要の大きな伸びは期待し難い。
 
 
ただその一方で、以下のような状況を背景に、同社の武器である「スタンダードボトル」の需要は今後も拡大することが予想される。
 
消費市場の成熟化、消費者の嗜好の多様化、ネット販売の拡大などにより、商品ライフサイクルの短命化が進み、「大量生産大量販売」の時代は終わり、「少量多品種販売」の時代に入っている。
そうした中、同社の顧客である化粧品・トイレタリー用品メーカー等が面している課題は、「製品開発期間の短縮化」や「経費削減」。
自社による容器開発を抑制する傾向を強めるこれらメーカーにとっては、必要な容器を必要なタイミングに必要な数量だけ調達できるスタンダードボトルを採用する機会は今後益々増大するものと考えられる。
 
一方、2008年の化粧品・トイレタリー容器市場1,558億円における各社のシェアは以下の通り。
 
 
同社は順位こそ3位であるが、シェアは4.2%とまだ小さい。包装・容器市場が飽和している中でも、シェア拡大による成長余地は極めて大きいと考えられる。
(具体的なシェア拡大策は、「中期経営計画」で後述。)
 
【事業内容】
化粧品・美容事業者、食品・健康食品事業者、日用・雑貨事業者、化学・医薬品事業者を主な顧客として、容器およびキャップやディスペンサーなど付属品の製造・販売を行っている。
同社の容器は単なる容れ物ではなく、デザイン、機能、バリア性、安全、環境に留意した付加価値の高い製品が中心となっている。
 
 
 
◎ビジネスモデル
化粧品やトイレタリー製品メーカー等の顧客企業が、製品差別化のために独自の容器デザインの製造を容器の成型メーカーに依頼する場合、多くのケースでは容器を製造するための金型制作費用は顧客が負担し、成型メーカーが製品設計と生産を請負い、顧客独自の容器を生産後納品することとなる。
ところが、金型の製作には、一般的に3カ月程度の期間と数百万円の費用が必要であり、多くの顧客企業にとっては容器の調達に時間とコストがかかる点が課題となっている。
 
これに対し、同社は顧客に替わって自社で金型を製作し、顧客が希望する包装容器を生産、納品する。
このため、顧客は自ら金型を製作する場合と比べると短期間でかつ開発コストを抑えて、希望する包装容器を、必要な時に、必要な量だけ調達することができる。
このように、同社が容器の企画・設計を行い、製造に必要な金型を自社で製作・所有する容器を「スタンダードボトル」と呼ぶ。
 
同社が有する金型の種類は2014年12月末現在で2,704点と業界一の豊富さを誇る。
自社で開発した標準型のスタンダードボトルに着色や印刷を施し、キャップなどの付属品と組み合わせる「カスタマイズ」により、顧客の差別化ニーズに対応している。
また1,213種類に関しては製品在庫を保有するなどし、小ロット、多品種、短納期を実現している。
 
 
 
販売地域は日本、中国、アメリカなど世界に広がっており、2014年12月期の販売先はグループ全体で4,603社となっている。
 
スタンダードボトルの売上構成比は全売上高の約7割で、顧客が金型製作を負担する顧客金型製品や、商社として他社製品の仕入なども行っている。
 
 
【ROE分析】
 
2014年12月の株式公開時に公募増資しているため、前期末(2013年12月末)の自己資本を用いて計算する2014年12月期のROE13.1%は参考値と考えるべきであるが、仮に2014年12月末の自己資本のみで計算しても、11.4%と2桁を超えており、高い資本効率を実現している。
決算短信「目標とする経営指標」にROEを上げ、中期的に15%以上を安定的に達成することを目指しているが、後述のように、当面は投資を優先するため、12.5%を目標として設定している。
 
 
特徴と強み
 
①幅広い顧客基盤
同社は国内外に4,603社と極めて幅広い顧客基盤を有している。
この顧客基盤から獲得する安定したキャッシュ・フローが、継続的な金型投資を可能にしている。
また、同社の高い開発提案力により顧客満足度は高く、リピーターも多い。
 
②豊富な金型ストック
前述の様に2,704という豊富な金型ストックを有しており、顧客のニーズに対して柔軟な対応が可能である。
また、品揃えの拡充や、デザインおよび機能性に留意した容器など付加価値の高い製品開発を進めると同時に、金型の標準化、共通化、小型化を進めることで、投資負担やリスクを低減させている。
 
③柔軟な製品供給体制
国内7拠点、海外2拠点の生産ネットワークを通じて、高品質な製品を小ロット、多品種、短納期で納品できる体制を構築している。
また顧客ニーズに対応したカスタマイズによる生産体制や、コスト、強度、精度を考慮した新たな生産技術を積極的に導入している。
 
④「開発提案力の高さ」
幅広い顧客基盤(顧客資産)の形成に寄与しているのが、高い開発提案力であり、同社の持続的企業価値創造の源泉といっていいだろう。
現在約40名の企画開発及び技術スタッフが、素材、形状、機能性、安全性などの視点から日々様々なアイデアの具現化に取り組んでいる。
合羽橋ショールームには約1,000種類のスタンダードボトルが展示されており、高い開発提案力の一端を伺うことが出来る。
 
 
 
2014年12月期決算概要
 
 
増収・増益、計画も上回る。
売上高は前期比10.4%増の110億62百万円。国内が新規受注増により大幅に増加した。
プラスチック原材料価格の上昇、中国における最低賃金上昇、減価償却費の増加などで粗利率は0.7%低下したが、販管費のコントロールを進めた結果営業利益は同15.9%増の8億77百万円となった。為替差益が60百万円減少し経常利益は同8.1%増の8億79百万円。税負担の増加で当期純利益は同1.8%減少の5億81百万円となった。
 
 
富山工場の増設により設備投資額は大幅に増加。金型投資も拡大した。
 
 
国内は新規受注増加により2ケタの増収。中国は、案件数は増加したが現地通貨ベースでは微増。円安効果で2桁の増収だった。
 
 
現預金、売上債権増などで流動資産は前期末比8億67百万円増加。固定資産は金型など有形固定資産の増加で、同8億5百万円増加し、資産合計は同16億73百万円増加の101億7百万円となった。
仕入債務の増加、短期有利子負債の減少で流動負債は同5億42百万円の増加。固定負債は長期有利子負債の減少で同1億62百万円減少し、負債合計は同3億86百万円増加の50億30百万円となった。
純資産は公募増資に伴う資本金、資本剰余金の増加、利益剰余金の増加で同12億93百万円増加の50億77百万円となった。この結果自己資本比率は前期末より5.3%上昇し、50.2%となった。
 
 
前期と比べ、税引前当期純利益増、仕入債務増加などにより営業CFのプラス幅は拡大した一方、有形固定資産の取得などにより投資CFのマイナス幅が拡大した結果、フリーCFのプラス幅は若干縮小した。
財務CFは、株式発行による収入4億58百万円などでプラスに転じた。
キャッシュポジションは5億48百万円上昇した。
 
 
2015年12月期業績見通し
 
 
連続して増収増益へ
売上高は前期比4.9%増の116億5百万円の予想。日本、中国とも2014年に製造した新規金型が貢献し増収。
営業利益は同18.5%増加の10億40百万円を予想。増産に伴う原材料使用量増加による原材料費増や国内外での労務費増を増収で吸収する。販管費のコントロールを継続し、営業利益率は同1.1%上昇の9.0%を見込んでいる。売上、利益共に下期からの拡大を見込んでいる。
配当は今期より中間配当を実施し、中間12.00円/株、期末12.00円/株の計24.00円/株の予定。予想配当性向は20.3%。配当性向20%を目標としている。
 
 
日本国内から海外への販売はごく少量のため売上への影響は限定的である。
人民元に関しては、中国子会社の円換算の影響が大きい。米国ドルに関しては、現在は米国子会社の規模が小さく原材料調達への影響が相対的に大きい。
 
 
中期経営計画
 
「国内外の潜在需要の拡大を取り込む営業活動の展開」、「顧客に魅力的な包装容器を提供するための新製品開発力の強化」、「品質の高い製品を安定的に供給するための生産体制の強化」に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を図るため、2017年12月期を最終年度とする中期計画を策定した。
 
スローガンとして「開発提案型ボトルパッケージングメーカーとして、世界で最も顧客に必要とされ、チャレンジングで活気ある企業になる。」を掲げ、以下の中期計画数値達成を目指す。
 
 
(1)主要ポイント
<売上高>
日本、中国とも、新規金型の積極的投資により増収を継続する。
すでに進出している米国、タイのほか、インド、ヨーロッパへも拠点展開し長期的視野の市場開拓をスタートさせる。
 
<営業利益>
売上拡大のために生産体制の増強を目的とした設備投資と人材育成投資を実施する一方、営業利益率は9%台維持を目標とする。
 
<金型投資>
日本、中国での積極的な製品展開のための金型投資のほか、米国・タイ等その他の市場向け金型投資も実施する予定。日本、中国を合わせたグループでの年間自社金型開発数を2014年12月期の203から500に引き上げる。
 
<数値目標>
経営指標として長期的にはROE15%超を目指すが、中期計画では投資を優先するため、12.5%を目標として設定。
 
 
◎新製品の開発
スタンダードボトルの領域を拡大し、品揃えを更に拡充する。
スタンダードボトルで圧倒的なポジショニングを築いている同社だが、食品、トイレタリー、化粧品、ヘアケア、医薬品などの分野において継続的に領域を拡大し、更に品揃えを拡充させる。
また、プラスチックボトルのみでなく、ガラス、チューブ、アルミ、ディスペンサーなどアイテムの種別も拡充する。
 
◎シェアアップ
前述の様に同社の国内シェアは4%程度と未だ小さいが、以下の2つの切り口でシェアの拡大を進める。
 
*対上位企業
圧倒的なシェアを有するトップA社やB社の顧客は、自社で金型投資を行う化粧品大手企業などが中心。
竹本容器は、これまでに培ってきた提案力を差別化要因とし、協力メーカーも活用し、早く、安く、確実に製品を納入する量産体制を構築。顧客金型製品の売上を拡大する。
 
*対下位企業
大半の企業が商社を通じてスタンダードボトルの販売を行っているため、商社機能とメーカー機能を併せ持つ竹本容器は豊富な品揃えという点で優位性を有している。またメーカーとして開発コスト低減に取り組み事により、価格競争力も向上させシェアを引き上げる。
 
 
 
中国の化粧品・トイレタリー市場規模は2012年 約300億ドルで、年間2桁の成長が続いている。
経済成長の下、「容器は商品の価値を高め販売を促進する重要なアイテム」との意識が高まっており、スタンダードボトルのコンセプトが市場ニーズに合致し、今後も需要の拡大が見込まれる。
1996年に中国へ進出した同社だが、2003年の独資化後、売上・利益共に着実に拡大しており、グローバル戦略における重要な生産・販売拠点としてさらに発展を図る。
 
 
 
中国におけるビジネス展開をモデルとし、インドやヨーロッパへの進出を検討している。
容器は古くからの文化であるため、地域ごとの特性が大きく異なるが、豊富な金型を有する強みを活かし、各市場にマッチした製品を開発・投入する。
 
 
 
竹本社長に聞く
 
竹本笑子社長は1975年生まれ。1998年に中央大学卒業後、1999年同社に入社し、2004年12月、父親である竹本雅英前社長(現相談役)の、「いつかは社長になるのであれば早く社長になった方が良い」との考えもあり、29歳で代表取締役社長に就任した。
前年に中国の子会社「上海竹本容器包装有限公司」が独資化した後であり、グローバル戦略の本格推進に向けた社長交代でもあったようだ。
 
今後の戦略、同社の企業価値創造の源泉である開発提案力強化の取組み、投資家へのメッセージなどを伺った。
 
<国内市場でのシェアアップ>
包装・容器市場が今後大きく成長することは残念ながら期待し難いが、当社の市場シェアはまだ低く、大きな潜在市場が控えている。当社の開発提案力を更に向上させ、自社製品(スタンダードボトル)と顧客金型製品双方を拡大する。
特に、化粧品大手企業などが顧客となる顧客金型製品市場においては、これまで自社で多数の開発を行ってきた豊富な実績をベースにした提案能力を活かした「差別化」と、金型の標準化、共通化による「低コストでの提供」によりシェアアップを図る。中期的には顧客金型製品を増加させることで自社製品売上比率は現在の72%から62%程度になると見込んでいる。
 
<海外市場のスケール拡大>
海外メーカーを見渡しても、当社ほど金型を保有している同業他社は見当たらない。金型投資と売上のバランスを取るのは容易ではなく、その意味で当社の競争優位性は海外でも十分に発揮できる。
今期からは中国での金型開発ペースを日本以上に引き上げ、現在720の金型数を日本並み(1,984点)まで引き上げる。
海外戦略の核となる中国は成長のための基盤が完成した。日本のノウハウを導入し、更に磨きをかけていく。
その他の海外市場では、中国モデルを参考に投資を行い、拡大を目指す。各市場それぞれに独自の嗜好やテイストもあるが、まずは現在保有している豊富な金型で対応が可能と考えている。
またグローバル人材の育成にも力を入れている。
 
<開発提案力強化のために>
当社の企業価値の源泉は開発提案力の高さと考えている。そのため、これからもその強化に力を入れていく。
現在企画開発部及び技術部の合計約40名のスタッフが新製品開発に携わっている。良い製品を生み出すには各人のセンスや興味、関心といった属人ベースの要素もあるが、これに加え「どれだけ試合に出るか?」が、つまり、失敗を恐れずにトライを繰り返すことが重要と考えている。
自社で金型を作ることが出来るメーカーである当社の強みを活かして、担当者にトライ&エラーを繰り返すことが出来る環境を提供している。
この取組みを継続して行っている中で、ノウハウが着実に蓄積されており、個人の力量に過度に依存しないでもヒットを生み出せる仕組みが出来つつある。
また、化粧品用容器を取り扱っていることもあり、消費者目線を活かして、女性の開発スタッフが多数いることも特徴といえる。今後も女性を重要な戦力として育成していく。
 
<投資家へのメッセージ>
ここ数年、売上高は横ばいもしくは緩やかな拡大であったが、今期からギヤを上げる局面に入っていく。
国内では多様化するニーズに対応して製品を供給することで、売上を確実に増大させることが出来ているし、中国では金型開発を拡大させるための準備が整い、成長スピードを加速させるための道筋が国内外共に具体的に見えてきた。
『「挑戦」なくして進化なし』というテーマを掲げ、世界へチャレンジをする当社を是非中長期の視点で応援していただきたい。
 
 
今後の注目点
 
上場競合企業は見当たらないが、プラスチック、包装、メーカーといったキーワードによる類似企業をピックアップし、同社の業績、株価指標と比較してみた。あくまで参考ではあるが、同社のvaluation評価の目安となろう。
 
同社の実績ROEについては本文中でふれたように参考値となるが、今期も2桁を維持すると見込まれ、売上高営業利益率と共に、資本効率性、事業収益性の高さが目を引く。
一方、PER、PBRは低水準にとどまっている。そうした中、短期的な足下業績動向に加え、中期経営計画の進捗状況が注目される。また低valuationの一因としては、認知度の低さ、中期成長戦略についての理解不足もあるだろうから、投資家に対する積極的な情報提供も必要と思われる。