ブリッジレポート
(7839:東証2部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.41】東京モーターサイクルショー見学レポート
取材概要「第42回東京モーターサイクルショー2015の同社の目玉となった「HORNET ADV」と「J-FORCE IV」はまずまずの評価を得たようだ。明確なコンセプト・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年4月21日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
事業内容
プレミアムヘルメットの製造・販売。ヨーロッパをはじめ海外販売比率が高い。
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2013年9月 11,158 1,340 1,299 799
2012年9月 8,606 97 143 65
2011年9月 9,047 395 371 217
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(4/1現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,940円 13,771,990株 26,718百万円 20.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
60.00円 3.1% 121.26円 16.0倍 603.70円 3.2倍
※株価は4/1終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
 
3月27日(金)から3月29日(日)にかけて、江東区有明の東京ビッグサイトにおいて「第42回東京モーターサイクルショー2015」が開催されました。東京モーターサイクルショーは、春のバイクシーズンに先がけて毎年3月下旬に開催されるオートバイと関連アクセサリーの見本市であり、例年100社以上の国内外の車両メーカー、販売代理店、パーツ・アクセサリー関連企業等が出展し、10万人以上の来場者を集めています(モーターサイクル関連の展示会では国内最大の規模を誇る)。
高品質・高付加価値の「プレミアヘルメット」が世界の有力ライダーから高い評価を受けているヘルメット・メーカー SHOEI のブースを訪ねてみました。2015年9月期第1四半期決算の概要と共にご報告致します。
 
 
「東京モーターサイクルショー」は、オートバイ産業の振興と文化の育成・普及を目的に1971年(昭和46年)に第1回が開催された。「第31回大阪モーターサイクルショー2015」と連動している(3月20〜22日)。
 
 
第42回東京モーターサイクルショー2015 −3日間で13万人が来場−
 
 
2015年のモーターサイクルショーには、カワサキ、ホンダ、ヤマハ、スズキといった国内の車両メーカー、ドゥカティ(伊)やハーレーダビッドソン(米)等の海外車両メーカー、パーツ・アクセサリーメーカー、関連団体、更には出版社など144社・団体が出展し、132,249人(前年比16%増)の来場者を集めた。
 
 
 
同社のブースはヘルメット・メーカーのブースとしては大きく、また、白を基調とし、隅々まで十分な照度が確保されているため展示品が見やすく、シンプルではあるが、しっかりと自己主張がなされていた。製品の展示は、今春発売の新製品「HORNET ADV(ホーネット エーディーブイ)」と1月に販売を開始した「J-FORCE IV」を前面に出し、「Z-7」、「GT-Air」、「J-Cruise」、「NEOTEC」といった売れ筋商品が脇を固めるといった構成。山田会長と平野取締役経営管理部長にお話を伺った。
 
主役は2015年のバイクシーズンに向けた新製品「HORNET ADV(ホーネット エーディーブイ)」と「J-FORCE(ジェイ フォース) IV
今年の主役は、欧州、北米、及び日本の世界3極で販売するSport Utility Helmet「HORNET ADV(ホーネット エーディーブイ)」と日本にフォーカスしたプレミアムオープンフェイス「J-FORCE(ジェイ フォース)」シリーズの新製品「J-FORCE IV」。「HORNET ADV」は1月から欧州・北米向けの出荷を開始しており(発売は3月)、日本での販売は4月から。一方、「J-FORCE IV」は1月に販売を開始している。
 
 
「HORNET ADV」は、“クロスカントリーでの走行を可能にする力強さと機能性”、“オンロードを軽快に走る美しさと快適性”、という従来であれば相反するコンセプトを融合した同社にとって新たなカテゴリーのヘルメット。同社は、このカテゴリーのヘルメットを「シーンを選ばないスポーティな走り」を追求したSport Utility Helmet(SUH:スポーツライディング用多目的ヘルメット)と定義しており、「HORNET ADV」は、クロスカントリーでの走行にも対応した新開発のV-460バイザーを搭載する一方、オンロード走行で必要とされる高い空力性能とベンチレーション性能を追求。使い勝手の向上にも心血を注いだ。

欧州では、「HORNET ADV」の商品名で2015年3月に販売を開始し(船積:2015年1月)、メーカー希望小売価格(ドイツ・フランス)は519.00〜619.00ユーロ(税込み)。北米では「HORNET X2」の商品名で、2015年3月に販売を開始し(船積:2015年1月)、メーカー希望小売価格は594.99〜715.99ドル(税抜き)。日本では「HORNET ADV」の商品名で、2015年4月の発売に向け、出荷が始まった。
 
 
日本での限定販売となる「J-FORCE IV」はプレミアムオープンフェイス「J-FORCE」シリーズの新製品。高速域で更にその真価が発揮される先進の空力性能と涼しさを極めたベンチレーションシステム、エッジの効いたフォルム、そしてSHOEIの安全性・快適性の追求と細部にまでこだわったデザインを融合。スポーツジェットの新基準として、「J-FORCE III」から総合的進化を遂げた。

2015年1月に出荷・販売を開始している(メーカー希望小売価格:税抜き45,000円)。
 
 
尚、同社は「レンタル819」(運営会社:(株)キズキレンタルサービス)が提供する、一般ライダーを対象としたSHOEI「J-FORCE IV」のヘルメットレンタルサービスに協賛している。ヘルメット購入の際、店頭で試着はできても、実走行での被り心地やベンチレーション効果等の走行性能は体感できないが、このサービスを利用する事で購入前にヘルメットの性能を体感する事ができる。「レンタル819」のヘルメットレンタルは、通常、オートバイのレンタル利用者のみを対象としているが、2015年3月20日(金)〜2015年10月31日(土)の間、「J-FORCE IV」に限って、ヘルメットのみのレンタルが可能。返却時には、1日分のヘルメットレンタル料金に相当するクーポン券をGetできる(クーポン券は税込1,000円分、次回のレンタルバイク割引券として利用可能)。

詳細:https://www.rental819.com/ad-event/shoei/jforce4/
 
 
 
SHOEI契約ライダー Marc Marquez(マルク・マルケス)選手のヘルメット
左上段の写真は同社の契約ライダーであるマルク・マルケス選手が実際にレースで使用したヘルメット(中央のヘルメットは金箔製)。いずれも非売品だが、レプリカの販売を行っている(下段)。
 
マルク・マルケス選手はスペイン出身(1993年2月17日)のオートバイレーサー。ホンダ・レーシング(HRC)直轄のレプソル・ホンダ(Repsol Honda)に所属在し、2013年シーズンよりロードレース世界選手権Moto GPクラスに参戦。2013年、2014年と2年連続でグランプリを制した。尚、Moto GPクラスは二輪の世界最高峰であり、四輪のF1に相当すると言われている。
ライバルメーカーのブース
SHOEIと国内市場を2分する大手ではあるが、陳列棚を見る限り、SHOEIのように、明確なコンセプトの下で更なる高機能化を図った新製品を継続的に投入している訳ではないようだ。

SHOEIは資金面での優位性に加え、茨城工場に隣接する大型風洞実験施設が強みとなり、開発力でも差をつけているようだ。

シェアアップによる日本での売上拡大余地は大きいと思われる。
 
2015年9月期第1四半期決算及び通期業績予想
 
 
前年同期比2.0%の減収ながら、同21.9%の経常増益
売上高は前年同期比2.0%減の25億89百万円。欧州・北米を中心に海外売上が20億34百万円と同2.9%増加したが、前年同期に消費税率引き上げに伴う駆け込み需要があった日本での売上が5億54百万円と同16.5%減少した。
海外では、イギリス、スペイン、スイス等での代理店の在庫調整の影響を子会社の販売増でカバーした欧州が12億789百万円と同3.2%増加。数量がわずかに減少した北米も、円安効果で5億75百万円と同8.7%増加したが、代理店の在庫調整によるオーストラリアでの売上減少が響き、その他の地域が1億80百万円と同13.7%減少した。

利益面では、対ユーロや対ドルでの円安で欧州子会社の原価率が大幅に低下した他、北米向けの採算も改善し売上総利益が11億54百万円と同17.2%増加。賃金アップに伴う人件費の増加や広告宣伝費等の増加等による販管費の増加を吸収して営業利益が4億79百万円と同21.2%増加した。為替予約にかかる差損の増加(△26百万円→△62百万円)で営業外損益が悪化したものの、法人税調整額の減少で四半期純利益は2億72百万円と同19.2%増加した。

為替の期中平均レートは、ドル円が1USドル=117.48円(前年同期比+15.91円)、ユーロ円が1ユーロ=144.32円(同+4.82円)。海外子会社換算レート(2014年9月30日現在):1USドル=109.45円(同+11.70円)、1ユーロ=138.87円(同+7.00円)。
 
 
法人税や配当金の支払いで第1四半期末の総資産は106億07百万円と前期末に比べて8億71百万円減少した。
 
 
上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比2.0%の増収、同3.6%の経常減益予想
日本での消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減等で売上が伸び悩む中、今期からスタートする大型設備投資に伴う減価償却費(1億52百万円増)、賃金アップに伴う人件費、及び広告宣伝費等の増加が負担となり、営業利益が25億50百万円と同7.8%減少する見込み。ただ、法人税率の低い欧州子会社の利益増で税負担率の低下が見込める事から当期純利益は前期と同水準の16億70百万円を確保できるとみている。

1株当たり利益は、ほぼ前期(121.20円)と同水準の121.26円となる見込み。配当は1株当たり60円の期末配当を予定している(同社は連結配当性向50%を目処に期末配当を実施している)。

設備投資は10億38百万円(前期は5億25百万円)を計画しており、減価償却費は5億50百万円(同3億97百万円)を織り込んだ。為替(期中平均レート)の前提は、1米ドル=108.00円(前期に比べて5.04円の円安)、1ユーロ=138.00円(同1.34円の円高)。足元の為替予約の状況は、ユーロは今期分の予約が完了しており、ドルは30%程度が未予約。
 
 
長期にわたり安定した経営とその成果を実現するべく大型投資第2弾がスタート
同社は06/9期から09/9期にかけて成長のための大型投資第1弾を実施した。この中で特筆すべきは大型風洞実験施設(実験棟及び設備)への投資であり、この風洞実験施設が毎期の継続的な新製品の投入を可能にし、他社との差別化の原動力になっている。

今期からスタートする大型投資第2弾は、長期にわたり安定した経営とその成果を実現する事を目的とした投資であり、具体的には、新製品の為の投資(金型投資)、生産設備更新の為の投資(レーザー加工機の更新、素材自動加工機の増強、塗装設備の更新・改良、新型成形機の開発・導入等)、危機管理の為の投資(工場エアコン設備の改善・増強、電力設備の増強、工場建屋のリフォーム等、安全と環境改善への投資)、及び全社的な業務の改善と合理化に向けた全社管理システム(IT)の改善投資を実施する考えで、15/9期からの5年間で総額40億円の投資を予定している(年間7〜8億円の設備投資を実施する)。
尚、15/9期の設備投資は10億38百万円を予定しているが、20億84百万円の営業キャッシュ・フローが見込まれており、大型の設備投資を吸収して10億46百万円のフリー・キャッシュ・フローを確保できる見込み。
 
 
今後の注目点
第42回東京モーターサイクルショー2015の同社の目玉となった「HORNET ADV」と「J-FORCE IV」はまずまずの評価を得たようだ。明確なコンセプトの下で更なる高機能化を図った新製品を、毎期、継続的に投入できる事が同社の強みであり、開発力とそれを支える資金力で国内のプレミアヘルメット市場を2分するライバル企業を圧倒している。また、欧州では、子会社を中心にした販売ネットワークの整備が進み、販売力が年々向上している(従来、欧州での販売は代理店に依存していたが、現在、売上の70%は子会社経由による販売)。デフレ懸念が残り、必ずしも消費が活発とは言えない中で、欧州での販売が好調なのはこのためだ。
中長期的な成長要因としては、最大のマーケットである欧州の深耕、機能を高めた新製品の継続的な投入による日本でのシェアアップ、更には、現在、代理店1社に頼る北米の販売力強化、の3点を挙げる事ができる。既存代理店との契約があるため、北米での販売力強化は一朝一夕にはいかないが、欧州と日本では着実にその歩みを進めていると考えて良いだろう。

尚、足元の業績は順調に推移しており、上期予想に対する第1四半期(10-12月)の進捗率は、売上高42.2%(前年同期の実績ベースの進捗率41.1%)、営業利益42.8%(同29.0%)、経常利益37.2%(同28.9%)。北米は荒天の影響を受けたが、子会社の販売が好調な欧州に加え、駆け込み需要の反動が出た日本も想定したほど落ち込まなかった。バイクシーズン直前の第2四半期(1-3月)は、例年、第1四半期よりも売上・利益のボリュームが大きくなる事を考えると、上期業績は上振れする可能性が高い。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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