ブリッジレポート
(2317:東証1部) システナ 企業HP
逸見 愛親 社長
逸見 愛親 社長

【ブリッジレポート vol.28】2015年3月期業績レポート
取材概要「ソリューションデザイン事業において、携帯の端末関連分野から非携帯・アプリ・サービス分野へのシフトに目処を付け、また、フレームワーク・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年6月16日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社システナ
社長
逸見 愛親
所在地
東京都港区海岸一丁目2番20号 汐留ビルディング14階
事業内容
スマートフォン向けソフト開発・技術支援、金融機関・企業向けシステム開発、IT関連商品の企業向け販売を中心に、システムの運用・保守、クラウド型業務アプリの開発等も手掛ける
決算期
3月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 36,951 2,226 2,322 940
2014年3月 33,969 1,656 1,746 1,797
2013年3月 31,662 2,244 2,292 1,203
2012年3月 30,630 1,822 1,918 904
2011年3月 39,176 2,579 2,661 2,957
2010年3月 3,636 490 536 340
2009年10月 8,161 1,261 1,258 1,180
2008年10月 9,603 1,816 2,153 1,275
2007年10月 7,930 1,595 1,555 849
2006年10月 5,917 961 967 602
2005年10月 4,180 717 691 561
2004年10月 3,093 677 643 391
2003年10月 2,461 516 511 280
2002年10月 1,940 398 380 196
2001年10月 1,524 180 175 93
株式情報(5/27現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
960円 25,302,600株 24,290百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
32.00円 3.3% 79.63円 12.1倍 507.73円 1.9倍
※株価は5/27終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
システナの2015年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
2010年4月1日に(株)システムプロが、持分法適用会社だったカテナ(株)を吸収合併して誕生。旧(株)システムプロのモバイル端末のほぼ全ての工程に係る技術・ノウハウとオープン系技術、旧カテナ(株)の金融分野の業務知識と基盤系技術を融合した事業展開により新たな領域の開拓を進めている。連結子会社7社及び持分法適用会社2社と共にグループを形成している。
 
 
【会社の経営の基本方針 −安定と成長のバランスを重視した経営−】
経営目標は、「日本を代表するIT企業となり、日本経済を底辺から支える」。その実現のために、「破壊と創造」、「安定と成長」、「保守と革新」と言う相反する課題をバランス良くコントロールし、常に振り子の中心点に経営の軸足を置いた、バランス経営を基本方針としている。
 
【目標とする経営指標】
・安定した高配当
・高い株主資本利益率
・高い売上高営業利益率

目標とする経営指標として、安定した高配当、高い株主資本利益率、高い売上高営業利益率を掲げており、その実現に向け、安定と成長のバランスを重視した経営の基本方針に則り、高収益体質を目指して行く考え。当面の目標(中期経営目標)は、19/3期に連結売上高560億円、営業利益55億円、ROE20%の達成と年間配当1株当たり52円の実施(配当性向40%以上)。
 
【事業内容】
事業は、ソリューションデザイン事業、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、ソリューション営業、クラウド事業、コンシューマサービス事業、及び海外事業に分かれる。15/3期の売上構成比(外部売上ベース)は、ソリューションデザイン事業31.8%、フレームワークデザイン事業11.5%、ITサービス事業13.9%、ソリューション営業41.1%、クラウド事業1.3%、コンシューマサービス事業0.7%、及び海外事業0.3%。
 
ソリューションデザイン事業
車載関連やスマートデバイス等の組み込みソフトの開発、アスマホアプリやWebアプリの開発等を行うサービスソリューション事業と、スマホアプリやWebアプリの性能・評価・品質検証、サービスプロバイダー向けのサーバ監視・運用サービス等を行うクオリティデザイン事業に分かれる。スマートデバイスの開発企業やネットビジネス関連企業に加え、情報家電、社会インフラ、ホームセキュリティ、自動車業界等の非携帯端末分野、更には、エンドユーザの業務システム開発等、幅広くユーザニーズを取り込んでいく考え。
 
フレームワークデザイン事業
国内外の生・損保や銀行を顧客として、金融系システム開発や基盤系システムの開発を行っている。生損保業務では、情報系、契約管理業務、保険料計算、代理店業務から営業管理業務に至るまで幅広い業務ソリューションの開発実績を有し、銀行業務では、メインフレームへの対応はもちろん、オープンシステムの分野においても、営業店系システム及び対外系チャネルシステム等で豊富な開発実績を有する。現状では、業務の大半を金融系システムの開発・運用が占めているが、ITサービス事業やソリューション営業事業との連携による両事業が有する顧客へのクロスセル、或いはスマホアプリやWebアプリ等のソリューションでのソリューションデザイン事業との連携により、金融系の深耕と他業種への横展開を進めている。
 
ITサービス事業
システムやネットワークの運用・保守・監視、ヘルプデスク・ユーザーサポート、データ入力、大量出力等のITアウトソーシングサービスを手掛ける。顧客は電機メーカー、金融機関、外資系企業、官公庁等。
 
ソリューション営業事業
ITプロダクト(サーバ、PC、周辺機器、ソフトウエア)の企業向け販売やシステムインテグレーションを手掛ける。ハード販売型のビジネスからサービス提供型のビジネスへシフトを進めており、ITサービス事業等とも連携して所有から利用(クラウド等)へと変化するニーズを取り込む事で事業拡大、高付加価値化を図っている。顧客は電機メーカー、外資系企業等。
 
クラウド事業
クラウド型サービスの導入支援からアプリケーションの提供までを手掛けており、「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」と同社開発の「cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウエアのクラウドサービスを提供している。現在、パブリック・クラウドに特化しているが、プライベート・クラウドへの対応も進めている。尚、「cloudstep」とは、「Google Apps」等のクラウド型サービスの使い勝手を向上させるための業務アプリケーションや運用者向け管理ツール等の総称。
 
コンシューマサービス事業
連結子会社(株)GaYaを中心とする事業である。自社タイトルやエンジンの複数プラットフォームへの展開、PC/スマホの垣根を越えたマルチ対応ゲーム制作等を手掛けている。
 
海外事業
タイの現地法人Systena (THAILAND) Co.,Ltd.、米国の現地法人Systena America Inc.、及びベトナムの現地法人Systena Vietnam Co.,Ltd.、の3社が事業を進めている。タイの現地法人(バンコク)は、製造業を中心に海外進出した顧客の社内インフラの整備と運用等からスタートしたが、14年6月にサービスを開始したバンコク版レストラン検索アプリ「バングル」が好評で、現在、収益化に向けた取り組みを進めている。米国の現地法人(カリフォルニア州)は、①米国に進出した国内大手通信キャリアや米国でデバイス及びサービスを展開するメーカー向けのモバイル及び通信関連の開発・検証支援、②FirefoxやTIZEN等、第3のOSを搭載したスマートデバイスやオートモーティブデバイスの研究開発、及び③SNSゲームや自社商材コンテンツを利用したスマホアプリの展開等を事業領域とし、最新技術・サービスの動向調査やインキュベーションセンターとしての機能も担っている。また、タイの現地法人、米国の現地法人共に、日本の文化、コンテンツ、サービスの海外展開にも取り組んでいる。
一方、ベトナムの現地法人(ハノイ)は、ソフトウエア開発・検証評価・保守運用、ITサービス全般等を手掛けており、オフショアとしての位置付け。「バングル」関連のアプリ開発受託で、タイの現地法人との連携を強化している。
 
 
2015年3月期決算
 
 
前期比8.8%の増収、同32.9%の経常増益
陳腐化したビジネスモデルを一新し、付加価値の高い成長分野への経営資源の再配置とビジネスモデルの転換を図った結果、売上・利益が大幅に増加した。

売上高は前期比8.8%増の369億51百万円。Windows XPのサポート終了に伴う駆け込み需要の反動でソリューション営業事業の売上が減少したものの、モバイル端末開発の豊富な経験と実績が評価され非携帯分野が増加したソリューションデザイン事業の売上が同22.1%増と伸長。ソリューション営業との連携による営業強化でフレームワークデザイン事業(同22.0%の増収)やITサービス事業(同12.0%の増収)の売上も高い伸びを示した。

利益面では、人材増強等の先行投資が負担となったITサービス事業や円安で輸入商材の原価率が悪化したクラウド事業を除く各事業で利益率が改善。人員増等による販管費の増加を吸収して連結営業利益は22億26百万円と同34.4%増加した。当期純利益が減少したのは、平成27年度税制改正(法人実効税率の引き下げ及び欠損金の控除限度額の縮小)に伴い、繰延税金資産6億24百万円を取崩した事による。

期末配当は、1株当たり15円を予定しており、上期末配当と合わせて年30円となる。
 
 
ソリューションデザイン事業
売上高117億60百万円(前期比22.1%増)、営業利益10億34百万円(同37.6%増)。国内スマートフォン端末メーカーのシェアが低下し、端末関連の案件が減少する厳しい事業環境だったが、モバイル端末開発の豊富な経験と実績が評価され、非携帯分野の売上が増加した。具体的には、キャリア向けアプリや大型の車載関連システムで組み込みソフトの開発が増加した他、モバイル機器を使ったネットビジネス関連でWebシステム系の開発も増加した。
 
フレームワークデザイン事業
売上高42億43百万円(前期比22.0%増)、営業利益3億85百万円(同51.9%増)。大型生保案件、年度末のスポット対応、更には銀行の次期システム構築案件がけん引し売上が伸び、限界利益の増加で収益性の改善も進んだ。
 
ITサービス事業
売上高51億34百万円(前期比12.0%増)、営業利益3億3百万円(同0.8%増)。主力のヘルプデスクやシステムオペレーターの恒久業務が堅調に推移する中、パソコン・タブレット端末の導入案件やITトレーニング等のスポット案件が売上を押し上げた。ただ、人員の増強等の先行投資が負担となり、利益はわずかな増加にとどまった。
 
ソリューション営業
売上高151億93百万円(前期比3.5%減)、営業利益4億79百万円(同28.4%増)。Windows XPのサポート終了に伴う買い替え需要の反動減をカバーできず売上が減少したものの、開発部門との連携による機器販売から、インフラ構築、システム開発、保守運用に至る付加価値の高いワンストップ案件の取り込み等で利益が大幅に増加した。
 
クラウド事業
売上高4億59百万円(前期比9.0%減)、営業利益38百万円(同11.0%減)。円安により主力取扱商品「Google Apps」の仕入価格が高騰したため、自社商品「cloudstep」を中心とした戦略へシフトした。セキュリティ系の新サービス投入や既存サービス強化で「cloudstep」の契約更新や新規客の獲得が進んだものの、「Google Apps」の販売を抑制した影響で売上が減少。高騰した仕入価格が利益を圧迫した。尚、「cloudstep」とは、「Google Apps」や「Microsoft Office 365」等のクラウドサービスをより使いやすく、より安全に利用するための業務アプリケーションや運用者向けの管理ツールである。
 
コンシューマサービス事業
売上高2億64百万円(前期比120.2%増)、営業利益35百万円(前期は営業損失46百万円)。既存タイトルの運営が堅調に推移する中、大手SNSサイト運用会社との協業による新規ゲームの開発・運営により、売上が増加し損益分岐点を超えた。
 
海外事業
売上高1億10百万円(前期は8百万円)、営業損失64百万円(前期は営業損失45百万円)。Systena (THAILAND) Co.,Ltd. は、サービス機能の拡充効果もあり、バンコク版レストラン検索アプリ「バングル」が23,000超のダウンロードを獲得。サービス課金を開始した。
一方、Systena America Inc.は、大手通信キャリアやスマートフォンメーカーの北米製品のローカライズ開発・検証支援がスタートしており、新規取引先からの受注も獲得。カリフォルニア以外にも拠点展開を進めた。
 
 
 
期末総資産は前期末に比べて11億70百万円増の214億25百万円。キャッシュ・フローの改善で現預金が増加した他、業容拡大で売上債権・仕入債務が増加。利益の増加で未払法人税・消費税等も増加した。一方、短期借入金を中心に有利子負債が減少した。
流動比率213.4%(前期216.5%)、固定比率30.1%(同39.3%)、と流動性、長期的な財務の安定性共に良好。自己資本比率は60.0%(同63.4%)。
 
 
利益の増加と資金効率の改善で、前期は14億90百万円だった営業キャッシュ・フロー(CF)が27億57百万円に増加。固定資産の売却がなかったため投資CFがマイナスとなったものの、23億90百万円のフリーCFを確保した。短期借入金を中心に約定返済が進み財務CFのマイナス幅が拡大したものの、現金及び現金同等物期末残高は59億62百万円と同16.1%増加した。
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE =売上高当期純利益率×総資産回転率×レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
業容拡大で総資産回転率、レバレッジが拡大したものの、繰延税金資産の取崩しで当期純利益が減少したため売上高当期純利益率が低下した(前期は繰延税金資産の計上で当期純利益が税引前当期純利益を上回った)。繰延税金資産の取崩しがなければ、ROEは10%を超えていたものと思われる。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比8.3%の増収、同14.1%の経常増益を見込む
売上高は前期比8.3%増の400億円。全てのセグメントで売上の増加が見込まれ、特に車載関連やスマホやタブレットを使ったサービス等のアプリやサーバーサイドの開発・検証、電力自由化関連、マイナンバー関連といった社会インフラ分野が伸びるソリューションデザイン事業、社内連携強化の成果が現れるフレームワークデザイン事業やITサービス事業で高い売上の伸びが見込まれる。

利益面では、利益率の高いソリューションデザイン事業やフレームワークデザイン事業の売上構成比の上昇等で営業利益が26億50百万円と同19.0%増加する見込み。繰延税金資産の取り崩し等がなければ、当期純利益は20億15百万円と同2.1倍に拡大する見込み。

配当は2円増配の32円を予定している(上期末16円、期末16円)。
 
 
ソリューションデザイン事業
売上高132億58百万円(前期比12.7%増)、営業利益13億21百万円(同27.7%増)。引き続き車載関連の組み込みソフトの開発やスマートフォン・タブレットを使ったサービス等のアプリケーション及びサーバーサイドの開発・検証が増加する他、電力自由化に伴う運用システムやマイナンバー制導入に伴う社会インフラ関連の開発、スマートフォン向け不正送金・フィッシング詐欺対策アプリ「Web Shelter」等の増加も見込まれる。この他、モバイル機器を使った決済システムの決済事故未然防止システムや社内システムのクラウド化に欠かさせない各種アプリの開発・販売にも注力する。
 
フレームワークデザイン事業
売上高46億68百万円(前期比10.0%増)、営業利益5億23百万円(同35.7%増)。金融機関の情報系・店舗系やマイナンバーに関わる投資案件が増加する見込み。また、ソリューション営業本部との連携を強化し、金融以外の幅広い業種への営業を強化する。
 
ITサービス事業
売上高56億81百万円(前期比10.7%増)、営業利益3億75百万円(同23.6%増)。ヘルプデスクやシステムオペレーターといった恒久業務が堅調に推移する見込み。海外進出支援、ITコンサル、ITプロジェクトマネジメント等、収益性の高い案件の取り込みで売上の上積みを図ると共に収益性の改善につなげたい考え。
 
ソリューション営業
売上高155億円(前期比2.0%増)、営業利益4億63百万円(同3.4%減)。「IT基盤構築ビジネスの強化」による売上増と「サービスの拡販」による収益性の改善に取り組む。「IT基盤構築ビジネスの強化」では、アセスメントサービスから仮想化への提案営業を展開し、「サービスの拡販」では、オンプレミス(自社での保有・運用)からハイブリッドクラウド(自社での保有・運用とクラウドの併用)への対応を強化する。また、サービス案件の評価・検証といった新商材・新ソリューションの立ち上げによるサービス領域の拡大を図る他、新規クライアントの発掘に向け大阪営業所・名古屋営業所を強化する。
 
クラウド事業
売上高5億(前期比8.7%増)、営業利益20百万円(同47.5%減)。クラウド化が遅れているグループウエア導入済み企業に対して「Google Apps for Business(以下、Google Apps)」と同社開発の「cloudstep」を組み合わせたシステナ版グループウエアのクラウドサービスの拡販を図ると共に、グループウエアのクラウド化を進めている企業に対して「cloudstep」の業務アプリケーションや運用者向けの管理ツールの販売を強化する。
 
コンシューマサービス事業
売上高2億73百万円(前期比3.4%増)、営業利益35百万円(同0.3%減)。カードバトルゲームのエンジン展開をベースに、パソコン用ブラウザゲームで売上の上積みを図る考えだが、スマートフォン向けネイティブゲームの開発費が利益を圧迫する。カードバトルゲームのエンジンは、DMM等、多数のプラットフォームへライセンス提供しており、このうちNTTドコモが運営するプラットフォーム「dゲーム」には喋る・動く機能を追加してライセンス提供している。また、パソコン用ブラウザゲームでは、16/3期第1四半期にYahoo!及びMobageで育成ゲームのリリースを予定している他、現在取引のないプラットフォームとの商談も進んでいる(第2四半期に2プラットフォームの追加を予定)。この他、他社カードの素材をカードバトルゲームエンジンに載せた低コストのタイトル投入を第3四半期に予定している。
 
海外事業
売上高1億20百万円(前期比8.9%増)、営業損失87百万円(前期は営業損失64百万円)。このうちSystena (THAILAND) Co.,Ltd.は売上高40百万円(前期比900.0%増)、営業損失40百万円を見込む。「バングル」のブラッシュアップを行うと共に、ベトナムのオフショア開発会社と連携したアプリ開発受託を強化する。「バングル」は、現在の「口コミ」サイトから電子チラシとしてのサービスに特化した販促の強化、パソコンサイトのリリース(4月に実施)、既存登録店の有償化、更にはWebサイトでの広告収入獲得に取り組む事で収益力を強化する。アプリの開発受託では、タイ日系サービス業を中心に「バングル」アプリをプラットフォームとしたアプリ開発を推進する。上期中に「バングル」の先行投資を完了し、10月以降の単月黒字化を目指している。

一方、Systena America Inc.は売上高2億50百万円(前期比142.7%増)、営業損失40百万円を見込む。モバイルや通信関連の開発・検証支援事業に加え、日本発祥のアニメ文化、SNSゲーム、コンテンツの米国展開(コンテンツビジネス)を進めていく他、インキュベーションセンターとして最新技術・サービスの動向調査にも拠点を活用していく考え。モバイル検証の本格化で売上が増加するものの、コンテンツビジネスの立ち上げに伴う先行投資が負担となる。モバイルや通信関連の開発・検証支援事業では、通信試験Lab構築案件、アプリ検証・フィールド検証を受注済みである。日系企業に加え、現地企業への営業を強化する事で新規獲得に努め、案件の積み上げを図る。
 
 
事業環境と中期4ヵ年計画(16/3期〜19/3期)
 
【事業環境  国内IT市場の見通しと同社が取り組むべき市場・分野】
調査会社によると、国内IT市場は、2015年に限れば、2014年までのXP特需の反動でマイナス成長が予想されるものの、2019年までの中期トレンドは景気回復を背景に拡大基調が続く見込みだ。ただ、成長する市場・分野がある一方、縮小する市場・分野があるため、市場全体では年率1.1%の低成長にとどまる見込みで、市場・分野の見極めがビジネスの明暗を分ける(調査会社では、2019年にかけての平均成長率を、ITサービス1.6%、パッケージソフト4.0%、ハードウエア△0.6%、とみている)。
 
旬なキーワードのキャッチアップ
事業の成長を取り込むためのキーワードとして、「スマートデバイスの拡大・プライベート・パブリツク・クラウド」、「マイナンバー」、「オリンピック」、「電力自由化」等が列挙されており、これら旬なキーワードへのキヤツチアツプが必要と言う。例えば、「マイナンバー」への対応に伴うシステム投資は3兆円と言われており、同社には、民間、金融、公共のシステム対応支援や業務対応支援、「Web Shelter for My Number」の販売等でビジネスチャンスがある。また、「電力自由化」では、電力会社等の自由化に向けたIT投資の支援に加え、サービス提供段階でのHEMS(住宅向けエネルギー監理システム)や事業所EMS(エネルギー監理システム)市場におけるIoT関連の案件も期待できる(電力自由化関連での電力会社等のIT投資は、2014年の2,000億円から2017年に4,560億円に拡大し、更に2020年まで4,000億円以上のIT投資が続く見通しで、2020年の国内市場は1兆円超と見られている)。
 
同社が取り組むべき市場・分野
同社は上記を踏まえて、取り組むべき成長市場・分野を、「自動車」、「ロボティクス」、「セキュリティ」、「アプリ」、「スマートデバイスを利用したEC決済」等、としている。

「自動車」では、車載機の普及とスマートデバイスの連携(通信)、自動車とICTの連携アプリケーションやサービス、自動運転や自動ブレーキ等の制御、Linuxベースの車載機や自動車制御、及びIoTといった分野がターゲットとなる。「スマートデバイスを利用したEC決済」では、自社商材の販売を中心に更なる成長が見込まれるEC及び電子決済マーケツトに注力していく考えで、セキュリティ(Web Shelter)、O2O(Online to Offline、ミーム)、サービス・アプリケーション、スマートデバイス、電子決済、及び地理空間情報活用等がターゲットとなる。

また、自社開発の製品・サービスやグローバルビジネスにも力を入れていく考えで、「cloudstep」におけるB2Bクラウド・ソリューション製品群の拡充、「Web Shelter」における金融機関向け、企業向けスマートデバイス向けセキュリティ製品の拡充、更にはリコメンデーション、ジオフェンシング、チラシ・クーポン標準搭載の高機能O2O プラットフォーム「ミーム」や日清紡グループが運営する太陽光発電の遠隔監視システムのプラットフォームとして実績のあるM2Mプラットフォーム「Smart Attach」の拡販等を具体的な取り組みとして挙げている。
 
【中期4ヵ年計画(16/3期〜19/3期) −成長工ンジンの再構築により、4年後の営業利益を2.5倍に−】
重視する経営指標(KPI)と2019年3月期の目標
 
ソリューションデザイン事業
19/3期の目標は売上高185億円、営業利益22億円(15/3期 売上高117億60百万円、営業利益10億34百万円)。セグメント全体で売上を1.6倍、営業利益を2.1倍に拡大させる考えで、車載・社会インフラについては売上3.7倍、営業利益4.8倍を見込んでいる。
主な内訳は、車載が売上高36億円、営業利益4.6億円、プロダクトが売上高17億円、営業利益2.2億円、社会インフラでは、社会インフラが売上高35億円、営業利益4.1億円、業務系が売上高26億円、営業利益3億円。ネットビジネスでは、ネットビジネスが売上高62億円、営業利益7億円、スマートフォンが売上高9億円、営業利益1.1億円。
 
フレームワークデザイン事業
19/3期の目標は売上高65億円、営業利益8億円(15/3期 売上高42億43百万円、営業利益3億85百万円)。売上を1.5倍、営業利益を2.1倍に拡大させたい考えで、本部間協業・新規サービスについては売上20倍、営業利益40倍を見込んでいる。
金融(保険・銀行)での開発実績やノウ八ウを活かして他業種の基幹システム関連等で水平展開(ワークフロー開発や長期保守)していく。また、本部間協業を拡大しストツク型ビジネスへの転換にも取り組む。
 
数値目標
非金融向けビジネス売上高7.1億円、営業利益0.7憶円 ⇒ 売上高20億円、営業利益2.8億円
既存顧客基盤拡充売上高34.5億円、営業利益3.1憶円 ⇒ 売上高37億円、営業利益4.0億円
本部間協業・新規サービス 売上高0.4億円、営業利益0.03憶円 ⇒ 売上高8億円、営業利益1.2億円
 
ITサービス事業
19/3期の目標は売上高70億円、営業利益7億円(15/3期 売上高51億34百万円、営業利益3億3百万円)。
従来と異なる側面からアプローチする事で、上流工程やサービス構築等のより付加価値の高いサービスへ転換するスキームを確立し、継続的な売上・利益の向上につなげていく。付加価値の高いサービスとして、海外拠点進出サービス、ITサポート環境構築サービス、社内システム環境整備サービス、インフラ最適化サービス、プロジエクト推進サービス、スマートデ八イス運用支援サービス、及びITトレーニングサービス等を挙げており、これら高付加価値サービス(売上総利益率32%)の売上構成比を30%から70%超に引き上げる考え。セグメント全体の売上総利益率が23%から28%に上昇する見込み。
 
ソリューション営業
19/3期の目標は売上高200億円、営業利益8億円(15/3期 売上高151億93百万円、営業利益4億79百万円)。サービス売上高を40億円に引き上げ、売上構成比を20%とする事で、15/3期に3.2%だった営業利益率を4.0%に高めたい考え。当事業が総合営業としてシステナの全ての商材・サービスを販売していく事を基本方針とし、ハイブリッド環境への対応強化、ストックビジネスの拡大、及び本部間連携によるシナジー拡大、に取り組んでいく。
 
数値目標
既存ビジネス売上高133億円、営業利益3.3億円 ⇒ 売上高160億円、営業利益4.8億円(利益率3%)
クラウドを利用したインフラサービス(八イブリッド/ストック)売上高17億円、営業利益1.3億円 ⇒ 売上高28億円、営業利益2.4億円(利益率9%)
クラウドを利用したSaasビジネス(八イブリッド/ストック)売上高0.5億円、営業利益0.0億 ⇒ 売上高12億円、営業利益0.8億円((利益率7%)
 
【新企隊本部の発足】
5月に新企隊本部を発足させた。新企隊本部の目的は二つあり、一つは、自社商材、自社サービス、自社コンテンツ等の高付加価値な事業創造を通じて、ストックビジネスを拡大させる事、そしてもう一つは、海外事業の早期黒字化。このため、新企隊本部の下に、ブロダクトイベーション事業部とジャポニズムイノベーション事業部が設置され、更にブロダクトイベーション事業部の下にクラウド事業部が、ジャポニズムイノベーション事業部の配下に、(株)GaYa、Systena (THAILAND) Co.,Ltd.及びSystena America Inc.が、それぞれ配置された。

海外事業の早期黒字化では、既存事業の早期軌道化に加え、連結子会社(株)GaYaを通じた日本発祥のアニメやゲームコンテンツの輸出支援、シリコンバレーのシーズ、ベンチャー等のサービスやイノベーションの日本・アジアへの展開支援や、ITマネジメント事業本部との連携により、アジア地域に進出する金融機関向けにITサービス事業等を展開して行く(海外子会社とシステナ本体との連携を強化し、海外子会社独自で事業活動を行うビジネスモデルからALLシステナの経営資源を有効活用するビジネスモデルに転換)。

新企隊本部は、自社開発製品及びサービスと日本文化に根付くコンテンツを武器にしたグローバルビジネスを展開し、19/3期に売上高40億円、営業利益10億円の収益寄与を目指している。
 
 
 
今後の注目点
ソリューションデザイン事業において、携帯の端末関連分野から非携帯・アプリ・サービス分野へのシフトに目処を付け、また、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、及びソリューション営業においては、本部間連携と高付加価値化による営業力強化と収益力強化に道筋をつける事ができた。これにより、16/3期以降、成長基盤の構築ステージから本格的な成長・業容拡大ステージに移行する事になり、今後の取り組みと方向性を示したのが、中期4ヵ年計画である。19/3期にかけて、技術やノウハウも含め、携帯分野やWeb系で培った経営資源を、車載、スマートデバイス、社会インフラに振り向ける事でソリューションデザイン事業を伸ばすと共に、フレームワークデザイン事業、ITサービス事業、及びソリューション営業においては、本部関連携の強化と事業の高付加価値化・サービス化に取り組む事で旧カテナの優れた顧客資産を活かしていく。16/3期の業績予想を確実に達成する事で取り組みが着実に進捗している事を示したいところだ。
 
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