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(2468:東証マザーズ) フュートレック 企業HP
藤木 英幸 社長
藤木 英幸 社長

【ブリッジレポート vol.29】2015年3月期業績レポート
取材概要「同社の強みである音声認識技術と新規事業で開始した翻訳事業とのシナジーにより、今後幅広い用途での言語コミュニケーションの実現が可能に・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年7月14日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フュートレック
社長
藤木 英幸
所在地
大阪市淀川区西中島 6-1-1
事業内容
携帯電話用音源LSIの開発で成長。現在は、音声認識技術やそれを発展させた音声対話技術を中心とした音声認識事業が主軸。2012年3月からは、NTTドコモの「しゃべってコンシェル」に音声認識エンジンを提供。2015年3月期より再成長のための経営方針「Re-Built」を掲げ、機械翻訳事業を開始。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 2,388 -192 -172 -377
2014年3月 2,421 431 465 273
2013年3月 3,165 896 901 491
2012年3月 2,562 501 502 261
2011年3月 2,085 482 485 284
2010年3月 1,996 530 540 315
2009年3月 1,777 404 415 221
2008年3月 1,598 264 277 159
2007年3月 1,253 249 256 162
2006年3月 1,443 173 165 99
2005年3月 1,059 69 79 33
2004年3月 907 9 6 -1
2003年3月 736 12 12 3
2002年3月 435 17 34 29
株式情報(6/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
557円 9,312,800株 5,187百万円 -12.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0% -17.18円 -倍 306.74円 1.8倍
※株価は6/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フュートレックの2015年3月期決算概要などについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
スマートフォンに話しかけるだけで操作を行う事ができるスマートフォンアプリ「しゃべってカンタン操作」(NTTドコモ)や声で入力できる銀行向け業務日報ソリューション等、「多くのビジネスシーンにも耐え得る高い認識精度」、「幅広い品揃え」、及び「カスタマイズ可能な柔軟性」を強みとする音声認識技術を用いてソリューションを展開。NTTドコモの音声エージェントサービス「しゃべってコンシェル」は、同社の音声認識エンジンを使用してサービスが提供されている。2015年3月期より再成長のための経営方針「Re-Built」を掲げ、機械翻訳事業を開始。
グループは、同社の他、音声認識コア技術の開発を担う(株)ATR-Trek、スマートフォンやタブレット向けアプリ開発の(株)スーパーワン、翻訳事業等を手掛ける(株)メディア総合研究所の連結子会社3社。NTTドコモ・グループが発行済株式の約6%を保有し、15/3期はNTTドコモ向けの売上高が全体の34.9%を占めた。
 
【事業内容】
事業は、ライセンス事業、翻訳事業とその他事業に分かれ、15/3期の売上構成比はライセンス事業が58.6%、翻訳事業が21.5%、その他事業が19.9%。また、ライセンス事業は、音声認識・UIソリューション事業分野(同42.6%)、音源事業分野(同5.6%)、CRMソリューション事業分野(同10.4%)に分かれ、その他事業は基盤事業分野(同5.3%)及びカード事業分野(同1.0%)、その他(IT・映像・国際)事業分野(同13.6%)に分かれる。各事業の概要は次の通り。
 
 
フュートレックの音声認識関連技術は、3つの製品を中心として展開している。ひとつは音声認識で、ユーザーの声を認識する技術。次に、音声合成で、文章を機器に発話させる技術である。音声対話は機器と対話しながら操作できる技術である。
 
 
尚、音声認識・UIソリューション事業分野の収益は、技術や製品を提供する際、最初に受け取る許諾料「イニシャルフィー(初期許諾料)」、技術や製品を搭載するに当たり、周辺のシステム改変等を行う場合(実施毎)に受け取る実費用「カスタマイズ費用」、技術や製品を搭載した最終製品の生産や販売等に応じて、「1台当たり」、「1ダウンロード当たり」等の基準で受け取る継続許諾料「ランニングロイヤルティ」等からなる(ビジネス環境の変化等でこのビジネスモデルに収まらないものも増えている)。
 
 
2015年3月期決算
 
 
15/3期は前年同期比1.4%の減収、172百万円の経常損失(前年同期は4億65百万円の利益)。
携帯電話市場向けのイニシャル及びランニングロイヤルティの収入が減少した。ただ、いずれも当初から織り込み済みで、想定の範囲内。

「Re−Built(リ・ビルト)」の経営方針のもと、2年間で事業を再度成長軌道に戻すために、新規事業の創出と事業化及び、音声認識事業の収益安定のためのビジネスモデル構築を目標として活動しており、活動の1年目となる15年3月期は、新規事業創出活動においては想定以上の成果を得た。ただし、ライセンス事業の収益向上には至らず業績予想のとおり赤字決算となった。なお今期より、新規事業の創出として、翻訳事業等が付け加わったことにより、翻訳事業から5億14百万円、その他事業として3億23百万円が売上に加わった。
 
 
ライセンス事業(音声認識・UIソリューション事業分野、音源事業分野、CRMソリューション事業分野)
売上高は前期比37.6%減の13億99百万円。このうち音声認識・UIソリューション事業分野の売上高は同39.7%減の10億17百万円。前年と比較して携帯電話市場向けのイニシャル及びランニングロイヤルティの収入が減少した。また、前年にフィーチャーフォンの一部機種において一括ロイヤルティを計上したため、(株)NTTドコモとの音源IPライセンス契約に基づくロイヤルティ収入が減少し、音源事業分野の売上高は同48.2%減の1億33百万円となった。CRMソリューション事業分野では、受託開発の売上が減少し、売上高は2億48百万円と同16.5%減少した。
 
翻訳事業(翻訳事業分野)
翻訳事業は、新たに連結子会社となった株式会社メディア総合研究所の主力事業である。2014年10月の子会社化に伴い、半年分の売上高が貢献し、5億14百万円を計上した。
 
その他IT関連事業(基盤事業分野、カード事業分野、IT事業分野、映像事業分野、国際事業分野)
売上高は前期比165.2%増の474百万円。基盤事業分野では、子会社である株式会社スーパーワンのデジタル教科書開発に係る受注が増加したことにより、売上高は126百万円(同93.1%増)となった。カード事業分野では、大手予備校からの書込み受託業務が終了したため、英語リスニング模擬試験用メモリーカードの書込みによる収入が大幅に減少し、売上高は同78.7%減の24百万円。子会社である株式会社メディア総合研究所が展開するIT事業分野と映像事業分野、国際事業分野の売上高合計は323百万円となった。
 
 
今期末の総資産は前期末比507百万円増の49億84百万円。受取手形及び売掛金および短期貸付金が減少したが、現金及び預金の増加等により、流動資産は49百万円増加。のれんの増加やソフトウェアの増加、投資有価証券の増加により、固定資産は457百万円増加した。買掛金の増加、長期借入金の増加により負債が増加し、自己資本比率は73.9%から57.3%へと低下した。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比43.6%の増収、32百万円の経常赤字の改善を目指す
2016年3月期は、メディア総合研究所の子会社化が通年寄与することで、売上高は大幅に増加する(2015年3月期は半年分の寄与)。一方で、利益率が高い音声認識事業での減収等で、2016年3月期には経常利益の黒字転換は見込んでいない。新しく立ち上げた新規事業の業績への影響、音声認識事業の改善効果が業績に反映されるのは2017年3月以降になると考えられる。
 
Re-Built2年目として、成長軌道への回帰に向けて
2015年3月期から2016年3月期の2年間を「Re-Built」の経営方針のもと、1)音声認識事業の選択と集中、2)新規事業の創出、3)人事労務改革の断行、4)グループ各社の事業改革の実践を強力に推し進めている。
音声認識事業の選択と集中としては、収益性の高い分野を選択し、集中して拡販活動にあたる。自動車・車載機器や業務ソリューションを注力分野に挙げる。自動車関連では、市販カーナビへの搭載事例は増えてきた。今後はメーカー純正のカーナビゲーションへの搭載を目標に多言語音声認識やノイズ環境対応などをさらに推し進める。業務ソリューションでは、ウェアラブルなどの新しい端末向けの開発・販売に注力する。また、個別カスタマイズ対応を削減し、同業界・同使用用途等で汎用的に使用できる商品を開発することで、汎用的商品ラインナップの拡充を目指していく。
新規事業の創出活動においては、機械翻訳事業を開始。2014年10月にNTTドコモ及びシストラン・インターナショナルと共に、株式会社みらい翻訳を設立し、日本語を軸とした世界最高レベルの機械翻訳精度を持つシステムの開発と実用化に向けて動き出した。その機械翻訳精度向上には、正しい翻訳結果を示す対訳コーパスが必要になる。対訳コーパスの作成には、人による高度な翻訳が必要であり、メディア総合研究所の高度で専門性の高い翻訳者が活きてくる。また、11月にはATR-Trekが「グローバルコミュニケーション開発推進協議会」に設立発起人として参画した。国家プロジェクトに積極的に参加することで大きな動きを把握し、自社の活動に活かしていく。
その他の投資としては、TranscribeMe, Inc社と資本業務提携し、音声書き起こしサービスを開始した。また、VocalZoom System Ltd.と資本業務提携を2015年1月に発表した。
その他、グループ各社の目標を明確にして事業改革に取り組む。ATR-Trekは音声認識のコア技術の開発及び多言語化、スーパーワンはタブレット商品カタログアプリ「カラログ」などの自社製品の開発・拡販やデジタル教科書の開発関連事業への注力、メディア総合研究所は専門性の高い翻訳技術を活かし、翻訳市場での売上、利益拡大への注力、機械翻訳の精度向上である。子会社各社が目標に向けて邁進するとともに、グループ全体としてのシナジーを追及していきたい考えだ。
 
 
今後の注目点
同社の強みである音声認識技術と新規事業で開始した翻訳事業とのシナジーにより、今後幅広い用途での言語コミュニケーションの実現が可能になると同社は考えている。特に、株式会社みらい翻訳への資本参加により、日本語を軸とした世界最高レベルの機械翻訳精度をもつ翻訳技術の開発及び音声認識と融合したサービス提供を目指してゆく。また、「機械翻訳」の精度向上に不可欠な「高度で専門的な翻訳技術をもつ翻訳者」が多数在籍している(株)メディア総合研究所の子会社化は、次の強力な成長ドライバーになるものと考えられる。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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