ブリッジレポート
(2925) 株式会社ピックルスコーポレーション

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ブリッジレポート:(2925)ピックルスコーポレーション vol.30

(2925:JASDAQ) ピックルスコーポレーション 企業HP
宮本 雅弘 社長
宮本 雅弘 社長

【ブリッジレポート vol.30】2016年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「第1四半期は減益となったものの、その要因は天候要因と計画に沿った広告宣伝費の増加であり、深刻なものではない(コストコントロールは機能して・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年7月28日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社ピックルスコーポレーション
社長
宮本 雅弘
所在地
埼玉県所沢市くすのき台3-18-3
決算期
2月末日
業種
食料品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年2月 26,805 1,056 1,098 503
2014年2月 25,648 852 971 608
2013年2月 24,063 915 974 570
2012年2月 21,587 982 1,066 591
2011年2月 20,824 577 624 365
2010年2月 18,234 536 583 322
2009年2月 18,502 399 413 202
2008年2月 17,870 286 373 205
2007年2月 16,775 293 355 218
2006年2月 16,563 158 205 -37
2005年2月 18,186 74 146 144
2004年2月 18,038 268 285 99
2003年2月 18,047 101 98 36
2002年2月 16,542 548 514 230
2001年2月 16,895 302 287 266
株式情報(7/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,365円 5,036,486株 6,875百万円 7.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
15.00円 1.1% 149.47円 9.1倍 1,412.07円 1.0倍
※株価は7/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
ピックルスコーポレーションの2016年2月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
浅漬・キムチ・惣菜の製造・販売及び漬物等の仕入販売を行なっており、子会社9社(うち連結子会社5社)、持分法適用関連会社4社と共に全国的な製造・販売ネットワークを構築している。「野菜の元気をお届けします」をスローガンに掲げ、コーポレートカラーの緑は新鮮感を表す。自社製品は、契約栽培によるトレーサビリティの確保された国産野菜(約70%が契約栽培)が中心で、保存料・合成着色料は使用しない。また、製造現場では、工場内での温度管理の徹底や入室前の全従業員の服装・健康チェック、更にはHACCPの導入やISO9001の認証取得、更には5S活動に取り組む等、「安全な食へのこだわり」は強い。

15/2期の品目別売上構成は、製品売上が68.1%(浅漬・キムチ47.0%、惣菜19.1%、ふる漬2.0%)、商品(漬物)売上が31.9%。主要な販売先は、セブン&アイ・ホールディングス(3382)で、15/2期は同グループ向けの売上が全体の31.3%を占めた(12/2期37.9%、13/2期35.6、14/2期33.6と依存度は低下傾向にある)。内訳は、(株)セブン-イレブン・ジャパン16.3%(14/2期16.3%)、(株)イトーヨーカ堂8.6%(14/2期10.4%)、その他のグループ企業6.4%(14/2期6.9%)。
 
【経営理念】
経営理念は「おいしくて安全、安心な商品を消費者にお届けし、同時に地球環境に配慮した企業経営を目指します」。その上で、①安全でおいしい製品を作るための品質管理、②地球環境に配慮した企業経営、③従業員のモラルアップと安全・健康を第一とした職場づくり、を経営方針として掲げている。この方針に則り、品質管理の国際規格であるISO9001認証、HACCP認定や環境管理の国際規格であるISO14001認証を取得している他、人事制度や教育制度等の充実を図る等で従業員教育にも力を入れている。
今後も、この方針を基に企業活動を行う事で、「安全・安心」な食品の提供という、食品会社の基本姿勢を貫き、消費者の信頼獲得と社会への貢献を果たしていきたい」としている。
 
HACCP:米国で宇宙食の安全性を確保するために開発された食品衛生管理の方法。同社は日本デリカフーズ協同組合(セブン‐イレブン・ジャパンに販売する弁当・惣菜メーカー等が加入)独自のHACCP認定に取り組む。
ISO9001:業務全般にわたった品質マネジメントシステムについての国際規格。取得のためには安定した品質、サービスを供給するために会社としての方針の設定とその方針に沿った仕組みや手順の構築、PDCAサイクルに則った継続的改善を行う事等が要求される。
ISO14001:組織活動、製品及びサービスの環境負荷の低減といった環境パフォーマンスの改善を実施する仕組みが継続的に運用されるシステム(環境マネジメントシステム)を構築することが要求される。
(同社資料より)
 
【強み】
大ヒットしている「ご飯がススム キムチシリーズ」や各種惣菜等、切れ目無く新商品を投入できる商品開発力と、全国をカバーする営業・製造・物流ネットワークを強みとする。キムチの製法や味付け手法は多種多様。同社は強みである商品開発力を活かしてキムチのラインナップを強化する事で継続的に需要を生み出しており、この商品開発力が第3の柱として育成中の惣菜事業にも活かされている。また、もう一つの強みである全国ネットワークについて言えば、漬物業界・惣菜業界において、全国ネットワークを有するのは同社のみである。
 
事業所
千葉工場、湘南ファクトリー、大宮ファクトリー、宮城ファクトリー、福島工場、中京工場
連結子会社
(株)ピックルスコーポレーション札幌(北海道)、(株)ピックルスコーポレーション関西(京都府)、(株)八幡屋(東京都)、東洋食品株式会社(群馬県)、(株)尾花沢食品(山形県)
持分法適用関連会社(合弁会社)
(株)デイリー開発福島(福島県)、(株)セキグチデイリー(群馬県)、(株)ピックルスコーポレーション長野(長野県)、(株)デイリー開発福岡(福岡県)
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE= 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
15/2期は旧札幌工場の減損損失計上に伴う売上高当期純利益率の低下でROEが低下したが、営業利益率(14/2期3.3%→15/2期3.9%)、経常利益率(14/2期3.8%→15/2期4.1%)は改善している。総資産回転率が低下したのは、販売の好調と生産能力の増強が急務だった新札幌工場への投資等による総資産の増加が要因。また、設備投資に当たっては、低金利を活かすべく借入金を積み増ししたため、レバレッジが上昇した。調達した資金でどれだけ効率的に利益を稼いだかを示す投下資本利益率(ROIC)は、前期の4.7%から5.3%に改善した。
 
 
 
2016年2月期の施策と中期経営目標
 
【漬物市場と惣菜市場の動向】
同社は、漬物市場を約3,400億円と推定している。コメ消費の減少、食の多様化、少子高齢化等の影響を受けて市場は縮小傾向にあるものの、全ての品目が減少している訳ではなく、沢庵等のふる漬市場の縮小が続く一方で、浅漬やキムチの市場は安定している。また、同社(シェア7.3%でトップ)を含めた上位10社のシェアは30.8%(推定)に過ぎず、上位企業による寡占化はこれから。特に古漬は輸入原料に頼るケースが多いが、円安で海外原料に頼るメーカーの収益が悪化している。また、健康志向、惣菜化、機能性訴求等をキーワードにした商品開発に各社が力を入れている事も昨今の特徴。同社は国産原料にこだわる(100%国産原料)事で消費者が求める安心・安全志向に応えると共に、製品開発力と販売力を強みに早期のシェア10%を達成したいと考えている。
 
 
一方、惣菜市場は、単身世帯の増加や高齢化の進展、更には女性の社会進出もあり、拡大傾向にある。同社の資料によると、米飯類や調理パン・調理麺等も含む惣菜市場の規模は約8兆5,136億円で、内訳は、専門店2兆8,248億円(構成比33%)、コンビニ2兆3,400億円(同28%)、食料品スーパー2兆690億円(同24%)、総合スーパー9,070億円(同11%)、百貨店3,726億円(同4%)。10年前は、食料品スーパー等で7%だった惣菜の売場比率が、直近では12%に拡大していると言う。
ライバルとなるのは、フジッコ、ケンコーマヨネーズ、エバラ食品、デリア食品等、いずれも400~500億円規模の年商を誇る企業だが、最大のライバルは小売りの内製だ。食料品スーパー等では、惣菜の80~90%を店舗のバックヤードや自社工場で内製していると言われているが、人材難のためメーカーからの仕入を増やすケースが増えていると言う。また、食品を扱うドラッグストアも増えており、惣菜各社のビジネスチャンスは拡大している。

こうした中、同社は惣菜事業では後発企業だが(2006年頃に参入)、製品開発力、全国をカバーする製造拠点、更には直販ならではのきめ細かい営業を強みに、健康志向にマッチした野菜を使った惣菜にフォーカスする事で売上を伸ばしている。
 
【16/2期の施策】
上記の経営環境の下、製品力・商品力の強化、広告宣伝・販促活動、及び全国ネットワークを活用した営業戦略を三位一体とする事業展開により、既存取引先の深耕と新規取引先の開拓に取り組んでいる。
 
製品力・商品力の強化
製品の強化では、浅漬・キムチ製品において継続的な新製品の開発・投入により競争力の維持向上に努めており、惣菜製品においては既存製品の継続的な改善とラインナップの拡充により売り場での存在感の向上に取り組んでいる。
 
広告宣伝・販促活動
鉄道広告(JR山手線)、テレビ・ラジオCM(2015年5月に新作テレビCMの放映を開始)、屋外看板(西武ドーム)等を利用した広告宣伝・販促活動を推進している。
 
全国ネットワークを活用した営業戦略
16/2期は、未だ大きな開拓余地を残している北陸、中国・四国、九州を強化する他、前期に稼働した新工場効果で札幌を中心に北海道での販売が拡大する。中国・四国では、14/2期に稼働した(株)ピックルスコーポレーション関西の広島工場が順調に生産を伸ばしており、供給力が高まっている(15/2期は同工場が黒字化した事で(株)ピックルスコーポレーション関西の損益が大きく改善した)。また、(株)ピックルスコーポレーション札幌では、新工場効果による生産能力の増強で、強みである製造・物流インフラを活かす体制が整った。製品ラインナップの拡充や売場提案の強化も進め、スーパー等での売場拡大(精肉売場、麺売場等)やドラッグストア等の新たな販路の開拓につなげたい考え。
 
 
 
中期経営目標として、18/2期に売上高312億円、営業利益13億円を掲げている。販売エリアでは、市場開拓余地が大きく増産投資の効果が期待できる、中国・四国地区、九州地区、北陸を中心にした関西地区に注力し、販路については、量販店における売場拡大(精肉売場、麺売場等)やドラッグストア等の開拓に取り組む(販売先の拡大)。また、漬物・惣菜以外の製品開発も強化していく考えで、女性の開発要員の増員も計画している(取扱製品の拡大)。設備投資は、排水処理施設及び設備更新等で16/2期に8億05百万円を予定しているが、17/2期、18/2期は大きな投資が無く、設備更新が中心となるため3億円にとどまる見込み。
 
 
 
2016年2月期第1四半期決算
 
 
前年同期比12.7%の増収、同32.5%の経常減益
売上高は前年同期比12.7%増の76億83百万円。リニューアルを実施した「ご飯がススムキムチ」等のキムチ製品や既存製品の改善とラインナップの拡充に取り組んだ惣菜製品の売上がスーパーや生協等を中心に伸長。広島工場(ピックルスコーポレーション関西)や札幌新工場(ピックルスコーポレーション札幌)の生産も順調に増加した。

一方、利益面では、営業利益が2億69百万円と同29.8%減少した。日照不足や雨の影響等で主要な原料野菜である白菜や胡瓜等の価格が高騰し(前年同期は価格が安定していた)、原価率が77.9%と3.2ポイント上昇。増収ながら売上総利益が減少した事に加え、テレビCM等、戦略的な広告宣伝費の投下による販管費の増加も負担となった。持分法投資損益の悪化等で経常利益が同32.5%減少したものの、特別損失の減少で当期純利益は1億59百万円と同99.4%増加した(前年同期はピックルスコーポレーション札幌の旧工場にかかる減損損失1億32百万円を特別損失に計上した)。
 
(2)製品開発
(株)にんべんとのコラボ商品、「鰹だしのきいた梅干」、「昆布だしのきいた梅干」の発売
同社の子会社(株)紀州梅家(和歌山県日高郡みなべ町)が、3月に(株)にんべんとのコラボ商品「鰹だしのきいた梅干」、「昆布だしのきいた梅干」の販売を開始した。(株)にんべんは創業元禄12(1699)年の鰹節の老舗。今回の新商品は「鰹だしのきいた浅漬シリーズ」に続くもので、(株)にんべんが創業以来商いを続ける東京・日本橋、昆布の運搬船・北前船をモチーフとし、「和」を表現したパッケージも特徴である。
 
「鰹だしのきいた梅干」は、共同開発したオリジナルの“鰹だし“と(株)にんべんの”花かつお“を使用し、かつおの風味香る上品な味わいに仕上げた。
一方、「昆布だしのきいた梅干」は、(株)にんべんの北海道産昆布を使用した“昆布だし”を使い、北海道産角切り昆布をトッピング。昆布のうま味がきいていて、ご飯に乗せてもそのままでも。
共に紀州南高梅を使い、塩分も控えめの約5%と食べやすく仕上げた。
 
高校生と一緒につくったおつけもの「ブラックペッパーきゅうり」、「コンソメきゃべつ」の発売
埼玉県の高校生とのコラボ製品として、高校生と一緒につくったおつけもの「ブラックペッパーきゅうり」及び「コンソメきゃべつ」の販売を4月に開始した。若者の漬物離れを危惧し、若者の漬物離れ改善に貢献するべく開発されたもので、高校生と一緒に作り上げる事で若者でも親しみやすい漬物として仕上げる事ができた。高校生と作った事を強調すると共に、デザインも、今までに無い味付けとポップで若々しいデザインを採用する事で、若い子供を持つ主婦等への訴求効果も追及した。
 
「ブラックペッパーきゅうり」は、しっかり食感の厚め輪切り胡瓜を、香ばしいフライドガーリックと、ブラックペッパーで味付け。箸が止まらない後をひく味わいが特徴。
一方、「コンソメきゃべつ」は、コンソメポテトチップをイメージした商品。キャベツの甘味とよく合い、おかずとしても、おススメ!
 
「ご飯がススムキムチ」のリニューアル
4月に「ご飯がススムキムチ」のリニューアルを行った。後引くコクを付与する調味料を採用した事で、コクはもちろん、相乗効果でうま味もアップした。また、酸味を加える事で、コクがありながら、すっきりとした味わい。独自の植物性乳酸菌「Pne-12(ピーネ12)」も添加されている。リニューアルとTVCMも含めた販促の強化により、16/2期のキムチ製品は前期比約10%増の43億円の売上を目指している(前期は約39億円)。
 
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて13億88百万円増の171億50百万円。第1四半期末が金融機関の休日だったため、売上債権、仕入債務が増加。自己株式を処分した事で現預金、純資産も増加した。自己資本比率は前期末と同水準の41.5%。
 
第三者割当による自己株式の処分
2015年5月15日付けで、自己株式として保有していた普通株式342,000株を、株式会社武蔵野銀行(100,000株)、三菱商事フードテック株式会社(75,000株)、味の素株式会社(50,000株)、株式会社高速(37,000株)等、8法人に対する第三者割当により処分した(処分価格:1株につき1,329円)。今回の自己株式処分により調達した約4億49百万円(発行諸費用控除後)は、16/2期に予定している既存工場の製造設備更新と排水処理設備増設等の設備投資資金に充当する考え。処分後の自己株式数は1,361,514 株。
 
 
2016年2月期業績予想
 
 
上期及び通期の業績予想に変更はなく、通期で前期比5.0%の増収、同13.2%の経常増益予想
通期の売上高は前期比5.0%増の281億50百万円を見込んでいる。既存製品の継続的な改善とラインナップの拡充でブランドの認知度向上に取り組む惣菜製品が同13.2%増の58億円と伸びる他、新たなコラボ製品の開発・投入や「ご飯がススムキムチ」のリニューアル等で浅漬・キムチ製品も同4.0%増の130億97百万円と堅調な推移が見込まれる。

利益面では、キムチ製品の生産を所沢工場に集約した効果が通期で現れる事に加え、一段の生産見直しで製品全般の利益率改善を図る他、仕入の見直しで商品の利益率改善にも取り組む。物流費や人件費を中心に販管費が増加するものの、売上の増加と売上総利益率の改善で吸収して営業利益が12億07百万円と同14.3%増加。特別損失が無くなるため、当期純利益も7億01百と同39.3%増加する見込み。

設備投資はコンビニエンスストアや量販店向けの浅漬け・キムチ等の漬物製品とサラダ・ナムル等の惣菜製品の製造設備強化のため、各工場の製造設備の更新と所沢工場の排水処理設備の増設等で8億05百万円を見込んでいる(前期は10億15百万円)。減価償却費は6億10百万円を織り込んだ(同5億17百万円)。

配当は1株当たり15円の期末配当を予定している。
 
 
(2)県西中央青果株式会社の株式の取得(子会社化)
主要な原材料である国産野菜の調達方法の多様化と、国産野菜の産地における生育状況や取引価格動向等の情報収集の強化を目的に、青果市場の運営を行う県西中央青果 株式会社(茨城県古河市)を2015年6月30日付けで子会社した。

県西中央青果(株)は、筆頭株主である浅井行雄氏が議決権の50.7%(1,470株)を保有し、残る49.3%を個人株主等27 名が保有していたが、今回、(株)ピックルスコーポレーションが浅井行雄氏から1,470株を有り受け筆頭株主となった。
 
 
尚、(株)ピックルスコーポレーションの16/2期業績に与える影響については現在精査中である。今後、業績予想を修正する必要が生じた場合には速やかに開示する考え。
 
(3)おつまみ感覚で楽しめる「くせになるうま塩トマト」の発売
第2四半期入りした6月に、おつまみ感覚で楽しめる「くせになるうま塩トマト」の販売を開始した(6月~7月発売の期間限定)。
 
「くせになるうま塩トマト」は、リコピン含有量1.5倍(カゴメラウンドトマト対比)の“カゴメ 高リコピントマト”を使用している。ごろごろと大きい4つ割カットでトマトのフレッシュ感そのままに、ガーリックとブラックペッパーのきいた塩だれで仕上げた。中まで真っ赤な“カゴメ 高リコピントマト”の色鮮やかさが売り場でも目を引くだろう。
 
 
今後の注目点
第1四半期は減益となったものの、その要因は天候要因と計画に沿った広告宣伝費の増加であり、深刻なものではない(コストコントロールは機能している)。一方、第三者割当による自己株式の処分や青果市場の運営を行う県西中央青果(株)のM&Aをまとめる(子会社化の完了は6月)等、PLに反映されない部分での成果は大きかった。自己株式の処分では、(株)武蔵野銀行、三菱商事フードテック(株)、味の素(株)、(株)高速等、主要な取引先との関係強化と共に16/2期の設備投資資金の過半を確保する事ができた。また、県西中央青果(株)の子会社化は、主要な原材料である国産野菜の調達方法の多様化や産地の生育状況及び取引価格動向等の情報収集力の強化につながる。
気象庁によると、この夏は、エルニーニョ現象の影響もあり、東日本、西日本共に、平年に比べ曇りや雨の日が多く、晴れの日が少ない見込み。このため、5月半ば以降、落ち着きを取り戻した野菜価格に再び波乱があるかも知れない。しかし、上記の通り、持続的な業績拡大に向けた取り組みは着実に進捗しており、目先の業績に一喜一憂する必要はないと考える。