ブリッジレポート
(2157:JASDAQ) コシダカホールディングス 企業HP
腰 博 社長
腰 博 社長

【ブリッジレポート vol.21】2015年8月期業績レポート
取材概要「15/8期は営業利益及び経常利益が前期比2.8%の増加にとどまったが、数値には表れない面で中身の濃い決算となった。具体的には、一人カラオケ・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年11月17日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社コシダカホールディングス
社長
腰 博
所在地
東京都港区浜松町2-4-1 世界貿易センタービルディング
事業内容
総合余暇サービス提供企業を標榜。カラオケボックス「カラオケ本舗まねきねこ」を全国展開。子会社が手掛けるフィットネスも順調。温浴事業を育成中。
決算期
8月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年8月 37,720 4,276 4,370 2,423
2013年8月 34,515 4,151 4,237 3,072
2012年8月 33,746 4,077 4,096 2,279
2011年8月 29,093 3,356 3,336 2,877
2010年8月 21,932 2,503 2,579 1,125
2009年8月 18,955 1,496 1,427 549
2008年8月 13,649 691 731 421
2007年8月 11,332 535 561 134
2006年8月 8,878 552 560 319
2005年8月 6,360 403 400 233
2004年8月 3,552 340 337 192
2003年8月 2,037 104 99 57
株式情報(11/13現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,279円 18,454,640株 42,058百万円 16.2% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
30.00円 1.3% 130.59円 17.4倍 725.99円 3.1倍
※株価は11/13終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
コシダカホールディングスの2015年8月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
“総合余暇サービス提供企業”を標榜し、「アミューズメント」、「スポーツ・フィットネス」、「観光・行楽」、「趣味・教養」の4分野で「既存業種新業態」戦略を推進。安定成長を続けるカラオケ事業と高い成長を続けるフィットネス(カーブス)事業を二本柱に、上場以来、増収・増益を続けており、新規事業として温浴事業を育成中である。
尚、「既存業種新業態」戦略とは、既に社会に存在し誰もが知っている業種において、視点や取り組み方を変え、従来と異なる新たな顧客層をターゲットとする事で全く新しいサービスや運営手法を生み出し、独自のビジネスモデルを確立していく事業手法。
 
【企業理念 −豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献−
企業理念は、「進化させた有意なサービス・商品を常に考案し、そして全世界の人々に提供し続けることによって、豊かな余暇生活の実現と希望に溢れた平和な世界の構築に貢献すること」。この企業理念の下、①安近短の身近な余暇の分野において既存業種新業態を追求する、②各国地域並びに各業種の実情に即した最適な業態、仕組みを開発する、③顧客のニーズを探求し、驚きと感動を与える質の高いサービス・商品を常に提供する、④強い志と企業家精神を持って活躍する人材を育成する、及び⑤業態間のシナジーを図り、グループ力を最大限に発揮する、の5つをビジョンとして掲げている。
 
【沿革】
1954年に都内で飲食店として創業し、64年に現在本社のある群馬県前橋市に移転。67年に(有)新盛軒として法人組織に改組した。会社が大きく変わり始めたのは、現在、社長を務める腰眷郢瓩房村租な経営権が委ねられてから。博氏のリーダーシップの下、90年にカラオケボックス事業に参入。レーザーディスクを使ったスナックやバー等でのカラオケから通信システムを活用したカラオケボックスへ需要がシフトする流れをつかみ事業を軌道に乗せた。95年8月の腰眷郢瓩亮卍構任以降は、不況等で廃業するカラオケボックスを利用する出店モデル(居抜き出店)を開発し業容を拡大。2000年3月に(株)コシダカに組織及び名称を変更した。

06年3月には(株)カーブスジャパンのフランチャイジーとしてフィットネス事業に進出。07年6月のJASDAQ上場を経た08年10月には(株)カーブスジャパンを子会社化(実質持株比率90%)し、現在、グループでFC(フランチャイズチェーン)本部の運営とフィットネスクラブの直営店展開を行っている。

10年9月には純粋持ち株会社へ移行し、(株)コシダカホールディングスに組織及び名称を変更。海外展開も進め、11年6月に韓国ソウルにカラオケ本舗まねきねこ海外1号店を開設。13年11月に中間持株会社(東南アジアにおけるカラオケ事業の統括会社)KOSHIDAKA INTERNATIONAL Pte.Ltd.を設立。その傘下でシンガポールでのカラオケ事業を統括するKOSHIDAKA MANAGEMENT SINGAPORE PTE.LTD.が、14年2月にシンガポール国内でカラオケ店舗11店舗を直営展開しているK BOX ENTERTAINMENT GROUP PTE.LTD. を子会社化した。14年7月に本社機能を東京に移転。15年4月には、カラオケやネットカフェ20店舗を、神奈川県を中心に展開する(株)ムーンを子会社化した。
 
【事業セグメントとグループ】
事業は、「カラオケ本舗まねきねこ」やひとりカラオケ専門店「ワンカラ」を運営するカラオケ事業、“女性専用30分健康体操教室”として中高年齢層をターゲットに女性専用フィットネスクラブ「Curves(カーブス)」を展開するカーブス事業、新規事業として育成中の温浴事業(各種温浴設備を備えた施設の運営。「居抜き出店方式」のノウハウを活用し店舗展開)、及び不動産管理事業に分かれる。

15/8期の売上構成比は、カラオケ事業53.8%、カーブス事業42.1%、温浴事業3.4%、不動産管理事業0.7%。連結調整利益構成比は、カラオケ事業23.6%、カーブス事業75.6%、温浴事業 △1.8%、不動産管理事業2.5%。
 
 
グループは、持株会社である(株)コシダカホールディングス、及びその傘下で各事業を展開する連結子会社12社と非連結子会社3社。連結子会社の概要は次の通り。
 
 
非連結子会社は、TV電話ソフト「スカイプ」を使って海外のネイティブ講師とパソコンで英会話学習をするオンライン英会話事業「e英会話」関連の(株)イングリッシュアイランドとEEIKAIWA INC.、及びKOSHIDAKA R&C Co., Ltd.。
 
 
*ROA(総資産利益率)は、「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」の2要素を掛け合わせたもの。
*ROE(自己資本利益率)は、「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
同社は経営指標としてROA(総資産利益率)を重視している。投下資本を可能な限り抑制しつつ、売上規模の拡大と利益確保に取り組む事、そしてこの結果として投資の早期回収を実現する事に経営の重点が置かれている。この方針の下、上記の通り、高水準のROAを実現し維持している。

また、自己資本の効率性を表すROEも同様に高水準を維持している。過去5年間のROEは11/8期に大きく上振れした後に低下しているが、その要因は、特別利益の計上による一時的な売上高当期純利益率の変動、先行投資、及び好調な業績を反映した急ピッチの財務体質改善である。

14/8期、15/8期と、ROA、ROEが低下したのは、カラオケ事業における国内外での投資が増加したため。直近の15/8期は特別損失の増加や税負担率の上昇等一時的な要因もあり、売上高当期純利益率が低下した他、M&A等、更なる事業拡大に向けた先行投資で総資産回転率も低下。一方、低金利を活かした資金調達でレバレッジが上昇した。尚、国内では、一時期、既存店の充実を優先して新規出店を抑制していたが、首都圏での店舗運営ノウハウの蓄積が進んだ事を受けて、13/8期下期以降、積極出店を再開しており、海外ではシンガポールでのM&Aによる事業拡大や韓国での新規出店による店舗ネットワークの拡充に取り組んでいる。
 
 
主力のカラオケ事業では、新規出店はその後の売上増につながるが先行投資負担が目先の利益を圧迫する。13/8期以降はカーブス事業が急拡大期から安定成長期に移行しつつある中、カラオケ事業における国内外での積極展開による先行投資負担で一時的に利益の伸びが鈍化した。15/8期以降も先行投資が続くものの、売上・利益の両面で徐々に先行投資の成果が現れてくる。
 
 
成長戦略  −「総合余暇サービス提供企業」を標榜し、“既存業種新業態」戦略”を推進 −
 
約65兆円の国内余暇市場は同社にとって無限とも言える広さだ。特にシニア市場は、団塊の世代(1947年〜49年までの間に出生した世代)が75歳を迎えるまでの間、高い成長が見込まれている。こうした中、同社は「総合余暇サービス提供企業」をコンセプトに、「アクティブシニア層」をターゲットとし、“アミューズメント(カラオケ)”、“スポーツ・フィットネス(カーブス)”、“観光・行楽(温浴)”、“趣味・教養”の4分野において、事業間シナジーを追求すると共に「既存業種新業態」戦略を進め業容の拡大を図っていく考え。グループ売上高1,000億円を中長期の目標としている。

尚、「カラオケ白書2015」によると、2014年度(14年4月1日〜15年3月31日)の国内カラオケボックス市場は3,979億円。カラオケボックスの出店増と依然旺盛なエルダー市場がけん引役となり前年度の実績を上回った(13年度3,957億円、12年度3,912億円)。09年以降、概ね3,800億円〜3,900億円で推移している。また、新聞報道等によると、フィットネスクラブの市場規模は4,100億円程度で、ここ数年は横ばいの状態が続いているという。
 
カラオケ事業における取り組み
国内のカラオケ産業は大手チェーンへの集約が進み、大手チェーン間での顧客獲得競争が激化している。同社は店舗網の拡充を図ると共に、同社店舗の特徴である「安心、安全、リーズナブル、フレンドリー」の浸透とカラオケの新しい楽しみ方や新しいサービスを開発に取り組む事で差別化を図っていく。

具体的には、500店舗・売上高400億円体制の早期確立を目指して、従来の「地方居抜き出店」から「都市型・駅前・繁華街・建築出店」へ出店戦略を転換して、首都圏(一都三県の国道16号線内)で「カラオケ本舗まねきねこ」の出店攻勢をかけている他、多様なニーズを取り込むべく、一人カラオケ「ワンカラ」の店舗ネットワークの拡充にも取り組んでいる。また、差別化の一環として、自社開発のカラオケ用新システム(カラオケコマンダー)「すきっと」を全店に導入して新しいカラオケの楽しみ方を提案している他、「すきっと会員」やワンカラの「シンガーズクラブ会員」の組織化で顧客の固定客化にも力を入れている。
「すきっと」は、コンテンツホルダーとのコラボレーション企画等でカラオケルームでの楽しみ方の幅を広げており、その機能が関係各方面から注目されている。

長期的な視点で成長の芽を育てるべく、韓国とシンガポールでカラオケ事業の海外展開も進めている。韓国では、9店舗を展開(15/8期末現在)する子会社 韓国コシダカがビジネスモデルの確立に成功し、FC化も念頭に「5年以内に100店舗体制」を目指している。一方、シンガポールでは、K BOX ENTERTAINMENT GROUP PTE.LTD.(以下、K BOX)が10店舗を展開しており、「カラオケ本舗まねきねこ」への転換を進めている(設備と店舗運営方式両面からの日本方式の導入)。
 
 
カーブス事業における取り組み
当事業のコンセプトは、高齢化社会が急速に進展する中で、一人一人が正しい運動方法を身につけ習慣づけていく事を支援し、既存の会員と共に、こうした仲間を増やしていく活動を通して未病率の改善や健康寿命の延伸に貢献すると共に事業の拡大を図っていく事。この事業コンセプトの下、顧客視点に立った通いやすい店舗(加盟店)網の構築と、各店舗を会員が成果を実感し、それを喜び合えるようなコミュニティに創り上げていく事を目指して本部と加盟店が一体となって取り組みを進めている。

14年10月には、店舗数と会員数がマイルストーンとしていた1,500店舗、650千人を突破した(15/8期末現在、1,602店舗、711千人)。既存加盟店の追加出店を中心に引き続き積極出店を続けると共に、既存加盟店の1店舗当たり会員数の増加に取り組んでいる。当面の店舗数の目標は既存加盟店の追加出店を中心に1,800店舗としているが、未病や健康づくりに関する意識の高まりを背景に潜在需要は想定以上に多く、カーブス事業に関心を示す自治体も増えているため、目標店舗数が引き上げられる可能性は高い。また、会員募集では、退会率が低い口コミ紹介による入会を重視しており、口コミ紹介につなげるべく、更なる会員満足度の向上にも力を入れている。この他、トレーニングとの相乗効果が高いプロテイン等、会員向けの物販にも力を入れており、この一環として(商品購入につなげるべく)、簡易食事診断とこれを基にした食生活改善提案等も実施している。
 
 
温浴事業における取り組み
現在、東京健康ランドまねきの湯(東京都)、郡山湯処まねきの湯(福島県)、箕郷温泉まねきの湯(群馬県)、大分森温泉まねきの湯、大分らんぷの湯花園店(共に大分県)の5店舗を運営しており、15/8期の黒字化が見えてきた。人材育成システムを活用した固定費削減や店舗営業(接客サービス)等、カラオケ事業で培ってきた様々なノウハウを活かすと共に、省エネ化の実現等で温浴施設の再生に取り組んでいる。

省エネ化では、全店舗で、節水シャワーやガスを燃料に発電と給湯を同時に行うコージェネレーションの導入、貯湯タンクの増設による天然温泉の活用促進、更には循環回収水の効率化等の施策を講じており、主力となる「東京健康ランドまねきの湯」では温泉掘削が完了し、14年11月に天然温泉による運営が始まった(光熱水道費の削減効果や集客効果が期待できる)。この他、お笑いライブイベントや健康歌体操教室の開催等による集客の強化に取り組んでいる。
 
 
 
2015年8月期決算
 
 
前期比17.3%増の増収、同2.8%の経常増益
売上高は前期比17.3%増の442億57百万円。不採算店舗を閉鎖した影響で温浴事業の売上が減少したものの、新規出店とM&A効果で主力のカラオケ事業の売上が237億94百万円と同19.8%増加。カーブス事業の売上も、店舗数・会員数の増加に加え、ショッピング売上(主に会員向けプロテイン販売)の増加で186億49百万円と同16.47%増加した。

利益面では、シンガポールでカラオケ事業を手掛けるK BOXや2015年4月に子会社化した(株)ムーンの体制整備や相対的に原価率の高いショッピング売上の増加で売上総利益率が低下する中、K BOXの買収に係る「のれん償却費(3億円)」の計上等で販管費も増加したが、増収効果で吸収して営業利益が43億94百万円と同2.8%増加した。経常利益も44億92百万円と同2.8%増加したものの、店舗の閉鎖及び海外事業の資産価値の見直しに伴う特別損失(固定資産除却損1億29百万円、減損損失1億02百万円、店舗閉鎖損失82百万円、計3億14百万円)の増加や税負担率(税効果会計を適用していない子会社があるため)の上昇等で当期純利益は20億98百万円と同13.4%減少した。
 
 
売上高237億94百万円(前期比19.8%増)、セグメント利益12億03百万円(同23.9%減)。居抜き19店舗、建築13店舗の計32店舗(前期38店舗)を新規出店すると共に(株)ムーンの子会社化で21店舗を傘下に収める一方、7店舗(同9店舗)を閉鎖した結果、期末の国内店舗数は412店舗と前期末(366店舗)に比べて46店舗増加。この他、37店舗(同33店舗)でリニューアルを実施した。店舗の内訳は、まねきねこ381店舗(同353店舗)、ワンカラ10店舗(13店舗)、及び(株)ムーンが運営するムーン・シンシア21店舗。
海外店舗数は、シンガポール10店舗(前期末12店舗)、韓国9店舗(同4店舗)の計19店舗(同16店舗)。

既存店売上高は前期比98.6%(客数同96%、客単価同102%)。上期は前期比102.2%と順調だったが、前年同期の水準が高かった第4四半期の落ち込みで下期は95.3%にとどまった。

「カラオケ本舗まねきねこ」を中心に首都圏出店戦略(一都三県での店舗ネットワークの拡充)を進めており、中央線沿線(飯田橋、三鷹、武蔵小金井、八王子)での出店を加速した他、2015年4月に神奈川県を中心にカラオケチェーンを展開する(株)ムーンの全株式を相鉄グループから譲受した。新規出店や14年2月に子会社化したK BOXの期初からの寄与に加え、(株)ムーンの子会社化効果もあり、売上が大きく伸びた。
主な増収(全体で49億40百万円)要因は、まねきねこの新店18億03百万円、K BOX18億67百万円、(株)ムーン4億32百万円。オペレーションの軌道化でワンカラ、韓国コシダカ共に既存店売上高が増加に転じた事も15/8期の特徴である。

ただ、利益面では、K BOXが2億円の営業損失となった他、K BOXの買収に係る「のれん償却費(3億円)」やカラオケコマンダー「すきっと」関連費用(開発費及び楽曲購入費)3億円の計上もあり、営業利益が減少した。
 
 
売上高186億49百万円(前期比16.4%増)、セグメント利益38億56百万円(同17.5%増)。期末の国内店舗数は前期末に比べて127店舗増(8.6%増、前期は136店舗増)の1,602店舗(内グループ直営店51店舗)。会員数は同70千人増(10.9%増、前期は55千人増)の711千人(前期末641千人)。会員の年齢構成は、30代以下4.7%、40代10.0%、50代25.1%、60代38.4%、70代以上21.8%。

店舗数・会員数の増加でロイヤリティ収入等の継続的な収入であるベース売上が増加する中、プロテインを中心にショッピング売上が大きく伸びた。増収要因(全体で26億21百万円)は、ロイヤリティ収入等の継続的な収入であるベース収入5億51百万円、ショッピング売上15億17百万円、その他5億94百万円。この他、直営店売上も1百万円増加したが、加盟金収入等の店舗出店に係る一時的な収入であるスポット収入は91百万円減少した。
 
 
上期に不採算店2店舗を閉鎖した影響で売上高が14億95百万円と前期比2.8%減少したものの、既存店ベースでは同5%程度の増収(東京健康ランドにおいては同13%の増収)。不採算店の閉鎖効果に加え、従来からの光熱費節減努力と新たに設置したエアコンデマンドコントローラー(自動調節装置)の効果で水道・光熱費が1億円減少した他、地代・家賃(29百万円減)、備品消耗品費(28百万円減)、人件費(23百万円減)等も減少。セグメント損失は89百万円と前期の2億39百万円から1億49百万円減少した。

また、旅館業の許可を得ると共に設備の改装を行い、東京健康ランドまねきの湯(東京都)で宿泊ニーズへの対応を進めた。24時間営業の強みもあり、インバウンドも念頭にビジネスホテル需要の取り込みを図る考え(施設の有効活用による稼働率の向上につながる)。

上記の他、不動産管理事業として、売上高3億18百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益1億27百万円(同2.1%減)を計上した。
 
 
期末総資産は前期末に比べて47億37百万円増の306億63百万円。借方では、売上と店舗の増加で売上債権や有形固定資産が増加した他、K BOXを連結した事と(株)ムーンの子会社化で「のれん」が増加(21百万円→20億82百万円)。一方、K BOXの連結による関係会社株式の減少で投資その他が減少した。貸方では、利益剰余金の増加で純資産が増加した他、新規出店・改装及びM&A関連の資金ニーズに長期借入金の積み増しで対応したため有利子負債が増加した。
投下資本利益率12.8%(前期17.0%)、流動比率114.1%(前期期末117.1%)、固定比率143.4%(同128.1%)、自己資本比率43.7%(同48.5%)。
 
 
46億49百万円の営業CF、3億72百万円のフリーCFを確保した。前期との比較では、減価償却費の増加やたな卸資産の減少による資金効率の改善で営業CFが増加する中、店舗関連投資の支払いやM&A関連費用の減少で投資CFのマイナス幅が縮小。この結果、前期はマイナスだったフリーCF黒字に転換した。財務CFの黒字減少は、自己株式の取得や配当金の支払い等による。
 
 
2016年8月期業績予想
 
 
前期比12.1%の増収、同11.7%の経常増益予想
売上高は前期比12.1%増の496億07百万円。国内での店舗数の増加と海外事業の軌道化でカラオケ事業の売上が同15.1%増と伸びる他、カーブス事業も、店舗数が1,700店舗を超える見込みで、同8.7%の増収。立地の良さに加え、天然温泉も強みの東京健康ランドまねきの湯をけん引役に温浴事業も増収に転じ、売上が同8.2%増加する見込み。

営業利益は同12.4%増の49億39百万円。(株)ムーンの本格的な寄与や海外事業の損益改善で新規出店に伴う先行投資負担を吸収してカラオケ事業が増益に転じる他、カーブス事業も、運動効果のエビデンス取得や自治体との連携による地方展開等で先行投資が増加するものの、引き続き増益基調を維持。温浴事業は売上増と前期の取り組みの成果による1億40百万円のコスト削減効果で黒子転換が見込まれる。

配当は前期と同額の1株当たり30円を予定している(上期末15円、期末15円)。
 
 
カラオケ事業
500店舗・売上高400億円体制の早期確立を目指して、従来の「地方居抜き出店」から「都市型・駅前・繁華街・建築出店」へ出店戦略を転換して積極出店を継続する。全店で黒字化が見込まれる一人カラオケ「ワンカラ」の新規出店再開もあり、新規出店は前期の32店舗を上回る40店舗(建築30店舗、居抜き10店舗)を計画。一方、不採算店10店舗の閉鎖を織り込んだ。

営業面では、“採点チャレンジ”や“歌唱オリンピック”等、オリジナルのカラオケコマンダー「すきっと」の強みを活かした各種コンテンツ戦略を進化させながら推進する。また、店舗稼働率の向上に向け9月に“ZEROカラ”を導入しており、“朝カラ”の全店導入にも取り組む。この他、ワンカラシンガーズクラブ会員獲得やワンカラ英会話の導入で「ワンカラ」を強化する他、(株)ムーンが運営するムーン及びシンシアに「まねきねこ」と同様のサービスを導入して同ブランドの営業力を強化する。

海外では、韓国コシダカが今期中に20店舗体制を確立するべく出店を強化すると共に、100店舗体制を念頭にFC化の検討も進める。一方、K BOXは効果が出ている既存店の「カラオケ本舗まねきねこ」へのリニューアルを進める。
 
カーブス事業
会員数100万人に向けた店舗ネットワークの構築を目指して年間100店舗ペースでの出店を継続する。営業面では、コーチスキルの向上で会員満足度を高め退会防止を図る他、新商品や新規分野の開発で事業の深掘りも進める。また、インフォマーシャル(30テレビCM)を強化してカーブスの認知度向上にも取り組む。

大学との共同研究によるカーブス・ワークアウトのエビデンス取得も強化する。現在、次の4案件について共同研究が進行中である。

・東北大学加齢医学研究所との「カーブス・ワークアウトが脳機能(認知機能)向上に与える効果実証」
・国立健康・栄養研究所との「カーブス会員の運動履歴と生活習慣病罹患率大規模追跡調査」
(運動頻度が高い会員ほど糖尿病罹患率が低い事が既に判明している)
・乳がんの予後のQOLへの効果実証
・大山町(鳥取県)でのカーブスの取り組みが町民全体の健康状態と意識に与える効果(鳥取大学、筑波大学)
 
昨今の地域単位での未病や健康づくりの意識の高まりもカーブス事業にとって追い風となっており、自治体との連携案件の持ち込みも増えている。既に事業化した案件もあり、神奈川県認定の健康施設「未病センターカーブス小田原」が2015年6月に、「カーブス大山健康センター(鳥取県)」が9月に、それぞれオープンしている。「未病センターカーブス小田原」は体力年齢測定の他、健康相談員による運動や食事についてのアドバイス、施設内の共用スペースを活用した健康イベント等の活動を通して未病率の改善や健康寿命の延伸への貢献を目指しており、「カーブス大山健康センター」は大山町との進出協定による出店で、大山町と連携して町民の健康づくり政策を推進していく。大山町は事業化が難しい人口が少ないエリアだが、大山町が会員募集を支援しており、「カーブス大山健康センター」は順調な立ち上がりとなった。
 
温浴事業
顧客満足度向上施策の実施に加え、積極的な販促活動とコンテンツの品ぞろえで増収を図ると共に、省エネルギーの取り組みを進化させる事で黒字化を目指す。具体的には、東京健康ランドまねきの湯(東京都)で宿泊施設を整備した他、郡山湯処まねきの湯(福島県)でビュッフェを導入して飲食サービスを充実。箕郷温泉まねきの湯(群馬県)では、女性用サウナイベント「ロウリュ」が好評だ。一方、省エネルギーの取り組みでは、バイオマス燃料の導入、ろ過装置や排水処理プラントの設置を計画している。
 
 
今後の注目点
15/8期は営業利益及び経常利益が前期比2.8%の増加にとどまったが、数値には表れない面で中身の濃い決算となった。具体的には、一人カラオケ「ワンカラ」や温浴事業で翌期の黒字化に目処を付け、海外では、店舗運営ノウハウの蓄積が進んだ韓国コシダカで既存店償却前損益の黒字化が見えてきた他、K BOXも日本方式の店舗運営(「カラオケ本舗まねきねこ」の導入)で手応えをつかんだ。K BOXは買収後も従前からの店舗運営方式を続けてきたが、苦戦が続いたため思い切って「カラオケ本舗まねきねこ」にリニューアルしたところ、日本方式が評価され、当該店舗の来客数が前月の2,700名から6,300名に急増した。このため、今後、全店舗を「カラオケ本舗まねきねこ」にリニューアルする考えだ。また、韓国コシダカは既存店のオペレーションの安定を受けて、既に多店舗展開に向けた取り組みを開始している。17/8期以降、利益面での海外事業の貢献が期待できるのではないだろうか。

一方、国内のカラオケ事業は、9月に「カラオケ本舗まねきねこ」全店で開始した新サービス「ZERO カラ(ゼロカラ)」の効果等で、既存店売上高が回復基調にある。「ZEROカラ」は、2人以上の高校生グループを対象に、1 オーダー制で室料を時間無制限(混雑時には制限がある他、22 時以降は利用不可)の「0円」にするもの。そもそもカラオケ事業は首都圏の店舗比率が未だ10%程度にとどまり、他社との競合が激しいものの、最大需要地での「カラオケ本舗まねきねこ」の出店余地が大きい。同社は、一都三県、国道16号線内での出店を加速していく考え。黒字化に目処を付け、一部店舗でオンライン英会話「e英会話(http://www.eeikaiwa.com/)」の提供も始まった一人カラオケ「ワンカラ」と共に今後の展開が注目される。
また、カーブス事業では600〜700人の会員を抱える店舗(前期末時点の平均443人を大きく上回る)周辺エリアでの出店余地を改めて検討していく考え。この他、未病や健康づくりに関する意識の高まりを背景にカーブス事業に関心を示す自治体が増えており、提携案件の持ち込みが増えている事や、エビデンスの取得の取り組み等、今後の展開を考える上で興味深い話題が多い。言い換えると、高齢化社会を迎え、更なる成長の芽が豊富なようだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(3667)enish vol.12 | ブリッジレポート:(8912)エリアクエスト vol.18»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE