ブリッジレポート
(2146:JASDAQ) UTグループ 企業HP
若山 陽一 社長
若山 陽一 社長

【ブリッジレポート vol.23】2016年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「下期の課題は、月次ベースで“売上高40億円、売上総利益8億円、営業利益3億円”を安定的に確保できる体制の構築。主力の製造派遣事業の場合・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年12月8日掲載
企業基本情報
企業名
UTグループ株式会社
社長
若山 陽一
所在地
東京都品川区東五反田1-11-15 電波ビル
事業内容
製造・建設・設計開発分野の正社員派遣事業を中心に雇用需給調整サービスも展開。待遇向上とキャリアアップの諸制度により、業界No.1の従業員定着率を誇る。
決算期
3月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 36,478 2,232 2,157 1,168
2014年3月 30,779 1,824 1,754 934
2013年3月 27,854 1,473 1,388 922
2012年3月 24,106 1,453 1,379 880
2011年3月 20,227 1,442 1,309 766
2010年3月 18,056 290 182 -1,401
2009年3月 40,694 1,793 603 -10,861
2008年3月 51,787 4,200 3,473 1,203
株式情報(11/18現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
610円 36,773,000株 22,432百万円 35.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 34.22円 17.8倍 91.20円 6.7倍
※株価は11/18終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
UTグループの2016年3月期上期について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
顧客開拓力と業界No.1の従業員定着率を強みとする製造派遣・請負を事業基盤に、エンジニア(設計及び建設技術者)派遣を育成中。M&Aへの積極的な対応も含めて、既存事業の強化と新規分野への展開で人材業界における日本を代表するリーダー企業となる事を目指している。同社自身は純粋持株会社としてグループを統括し、実際のサービス提供は連結子会社7社が担う。
 
 
【コーポレートブランディングの刷新】
創業21年目を迎えた2015年を新たな創業の年と位置づけて社名変更を行い、新たなビジョンを策定すると共にブランドマークを刷新した。
 
・古くは法隆寺等の建造物から、現代では道具や印刷用紙にも用いられる「白銀比」 により構成
・UTグループの個々とチームワークとその結束を体現し、更に、社員や事業が成長するデザインとして採用
・緑は、成長するキャリア、イキイキとした働き方、社員に安心と安定した職場を提供する姿を表す
・黒は、当社のサービス品質を担保する姿勢を表す
 
新コーポレートメッセージ 「Upward Together」
・「はたらくカで、イキイキをつくる。」をミッションに、お客様と協力しながら共にビジネスを成長させるという、UTグループの社会的使命を表明するメツセージ。
・自分の能力の限界を解き放ち、チームで挑戦する事により更に能力やスキルを高めていくという姿勢を表している。
 
【事業内容】
製造派遣・請負を中心に、設計開発技術者派遣及び建設技術者派遣を手掛けており、15/3期の売上構成比は製造派遣・請負91.3%(14/3期94.0%)、設計開発技術者派遣5.6%(同3.7%)、建設技術者派遣3.1%(同2.3%)。15/3期の製造派遣・請負の業種別構成比は、半導体・電子部品分野44.8%(同42.4%)、環境・エネルギー分野(太陽電池・2次電池等)25.3%(同25.8%)、自動車関連分野16.0%(同14.1%)、住宅分野6.7%(同9.4%)、その他7.2%(同8.3%)。
 
製造派遣事業   半導体No.1を維持しながら、バランスのとれた顧客ポートフォリオへ
10/3期には91%を超えていた半導体・電子部品分野の構成比が、近年、大きく低下しているが、この間、同分野向けの売上自体は増えている。パナソニック バッテリーエンジニアリング(現UTパベック)の子会社化や自動車関連分野の開拓により、環境・エネルギー分野と自動車関連分野の売上を大きく伸ばす事で、半導体・電子部品分野は売上を増やしつつ構成比を半減させた。中期的な目標として、電池を中心に環境・エネルギー30%以上、自動車関連20%程度としており、半導体向けについては、現在の売上水準を維持しつつ40%以下への引き下げを目指している。
 
製造派遣分野の主な取引先
半導体・電子分野パナソニックグループ、ソニーグループ、ロームグループ、東芝グループ、浜松ホトニクスグループ
自動車関連分野トヨタ自動車グループ、アイシン精機グループ、オムロングループ、三菱自動車グループ
環境・エネルギー分野  パナソニックグループ、日立製作所グループ、ジーエス・ユアサグループ
住宅関連LIXIL、YKKAP
 
エンジニア(設計技術者、建設技術者)派遣事業   本格立ち上げ3年で業界トップグループとなる基盤構築
2015年6月末現在のUTグループのエンジニアは796名。16/3期は730名の採用を計画しており、期末には業界トップグループに入る1,400名体制が確立できる見込み。採用の内訳は、中途採用 330名(外国人エンジニア、経験者、未経験者)、社内異動 100名(One UT:UTグループ社員のキャリアチェンジ)、新卒 300名(採用ネットワーク構築による地方理系大学生)。
 
 
 
 
2016年3月期上期決算
 
 
前年同期比20.8%の増収、36.6%の経常増益
旺盛な人材需要の取り込みが進み、主力の製造派遣事業の売上が前年同期比15.7%、育成中のエンジニア派遣事業の売上が同77.2%、それぞれ増加。時間当たり単価の上昇で売上総利益率も改善し、採用費を中心にした販管費の増加を吸収した。過去最高を更新中の技術社員数は上期末現在9,858名(前年同期末8,663名、前期末9,299名)。バックオーダー(3か月以内に採用が必要な人員)は1,158名。
 
 
第1四半期に四半期売上高が100億円を超えた。第2四半期は、旺盛な人材需要に応えるべく、採用を前倒ししたため採用費がかさみ、営業利益が第1四半期の実績を下回った。11月13日現在の技術社員数は10,000名を超えている。
 
 
製造派遣事業
売上高183億86百万円(前年同期比15.7%増)、営業利益19億24百万円(同26.6%増)。旺盛な人材需要に月間500名の採用体制で応えた事に加え、高単価企業や大規模案件にターゲットを定めての営業活動も成果をあげ、技術社員数が順調に増加した(過去最高を更新中)。利益面では、時給単価の上昇や残業代の増加による技術者1人当たりの収益性改善に加え、受注ガイドラインの導入による受注の仕組化で案件毎の収益管理も向上した。時給単価の上昇は業界全体での傾向でもあるが、同社においては、無期雇用やキャリア形成プログラムが整備され、良質な社員を安定的に供給できている事が評価されている面もあるようだ。

業種別では、スマートフォン等の需要拡大で半導体・電子の売上構成比(7-9月)が前年同期に比べて大きく上昇したものの、金額ベースでは、時給単価の高い自動車関連も順調に増加した。上期末の技術社員数は前年同期末(7,546名)に比べて、1,455名増の9,001名。取引工場数は447工場と同期18工場増加した。
 
 
エンジニア派遣事業
売上高25億99百万円(前年同期比77.2%増)、営業利益1億12百万円(同53.4%増)。One UT(グループ内のキャリアチェンジ)による技術社員の増員で既存グループ会社の売上が伸びた事に加え、UTシステム(株)(2015年3月に子会社化した(株)システム・リボルーションが社名変更)の寄与もあり、売上が増加。下期以降の更なる事業拡大を念頭に採用活動を強化するべく、この上期に集中投下した募集広告費を吸収して営業利益も大きく伸びた。上期末の技術社員(エンジニア)数は857名と前年同期比末(495名)に比べて362名増加した。
 
 
 
法人税・消費税等の納付による現預金や未払法人税・消費税等の減少で、上期末の総資産は160億49百万円と前期末に比べて3億77百万円減少した。ただ、運転資金の増加への対応や今後の事業拡大に向け長期借入金を積み増したため、有利子負債は増加した。流動比率176.0%(前期末159.3%)、固定比率99.4%(同91.3%)、自己資本比率20.1%(同21.4%)。
 
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比9.7%の増収、同3.8%の経常増益
下期も顧客である製造業各社にとって良好な事業環境が続く見込み。このため引き続き旺盛な人材需要が期待できる事に加え、労働者派遣法の改正による新規需要も見込まれる。製造派遣事業では、営業活動量を増やして大規模案件の獲得に取り組むと共に、採用活動を強化して月間採用人数の引き上げを図る。一方、エンジニア派遣事業では、マッチング率の向上に向け、中途採用の拡大と新規優良顧客の開拓を進める。今期末までに技術社員(エンジニ)1,000名体制を構築し、来期は、4月入社の新卒を含め、1,300〜1,400名体制でスタートしたい考え。

通期の売上高は前期比9.7%増の400億円。セグメント別では、製造派遣事業が同3.0%増の342億11百万円、エンジニア派遣事業が同81.5%増の57億89百万円。営業利益は同7.5%増の24億円。人員増による人件費の増加や積極的な採用活動に伴う採用関連費用の増加で販管費が51億60百万円と同14.0%増加するものの、製造派遣事業での原価管理の徹底や事業規模拡大によるエンジニア派遣の収益性改善で原価率が81.1%と0.4ポイント改善。売上総利益が75億60百万円と同11.8%増加する見込み。

具体的な株主還元は未定だが、「利益配分に関する基本方針」に則り、会社の業績及び株式市場の動向を鑑みて配当及び自己株式の取得の組み合わせによる総還元性向50%以上の株主還元を実施する予定。
 
 
 
新中期経営計画(17/3期〜21/3期)と労働者派遣法改正
 
【新中期経営計画】
17/3期から21/3期にかけての新中期経営計画では、ビジョンとして「日本全土に仕事をつくる」を掲げ、「はたらく力で、イキイキをつくる」と言うミッションを遂行する事で、最終の21/3期に、在籍者数29,000名、売上高1,450億円、EBITDA 100億円、営業利益82億円、当期純利益55億円の達成と、人材業界における日本を代表するリーダー企業を目指す事になる。
 
【労働者派遣法改正】
改正のポイントは、①労働者派遣事業の届出制から許可制への移行とキヤリア支援や教育訓練の義務付け、②派遣事業の健全な発展へ向けた派遣労働者の雇用安定措置、及び③期間雇用派遣社員の同一職場での3年上限勤務と無期雇用派遣社員の同一職場での無制限勤務、の3点。
同社にとっての労働者派遣法改正のメリットとしては、①業界再編が進みシエア拡大やM&Aのチャンスが広がる事、②無期雇用(正社員)派遣の競争優位性が高まる事、及び③長期的視野で現場リーダーの育成を行い幅広い現場で請負化が可能になる事等を挙げる事ができる。特に自動車メーカーは、今回の法改正を受けて、人手不足対策の軸足を期間工から無期雇用社員の派遣へシフトさせると見られている。
 
 
今後の注目点
下期の課題は、月次ベースで“売上高40億円、売上総利益8億円、営業利益3億円”を安定的に確保できる体制の構築。主力の製造派遣事業の場合、現在、月給制社員が社員全体の75%程度を占めているが(残り25%が地域限定の時間給社員等)、顧客からの支払いの大半は時間給。このため、下期で言えば、10月、11月、3月は営業利益が3億円を超えるが、稼働日数(時間数)が少ない12月、1月、2月は営業利益が2億円程度にととまる。このため、安定的に質の高い社員を派遣できる事をアピールして顧客との間で月極め支払い(月次での定額支払い)への移行交渉を進めると共に、地域限定時間給社員等の比率引き上げに取り組んでいく。

また、採用活動を強化して月間採用人数の引き上げにも取り組む。現在、月間500名の採用体制が構築されているが、月間350名程度の離職者が発生しているため、月間の純増は150名程度にととまる。このため、純増数を増やすべく、下期から来期にかけて月間の採用数を700〜1,000名に引き上げたい考え(通期業績予想の前提となる期末の技術社員数は10,300名だが、社内的には11,000名程度を目指している模様)。
製造派遣事業では、下期は派遣法改正に伴い、期間工から派遣へシフトする需要の取り込みも期待できる(自動車メーカーは人員を固定するリスクを警戒しており、期間工から派遣へのシフトを進めると思われる)。一方、エンジニア派遣事業も引き続き需要は強く、取引先からの引き合いの増加が見込まれる。今期末までに技術社員(エンジニア)1,000名体制を構築し、来期は、4月入社の新卒を含め、1,300〜1,400名でスタートしたい考え。

尚、「月間350名程度の離職者の発生」と言うと、離職率が多いように感じるかもしれないが、技術社員数が10,000名を超える中での350名であり、この比率は製造派遣業界にあっては極めて低く、同業他社はこの倍以上の離職率のようだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
Copyright(C) 2017 Investment Bridge Co.,Ltd. All Rights Reserved.

« ブリッジレポート:(2708)久世 vol.17 | ブリッジレポート:(8130)サンゲツ vol.5»

ブリッジレポート(バックナンバー)
アンケート
ブリッジメール
アラート申込み
CLOSE