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(2714:JASDAQ) プラマテルズ 企業HP
井上 正博 社長
井上 正博 社長

【ブリッジレポート vol.21】2016年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高50.0%、営業利益51.7%、経常利益50.4%となり、前年同期の実績ベースの進捗率(上期実績/通期実績・・・」続きは本文をご覧ください。
2015年12月8日掲載
企業基本情報
企業名
プラマテルズ株式会社
社長
井上 正博
所在地
東京都品川区北品川4-7-35 御殿山トラストタワー
事業内容
合成樹脂専門商社。射出成形向けエンプラ系、スチレン樹脂といった付加価値の高い樹脂が主力。業界唯一の上場企業。
決算期
3月 末日
業種
卸売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 57,037 798 780 490
2014年3月 59,568 833 803 279
2013年3月 55,610 817 783 420
2012年3月 57,790 883 840 531
2011年3月 55,762 899 842 500
2010年3月 47,145 663 621 388
2009年3月 52,550 893 809 489
2008年3月 56,861 1,089 943 704
2007年3月 52,022 1,219 1,115 652
2006年3月 50,673 1,054 1,005 569
2005年3月 46,804 790 746 403
2004年3月 43,720 659 566 309
2003年3月 42,614 685 642 240
株式情報(10/28現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
476円 8,548,310株 4,069百万円 6.1% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
16.00円 3.4% 57.32円 8.3倍 998.75円 0.5倍
※株価は10/28終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
プラマテルズの2016年3月期上期について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
合成樹脂(プラスチック)の専門商社。原料メーカーから仕入れた樹脂原料やコンパウンド(樹脂原料に添加剤を加え機能を強化した成形材料)をセットメーカーや成形メーカー及び樹脂の二次加工メーカーに販売している。最終用途は、電子・電機・OA事務機器、医療機器、玩具、住宅建材、自動車等。連結子会社10社、持分法適用関連会社1社(コンパウンド工場への出資)等と共にグループを形成し、子会社が合成樹脂製品の製造・販売も手掛ける。また、総合商社の双日(株)グループにおいて合成樹脂部門を担う双日プラネット(株)が株式の46.5%を保有している。尚、同社は化学品卸業界に属し、プラスチック専門商社として唯一の上場企業である。
 
【経営理念】
合成樹脂の専門商社として、次の4項目を経営理念として掲げている。
 
①合成樹脂市場におけるメーカーとユーザーのベストマッチングを推進する役割を果たす
②顧客の立場に立った発想で合成樹脂の戦略的パートナーとしての機能を発揮する
③商いは人なりの精神を重視し、組織の人々との協調を重視する
④よき企業市民として、地球環境と地域社会に配慮しつつ、適正な利潤を出し、以って社会貢献を果たす
 
そして、これら企業理念実現のため、会社の経営方針として以下の項目を掲げている。
 
・中長期的な企業価値の最大化を目指す経営
・ステークホルダーから信頼される経営
・環境問題に積極的に取り組む経営
・常にQCD(QUALITY,COST,DELIVERY)の改善を図り、CS(顧客満足)を高める努力を継続する経営
 
 
【国内外に広がるネットワーク】
国内営業拠点 東京本社、大阪支社、名古屋支店、静岡支店、九州支店(大分)、弘前営業所、長崎出張所
国内子会社
 
 
【プラスチックと同社事業の特性】
石油精製の過程で得られるナフサ(粗製ガソリン)を高温熱分解すると、「エチレン・プロピレン(気体)」、「ベンゼン(液体)」等、プラスチックのもとになる粗原料がつくられる。これらは水素と炭素が結びついた分子であり、この分子をつなぎ合わせて「ポリエチレンやポリプロピレン」等のプラスチック原料がつくられる。これらのプラスチック原料に、耐熱性を向上したり、壊れにくくしたり、着色するための添加剤を加え、加工しやすいように3〜5mm程度の粒子状にしたものを「ペレット」と言う。
同社は500社の仕入先と1,300社(国内800社、海外500社)の顧客を有し、原料メーカーから仕入れて、OA機器、家電、医療機器、自動車部品メーカー等の顧客に販売している。
 
 
相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系やスチレン系の樹脂原料の取扱が60%超
売上高の83.9%がプラスチック原料で(この他、製品14.4%、関連機器・シート1.7%。15/3期実績ベース)、相対的に単価が高く高付加価値商材であるエンジニアリング系(45.6%)やスチレン系(20.0%)の樹脂原料が中心。エンジニアリング系樹脂原料とはポリアミド樹脂、ポリアセタール、ポリカーボネート等で、用途はOA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等。一方、スチレン系樹脂原料とは、ポリスチレンやABS樹脂等で、エアコン、冷蔵庫等の白物家電、パソコン・同周辺機器、FAX、及び玩具等で使われている(この他、家電・医療機器向け等のオレフィン系樹脂10.9%、建材向け等の塩化ビニール系材料4.9%、その他樹脂2.5%)。

販売先業界別の構成比(連結ベース売上高)は、日本メーカーが圧倒的な強みを持つ事務機器・OA・光学機器向けが48.2%、スチレン系・オレフィン系が中心の家電(白物家電)・電子(PC・周辺機器)向けが12.7%、オレフィン系のポリプロピレン等の医療機器向け8.3%、塩化ビニール系材料が中心の建材6.1%、自動車向け4.0%、容器・化粧品2.9%、玩具・その他17.8%。
 
重点仕入先と仕入商品及び用途
旭化成グループ    スチレン系樹脂原料  : 冷蔵庫、エアコン等
東洋インキグループ  コンパウンド     : OA・事務機器
帝人グループ     エンジニア系樹脂原料 : カメラ・プリンター外装

この他、双日グループ、JNCグループ、三井化学グループ、出光興産グループ等からの仕入も多い。
 
【コアコンピタンス】
高付加価値商材の拡販の原動力となっているのが、(1)合成樹脂原料に関する高い専門性、(2)商社としてのネットワークを駆使した、メーカーを巻き込んでの提案力、及び(3)顧客との質の高いコミュニケーションが可能とする少量多品種即納体制、の3点。いずれも合成樹脂専門商社に不可欠な要素であり、最もQCDに厳しい日本の優良企業との継続的取引の中で同社が磨き上げてきたコアコンピタンスである。高い専門性を背景にメーカーと一体となって提案営業を進める事でビジネスを広げ、少量多品種の即納対応及び顧客密着型の営業展開で顧客満足度を高めている。
 
 
【成長戦略】
国内は、顧客密着型の営業を徹底する事で顧客と共に成長を図る。一方、海外は、アジア全体に生産拠点を拡大する顧客の動向に合わせて、同社も海外拠点整備の重点エリアを中国からアジアに広げ、顧客ニーズに応えていく(アジアの拠点整備は14/3期で一巡しており、現在は拠点強化に軸足が移っている)。
 
海外
中国、インド、東南アジアを中心とした世界的な人口の増加と生活水準の向上による消費の増加を背景に消費財・耐久消費財の素材であるプラスチックの需要増が続いており、市場は拡大傾向にある。同社はアジアを中心に海外の顧客ニーズを取り込む事で更なる事業拡大を図るべく、重点エリアを中国からアジアへと広げ、拠点整備を進めてきた。アジアでの拠点整備は一巡しており、16/3期以降、アジアの成長を本格的に取り込んでいく考え。
 
国内
同社は強みである顧客密着型の営業を徹底する事で国内でのシェアアップを図ると共に、海外拠点を有機的に活用する事で海外進出日系企業との取り組み拡大にもつなげていく考え。
尚、同社の顧客は、精密機器、医療機器、家電・電子等の勝ち組企業が多く、いずれの顧客も国内外での生産バランスに配慮した経営を行っている。このため、国内でも取引の拡大余地を残している。
 
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
14/3期は厚生年金基金脱退損失2億66百万円など特別損失2億97百万円を計上したためROEが低下したが、15/3期は特別損失が大幅に減少したためROEも改善した。過去5年間で同社のROEに大きな影響を与えているのは売上高である。売上高が増えれば、総資産回転率が上昇し、資金需要も増加するためレバレッジも拡大する。一方、特別損失等の計上が無ければ、概ね売上高当期純利益率は安定している。
現在、同社が力を入れているのは、中国・アジア地域に進出している顧客である海外進出日系企業のニーズに対応するための海外拠点の充実である。これによって、日系企業の“Made by Japan”の高い品質を、高機能素材の安定供給ときめ細やかなサポート体制で強力にバックアップする事ができれば、売上高当期純利益率の向上につながる。
 
 
 
2016年3月期上期決算
 
 
前年同期比6.4%の増収、同7.9%の経常増益
売上高は前年同期比6.4%増の297億47百万円。前年同期の水準が高かったオレフィン系樹脂が落ち込んだものの、OA・事務機器、光学機器(カメラ等)、精密部品(ギア等の機構部品)等に使われるエンジニアリング系樹脂が同10.4%増と伸びた他、合成樹脂関連の製品が高い売上の伸びを示した。

地域別売上高は、国内が同0.6%増の190億45百万円(売上構成比64.0%)、円安の追い風もあった海外が同18.3%増の107億02百万円(同36.0%)。海外の内訳は、上海が同14.2%増の29億42百万円(同9.9%)、香港が同8.1%増の44億67百万円(同15.0%)、その他が同41.0%増の32億93百万円(同11.1%)。

営業利益は同9.2%増の4億24百万円。付加価値の高いエンジニアリング系樹脂が増収をけん引する中、製品販売の好調や円安の寄与もあり、売上総利益率が5.9%と0.2ポイント改善。売上増による変動費の増加に加え、円安による円ベースでの海外経費増もあり、販管費が13億27百万円と同10.3%増加したものの、売上の増加と売上総利益率の改善で吸収した。実効税率の低下で四半期純利益は2億69百万円と同26.5%増加した。
 
 
 
 
上期末の総資産は前期末と同水準の247億76百万円。借方では、手形流動化の減少で売上債権が増加する一方、現預金が減少。投資その他の増加は上場株式の評価替えによる投資有価証券の増加による。貸方では、決済の一時的なずれで仕入債務が減少する一方、長期借入金や繰延税金負債を中心に固定負債が増加した他、投資有価証券や為替換算調整勘定の評価替え等で純資産が増加した。流動比率151.0%(前期末147.3%)、固定比率33.7%(同33.6%)、自己資本比率35.8%(同34.4%)。
 
 
営業CFのマイナス幅が拡大したのは潤沢な手元流動性を踏まえて手形の流動化を抑制したため。CFの悪化は意図せざるものではなく、手元資金の有効活用の一環と考える事ができる。
 
 
2016年3月期業績予想
 
プラスチック原料ビジネスは中期的には国内回帰が進む見込みだが、需要はアジアを中心に海外市場での拡大が続く見込み。事実、同社の重要顧客は生産拠点をアジア全体に広げている。同社もこうした動きに対応して、重点エリアを中国だけでなくアジア全体に広げ、変化する顧客ニーズを的確にとらえていく考え。
 
 
前期比4.3%の増収、同2.5%の経常増益予想
欧州経済の停滞、中国をはじめとする新興国の成長鈍化、更には原油安に伴う合成樹脂原料価格の価格調整等のリスクを織り込んだ結果、慎重な業績予想となった。為替については、1USドル=120円00銭と前期の105円88銭から14円12銭の円安を想定している。

配当は1株当たり1円増配の年16円を予定(上期末8円、期末8円)。同社は将来の事業展開及び事業投資と経営基盤・財務基盤の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定的な配当の継続を実施していくことを基本方針としている。
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高50.0%、営業利益51.7%、経常利益50.4%となり、前年同期の実績ベースの進捗率(上期実績/通期実績。売上高49.0%、営業利益48.6%、経常利益47.9%)を上回っている。海外は、円安効果もあったと思われるが、アジアや東南アジアに拠点を広げ、営業活動を強化した効果が顕在化しつつあるようだ。中国の景気減速の影響も、原油安の影響も、取り敢えずは乗り越えた。
スマートフォン向けの電子部品を手掛けるメーカーに目をやると、スマートフォン開発の最先端を走り、強いブランド力を有するアップル向けを中心とする部品メーカーが好調な一方、価格訴求力に重きを置くスマートフォンメーカーへの依存度が高い部品メーカーが苦戦している。納入先によって明暗が分かれた訳で、高付加価値分野に強みを有し優良顧客との太いパイプを有する部品メーカーは下期の業績見通しも強気だ。一方、同社の上期を振り返ると、付加価値の高いエンジニアリング系樹脂が好調だった。同社は下期の見通しについて慎重な姿勢を崩していないが、上記の通り、電子部品メーカーの例もある。通期業績の上振れに期待したい。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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