ブリッジレポート
(9616:東証1部) 共立メンテナンス 企業HP
石塚 晴久 会長
石塚 晴久 会長
佐藤 充孝 社長
佐藤 充孝 社長
【ブリッジレポート vol.46】2016年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「大幅な増収増益。そして大幅な上方修正。ただし、上期に期初予想を上回った分を上乗せした上方修正であり、更なる上乗せ余地がありそう。また・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年1月12日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社共立メンテナンス
会長
石塚 晴久
社長
佐藤 充孝
所在地
東京都千代田区外神田 2-18-8
事業内容
学生寮、社員寮の運営・受託管理大手。 ビジネスホテル(ドーミーイン)、
リゾートホテル、高齢者向け住宅の運営・管理も展開。
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年3月 110,212 8,217 7,663 4,387
2014年3月 105,216 7,490 6,796 3,829
2013年3月 99,472 6,521 5,599 3,206
2012年3月 91,170 6,017 4,602 2,376
2011年3月 84,983 4,610 3,308 1,052
2010年3月 84,513 4,033 3,012 1,254
2009年3月 82,303 5,349 4,510 2,133
2008年3月 75,606 4,492 4,167 2,740
2007年3月 66,287 3,745 3,787 2,413
2006年3月 63,084 4,611 4,823 2,010
2005年3月 58,014 4,407 4,411 2,343
2004年3月 54,080 4,004 4,059 2,137
2003年3月 50,108 4,148 3,884 2,039
2002年3月 50,064 3,908 3,580 1,821
2001年3月 37,884 2,827 2,643 1,146
株式情報(12/17現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
10,290円 19,240,290株 197,983百万円 10.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
50.00円 0.5% 281.70円 36.5倍 2,903.88円 3.5倍
※株価は12/17終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROEは前期末実績。
 
共立メンテナンスの2016年3月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
"ライフステージにおける様々な場面での「食」と「住」さらに「癒し」のサービスを通じて、広く社会の発展に寄与する"と言う経営方針の下、「現代版下宿屋」(食事付きの寮の運営)を中心にした寮事業、「温泉感覚を取り入れた大浴場」と「美味しい朝食」といった寮事業のノウハウを活かしたホスピタリティ重視のビジネスホテルや「リーズナブルで質の高いリゾートライフ空間の創造と提供」をテーマに掲げたリゾートホテルのホテル事業、オフィス(事務所)・レジデンス(住居)のビルメンテナンス、ビル賃貸及び賃貸代行、駐車場運営等の総合ビルマネジメント事業、外食やレストラン運営受託のフーズ事業等を展開。知名度と実績で他社を凌駕する主力の寮事業を安定収益源とし、ホテル事業の育成により成長を加速している。
事業の種類別セグメントと売上構成(15/3期)は次の通りである。
 
 
【沿革】
設立は1979年9月。食の世界に長く携わった創業者 石塚晴久氏が調理人として企業の給食施設の運営受託を開始した。翌80年には千葉県佐倉市に、木造2階建て(四畳半が28室)の民間学生寮「学生会館」第一号棟が誕生。「食」を第一として、「学生の健康と元気こそが親の安心」との考えのもと、提携先の学校名を冠した学生会館事業を展開。東京・神奈川地区、名古屋地区、大阪地区へとエリアを拡大した。85年4月には、「一室から借りる事ができ、朝夕2食付き」を特徴とし、ゆっくり身体を癒せる「大浴場」も重視した社員寮事業を開始。87年5月には、学生寮、社会人寮、給食施設等の受託事業で培った「賄いのノウハウ」を活かし外食事業に展開。93年6月に本社移転(東京都千代田区)を経て、同年7月に長野県でリゾートホテル事業に、8月に埼玉県でビジネスホテル事業に参入した。翌94年9月、現在のJASDAQ市場へ上場(店頭登録)、99年3月の東証二部上場を経て、01年9月に東証一部上場となった。
 
 
新中期経営計画「共立フルアクセル・プラン」:16/3期〜18/3期の3ヶ年計画
 
5月に新たな中期計画として、「共立フルアクセル・プラン」を策定した。
経営環境
・異次元緩和による低金利及び円安の継続
・建築費の高止まり
「日本再興戦略」改訂2014
・観光資源の活用/インバウンド促進
・大学改革/グローバル化
・法人税率の段階的な引き下げ
・コーポレートガバナンスコードの策定
将来のイベント
・2017年4月消費増税(8%→10%)
・2020年オリンピック・パラリンピック東京大会開催
 
その上で「共立フルアクセル・プラン」において2018年3月期に目指す目標は以下の通り
 
基本方針として
1. お客様のニーズに応えるべく、開発投資を集中的かつ積極的に加速
2. 価値と価格のバランス適正化による収益力の強化
を掲げている

開発室数は寮・ドミールで4,930室、ドーミーインが2,794室、リゾートホテルは641室。

寮事業の開発計画
 
ビジネスホテル・リゾートホテル事業の開発計画
 
ホテル事業の客室単価については、過去3年間の平均でドーミーインは5.3%の上昇、リゾートホテルでは6.1%の上昇率であったが計画上ではそれぞれ2.7%、2.3%の上昇を見込んでいる。尚、中期計画期間中の設備投資は3年累計で440億円を見込む。
 
 
2016年3月期上期決算
 
 
前年同期比24.8%の増収、同36.6%の経常増益
売上高は前年同期比24.8%増の668億67百万円。寮事業における期初稼働率は、前年比0.1ポイント増の97.3%と好調なスタートとなった。ホテル事業においては、ドーミーイン事業、リゾート事業共に国内旅行者やインバウンド需要の増加が引き続き追い風となり、高稼働にて推移した。その他の事業についてもデベロップメント事業やPKP事業などが牽引し大幅増収、黒字転換した。売上総利益率は0.6ポイント低下したものの、販管費率が1.3ポイント低下し、営業利益率は0.8ポイント上昇した。この結果、営業利益は前年同期比36.1%増の61億53百万円、経常利益は同36.6%増の57億64百万円、四半期純利益は同39.4%増の38億円。前年同期、期初予想とも大幅に上回る増収増益となった。
 
 
営業利益率は前年同期比0.8ポイント上昇の9.2%。創業以来、寮事業を主力とし安定成長。寮事業で培ったノウハウを活かしホテル事業を展開してきたが、成長著しいホテル事業が利益率の改善も顕著である。その他の事業の黒字転換も貢献した。
 
寮事業
売上高は前年同期比4.2%増の218億66百万円、営業利益は同10.4%増の29億71百万円。期初稼働率は97.3%と前年を0.1ポイント上回る水準でのスタート。9月末現在の契約稼働者数は32,687名で前年同期比1,580名増加。
学生寮事業では海外からの留学生が増加し堅調に推移した。海外からの留学生は16/3期上期末時点で、学生寮契約者20,153人中2,194人と10.9%を占める。加えて、社員寮事業において採用人数の増加や、新たに寮制度を導入する企業が増加したことにより契約数が増加した。1棟単位での徹底したコストコントロールも引き続き実施し、利益率も上昇した。
 
 
ホテル事業
売上高は前年同期比12.0%の267億3百万円、営業利益は同29.0%増の40億25百万円。ドーミーイン事業、リゾートホテル事業いずれも高い稼働率で推移したことに加え、客室単価も上昇した。特にドーミーイン事業の増益貢献度が大きい。
 
ドーミーイン(ビジネスホテル)事業
上期に、「天然温泉 錦鯱の湯 ドーミーインPREMIUM名古屋栄」、「徒士の湯 ドーミーイン上野・御徒町」の2棟がオープンした。「狸の湯 ドーミーイン札幌ANNEX」は世界最大のオンライン旅行予約サイト「エクスペディア」の「2015年世界ベストホテルランキング」で第5位に選出される快挙もあった。既存の事業所においてもインバウンドの増加のみならず国内旅行者の強いニーズを受け、引き続き好調に推移している。既存事業所の稼働率は88.7%で前年同期比0.4ポイント上昇。渋谷や浅草、秋葉原、心斎橋、難波、京都といった大都会中心部のほか、仙台、博多など地方の中心都市も高稼働で推移した。客室単価は1万2百円で同1千4百円増。中期計画では年平均2.3%の上昇を目指すが、今上期は15.9%上昇と大幅に上回っている。
好調な稼働率もあったが、今上期は客室単価の上昇が顕著に現われた。
 
 
また、昨今の円安環境が続く中、韓国、台湾、香港などアジア圏からのインバウンド営業を強化したことにより、外国人顧客の利用が着実に伸びている。インバウンド比率は直近9四半期連続して上昇、今上期は16.1%と前年同期の9.1%から大幅に上昇した。エリア別では、「ドーミーインPREMIUMなんば」、「ドーミーイン心斎橋」を擁する大阪地区のインバウンド比率が相対的に高い。インバウンド顧客は同伴係数(一室あたりの利用人数)が高いため、今上期客室単価が1万2千5百円とインバウンド以外の顧客の客室単価と比べて2千6百円上回った。インバウンド比率の上昇は、稼働率・客室単価双方の水準引き上げに貢献する。
 
 
リゾート(リゾートホテル)事業
9月には「阿寒川温泉 カムイの湯 ラビスタ阿寒川」がオープンした。既存の一部施設で箱根山の噴火警戒レベル引き上げによる影響を受けたものの他のエリアの施設がカバーし、稼働率は83.7%と全体としては前年同期を0.4ポイント上回る高稼働にて推移した。また、稼働状況に応じた柔軟な人員配置を実施することにより、稼働率の変化に対応したコスト管理を実施した。客室単価は4万5百円で前年同期比6百円の増加となった。
 
 
その他の事業
売上高は前年同期比54.2%増の227億32百万円、営業利益3億36百万円(前年同期は1億29百万円の損失)。
総合ビルマネジメント事業は売上高70億55百万円(前年同期比28.3%増)、営業利益1億87百万円(前年同期比145.0%増)。前期取得した賃貸物件の通年寄与及びビルマネジメント部門の案件増加に伴い増収増益となった。
フーズ事業は売上高26億98百万円(前年同期比2.8%増)、営業損失17百万円(前年同期は0百万円の損失)。個人消費の回復を受け増収となったが、新規出店費用等の影響により損失が増加した。
デベロップメント事業は売上高70億87百万円(前年同期比226.2%増)、営業利益1億88百万円(前年同期は7百万円の損失)。開発原価は依然として高止まりの状況が続いているが、ホテル開発の受注増加に伴い増収、黒字転換となった。
その他事業は売上高58億90百万円(前年同期比32.5%増)、営業損失21百万円(前年同期は1億97百万円の損失)。PKP事業の拡大と効率化に伴う採算性改善が主因で増収、損失は大幅に縮小した。
 
 
上期末の総資産は前期末比2億55百万円増の1,400億5百万円となった。主な要因は建物及び構築物の増加によるもの。
負債は同87億2百万円増の841億34百万円となった。主な要因は、転換社債型新株予約権付社債の減少などによるもの。
純資産は同89億58百万円増の558億71百万円となった。主な要因は、資本金、資本剰余金、利益剰余金の増加などによるもの。
自己資本比率は39.9%となり、前期末比6.3ポイント増加した。2013年12月に発行した転換社債型新株予約権付社債150億円の転換が140億円まで進み(転換率93.2%)、上期末のネット有利子負債は前年同期503億円から413億円に減少、ネットDEレシオ(ネット有利子負債÷自己資本)は同1.3倍から0.7倍に改善した。
 
 
上期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比20億70百万円減少し136億88百万円となった。
営業CFは税金等調整前当期純利益の増加及び前受金の減少により、前年同期比75百万円支出が減少し、14億62百万円の支出となった。
投資CFは有価証券の売却による収入及び有形固定資産の取得による支出の影響により同8億21百万円支出が減少し47億45百万円の支出となった。
財務CFは短期借入金の増加による収入及び長期借入れによる収入の影響により、同68億93百万円収入が増加し42億40百万円の収入となった。
 
 
2016年3月期業績予想
 
 
前期比19.4%の増収、同23.1%の経常増益予想
通期予想は売上高が前期比19.4%増の1,316億円、経常利益は同23.1%増の94億30百万円を見込む。売上高で99億円増、経常利益では15億80百万円増の大幅な上方修正となった。
配当は年50円(うち上期25円)を予定している。尚、2015年3月31日を基準日として1:1.2の株式分割を行っており、実質10円の増配(実質20%増配)となる。
 
 
今後の注目点
大幅な増収増益。そして大幅な上方修正。ただし、上期に期初予想を上回った分を上乗せした上方修正であり、更なる上乗せ余地がありそう。また、箱根地区のリゾートホテルの稼働率が一時60%台に落ち込んでいたが、11月20日に警戒レベルが引き下げられたこともあり、足元11月は80〜85%に回復している模様。中期計画で目指す18/3期経常利益100億円の2年前倒し達成も視野に入り、まさに「フルアクセル」である。
寮事業、ホテル事業とも好調に推移しているが、特にホテル事業において相次ぐ新規開業に伴う費用負担をこなしながらも利益率が上昇していることは特筆すべきだろう。ドーミーインの稼働率は8月・9月ともに90%を超え、一部施設では100%近くになるなど上乗せ幅に限界も出ている中、客室単価を大きく伸ばすことで、利益率上昇につなげている。また、その他の事業も黒字に浮上しており、コスト管理も行き届いている。特になかなか浮上してこなかったPKP事業が急激に改善しており、今後に期待したい。外部環境に大きな変化が生じない限り、今後も高成長が持続するだろう。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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