ブリッジレポート
(4829) 日本エンタープライズ株式会社

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ブリッジレポート:(4829)日本エンタープライズ vol.35

(4829:東証1部) 日本エンタープライズ 企業HP
植田 勝典社長
植田 勝典社長

【ブリッジレポート vol.35】2016年5月期上期業績レポート
取材概要「2015年末の携帯電話の契約数に占めるスマートフォンの割合は54.1%にまで上昇しており(調査会社調べ)、普及のスピードが鈍化しつつある・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年2月2日掲載
企業基本情報
企業名
日本エンタープライズ株式会社
社長
植田 勝典
所在地
〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8
決算期
5月 末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年5月 5,116 189 204 177
2014年5月 4,508 335 340 437
2013年5月 4,134 372 391 354
2012年5月 2,790 304 318 170
2011年5月 2,370 266 283 168
2010年5月 2,147 150 173 77
2009年5月 2,475 292 317 175
2008年5月 3,123 572 578 272
2007年5月 3,677 774 783 447
2006年5月 3,416 694 688 418
2005年5月 3,018 587 570 348
2004年5月 1,958 205 168 226
2003年5月 1,752 134 131 58
2002年5月 1,704 51 53 23
2001年5月 1,417 301 262 126
株式情報(1/14現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
210円 40,540,200株 8,513百万円 3.8% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
3.00円 1.4% 3.45円 60.9倍 122.31円 1.7倍
※株価は1/14終値。
 
日本エンタープライズの2016年5月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
モバイルソリューションカンパニーを標榜。交通情報、エンターテインメント、ライフスタイル等のコンテンツを制作しスマートフォン等に配信するコンテンツサービス事業と、企業のコンテンツ制作・運営、システム構築、広告(店頭アフィリエイト)、リバースオークションやIP電話といった業務支援サービス(コスト削減ソリューション)等のソリューション事業が2本柱。また、海外展開にも力を入れており、中国とインドに事業基盤を有する。
2001年2月16日に大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現JASDAQ市場)へ株式上場。2007年7月10日の東京証券取引所市場第二部への市場変更を経て、2014年2月28日に同市場第一部の指定を受けた。
 
【経営理念】
同社の経営理念は「綱領・信条・五精神」及び「日エン経営原則」に刻まれており、「これを繰り返し学ぶ事で基本理念を永遠に堅持していく」事が同社社員の責務。こうした正しい考えと正しい行動の下にこそ、長い目で見た「株主価値の極大化」、すなわち「資本という大切な“お預かりもの”を1円もムダにせず、最大化していくことが可能である」と言うのが同社を率いる植田社長の考えである。
そもそも同社は、「社業を通じて社会のお役に立ちたい」という強い一念から植田社長が興した会社であり、様々なIT機器を通して便利で面白い多種多様なコンテンツを制作し提供する事でユーザーの満足度を高めると共に社会貢献していく事を目指している。
こうした植田社長の経営哲学の下、創業初年度の経常利益は、ほぼ全額が日本赤十字社・各地社会福祉協議会・児童養護施設等に寄付され、東日本大震災の折には、被災した方々の支援と東北地方の復興に寄与するべく日本赤十字社に寄付が行われた。
 
綱領
我々は商人たるの本分に徹しその活動を通じ社会に貢献し、文化の進展に寄与することを我々の真の目的とします。
 
信条
我々は以下に掲げる五精神をもって一致団結し力強く職に奉じることを誓います。
 
日本エンタープライズ株式会社の遵奉する精神
一、商業報国の精神
一、忘私奉職の精神
一、収益浄財の精神
一、力闘挑戦の精神
一、感謝報恩の精神
日エン経営原則

1. 心を高める経営を行う
2. 衆知を集めた全員経営を行う
3. 公明正大に利益を追求する
4. 原理原則にしたがう
5. お客様第一主義を貫く
6. 経営家族主義で経営する
7. 実力主義に徹する
8.「協力し、信頼する仲間」をベースに
  仕事を進める
 
 
【企業グループ 連結子会社9社、非連結子会社5社】
連結子会社は、広告事業等の(株)ダイブ、音楽事業等のアットザラウンジ(株)、交通情報を中心にした情報提供の交通情報サービス(株)、Web・Mobileサイト開発・保守及びコンテンツ開発等の(株)フォー・クオリア、ネイティブアプリを主としたモバイルコンテンツ事業の(株)HighLab、音声通信関連ソリューションの(株)and One、スマートフォン向けアプリケーション企画・開発等の(株)会津ラボの国内7社、中国事業の統括に加え、携帯電話販売店を運営する因特瑞思(北京)信息科技有限公司、及びIT系教育事業の瑞思創智(北京)信息科技有限公司、の中国子会社2社。
非連結子会社は、2015年6月に設立したスマートコミュニティ事業の山口再エネ・ファクトリー(株)、同年7月に第三者割当増資を引き受け子会社化したスマートフォン向けアプリ自動キッティングツール開発等の(株)プロモート、2015年10月に設立する中国における卸売事業等を行うNE銀潤(株)の国内3社、モバイル向けコンテンツ配信やキャラクターライセンス事業の瑞思放送(北京)数字信息科技有限公司、インド現地法人NE Mobile Services(India)Private Limitedの海外2社。
 
【特徴・強み】
同社の特徴であり、強みにもなっているのが “自社開発へのこだわり”である。「提供するコンテンツの権利(IP/知的財産)を自社で保有する事で高い収益性を実現」する同社独自のビジネスモデルをベースとしている。そして携帯電話販売会社との協業による成功報酬型コンテンツ販売(独自に開発した店頭アフィリエイト)システムと連動させる事でコンテンツの拡販を図っている。加えて、この経験値が企業のモバイル活用ソリューションに活かされている。
 
コンテンツの一例
女性にとって大切な生理サイクルの記録・管理をはじめ、妊娠しやすい期間、生理日・排卵日の予測等、様々な情報やアドバイスを提供している。
「“おでかけ”をもっと便利に!もっと楽しく!」をコンセプトに、道路交通情報、渋滞ライブ映像、駐車場検索を配信している。 『交通情報』の提供元である子会社 交通情報サービス(株)では、スマートフォンユーザ向けコンテンツの他、大型ショッピングモールやTBSテレビ「次世代スマートテレビ」へも情報を提供している。
 
 
2016年5月期上期決算
 
 
前年同四半期比1.3%の増収、同24.9%の経常減益
売上高は前年同四半期比1.3%増の25億47百万円。受託開発やデバッグ等のソリューションをけん引役にソリューション事業の売上が13億99百万円と同14.3%増加したものの、フィーチャーフォン向け月額課金サービスの苦戦でコンテンツサービス事業の売上が11億48百万円と同11.0%減少した。

利益面では、ソリューション事業の売上構成比の上昇(48.7%→54.9%)による原価率の悪化(51.8%→54.4%)で売上総利益が減少。広告宣伝費の抑制で販管費が減少したものの(事業拡大に伴い人件費等は増加)、営業利益が43百万円と同29.8%減少した。経常利益は同24.9%の減少にとどまったが、投資有価証券売却益の減少(3億31百万円→17百万円)等で親会社株主に帰属する四半期純利益は69百万円と同56.3%減少した。親会社株主に帰属する四半期純利益が経常利益を上回ったのは投資有価証券売却益等の特別利益の計上や法人税等調整額の減少による。

尚、広告宣伝費は前年同期の4億28百万円から3億42百万円に減少した。前年同四半期はネイティブアプリの利用者獲得に向け積極的に広告宣伝費を投下したが、一定の成果を上げた事で現在は「口コミ」に軸足を置いているためだ。
 
 
コンテンツサービス事業は、交通情報、エンターテインメント、ライフスタイルの全てのジャンルで売上が減少した。当事業の売上は月額課金サービスの売上とキャリア定額サービス向けの売上に分ける事ができるが、この上期は、ゲームやスポーツ(女子サッカー)関連等の好調でキャリア定額サービス向けの売上が増加したが、フィーチャーフォンからの利用減少で月額課金サービスの売上が減少した。売上が増加したキャリア定額サービスの利用は、言うまでもなく、スマートフォンからの利用のみであり、売上が減少した月額課金サービスも、スマートフォンからの利用による売上は増加したが、フィーチャーフォンからの利用減少の影響をカバーできなかった。

一方、ソリューション事業は、前年同四半期の特需の反動で広告の売上が減少したものの(販促効果でNTTドコモの端末販売が急増した恩恵を受けた)、日本エンタープライズ(株)の受託開発や(株)フォー・クオリアのデバッグが堅調に推移する中、(株)and Oneや(株)会津ラボといった子会社の連結効果もあり(90百万円の寄与)、ソリューションの国内売上が増加。さらに中国での携帯端末販売が個人・法人向け共に増加した事で海外の売上も増加した。
 
 
一時的な要因や季節要因で売上が減少する中、先行投資が負担
コンテンツサービス事業、ソリューション事業共に、第1四半期との比較で売上が減少した。ただ、コンテンツサービス事業の減収は、女子サッカー人気による特需の反動や北京業主行網絡科技有限公司の売却によるエンターテインメントの減少といった一時的な要因による。また、ソリューション事業についても、季節要因によるソリューションの減少が要因である。ソリューションでは仕掛品(受注残に相当)が着実に増えており、四半期連結貸借対照表に反映されている(後述)。

利益面では、北京業主行網絡科技有限公司の売却で原価率が低下したものの、交通情報のユーザー獲得に向けた携帯電話販売会社とのタイアップ企画による広告宣伝費の増加が負担となった(第3四半期以降、広告宣伝費は減少する見込み)。
 
 
交通情報が安定した売上を計上し、第1四半期との比較で売上が減少したライフスタイルも、ユーザビリティや品質向上でDAU(Daily Active Users:1日にサービスを利用したユーザー)が堅調に推移した。一方、エンターテインメントは、女子サッカー人気による特需の反動や北京業主行網絡科技有限公司を売却した影響で売上が減少した。
尚、交通情報については、当第2四半期に実施した携帯電話販売会社とのタイアップ企画が奏功し、同四半期末の有料会員数が初めて20万人を超えた(第1四半期末は約17万人)。第3四半期以降、獲得した会員の収益貢献が期待できる。
 
 
第1四半期と比較すると、販促拡大効果による主要な提携先携帯電話販売会社の増加(15年11月末3社→同年11月末6社)で広告(広告代理サービス)の売上が増加した他、個人向け販売に続き法人向け販売も増勢に転じた中国での携帯電話販売(海外)も増加した。一方、売上計上に季節性のあるソリューションは売上が減少したものの、第2四半期としては過去最高の売上計上となった。
 
 
上期末の総資産は前期末に比べて3億58百万円減の59億29百万円。借方では、先行投資による営業CFの悪化や定期預金から長期預金への預け替え(2億円)で現預金が減少する一方、ソリューションの受託開発の積み上がりで仕掛品が増加した他、今後のサービス展開に向けたコンテンツやシステムの開発でソフトウエア(無形固定資産)も増加。投資その他では、売却で投資有価証券が減少する一方(7億05百万円→5億10百万円)、預け替えによる長期預金の増加でその他が増加した(1億22百万円→3億25百万円)。貸方では、仕入債務や未払法人税等の減少により負債が減少し、更には配当の支払い等で純資産が減少した。
流動比率705.1%(前期末621.3%)、固定比率27.9%(同25.5%)、自己資本比率83.6%(同81.6%)。
 
 
税金等調整前四半期純利益の減少とソリューションにおける仕掛品の増加で営業CFのマイナス幅が拡大する中、コンテンツやソフトウエアによる無形固定資産の増加及び投資有価証券売却益の減少で投資CFがマイナスとなった。財務CFのマイナスは、主に配当金の支払いによる。
 
 
機構改革と事業拡大に向けた取り組み
 
機構改革   - 2015年12月より、新たな事業体制がスタート -
2015年12月にセグメント別事業本部制がスタートした。従来、事業本部がコンテンツサービス事業とソリューション事業の両事業を統括していたが、専門領域に特化した事業活動の推進と業務執行の機動性向上を目的に、今回、コンテンツ事業本部とソリューション事業本部を発足させた。
 
 
コンテンツ事業本部は、アライアンス強化により「ライフサポートプラットフォーム」戦略を加速させると共に事業領域の拡大にも取り組む「アライアンスビジネス部」、キャリアプラットフォームへの継続的なコンテンツ提供で当面の収益を支える「コンテンツビジネス部」、及び横断的なアライアンス営業を国内外で展開する「グローバル営業部」からなる。

一方、ソリューション事業本部は、携帯電話販売会社との強固なアライアンスを強みに機動的な営業活動を展開する「メディアソリューション部」、活況を呈するソリューション市場での案件獲得の役割を担う「ビジネスソリューション部」、及び東海・関西地区に集中・特化する「東海ソリューション部」からなる。

また、技術部が、システム開発・運用、営業支援、自社パッケージ商品の品質向上、更には新技術分野での共同研究・開発に取り組む事で両事業本部をサポートする。
 
事業拡大に向けた取り組み
コンテンツサービス事業:交通情報、エンターテインメント、ライフスタイル
交通情報において携帯電話販売会社とのタイアップ企画を実施し、エンターテインメントでは月額課金サービスを強化するべく、電子書籍「BOOKSMART」のパソコン向けサービスを開始した他(従来はスマホ・タブレット向けのみ)、“App Store”へ新たなコンテンツを投入。また、ライフスタイルにおいては、女性向けアプリ「女性のリズム手帳」のサービス強化やメッセンジャーアプリ「Fivetalk」を活用した新サービスに加え、新たなコンテンツを投入した。
 
交通情報
当第2四半期(9-11月)に実施した携帯電話販売会社との協業によるタイアップ企画が奏功し、第1四半期末(8月末)に17万人だった有料会員が当第2四半期末(11月末)に20万人超に拡大した。今後は、会員サービスの一環として提供する「交通情報メール」やSNS「みんなで交通リポート」を活用して、顧客エンゲージメントの向上に取り組み、長期利用につなげていく。また、2015年10月8日に、「App Pass」において、「ATIS交通情報」及び「レジャー&駐車場情報」の2本のアプリの配信を開始した。

尚、当第2四半期は上記タイアップ企画の実施に伴い積極的に投下した広告宣伝費が負担となったが、第3四半期以降は新規会員の収益寄与が期待できる。従来、新規会員に対して「初月無料」としていたが、1か月以内に解約すると、1か月分の課金が発生していた。しかし、今回のキャンペーンでは、「30日間のお試し期間」に変更し、30日以内の解約であれば課金を免除した。このため、当第2四半期は広告宣伝費が増加する中で月額課金が減少したが、長期の利用が期待できる優良な有料会員が3万人程度増加した事になる。
 
エンターテインメント
キャリア定額サービス向けでは、ライトユーザーをターゲットにした「ちょこっとゲーム」が好調で、NTTドコモの定額サービス「スゴ得コンテンツ」(ゲームカテゴリー)においてランキング上位を維持している。月額課金では、これまでスマホ・タブレット向けにとどまっていた電子書籍「BOOKSMART」のサービスのパソコン向けサービスを2015年9月8日に開始した他、2015年11月4日に「ココロと身体ミュージック♪」の配信を、2015年11月11日に「爽快麻雀!イーシャンテン」の配信を、それぞれ「App Store」で開始した。
一方、ICPライセンス保有のメリットの低下を踏まえ、北京業主行網絡科技有限公司を売却した。ICPはInternet Content Providerの略で、ICPライセンスとは、中国でモバイルコンテンツ事業を行うにあたり必要となるコンテンツ配信ライセンスの事。国内のサーバを介して中国向けのコンテンツ配信が可能なったため、ICPライセンスを保有するメリットは低下している。
 
ライフスタイル
ライフスタイルの柱の一つである「女性のリズム手帳」はユーザビリティや品質向上が奏功しDAUが堅調に推移しており、アライアンスによる体組成計・体脂肪計デバイスとの連携を計画している。一方、ライフスタイルのもう一つの柱であるメッセンジャーアプリ「Fivetalk」は、トヨタ自動車の次世代テレマティクスサービス「T-Connect」に車載アプリとして採用された(2015年6月25日)。この他、人口知能との会話や製品との会話といったAI関連やIoT関連のインターフェースの共同開発を開始した。

新たなコンテンツについては、2015年10月2日に「ラブめも」の配信を“App Store”及び“Google Play”で開始した他、 「毎日いぬねこダイアリー」の配信を、NTTドコモ、au、ソフトバンクで順次開始した(2015年10月~)。シリーズ化を決定した知育アプリ「ドキドきっず」シリーズの2アプリも開始した(2015年12月)。
また、2015年12月1日にフリマアプリ(フリーマーケットに出品するためのアプリ)「Dealing」をクルーズ(株)から譲受した。スマートフォンの普及に伴い、国内のスマートフォン電子商取引(EC)市場規模が拡大しており、フリーマーケットやネットオークションに代表される個人間取引市場も拡大が続いている。「Dealing」の譲受は、初期投資を抑えながら短期間でのフリマアプリ市場への参入を可能にする。300 万ダウンロードを突破したヘルスケアアプリ「女性のリズム手帳」と「Dealing」を連携させる事で、あらゆるライフステージで女性の健やかな暮らしを支援する“ライフサポートプラットフォーム”の構築につなげていく他、「Dealing」のエスクロー(安全性を保証する決済仲介サービス)機能を活用した新たなサービスの提供も計画している。
 
 
ソリューション事業:ソリューション、広告(広告代理サービス)、海外
ソリューションでは企業向けや自治体向け(「地方創生」関連)の受託開発案件等の取り込みに注力し、広告(広告代理サービス)では携帯電話販売会社等とのアライアンスの強化に取り組んだ。また、富裕層を中心にした端末買い替え需要で中国での携帯電話販売が伸びた。
 
ソリューション
ソリューションでは、企業の情報システム投資の拡大や自治体の地域創生の活発化で受注売上が拡大している。この上期は、大手ゲーム会社向け分散処理サーバシステム構築・デバッグサービスが堅調に推移した他、大手出版社のWEBサービス用サーバ設計・構築・運用案件も順調に進捗。この他、サーバ監視ロボット、ARアプリ(宮城県白石城「城めぐり」)、「工場見学ナビ」(“指さしナビ”応用)の受注に成功した。一方、「地方創生」関連では、少子化対策、情報共有、新エネルギー、スマート農業での受託開発や研究開発が進行している。
この他、自社サービスとして、企業のスマホ・タブレットの導入が加速している事を踏まえ、子会社(株)プロモートがスマホ向けキッティングツール「Concerto」を商品化し、営業を開始した。法人向けメッセンジャーアプリ「Biz Talk」、リバースオークション「Profair」、IP電話アプリ「AplosOne」と共にサービスの拡大に取り組んでいく。
 
広告(広告代理サービス)
キャリア商材との競合激化に加え、行政による通信サービスへの規制で事業環境が厳しさを増している。このため、継続的な携帯電話販売会社の支援でキャリアコンテンツとの競合にも揺るがない強固なアライアンスの構築に取り組んでいる。この上期は、「音楽聴き放題」、「交通情報」等、長期利用が期待できる優良コンテンツの獲得・販売が好調に推移した。
 
海外
中国の携帯電話販売市場は富裕層を中心にした端末買い替え需要で事業環境は良好。法人営業を強化した成果も顕在化し、この上期は端末販売台数が高水準で推移した(前年同四半期比倍増)。また、2015年10月2日、銀潤控股集団有限公司(中国上海市虹橋路1438号、資本金5千万元/約9.5億円)との合弁会社(株)NE銀潤を設立し、中国「ハローキティパーク」関連の事業を開始した。

- 中国「ハローキティパーク」で販売するサンリオキャラクター商品の日本からの輸出販売を行う合弁会社 (株)NE銀潤 -
日本エンタープライズ(株)は、2002年に中国現地法人を設立して以来、中国におけるビジネス知見や豊富な人脈を強みに、①モバイルコンテンツ配信事業、②携帯電話販売店運営、及び③日本企業と中国企業を結ぶコンサルティング事業を展開してきた。一方、銀潤控股集団有限公司は不動産開発・インフラ整備等を手掛け、(株)サンリオとのライセンス契約の下、中国浙江省においてテーマパーク「凱蒂猫家園(ハローキティパーク)」を運営している(2015年7月にグランドオープン)。日本エンタープライズ(株)は、「凱蒂猫家園」の開園実現へ向け、銀潤控股集団有限公司にコンサルティングサービスを提供してきた。
「凱蒂猫家園」は、「ハローキティ」をはじめとするサンリオキャラクターの中国初のテーマパークであり、インターナショナルリゾート・プロジェクトの一環としての上海市・杭州市による合弁事業。敷地面積は約10万平方メートルと広大で、年間100万人の来場を目指している。NE銀潤(株)は「ハローキティパーク」で販売するサンリオキャラクター商品の日本からの輸出等を行う。関連キャラクター商品の安定供給等を通じてパークの運営体制を強化するべく設立された。

社名    NE銀潤(株)
代表者名  植田 勝典
所在地   〒150-0002 東京都渋谷区渋谷1-17-8 松岡渋谷ビル
資本金   25百万円
事業内容  卸売事業、事業開発支援事業
出資比率  日本エンタープライズ(株)51.0%、銀潤控股集団有限公司49.0%
 
 
2016年5月期業績予想
 
 
事業動向を踏まえ、業績予想を修正
修正要因は、コンテンツサービス事業における月額課金サービスの広告効率低下とキャリア定額制サービスの新規コンテンツ投入遅延、及びソリューション事業における一部大型開発案件の縮小と広告(広告代理サービス)の事業環境悪化。会社側は上記業績予想の達成に向け、「既存事業の着実な推進、特に、拡大トレンドが継続している企業の情報システム投資を背景に、受託開発事業を積極的に推し進める。また、地方創生に伴う事業領域の拡大を図ると共に、進行中の新規事業の創出を加速させる」としている。
 
(2)今後の事業展開
コンテンツサービス事業では、キャリアの公式サイトや定額制コンテンツ等で収益基盤の拡充を図る一方、女性向けライフサポートサービスと、メッセンジャーアプリを軸とするコミュニケーションサービス(ネイティブアプリ)を基盤に、「コンテンツプラットフォーム」をグローバルに展開していく。一方、ソリューション事業では、スマートデバイス関連の受託開発、業務支援サービス、広告(店頭アフィリエイト)、及び協業(アライアンス型)、及び地方創生ビジネスを拡大させていく。
また、スマートデバイス時代の到来を踏まえて、ロボット、AI、IoT、HEMS、ウエアラブル等の成長分野へ事業領域を広げていく考え。
 
 
 
今後の注目点
2015年末の携帯電話の契約数に占めるスマートフォンの割合は54.1%にまで上昇しており(調査会社調べ)、普及のスピードが鈍化しつつある。このため、モバイルコンテンツビジネスにおける収益環境も変化しており、従来と比べると、若干、収益を獲得し難くなっているようだ。同社は、こうした事業環境の変化を予想し、様々なコンテンツやサービスの開発に取り組んできたが、この上期は、こうした事業環境の変化が顕在化しつつある事を感じ、従来の取り組みに加え、交通情報の強化を前倒しで実施した(売上が想定通りに伸びない中で、当第2四半期に広告宣伝費を積極的に投下したため、通期の売上・利益予想を下方修正せざるを得なくなった)。

ただ、スマートフォンの普及が進んだ結果、スマートフォンによるモバイルコンテンツ市場は2014年で1兆3,026億円に成長している。このため、同社は、引き続き、「月額課金コンテンツ」については、携帯電話販売会社との協業による店頭アフィリエイトを有効に活用することで会員を獲得し、「定額制サービス向けコンテンツ」については、キャリアとの連携を強化することで拡大させ、また、「ネイティブアプリ」については、他業種とのアライアンスに注力する等を行うことで利用者を増加する等、既存事業の収益拡大を図っていく考え。

また、ロボット、AI、IoT、HEMS、ウエアラブル等によるスマートデバイス時代の到来は、モバイル関連のシステムやアプリの開発で豊富な実績と優良顧客を有する同社にとって大きなビジネスチャンスである。同社は、これらの成長分野で事業領域を広げていく考えで、売上が伸び悩む中、将来を見据えて、上記案件への種まきを加速させた事も業績予想修正の要因となった。