ブリッジレポート
(6050:東証マザーズ) イー・ガーディアン 企業HP
高谷 康久 社長
高谷 康久 社長

【ブリッジレポート vol.20】2016年9月期第1四半期業績レポート
取材概要「16/9期は順調なスタートを切った。売上のトレンドを考えると、上期業績は更なる上振れが期待でき、通期予想についても上期の決算が発表され・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年2月9日掲載
企業基本情報
企業名
イー・ガーディアン株式会社
社長
高谷 康久
所在地
東京都港区麻布十番1-2-3
事業内容
「Build Happy Internet Life」を経営理念に、ソーシャルメディアやソーシャルゲームの投稿監視やカスタマーサポートを展開。
決算期
9月 末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2014年9月 2,471 200 235 132
2013年9月 2,487 188 228 129
2012年9月 2,232 83 110 51
2011年9月 1,907 176 161 88
2010年9月 1,340 204 212 119
2009年9月 858 123 123 116
2008年9月 461 0 0 -5
2007年9月 362 15 15 -6
2006年9月 606 -9 -17 0
2005年9月 684 6 3 -133
2005年3月 1,425 79 77 43
株式情報(2/2現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
906円 4,960,659株 4,494百万円 15.9% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
未定 - 42.60円 21.3倍 281.03円 3.2倍
※株価は2/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
イー・ガーディアンの2016年9月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
ソーシャルWEBサービス(SNSやブログ等のソーシャルメディアや、ソーシャルゲーム、ソーシャルコマース等の双方向のコミュニケーションが介在する全てのインターネットメディア)の健全な運営や活性化に寄与するべく、メディアの監視やカスタマーサービス、更には広告審査業務や広告枠管理等のアド・プロセスサービスを提供している。実際のサービスは、厳格に設定された基準の下、厳選されたオペレーターによる高品質な目視による監視と投稿監視システム「E-Trident」等を駆使したシステムによる監視のハイブリッドで提供されており、社会通念上不適切と考えられるコメントや犯罪を誘引するようなコメントに目を光らせている。
 
 
【連結子会社4社を含め東京・大阪・宮崎・宮城・熊本の5都市に8拠点を展開(24時間365日の監視センターは7拠点)】
グループは、同社の他、ローコストオペレーションを強みとし低単価案件の収益化能力に優れるイーオペ(株)、人材派遣・紹介サービスのリンクスタイル(株)、デバッグ業務等を手掛けるトラネル(株)、及び2015年4月に子会社化した脆弱性診断サービスのHASHコンサルティング(株)の5社。
 
 
【事業区分と成長戦略】
事業は、ソーシャルサポート、ゲームサポート、アド・プロセスの3業務に区分され、いずれも件数に応じた課金体系を採用しており(一部サービスを除く)、高品質なサービスをリーズナブルな価格で提供している。
 
 
ソーシャルサポート  15/9期売上高13億79百万円(売上構成比45.7%)
ソーシャルネットワークサービス(SNS)等のソーシャルメディアに対して、投稿監視やCS(ヘルプデスク等)に加え、多言語対応、運用、分析等の関連サービスを提供。人による目視監視(ヒューマンリソース)と、投稿監視システム「E-Trident」や自動識別型画像フィルタリングシステム「ROKA SOLUTION」(14/9期第4四半期にリリース)といったITシステムの活用による高付加価値化と幅広いニーズの取り込みに力を入れている。
 
人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」
既にサービスを提供している投稿監視システム「E-Trident」は言語の監視を行うシステムだが、近年、動画や静止画のWEBでの利用が一般化しており、これらの投稿に対する監視の必要性が高まっている。人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」は、こうしたニーズに応えたもので、東京大学原田研究室との共同開発の成果である。同研究室の画像認識や追加学習機能等の技術と同社の投稿監視に係る膨大なデータベースを融合する事で低コストかつ高品質なシステムを実現した。このシステムをベースにビッグデータ解析や児童ポルノ取り締まり等、サイト毎に最適なフィルタリングシステムを構築する事ができる。
 
ゲームサポート  15/9期売上高10億88百万円(売上構成比36.1%)
ソーシャルゲームの運営に不可欠な監視、CS、アクティブサポートに加え、多言語対応等のサービスも提供している。新規顧客の開拓と既存顧客の深耕によるシェアアップと新たなサービスの育成で多様化するニーズを取り込んでいく考え。新規顧客の開拓と既存顧客の深耕で順調に売上を伸ばしており、新たなサービスの育成では、14年10月1日付けでデバッグ(プログラムの「バグ」と呼ばれる「誤り」を探し、取り除く事)業務を手掛ける戦略子会社トラネル(株)を設立した。脆弱性診断サービスを提供する連結子会社HASHコンサルティング(株)や資本業務提携先である日本マルチメディアサービス(株)との連携も含めて事業拡大を図る考え。
 
アド・プロセス  15/9期売上高4億13百万円(売上構成比13.7%)
広告審査業務、広告枠管理、入稿管理、及び広告ライティング等のサービスを手掛けており、広告入稿管理業務を円滑に実施するためのシステム開発とのセット販売等で競合他社との差別化に成功している。また、ネット広告市場の成長に合わせた新商材の開発や顧客へ常駐し業務を実施する常駐型案件の獲得にも注力している。
 
その他  15/9期売上高1億37百万円(売上構成比4.5%)
新規事業として、人財分野とサイバーセキュリティ分野での事業育成に取り組んでいる。人財分野では、リンクスタイル(株)がイー・ガーディアンに代わり人材を採用・育成し、グループ内企業に人財を供給すると共に、顧客先常駐(派遣型)ニーズにも応えている。一方、サイバーセキュリティ分野は、2015年4月に子会社化したHASHコンサルティング(株)が、WEBアプリケーション脆弱性診断を中心に、セキュリティコンサルティング、顧問サービス、講演・教育等を手掛けている。イー・ガーディアン(株)が手掛ける監視、サポート、デバッグといったサービスとセットで提供する事でサイトの安心安全を総合的に提供していく考え。
 
【今後の展望】
HASHコンサルティング(株)の子会社化とトラネル(株)の設立により、WEBアプリケーションについて、開発・設計から運用・風評調査まで一貫してサービスを提供する体制が整備された。今後は、事業領域を広げ、総合ネットセキュリティ会社として変貌を遂げる事で事業を拡大させていく考え。
 
 
【沿革】
1997年11月、コンテンツプロバイダー(株)ホットポットとして創業し、無料レンタル掲示板事業やレンタルサーバー事業を開始した。1998年5月に株式会社に改組し、同年7月に携帯電話向けコンテンツ配信事業を開始。現在の収益基盤である投稿監視事業は自社コンテンツの品質管理の一環として行っていた監視業務が発展したもので、コンテンツプロバイダーに対してサイトの健全運営を望む通信キャリアの要請が需要拡大の背景にあった。

2003年4月には掲示板投稿監視事業として営業を本格化し、2005年10月にはイー・ガーディアン(株)に商号を変更すると共にコンテンツ配信部門を会社分割して(株)エディア(東京都千代田区)に承継。サイト管理や運営支援のアウトソーシングサービスに経営資源を集中させる事で業容を拡大し、2010年12月に東証マザーズ市場に株式を上場した。

2012年6月にローコストオペレーションを強みとし低単価案件の収益化能力に優れるイーオペ(株)を子会社化。以後、グループとしての業容拡大を推進し、2014年9月に人材派遣・紹介サービスを手掛ける(株)パワーブレインを子会社化し(2015年5月にリンクスタイル(株)に商号変更)、2014年10月には社内で手掛けていたデバッグ業務の強化拡大を目的にトラネル(株)を会社分割により設立。2015年4月には脆弱性診断サービスを提供するHASHコンサルティング(株)を子会社化した。
 
 
ピーク時には売上の約40%を占めたGREE(3632)との取引が縮小する中、宮崎監視センターへの先行投資が負担となり、11/9期、12/9期と減益が続いたが、徐々に先行投資負担を吸収して利益を増やせる体制が整ってきた。近年、企業はインターネットを活用したマーケティングや情報収集を重視する傾向を強めているが、こうした企業ニーズの変化に伴い投稿監視の質も変化している。14/9期は売上が足踏みしたものの、15/9期は、変化する企業ニーズへ対応が進み売上を拡大させた。
 
 
2016年9月期第1四半期決算
 
 
前年同期比28.2%の増収、同134.4%の経常増益
売上高は前年同期比28.2%増の8億93百万円。SNS利用者の増加を背景にソーシャルサポートが堅調に推移する中、件数の増加やコンシューマー向けゲーム大手からの新規案件獲得でゲームサポートが同56.4%増と大きく伸びる等、全ての業務で売上が増加した。
利益面では、熊本センターの立ち上げ等で売上原価が5億93百万円と同22.2%増加したものの、売上が大きく伸びた事で稼働率が改善し原価率が66.5%と3.2ポイント低下。売上総利益が2億99百万円と同41.9%増加し、人員増等、業容拡大にも伴う販管費の増加を吸収して営業利益が1億37百万円と同115.0%増加した。補助金収入を計上する一方、為替差損が減少したため営業外損益が改善。特別損失も減少し、最終利益は98百万円と同188.4%増加した。
 
 
ソーシャルサポート
売上高3億50百万円(前年同期比7.5%増)。SNS利用者の増加が追い風になっている事に加え、新機能の開発で活用の幅が広がっている人工知能型画像認識システム「ROKA SOLUTION」を用いたソリューション営業が成果をあげつつあり、既存顧客の深耕と競合からのスイッチングを含めた新規顧客の開拓が進み売上の増加につながった。
 
ゲームサポート
売上高3億90百万円(前年同期比56.4%増)。豊富な運用実績とノウハウを強みに既存顧客の深耕とソーシャルゲーム分野での新規顧客の開拓に取り組むと共に、戦略子会社トラネル(株)を通してデバッグ需要の取り込みも強化している。この第1四半期は、既存取引先の件数が増加した他、コンシューマー向けゲーム大手からの新規案件獲得にも成功。トラネル(株)との協業センターとして2015年9月に開設した熊本センターも順調な立ち上がりとなった。
 
アド・プロセス
売上高1億18百万円(前年同四半期比28.1%増)。昨今、運用型広告の広がりに伴い、メディアオペレーション業務全般の委託が増えている他、システム導入による業務効率化ニーズも高まりを見せており、同社はメディアオペレーションや入稿審査での豊富な実績とグループ連携による「リソース(人)」・「仕組み(システム)」両面からのサポート力が評価されている。この第1四半期は、メディアオペレーションや入稿審査で、既存顧客へのクロスセルや新規顧客開拓が進んだ。
 
その他
売上高34百万円(前年同期比19.0%増)。連結子会社リンクスタイル(株)が手掛ける人材派遣とHASHコンサルティング(株)が手掛けるサイバーセキュリティ分野で実績を積み上げた。人材派遣では、顧客先常駐型に力を入れており、サイバーセ キュリティ分野では、WEBアプリケーション脆弱性診断を中心に、定額制セキュリティ顧問サービス、セキュリティコンサルティング、同社代表による講演・ 教育活動、セキュリティ対策教本の発刊等の活動を展開している。
 
 
 
 
第1四半期末の総資産は前期末に比べて2百万円増の18億45百万円。高い流動性と安定した財務基盤を特徴とする財政状態に大きな変化はない。流動比率355.9%(前期末307.1%)、固定比率19.8%(同19.1%)、自己資本比率75.6%(同71.6%)、と財務指標はいずれも良好だ。
 
 
2016年9月期業績予想
 
第1四半期決算を踏まえて上期予想を上方修正
第1四半期は、既存取引先の件数増加や大手顧客の新規開拓等でゲームサポートの売上が期初予想を大きく上回り、利益面では、稼働率の改善で原価率が期初予想以上に低下した。これを踏まえて上方修正された上期予想は、売上高17億40百万円(期初予想比+10.1%)、営業利益1億90百万円(同+41.8%)、経常利益2億02百万円(同+29.5%)、最終利益1億31百万円(同+45.6%)。

一方、通期予想については、「今後の市場動向などを踏まえ、変動が生じた場合、速やか修正開示する」として据え置いた。配当は未定。
 
 
 
 
今後の注目点
16/9期は順調なスタートを切った。売上のトレンドを考えると、上期業績は更なる上振れが期待でき、通期予想についても上期の決算が発表される頃には上方修正されると思われる。業績予想が保守的になる理由は、不安があると言うよりも、着地点の正確な予想が難しいという事だろう。
実際、同社は現在の事業環境について、「投稿掲示板やブログ・SNS等のコミュニティサイトを含むソーシャルWEBサービスの活性化が進む一方で、大企業の個人情報漏洩事件、WEBアプリケーションの脆弱性を狙ったパスワード攻撃やWEBサイト改ざん等、インターネットに関するセキュリティ侵害は年々深刻化している。また、全てのインターネットユーザーが安心してインターネットを利用できるよう、安全性を求める声は一層の高まりを見せている」と分析しており、このため、「投稿監視やカスタマーサポートのニーズ、或いはWEBアプリケーションの技術面におけるセキュリティへの関心はますます高まる」と考えている。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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