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(2437) Shinwa Wise Holdings株式会社

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ブリッジレポート:(2437)シンワアートオークション vol.20

(2437:JASDAQ) シンワアートオークション 企業HP
倉田 陽一郎 社長
倉田 陽一郎 社長

【ブリッジレポート vol.20】2016年5月期第2四半期業績レポート
取材概要「子会社のエネルギー関連事業の伸張により、大幅な増収増益となったが、中心事業であるオークション関連事業も減収ではあったものの、主力の近・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年3月8日掲載
企業基本情報
企業名
シンワアートオークション株式会社
社長
倉田 陽一郎
所在地
東京都江東区有明3-7-26 有明フロンティアビル
決算期
5月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年5月 1,093 30 32 -9
2014年5月 1,169 150 144 125
2013年5月 1,248 36 47 35
2012年5月 1,359 45 57 76
2011年5月 1,213 89 85 131
2010年5月 737 -259 -255 -279
2009年5月 1,077 -198 -191 -279
2008年5月 1,621 194 201 98
2007年5月 2,228 449 451 256
2006年5月 2,334 562 567 311
2005年5月 1,940 440 410 235
2004年5月 1,680 319 311 174
2003年5月 1,222 234 231 122
2002年5月 1,158 139 129 70
2001年5月 1,105 200 202 38
株式情報(1/20現在データ)
株価 発行済株式数 時価総額 ROE(実) 売買単位
329円 5,732,100株 1,885百万円 1.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
6.00円 1.8% 27.95円 11.8倍 296.20円 1.1倍
※株価は1/20終値。発行済株式数、BPSは直近期決算短信より。ROEは前期実績。BPSは、第2四半期実績。
 
シンワアートオークションの2016年5月期第2四半期決算概要などをご紹介します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
国内最大で上場している唯一のオークション会社。2014年の高額落札作品市場シェアは45%。27年間で培った2万人を超える富裕層という顧客資産を活用した多様な事業展開が可能な事業基盤も大きな特徴。グループは、オークション関連事業を展開する同社、エネルギー関連事業を手掛けるエーペック株式会社、医療ツーリズムを中心としたメディカル事業の確立を進めているシンワメディコ株式会社、本体から時計、宝飾品などを対象としたオークション部門を引きついだJオークション株式会社の4社から構成される。
 
【沿革】
1987年8月に発足した、美術品の業者交換会「親和会」が前身。1990年9月に、第1回シンワアートオークション近代日本絵画オークション(現 近代美術オークション)を開催。1991年6月に商号をシンワアートオークション株式会社とした。
その後、1996年 第1回近代日本陶芸オークション(現 近代陶芸オークション)、1997年 第1回茶道具特別オークション、1999年 第1回絵画・版画・工芸(現 近代美術PartIIオークション)など様々なオークション開催実績を積み重ねて業容を拡大。2005年4月、大阪証券取引所ニッポン・ニューマーケット「ヘラクレス」(現 東証JASDAQ市場)に上場した。
2013年4月に、エーペック株式会社を株式取得により子会社化したほか、シンワメディカル株式会社(現 シンワメディコ株式会社)を設立するなど、オークション事業を中心事業と位置付けつつ、同社の重要な顧客資産である富裕層を対象とした収益の多角化も進めている。
 
【市場環境】
下のグラフにあるように、国内美術オークション市場規模(落札総額)はバブル崩壊後の1992年には14億円まで縮小したが、1999年には公開オークションが始まった1990年の水準を抜き、2007年には218億円まで拡大した。リーマンショックの影響により2011年には100億円割れまで減少した後、2014年には142億円まで回復してきたものの、2007年のピークにはまだ及ばない。
後で述べるように、同社では日本美術品は極端に過小評価されていると考えており、「日本近代美術再生プロジェクト」によって市場規模を最低でも1,000億円まで拡大させることを目指している。
 
 
【事業内容】
オークション関連事業、エネルギー関連事業、その他(メディカル事業)の3事業を展開している。
 
①オークション関連事業
オークション事業とオークション関連その他事業により構成される。
 
(1)オークション事業
取り扱い作品・価格帯により、近代美術オークション、近代陶芸オークション、近代美術PartIIオークションを定期的に開催している他、ワインや西洋美術等のオークションも随時開催している。
また、2013年10月に設立した子会社Jオークション株式会社では、ブランド雑貨、時計、宝飾品のオークションを開催している。

出品者と販売委託契約を結んだ同社はオークションを実施。落札された場合、落札者とは売買契約を結び、落札価額と落札手数料を合わせた落札代金を受け取る。出品者には落札代金から販売委託手数料と諸費用を除いた精算代金を支払う。同社の売上は手数料が中心となる。
 
(2)オークション関連その他事業
プライベートセールを中心に展開している。
プライベートセールは、オークション以外での相対取引の総称で、プライベートセールでの販売も、オークション取引と同様に、販売価格をベースに出品者(販売委託者)及び購入者から手数料を徴収する場合と、同社が作品を買取り、その在庫商品を購入希望者に販売する場合がある。
その他、貴金属等買取サービスや時計・宝飾品やブランドバッグの小売販売等もある。
 
 
②エネルギー関連事業
エーペック株式会社で、富裕層及び法人向けに50kW級の低圧型太陽光発電施設の分譲販売を行っている。
また、高圧型太陽光発電施設の分譲販売も行い、一部を自社保有して売電事業を行っている。
 
③その他:メディカル事業
シンワメディコ株式会社がシンワアートオークションの重要な顧客資産である「富裕層」を対象として、医療ツーリズムの事業化を進め、今2016年5月期よりマーケティングを開始している。
高度医療サービス、高度再生医療サービス、高度医療健診を提供する医療機関と提携し、日本を含めたアジアの富裕層にこれらのサービスを紹介する。
また、同時に医療コーディネーター業務や医療通訳養成講座の展開も進めていく。
 
【特徴と強み】
①国内最大のオークション会社
2,000万円以上の高額落札作品市場における同社シェアは2014年で44.9%と2位を大きく引き離している。
同社には近代美術に精通している鑑識眼の高いエキスパートが複数名在籍しているため、出品作、特に高級品の適格な評価が可能で、「高級品ならシンワ」というブランディングが確立されており、そのポジションニングに揺るぎは無い。
また唯一の上場企業でもあり、信頼性の高さという点でも他社を大きく引き離している。
 
 
②富裕層との強固なネットワークを活かした事業展開
オークションの参加者である主要顧客は出品者、落札者共に富裕層が大多数である。
富裕層は、資産運用、節税、相続など様々なニーズを有している。同社は27年に亘って培ってきた約2万人を超す富裕層のデータベースを有しており、オークション以外にも多様なビジネスチャンスが展開可能な事業基盤を有している。
エネルギー関連事業、メディカル事業は、そうした事業基盤の上で展開しているものであり、今後も、様々な事業の構築を進めて行く。
 
 
前期のROEは収益低迷の結果、低水準にとどまった。今期、総資産回転率、レバレッジに大きな変化がないと仮定すると、売上高当期純利益率は3.21%で、ROEは5.8%程度となる。
一層の収益性の向上が望まれる。
 
 
2016年5月期第2四半期決算概要
 
 
オークション関連事業は横這いも、エネルギー関連事業が好調で大幅増収増益。業績を上方修正。
売上高は前年同期比111.5%増の17億26百万円。オークション関連事業は減収だったが、エネルギー関連事業が5倍の増収。
営業利益は前年同期の12百万円の損失から169百万円へ大幅な黒字転換。オークション関連事業、エネルギー関連事業双方とも利益を大きく増加させた。

2015年12月21日、第2四半期及び通期業績予想を上方修正した。
その要因は次の通り。
エネルギー関連事業において、子会社エーペック株式会社が保有していた穂北太陽光発電所(宮崎県西都市、発電規模993.6kW)を売却した。売電事業においては結果的に当初計画値を下回ることとなったものの、この売却は期初計画には織り込んでいなかったため、売上及び利益が当初の業績予想値を上回ることとなった。
また、オークション関連事業において、スケジュールの都合により例年12 月に開催している近代陶芸オークションを11 月に開催したため、近代陶芸オークション1開催分の収益を当初計画よりも前倒しで計上することとなった。
通期では、太陽光発電所売却により売電収入が当初見込みより減少することに加え、低圧型太陽光発電施設販売は、1基当たりの売上及び売上原価が、ともに当初計画値よりも低い水準で推移していることなどから、売上、利益の計画超過率は第2四半期を下回るものの、上方修正となった。
 
 
①オークション関連事業
Ⅰ)オークション事業
合計16回のオークションを開催した。(前年同期は14回)
 
主力の近代美術オークションは、前年同期比で出品点数22.9%減、落札点数15.7%減とともに減少したが、平均落札単価は前年同期比で2.2%と微増。エスティメイト(落札見積価格)下限合計額に対する落札価額の伸び率も平均で142.2%と高水準で推移した。
近代陶芸オークションは、出品点数同44.6%増、落札点数同44.3%増と好調で、取扱高及び売上高も大きく増加した。例年12月上旬に開催する近代陶芸オークションを、スケジュールの都合上11月下旬に開催したことが主な要因である。
近代美術PartIIオークションは、出品点数同23.8%増、落札点数同25.8%増とともに増加し、平均落札単価も同21.6%と増加した。また、エスティメイト下限合計額に対する落札価額の伸び率も平均で148.7%と高水準で推移した。
その他オークションでは、ワインオークションが前年同期の実績を大きく上回った。戦後美術&コンテンポラリーアートオークションの開催が収益に貢献したが、「棟方志功-漆黒の宇宙、紅色のいのち」を開催した前年同期との比較では、取扱高、売上高は共に減少した。
 
 
II)オークション関連その他事業
プライベートセール部門では、引き続き積極的な取り扱いに努めた。その他、貴金属等買取サービスを積極的に行ったが、前年同期比では、取扱高、売上高ともに減少した。
 
②エネルギー関連事業
50kW級の低圧型太陽光発電施設を34基販売した。
前期から見込んでいた生産性向上設備投資促進税制の適用を目的とした需要が2015年6月下旬より具体的に出始めたこと、7月から対象の太陽光発電設備に経済産業省からの認可が始まったことが販売好調の要因となっている。1基当たりの売上及び売上原価はともに当初計画を下回って推移しているが、利益面に与える影響は少ない。
また、穂北太陽光発電所を売却したことにより、売上及び利益は当初計画を上回った。
 
③その他
診療報酬債権ファクタリング事業を一旦凍結し、新たに医療周辺事業として、日本を含めたアジアの富裕層に最先端の医療技術やより良い品質の医療サービスを紹介する医療ツーリズムを収益の柱とするべく、高度医療サービスや高度医療健診を提供する医療機関や提携医療機関等との具体的な折衝を行っている。
その他、医療コーディネーター業務、医療通訳養成講座を開始した。
 
 
現預金、売上債権、たな卸資産等が増加し、流動資産は前期末比5億85百万円増加した。固定資産は有形固定資産(機械装置及び運搬具)の減少などで同2億60百万円の減少。資産合計は同3億27百万円増加の36億87百万円だった。
オークション未払金、賞与引当金の増加などで流動負債は同2億88百万円の増加。負債合計は同2億65百万円増加の、19億85百万円。
利益剰余金の増加で純資産は同61百万円増加の17億2百万円となった。
この結果、自己資本比率は前期末比2.5%低下し、46.0%となった。
 
 
黒字転換、オークション未収入金減少額の縮小などで営業CFはプラスに転じた。
貸付金の回収による収入の増加、定期預金の払戻額の増加などで投資CFのマイナス幅は縮小し、フリーCFはプラスに転じた。
長期借入金の返済増加などで財務CFはマイナスに転じた。
キャッシュポジションは上昇した。
 
(4)トピックス
◎再保険関連事業を開始
2016年1月、子会社エーペック株式会社が再保険関連事業を開始すると発表した。
<事業の概要>
エーペック(株)は、エネルギー関連事業において太陽光発電施設に対する損害保険の代理店業を行っているが、今回はこれに加えて、顧客企業等に対して、日本の元受保険会社の提供する保険商品の販売代理店として、保険商品の販売を行う。また海外での再保険会社(セル・キャプティブ)設立及び保険商品を通じたより効率的な事業運営を提案する
 
<キャプティブ、セル・キャプティブとは?>
キャプティブとは、事業者が自らのリスクを専門的に引き受けるために設立する事業者所有の再保険会社のこと。

通常の損害保険の世界では、事業者は保険会社に自社のリスクを移転する為に各種保険を手配し、そのコストとして保険料を支払う。
これに対し、「キャプティブ」は、自らが加入している火災保険、動産総合保険、賠償責任保険などの損害保険を、日本国内の損害保険会社を通じて再保険として専門的に引き受け、自家保有するとともに必要に応じて再々保険として再保険市場へ手配を行う。

キャプティブを設立してリスクを自家保有することにより、事業会社は事故低減活動等のリスクマネジメントを通じて「損害率の低減=保険コストの低減」を図ることが可能であるとともに、投資収益面でのメリットも見込むことができるため、日本でも多くの企業がキャプティブを設立している。
ただ、一般の事業会社が自社でキャプティブを設立するには、相応の保険料規模が必要であるなど多額の初期投下資本と非常に専門的な知識が必要であり、課題も多い。

そうした場合に用いられるの「セル・キャプティブ」という仕組み。
これは、自社でキャプティブを設立せず、キャプティブを運営している会社から「セル=部屋」を借りることで、キャプティブの機能を享受するというものである。

エーペック(株)は、希望する顧客企業等に対し、自社でキャプティブを設立するよりも一般的に安価で容易に、かつ比較的短期間で再保険事業を行うことが可能となる海外のセル・キャプティブ設立の提案と海外のセル・キャプティブ設立・運用に関する専門家の紹介を行い、また、それに伴う日本の元受保険会社の提供する保険商品の販売代理店として保険商品の販売を行う。
また、自社においても米国ハワイ州のセル・キャプティブの仕組みを利用することを目的として、新会社「APEC Reinsurance Co., Ltd.」を設立する。(設立および業務開始はハワイ州の認可取得次第。)
 
◎香港を拠点に医療ツーリズムのマーケティングを開始
エーペック株式会社が香港企業LYS BLANC, H.K. CO., LIMITED の株式を取得して子会社とするとともに、Shinwa Medico Hong Kong Limited と社名を変更した後、同じく香港のCoporate Business Network Limited との間で業務提携契約を締結し、合弁会社を設立することとした。(2016年1月18日発表。)
 
<株式取得の目的・方法など>
同社グループは、メディカル事業として、日本を含めたアジアの富裕層に最先端の医療技術やより良い品質の医療サービスを紹介する医療ツーリズムを収益の柱とするべく、医療サービスや高度医療サービス健診を提供する医療機関や提携医療機関等との具体的な折衝を行っている。

今回の株式取得は、アジア圏における医療ツーリズムのマーケティングをより円滑かつ効率的に展開するためのもの。休眠会社であったLYS BLANC社の株式を取得し、香港を拠点にマーケティングを展開することとした。
新会社を設立せずに休眠会社の取得を選択したのは、拠点として活動を開始するまでの時間を短縮することで初期投資を抑えることができるため。
子会社化後、名称をShinwa Medico Hong Kong Limited(代表者:Director 倉田 陽一郎氏)に変更し、資本金を増強し事業基盤を強化する。
 
<業務提携契約の目的・内容>
Shinwa Medico Hong Kong Limited は、香港において中国銀聯カードの決済機能を保有するCoporate Business Network Limited との間で、日本の医療サービスを利用する中国・アジアからのインバウンド旅行者向けの決済プラットフォームを構築することを目的として、新たに合弁会社「Shinwa Medico Linking System Co., Ltd.」(代表者:Managing Director 倉田 陽一郎氏)を設立した。

Coporate Business Network Limited は、香港における中国銀聯カードの決済プラットフォームの具体的な運用を担い、Shinwa Medico Hong Kong Limited は、医療ツーリズムを目的とした中国・アジアからのインバウンド旅行者へのマーケティングを行い、また、同時にこの決済プラットフォームに加盟する日本国内の医療機関を開拓することで、中国・アジアからの日本への医療ツーリズム利用者の増加を目指す。
 
 
2016年5月期業績予想
 
 
通期予想を上方修正。増収・大幅増益へ。
前述の様に通期予想を上方修正した。
売上高は前期比11.9%増の32億97百万円。営業利益は同238.3%増の2億63百万円。
 
 
グループ事業戦略
 
富裕層という顧客資産をフル活用するプラットフォームを構築し、「富裕層向け総合サービスカンパニー」を目指している。

その為のポイントは以下の2つである。
 
①日本近代美術再生プロジェクト
「日本近代美術作品の評価があまりにも低すぎる。」との想いから、同社が日本近代美術の盟主として、資本力・経験・ネットワークを用いて日本近代美術を再生させるための取組み。
現在100~150億円程度の市場規模を最低1,000~2,000億円まで拡大する事を目指しているが、実現のためには特に資本力の必要性を強く意識している。
デフレサイクルでも底堅く市場を支える事できるプラットフォームを確立するには、市場規模の10%程度の資金を安定化のために使う必要があることから、1,000~2,000億円の市場を維持・発展させるためには、最低でも100億円以上の純資産を確保する事が必要と考えている。
そのためには、オークション関連事業のみではなく富裕層という顧客資産を有効に活用した様々な事業を展開し、収益拡大が必要と考えている。
 
②子会社による富裕層向けビジネスの展開
オークションの主要顧客である富裕層の様々なニーズに対応し、オークション以外のビジネスを展開する。
同社の中心事業の一つに育ったエーペック株式会社によるエネルギー関連事業(太陽光発電システムの分譲販売)に加え、シンワメディコ株式会社が手掛ける医療ツーリズムも今期より本格的な取り組みを開始する。
また、前述の様にエーペック(株)が再保険関連事業を開始したほか、教育事業への参入も準備中だという事だ。
 
 
同社が既に有しているアジアでの強固なネットワークを活用したアジアの富裕層の取り込みも目指している。
 
 
今後の注目点
子会社のエネルギー関連事業の伸張により、大幅な増収増益となったが、中心事業であるオークション関連事業も減収ではあったものの、主力の近代美術オークションにおけるエスティメイト下限合計額に対する落札価額の伸び率も平均で142.2%と高水準で推移しており、マーケット環境は緩やかながらも回復に向かっているようだ。
売り意欲、買い意欲とも減退するデフレの時代から、価格上昇で売り手、買い手共にマーケットへの参加意欲が高まるインフレの時代への移行が本格的なものとなるならば、同社の収益規模は大きくその位置を変える事となろう。
前回のレポートで紹介したように、日本近代美術市場を再生させ最低でも1,000~2,000億円の市場を維持・発展させるためには、最低でも100億円以上の純資産を確保する事が必要と同社では考えており、収益の拡大とともに資金調達ができる環境整備にも努めていくという。各事業の進捗とともに、資本市場活用のための取組みにも注目したい。