ブリッジレポート
(7839:東証1部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.46】2016年9月期上期業績レポート
取材概要「通期予想に対する進捗率は、売上高44.3%、営業利益59.5%、経常利益60.7%と順調。上期は海外売上高が減少したが、主力の欧州は、ドイツの・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年5月17日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
事業内容
プレミアムヘルメットの製造・販売。ヨーロッパをはじめ海外販売比率が高い。
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年9月 14,244 3,210 3,092 1,996
2014年9月 13,406 2,765 2,646 1,669
2013年9月 11,158 1,340 1,299 799
2012年9月 8,606 97 143 65
2011年9月 9,047 395 371 217
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(5/2現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,619円 13,771,898株 22,297百万円 21.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
62.00円 3.8% 124.89円 13.0倍 723.10円 2.2倍
※株価は5/2終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
SHOEIの2016年9月期上期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメット・メーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界約70ヵ国超を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力を持つ。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。グループは、同社の他、米国、独(2社)、仏、伊の連結子会社5社。
 
経営方針  3つの世界一を実現
「世界一の品質」     … Made In Japanのグローバルブランド
「世界一のコスト競争力」 … ヘルメット業界唯一のトヨタ生産方式でコスト管理
「世界一の楽しい会社」  … お客様、株主の皆様、並びに従業員、役職員の満足度を追及
 
【事業内容】
売上高の約90%を占める二輪乗車用ヘルメットでは、高品質・高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県一関市)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、高い品質の維持と技術の流出防止を実現している。
 
【欧州を中心に海外売上が75%】
世界72カ国に展開しており(前年に比べてキプロス、レバノン、アフリカ9カ国の11カ国増)、15/9期の地域別売上高は、日本25%、欧州46%、北米23%、その他地域6%。最も売上構成比の大きい欧州は、ドイツ、フランス、イタリアの子会社3社と現地代理店によるネットワークでカバー。北米やその他地域は代理店経由で販売している。
決済通貨は、北米は米ドル建、その他地域は円建。
 
 
 
【トップシェアを支えるモノづくりへのこだわり  茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産】
世界各国のライダーに称賛され、グローバルなブランドとして認知されているプレミアムヘルメット。優れた空力特性等、ヘルメットとしての高い機能性とファッション性に富んだ製作難度の高い形状。それでいて安全性が高く長時間走行でも疲れ難い。「使った人がいかに心地よいか」を追求する同社の“こだわり” が、トップシェアの原動力となっている。
 
 
人の命を守るヘルメットは、日本、欧州、北米と言った市場毎にそれぞれの安全規格がある。このため、同社では、茨城工場が主に国内製品、岩手工場が主に海外製品と、原則工場毎に仕向け先を一本化して生産性を上げている。
 
【沿革】
1954年、ポリエステル加工メーカーとして創業。59年3月に昭栄化工(株)として法人組織に改組すると共に、ポリエステルの加工技術を活かしヘルメット市場に参入した。翌60年1月に二輪乗車用ヘルメットの生産を開始し、68年7月にはアメリカに子会社を設立し海外展開を開始。87年7月には子会社を設立してフランスへも進出したが、国内でのバブル崩壊の余波を受け、92年5月に会社更生手続開始を申立。同年9月に三菱商事の商社マンだった山田勝氏(現会長)が管財人となり更生手続きを開始した(93年12月に更生計画が認可)。更生手続き中の94年3月に子会社を設立してドイツに進出する等、経営の立て直しが順調に進み、98年3月、会社更生計画認可から4年3ヶ月という短期間で会社更生手続を終結した。同年12月には社名を(株)SHOEIに変更。04年7月、JASDAQに株式を上場し、07年9月に、東証第2部に上場(JASDAQは上場廃止)、15年10月には東証第1部に上場した。現在、プレミアムヘルメットのグローバルカンパニーとして国内外で高い評価を受けている。
 
 
【中長期的安定成長と安定利益の実現に向けた基本方針】
(1)自分の会社は自分で守る
(2)Made in Japanと雇用の維持(ものづくりの伝承)
(3)健全な財務内容の堅持
(4)投資の継続(新製品開発,コストダウン,品質向上,より確かな安全)
(5)世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指す
(6)新市場開拓と既存市場の深堀り
(7)利益の公平、公正な分配(50%配当性向,従業員への配分、会社への分配
   (内部留保))
 
短期的な支払い能力を示す流動比率が533.5%(15/9期末。以下同じ)、長期的な財務の安全性を示す固定比率が21.3%、無借金経営で自己資本比率78.5%。(1)自分の会社は自分で守る、(3)健全な財務内容の堅持、が着実に実行されている事が貸借対照表からみてとれる。

また、茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産する事で(2)Made in Japanと雇用の維持(ものづくりの伝承)を実現し、(4)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)及び海外子会社と一体になって進める(6)新市場開拓と既存市場の深掘りにより、(5)世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指している。

尚、(4)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)については、長期にわたり安定した経営とその成果を実現する事を目的とした大型投資第2弾が15/9期にスタートした。06/9期から09/9期にかけて成長のための大型投資第1弾(大型風洞実験施設への投資が中心)に次ぐもので、5年間で総額40億円の投資を予定。16/9期の設備投資は11億13百万円を予定しているが、24億56百万円の営業キャッシュ・フローが見込まれており、大型の設備投資を吸収して13億6百万円のフリー・キャッシュ・フローを確保できる見込み。
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE=売上高当期純利益率×総資産回転率×レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
リーマン・ショック以降、主力の欧州市場の落ち込みと急激な円高で業績が悪化したが、12/9期を底に業績はV字回復しており、ROEもこれを反映した動きになっている。

米系大手総合情報サービス会社によると、東証1部上場企業の14年度(15年3月末)のROEは8.15%(13年度:8.56%)。6カ月のタイムラグがあるものの、同社は東証1部上場企業の平均を大きく上回るROEを実現しており、15/9期はROEを一段と向上させた。

同社は、盤石な財務基盤を有するためレバレッジは低いが、プレミアムヘルメット事業は限界利益率が高いため、売上の増加で利益率の改善が加速する。総資産回転率については、15/9期に「長期にわたる安定した経営とその成果の実現を目指した大型投資第2弾」がスタートしたため、目先、低下傾向が続く可能性がある。
 
 
2016年9月期上期決算
 
 
前年同期比2.3%の減収ながら、同3.4%の経常増益
売上高は前年同期比2.3%減の63億86百万円。国内売上が同27.3%増の19億円と伸びたものの、対ユーロ・対USドルでの円高や現地代理店の調整で海外売上が44億85百万円と同11.1%減少した。
国内は、インバウンド需要もあったが(全体の3〜4%程度)、けん引役は純粋な国内需要。シニアのバイク愛好家の需要が回復しているという見方があり(暫くバイクから離れていた愛好家の復帰)、また、一部の販売店で実施しているフィッティングサービスも好評なようだ(店頭で採寸して、頭にフィットするようにインナーをセッティングしてくれる)。
一方、海外は、販売チャネルを強化した中国での販売が伸びたものの、欧米での売上減少をカバーできなかった。欧州は同5.1%減の28億54百万円。ドイツの大規模ディーラーの調整の影響を吸収して欧州全体の販売数量が同2.8%増加したものの、対ユーロでの円高の影響を大きく受けた(影響額△205百万円)。北米は現地代理店の在庫調整で同34.7%減の10億92百万円。北米経由で南米に出荷されていたものもあり、南米経済の不調の影響も少なからず受けているようだ。ただ、北米の苦戦は業績予想に織り込み済みで、想定の範囲内。その他地域は同48.5%増の5億38百万円。

利益面では、販管費がわずかに減少したものの、円高の影響による売上総利益の減少(同3.7%減)で、営業利益が14億87百万円と同6.7%減少した。ただ、ユーロでの為替予約にかかる為替差損益の改善で(△95百万円→53百万円)、経常利益は15億47百万円と同3.4%増加。特別損益も改善し、最終利益は10億24百万円と同10.5%増加した。

為替レートは、同社売上換算レートが、1USドル=116.96円(前年同期118.80円)、1ユーロ=130.53円(同139.24円)。海外子会社換算レート(2015年12月30日現在)が、1USドル=120.61円(同120.55円)、1ユーロ=131.77円(同146.54円)。ユーロについては、所要額の大半を1ユーロ=135.62円で期初に為替予約済みである。
 
 
(2)2016年のバイクシーズンに向け、「X-14(北米、日本)/X-Spirit III(欧州)」、「J・O」を投入
2016年のバイクシーズンに向け、日本、欧州、及び北米の世界3極で「X-14(北米、日本)/X-Spirit III(欧州)」の販売を開始した他、同社にとって新しいカテゴリーのモデル「J・O」を日欧で投入した。
 
X-14(北米、日本)/X-Spirit III(欧州)
レーシング性能を極限まで追求した「X-14(北米、日本)/X-Spirit III(欧州)」は、オンロードフルフェイスタイプで、同社のフラッグシップレーシングモデルとの位置付け。MOTO GPチャンピオンのマルケスをはじめ、国内主力契約ライダー数名がテスト走行に参加し、一様に出来栄えを称賛。特にマルケスは空力性能を高く評価したと言う。また、昨年10月に米国フロリダで開催されたAmerican International Motorcycle Expo(AIM Expo)でも大きな反響を呼んだ。
日本では、4月以降、販売を開始し、メーカー希望小売価は60,000円。北米も「X-14」として販売され、メーカー希望小売価格は681.99〜839.99USドル(税抜き)。一方、欧州では、「X-Spirit III」として販売され、メーカー希望小売価格(ドイツ・フランス)は699.00〜869.00ユーロ(税込み)。尚、日米と欧州でモデル名が異なるのは、従来から販売しているシリーズ名に準ずるため。
 
 
J・O
ENJ・OY THE RIDE! ファッショナブルでありながら機能性と安全性が両立した新たなスモールジェット。「J・O」はインナー収納シールド付きオープンフェイスタイプのヘルメットで、ターゲットはカスタムバイクやクラシックバイクのユーザー。バイクメーカーがレトロ調の新モデルを相次いで発表している潮流をとらえて開発したモデルであり、コンセプトは従来のSHOEIにない“軽量、コンパクト、ファッションオリエンティッド”。同社にとって新しいカテゴリーのモデルであり、11月にイタリア・ミラノで開催された「EICMAショー(ミラノショー)」では、驚きと好感を持って迎えられたと言う。
欧州では、2016年3月以降、順次発売され、メーカー希望小売価格(ドイツ・フランス)は329.00〜379.00ユーロ(税込み)。日本では、2016年春の販売開始を予定している(メーカー希望小売価格:32,000円)。安全基準の関係から軽量化・コンパクト化が難しいため、米国では販売しない。
 
 
 
上期末の総資産は前期末と同水準(61百万円増)の129億29百万円。現預金・売上債権が減少する一方、好調な受注を反映してたな卸資産及び仕入債務が増加。この他、設備投資で固定資産が増加した。流動比率488.0%(前期末533.5%)、固定比率23.0%(同21.6%)、自己資本比率77.0%(同78.5%)。
 
 
2016年9月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比1.2%の増収、同17.5%の経常減益
上期の利益が予想を上回ったものの、「下期の為替相場や販売動向等に先行き不透明な部分が多い」として通期業績予想を据え置いた。
設備投資は11億13百万円を計画しており、減価償却費は6億30百万円を織り込んだ。

尚、営業利益が前期比22.1%減少するものの、たな卸資産の圧縮や売上債権の短期回収に加え、税金費用の減少等もあり、営業CFは前期(20億05百万円)を上回る24億56百万円を確保できる見込み。投資CFは設備投資の増加で11億50百万円のマイナス(前期△9億16百万円)となるが、フリーCFは前期(10億89百万円)を上回る13億06百万円を確保できる見込み。

配当は、上記の業績予想達成を前提に、1株当たり期末62円を予定している。
 
 
 
今後の注目点
通期予想に対する進捗率は、売上高44.3%、営業利益59.5%、経常利益60.7%と順調。上期は海外売上高が減少したが、主力の欧州は、ドイツの大規模ディーラーの調整が12月でほぼ終わり、1月以降、回復基調にあるようだ(ドイツの大規模ディーラーへは子会社経由で代理店に販売しており、子会社は6月決算)。また、中国では富裕層にプレミアムヘルメットが人気で、販売チャネルを強化した効果が現れている。国内、欧州、その他地域の好調を受けて、高水準の工場稼働率が続いている模様。対USドルでの急激な円高が懸念されるが、当初から北米は慎重な見通しだった事に加え、数量増による高水準の生産効果もあり、円高の影響を吸収できそうだ。
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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