ブリッジレポート
(6498:東証1部) キッツ 企業HP
堀田 康之 社長
堀田 康之 社長

【ブリッジレポート vol.25】2016年3月期業績レポート
取材概要「第2期中期経営計画の反省と国内外での厳しい事業環境を踏まえて第3期中期経営計画が策定され、同時に長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」の・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年6月7日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キッツ
社長
堀田 康之
所在地
千葉市美浜区中瀬1-10-1
事業内容
バルブ国内首位。特に建築設備や石油化学向け強い。海外開拓に積極姿勢。伸銅品も国内上位
決算期
3月末日
業種
機械(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 117,278 7,245 7,300 4,915
2015年3月 117,036 6,886 7,581 6,881
2014年3月 117,355 6,470 6,501 3,564
2013年3月 111,275 6,558 6,521 4,039
2012年3月 108,446 4,638 4,388 2,480
2011年3月 106,059 6,341 5,929 3,063
2010年3月 96,592 6,976 6,248 3,079
2009年3月 127,095 7,188 6,475 3,396
2008年3月 149,274 11,615 10,525 6,290
2007年3月 149,512 11,342 10,652 9,973
2006年3月 107,631 9,673 9,132 8,070
2005年3月 95,705 9,627 8,513 5,804
2004年3月 73,802 4,181 2,962 1,598
株式情報(5/20現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
487円 107,215,289株 52,214百万円 6.6% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
13.00円 2.7% 46.63円 10.4倍 700.17円 0.7倍
※株価は5/20終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
キッツの2016年3月期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
バルブを中心とした流体制御機器の総合メーカー。バルブ事業では、国内トップ、世界でもトップ10に入り、ベスト3入りが目標。バルブは、青銅、黄銅、鋳鉄、ダクタイル鋳鉄(強度や延性を改良した鋳鉄)、ステンレス鋼等、用途に応じて様々な素材が使われ、同社は素材からの一貫生産(鋳造から加工、組立、検査、梱包、出荷)を基本とする。国内外の子会社約31社とグループを形成し、子会社を通して、バルブや水栓金具、ガス機器などの材料となる伸銅品の生産・販売(伸銅品でも国内上位のポジションにある)の他、ホテル事業等も手掛けている。
 
【企業理念  −キッツは、創造的かつ質の高い商品・サービスで企業価値の持続的な向上を目指します−】
「企業価値」とは「中長期的な株主価値」であり、「中長期的な株主価値」の向上には、顧客の信頼を得る事によって利益ある成長を持続していく必要がある、と言うのが同社の考え。そして、企業価値を向上させる事により、株主をはじめとして、顧客、社員、ビジネスパートナー、社会に対して様々な形で寄与し、豊かな社会づくりに貢献していきたいと考えている。
同社は、これらの思いを「キッツ宣言」に込め、更なる飛躍を目指している。
 
キッツ宣言
キッツは、
創造的かつ質の高い商品・サービスで企業価値の持続的な向上を目指し、ゆたかな社会づくりに貢献します。
KITZ’ Statement of Corporate Mission
To contribute to the global prosperity,
KITZ is dedicated to continually enriching its corporate value
by offering originality and quality
in all products and services.
 
行動指針(Action Guide)
Do it KITZ Way
・ Do it True(誠実・真実)
・ Do it Now(スピード・タイムリー)
・ Do it New(創造力・チャレンジ)
 
Do it True
人と人との関係で忘れてならないのが誠実に対応する心。また、表面的なものでなく物事の本質を追い求める心も必要。この基本を忘れる事なく企業活動を進めるための合言葉。
Do it Now
情報をいち早くキャッチし、迅速な意思決定と確実に実践していく躍動的な社員像を表現した言葉。
Do it New
変化に対応するために従来の発想から抜け出して秘められた創造力を発揮し、新しい事にチャレンジする社員像を表現した言葉。
 
【事業セグメントの概要】
事業は、バルブ事業、伸銅品事業及びホテル・レストランの経営(ホテル事業)等のその他に分かれ、16/3期の売上構成比は、それぞれ79.8%、17.5%、2.7%。
 
バルブ事業
バルブは、配管内の流体(水・空気・ガスなど)を「流す」、「止める」、「流量を調整する」等の機能を持つ機器で、ビル・住宅設備用、給水設備用、上下水道用、消防設備用、機械・産業機器製造施設、化学・医薬・化成品製造施設、半導体製造施設、石油精製・コンビナート施設など様々な分野で使用されている。
特に、住宅・ビル設備等の建築設備分野に使用される、耐食性に富む青銅製や経済性に優れた黄銅製の汎用バルブ、或いは付加価値の高いボールバルブ等の工業用ステンレス鋼製バルブは、国内で高いシェアを持つ主力商品である。販売先は、建築設備、各種工業設備・プラント、環境、エネルギー、半導体等多岐にわたる。鋳物からの一貫生産を特徴とし(日本で最初に「国際品質保証規格ISO9001」の認証を取得した)、グローバルコストの実現に向けて海外生産拠点の強化にも取り組んでいる。
 
 
伸銅品事業
伸銅品とは、銅に亜鉛を加えた「黄銅」、すず及びりんを加えた「りん青銅」、ニッケル及び亜鉛を加えた「洋白」等の銅合金を、溶解、鋳造、圧延、引抜き、鍛造等の熱間または冷間の塑性加工によって、板、条、管、棒、線等の形状に加工した製品の総称。キッツグループの伸銅品事業は(株)キッツメタルワークス及び北東技研工業(株)の事業分野であり、黄銅製の材料を用いた「黄銅棒」(黄銅棒はバルブ部材の他、水栓金具、ガス機器、家電等の部材としても使用されている)及びその加工品を製造・販売している。
 
その他
子会社(株)ホテル紅やが手掛けるリゾートホテルの運営(長野県諏訪市)が事業の中心。同ホテルは、諏訪湖畔の好立地を特徴とし、夕日に輝く展望風呂や大小の宴会場に加え、国際会議も開かれる大コンベンションホールを有する。
 
【キッツグループ(バルブ事業)】
総合バルブメーカーとして、国内では、主要都市に展開する販売拠点ときめ細かい代理店網によって全国をカバーしており、海外では、インド、U.A.E.、韓国に駐在員事務所を置く他、中国、シンガポール、タイ、アメリカ、ブラジル、ドイツ、スペインに販売拠点を設置し、グローバルな販売ネットワークを構築している。生産では、国内7拠点の他、海外に12拠点(中国、台湾、タイ、インド、ドイツ、スペイン、ブラジル)を展開し、最適地生産を目指した生産ネットワークを構築している。
 
 
 
国内バルブ事業では、建築設備向けが43%を占め、水関連(上下水道等、14%)、半導体関連(10%)や機械装置(9%)等の比率も高いが、石油精製・石油化学、一般化学、食品・製紙、ガス、電力等、幅広い分野に製品を供給している(16/3期実績)。
 
 
バルブ事業の海外売上比率は39%。内訳は、アジア21%(アセアン・その他14%、中国6%、中東1%)、北米12%、欧州・その他5%(16/3期実績)。
 
*ROE(自己資本利益率)は「売上高当期純利益率(当期純利益÷売上高)」、「総資産回転率(売上高÷総資産)」、「レバレッジ(総資産÷自己資本、自己資本比率の逆数)」の3要素を掛け合わせたものとなる。ROE = 売上高当期純利益率 × 総資産回転率 × レバレッジ
*上記は決算短信及び有価証券報告書のデータを基に算出しているが、算出に際して必要となる総資産及び自己資本は期中平残(前期末残高と当期末残高の平均)を用いている(決算短信及び有価証券報告書に記載されている自己資本比率は期末残高で算出されているため、その逆数と上記のレバレッジは必ずしも一致しない)。
 
 
2016年3月期決算
 
 
前期比0.2%の増収、同5.2%の営業増益
売上高は前期比0.2%増の1,172億78百万円。銅相場下落の影響を受けて伸銅品事業の売上が減少した他、前期にフィットネス子会社を売却した影響もあったが、バルブ事業の売上増で吸収した。バルブ事業は、アセアン・中国を中心にしたアジアの好調や北米の回復に加え、対ドルでの円安効果もあり、海外売上が同5.9%増加。建築設備向けで流通在庫調整の影響はあったものの、半導体製造装置向けや水市場向けの好調で国内売上も同2.5%増加した。

利益面では、バルブ事業での原価低減や原材料価格の下落で売上総利益率が1.3ポイント改善。円安の影響による海外グループ会社の販管費の円貨換算額の増加に加え、M&A関連費用や研究開発費の増加等による販管費の増加を吸収して営業利益が72億45百万円と同5.2%増加した。為替差益の減少(4億01百万円→82百万円)による営業外収益の減少に加え、前期にフィットネス事業を手掛ける子会社株式の売却益(関係会社株式売却益として21億56百万円)を特別利益に計上した反動もあり、最終利益は49億15百万円と同28.6%減少した。
 
 
バルブ事業
売上高は前期比3.8%増の935億79百万円。このうち国内での売上高は同2.5%増の574億24百万円。主力の建築設備向けは同2%の増収。流通在庫調整で当初想定したほどの力強さはなかったが、期中に在庫の適正化が進み年度末にかけて明るさを増してきた。水市場向けは同6%の増収。季節要因で第4四半期に落ち込んだものの、耐震型製品の好調等で期を通してほぼ前期実績を上回った。一方、機械装置、一般化学、食品・製紙等、ステンレス鋼製バルブが多く使用される工業用バルブ市場は、市場環境に大きな変化は見られず、各市場でまちまち。上期好調だった半導体製造装置向けは下期に入りブレーキがかかったものの、通年では前期を上回った。
海外での売上高は前期比5.9%増の361億54百万円。アセアン・中国を中心にアジアが同12%の増収となった。北米も同6%の増収。対ドルでの円安も追い風になった。一方、欧州・その他は同17%の減収。原油価格の急落を受けてエネルギー関連企業の設備投資が減少した。

営業利益は同9.2%増の103億84百万円。対ドルでの円安の影響で海外グループ会社の販管費の円貨換算額が増加した他、M&A関連費用や研究開発費等も増加したが、原価低減効果が大きく出た事に加え、数量効果の他原材料価格の下落もあり増益となった。
 
伸銅品事業
2015年度の国内黄銅棒市場は14,866トン/月と前年度比3.2%減少し、銅相場(電気銅価格)も2016年に入り若干持ち直したものの、2015年5月から年末にかけて下落が続いた。同社の伸銅品事業は2015年7月に北東技研工業を連結対象に加えたものの、銅相場に連動した黄銅棒販売価格の下落が響き、売上が205億57百万円と同2.2%減少した。利益面では、販売価格の下落に加え、加工工場の増設等による減価償却費の増加もあり、16百万円の営業損失となった(前期は2億48百万円の営業利益)。
 
その他
フィットネス事業を手掛けるキッツウェルネスの株式を2014年10月に売却した影響(約27億円の減収要因)で、セグメント売上高が31億41百万円と前期比46.4%減少し、営業利益が75百万円と同67.6%減少した(ホテル事業は売上高が同1.9%増の30億50百万円、営業利益が同30.2%減の30百万円)。
 
 
 
設備投資や国内外でのM&Aで期末総資産は1,194億22百万円と前期末に比べて36億32百万円増加した。借方では、有形固定資産や無形固定資産が増加し、貸方では、純資産や100億円の社債の発行で有利子負債が増加した。自己資本比率は62.9%と前期末に比べて1.3ポイント低下した。
 
 
資金効率の改善で営業CFは前期実績を上回る95億92百万円を確保した。設備投資や国内外でのM&Aで投資CFは97億63百万円のマイナス。社債の発行等で財務CFは7億96百万円の黒字となった。
 
(4)株主還元
期末配当は1株当たり7円を予定しており、上期末配当と合わせて年13円となる(連結配当性向28.6%)。また、期中に5億09百万円の自社株買いを実施しており、これを含めた株主還元の総額は19億09百万円。総還元性向は38.8%となる。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
前期比4.9%の減収ながら、同10.4%の営業増益
売上高は前期比4.9%減の1,115億円。バルブ事業における円高の影響や足元の海外需要の弱さ、及び銅相場の低迷の継続による伸銅品事業の減収等を織り込んだ。
一方、営業利益は同10.4%増の80億円。円高による為替影響の改善、原材料価格の低下及び原価低減等でバルブ事業の収益性が改善する。伸銅品事業も、生産性向上や事業再構築で銅相場下落の影響を吸収する。

為替の前提は、1USドル=110円(前期は121.04円)、1ユーロ=125円(同133.66円)、電気銅建値620千円(同675千円)。
 
 
バルブ事業は、数量は増加するものの、為替が25億円の減収要因となる。国内は、半導体製造装置向けで減収を見込むものの、その他の市場向けは堅調な推移が見込まれる。一方、海外は足元の需要の弱さを踏まえて同4%の減収見込み。アジア、米州(前期に連結子会社化したブラジル子会社の売上19億円を含む)、欧州の全ての地域で減収を見込んでいる。ただ、原価低減効果に加え、原材料価格の下落や数量増効果等もあり、収益性の改善が進む見込み。 伸銅品事業は、銅相場低迷の影響で売上が減少するものの、黒字を確保する。
 
(2)株主還元
配当は1株当たり上期6円、下期7円の年13円を予定している。尚、これまで同社は親会社株主に帰属する当期純利益の25%前後を配当性向の望ましい水準と考え、自己株式の取得を含めた総還元性向3分の1前後を目指してきた。しかし、今後は自己株式の取得を更に積極化させる事で連結総還元性向を引き上げていく考え。
 
 
中期経営計画
 
創立70周年に当たる2020年度(21/3期)を最終年度とする長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」(11/3期〜)の達成に向けて、3ヵ年の中期経営計画が進行中である。中期経営計画は、第1期(11/3期〜13/3期)及び第2期(14/3期〜16/3期)が終了し、17/3期から第3期(17/3期〜19/3期)が始まる。
ただ、中国経済の成長率の鈍化と、その影響を受けた新興国経済の変調や、原油価格の下落によるエネルギー関連企業の設備投資の抑制等、海外市場を取り巻く環境が激変している。また、国内市場においても、建築設備向けで東京オリンピック・パラリンピック関連の需要が見込めるものの、世界経済の低迷による先行きの不透明感から積極的な設備投資が手控えられている。このため、「今後の業績について楽観的に見込む事が難しい」との前提で第3期中期経営計画を策定すると共に、長期経営計画の数値目標を見直した。
 
 
第2期中期経営計画は、バルブ事業・伸銅品事業共に計画策定時に見込んだ需要の回復には至らなかった事に加え、フィットネス事業の売却もあり、計画通りに売上を伸ばす事ができなかった。利益面では、バルブ事業での原価低減努力等で増益基調を維持したが、売上の伸び悩みもあり、計画を下回る利益成長にとどまった。
 
 
第1期中期経営計画の反省点だった工業弁(大型プロジェクト案件)の採算改善は、プロジェクト統括部による「設計・営業・管理一体」の取り組みにより実現できたが、中国経済の減速や原油価格下落の影響等による売上の伸び悩みで計画通りに利益を確保できず、また、利益率も改善したものの計画を下回った。利益率については、特に標準品の利益率が競争激化で悪化している。現状の価格水準では競合他社に対抗し難いため、更なるコストダウンが必要である。

この他、収益構造の改善、海外営業の強化、成長拡大分野への投資、及びM&A・アライアンスによる事業拡大に取り組んだ。
 
 
反省点は、営業とマーケティング・技術の連携は強化できたが、新製品の販売が計画を下回った事(販売戦略のレベルアツプ、新製品の早期投入等が必要)、アライアンス品を含めたパッケージの受注活動が十分できなかった事、そしてM&Aの実現が第2期中期経営計画の後半に偏ったため3ヵ年での成果が乏しかった事、の3点。
 
 
市場規模が縮小傾向にあり、利益確保策が不十分だった。今後は、生産性向上により利益の最大化を図る他、付加価値の高い加工品事業の展開を加速する。
 
 
2014年10月に(株)キッツウェルネスを売却したため、本事業の柱はホテル紅やのみとなった。15/3期にホテル紅やの大規模修繕(2014年度に実施)を行ったが、リニューアルオープンに際しての集客数及び客単価の向上策が不十分だった。
 
【第3期中期経営計画】
(1)地域別見通し
日本堅調な企業業績や雇用情勢が支えとなり、緩やかに回復すると予想。
米州アップストリームと比較し、当社が強いダウンストリームの落ち込みはいくらか弱い。
欧州設備投資減少が影響。大きな成長は望みにくい。
アセアン当社の売上高が最も大きい資源国インドネシアの低迷が影響。
中国経済減速が続く。生産設備過剰。投資低迷。実需を伴うビル建設・工場投資のみであり物件数は減少傾向。
プロジェクト価格の低迷を受け、プロジェクトが減少。受注獲得には更なる競争力必要。LNG物件は引き続き拡大。

為替の前提は、17/3期が1USドル=110円、18/3期及び19/3期が1USドル=115円。
 
(2)基本方針
・19/3期に営業利益100億円越え、21/3期に最高益更新
21/3期は営業利益125億円を目指す(08/3期の最高益116億円更新)
・利益とキャッシュ・フロー重視を徹底し、ROE8%以上を目指す
グローバル調達・内製化・生産性向上等による更なるコスト改善
利益を生む設備投資を積極的に実施する
・強みが生かせる重点市場分野に経営資源を集中する
重点市場分野:「建築設備」「石油化学・一般化学」「クリーンエネルギー」
新製品投入・設備及び研究開発投資を重点市場分野に集中する
本部を貫く戦略推進体制を強化し、重点施策のPDCAを回す
・株主還元の充実
現金配当による目標配当性向25%
自己株式取得にも積極的に取り組み、株主還元の一層の充実を図る
 
(3)数値目標と主要事業における取り組み
 
バルブ事業  戦略の3本柱
・重点市場分野と重点地域を絞り込み、特化した新製品投入と複合機能化の推進により、シェアの拡大を目指す。
重点市場分野を「建築設備」、「石油化学・一般化学」、「クリーンエネルギー(水素、LNG)」とし、重点地域を日本+3極2拠点とする(3極:欧州・米州・アセアン、2拠点:中国・インド。特にアセアン、米州を重視)。
・縦(機能別組織)と横(全社横断組織)のマトリックス体制により、「組織」のマネジメントと「製品」のマネジメントの両輪を強化し、事業戦略を推進する。
組織のマネジメントでは、事業企画部が機能及び権限強化による既存組織の重点施策の進捗管理とPDCAを徹底し、製品のマネジメントでは、新設したプロダクトマネジメントセンターがマーケティングから実績管理まで一気通貫によるプロダクトマネジメントを実践する。
・既存のリソースを無駄なく徹底的に活用し、グローバルで戦えるコストを実現することでさらなる売上利益拡大につなげる。
 
伸銅品事業
生産性向上による利益の最大化と事業再構築による付加価値の拡大を図る。前者では、ライン再編による加工費低減及び原材料の最適配合による材料費削減を進め、後者では、切削品及び鍛造品のグループ内生産統合・統合効果の実現による事業拡大を図る。
 
水事業
キッツスマート養殖と水処理技術を活かした事業の育成に取り組む。キッツスマート養殖は世界的な水産市場の需要高まりと天然資源の不足を踏まえた新規事業。一方、水処理技術を活かした事業は、キッツ、東洋バルヴ、清水合金製作所、キッツマイクロフィルター等が連携して、世界的な水需要と環境意識の高まりに応えていく。
 
 
尚、キッツスマート養殖の売上目標は、17/3期2億50百万円、18/3期2億50百万円、19/3期5億円、21/3期10億円。
 
(4)経営基盤強化
・人事
女性活躍推進への取り組み、多様な人財が活躍できる人事制度構築及び育成計画策定、適所適材を可能とする連結人事データベース構築
・環境
環境マネジメント体制の強化、環境負荷の低減、及び環境関連法規制対応
・品質保証
お客様の満足する適正品質の提供
・コーポレートガバナンス・内部統制
コーポレートガバナンス・コードに基づく健全で透明性の高い経営の推進、適切なリスクテイクを支える投資検討の仕組み確立と果断な実施、M&Aによりキッツグループに加わる新会社の内部統制構築
・経理、財務
M&Aに備えた資本の充実と自己株取得を含めた配当政策によるROE向上
・情報システム
業務最適化及び経営判断強化を目指した、グローバル情報システム構築
・社会貢献
CSR経営の一環として、継続的な社会貢献活動の企画・推進
 
 
運転資本の効率化で流動資産は16/3期末に比べて28億円削減するが、重点市場分野への投資で有形・無形固定資産は同141億円増加する。有利子負債は同30億円増の280億円を見込む。
 
 
【長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」】
下記理由により、今後の業績について楽観的に見込む事は難しいと判断し、長期経営計画「KITZ Global Vision2020」の数値目標を見直した。

(1)2012年からの中国の経済成長率鈍化の影響は、中国国内需要の縮小に留まらず、余剰生産能力の活用・安値輸出により、グローバルレベルでの景気低迷・価格低下・競争激化を招いている。
(2)2014年下期から原油価格が急落する中で、エネルギー関連企業は設備投資を抑制する一方、利益確保のために、部材仕入先への値下げ要求を強めている。
(3)国内においては、建築設備市場向けに東京オリンピック・パラリンピック需要を見込むものの、世界経済の低迷で企業業績の見通しを楽観視できず、積極的な設備投資を控えている。また、工場を海外移転した企業は、円安の恩恵を受けにくい体質となっている。
 
 
 
今後の注目点
第2期中期経営計画の反省と国内外での厳しい事業環境を踏まえて第3期中期経営計画が策定され、同時に長期経営計画「KITZ Global Vision 2020」の見直しが行われた。第3期中期経営計画、見直された長期経営計画共に売上の拡大よりも利益重視を特徴としており、第3期中期経営計画の3年間ではバルブ事業を中心に50億円程度の原価低減効果を見込んでいる。製品の統廃合や部品共通化も施策に盛り込んだ。売上の面では、2〜3%成長とみており、M&Aやアライアンス商品等で上積みを図る考え。地域別では、アセアンや北米の複合機能化を強化する。
また、2016年2月には、高温・高圧弁の高い技術力と信頼性を強みに、電力・発電分野で国内トップクラスの東亜バルブエンジニアリング(株)[東証2部]と資本業務提携した。資本面では、三菱商事(株)が保有していた全株式を取得。東亜バルブエンジニアリング(株)の発行済株式総数の11.28%、議決権所有割合12.98%を取得し、筆頭株主となった。業務面では、東亜バルブエンジニアリング(株)の高温・高圧弁に関する高い技術力とキッツのグローバル調達・生産・販売網の相互活用によるシナジーが期待できる。キッツスマート養殖等の水事業の進展と共に期待したい。
 
 
 
参考 コーポレートガバナンスについて
 
◎ 組織形態および取締役・監査役の構成
 
◎コーポレートガバナンス報告書
同社はコーポレートガバナンス・コード適用以降のコーポレートガバナンス報告書を2015年10月14日に提出している。
 
 
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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