ブリッジレポート
(3194:東証1部) キリン堂ホールディングス 企業HP
寺西 豊彦 社長
寺西 豊彦 社長

【ブリッジレポート vol.38】2017年2月期第1四半期業績レポート
取材概要「前期好調だった既存店売上だが3月、4月は計画を下回り、5月は上回ったものの第1四半期では計画2.7%増に対し、0.8%増にとどまった。新店の・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年8月2日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社キリン堂ホールディングス
会長
寺西 忠幸
社長
寺西 豊彦
所在地
大阪市淀川区宮原4-5-36
事業内容
関西を中心に売場面積150〜300坪型の郊外型ドラッグストアをチェーン展開する(株)キリン堂を中心とした持株会社。
決算期
2月
業種
小売業(商業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年2月 112,902 1,699 2,320 826
2015年2月 108,033 952 1,437 619
2014年2月 103,055 1,820 2,282 942
2013年2月 101,761 1,924 2,242 882
2012年2月 102,229 1,684 1,960 184
2011年2月 100,465 1,118 1,537 188
2010年2月 104,964 1,232 1,527 -443
2009年2月 106,695 1,781 2,030 500
2008年2月 106,098 2,321 2,530 804
2007年2月 72,803 1,312 1,651 577
2006年2月 66,690 1,308 1,574 753
2005年2月 58,165 745 985 414
株式情報(7/19現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
830円 11,332,206株 9,405百万円 6.7% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
25.00円 3.0% 94.43円 8.8倍 1,100.41円 0.8倍
※株価は7/19終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数。ROE、BPSは前期実績。
 
(株)キリン堂ホールディングスの2017年2月期第1四半期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
関西圏を地盤としてドラッグストア・保険調剤薬局を運営する(株)キリン堂を中心とした持株会社。
医薬品等の卸売事業や医療・介護コンサルティング等も手掛ける子会社も有する。ドラッグストア事業では、近畿2府5県(大阪、京都、兵庫、奈良、和歌山、滋賀、三重)を中心に、香川、徳島、石川、及び関東1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)においてドミナント戦略を進めており(特定地域内に集中出店することで経営効率を高めるとともに、地域内でのシェアを向上させ競争優位に立つ戦略)、グループ店舗数は336店舗(FC1店舗、海外2店舗を含む)。
連結子会社は、下記の通り全9社。連結の従業員数は1,743名。(いずれも2016年5月31日現在)
 
 
 
 
【同業他社比較】
ドラッグストアを中心業態とする上場企業は、以下の14社が挙げられる。(売上規模順)
 
(株)キリン堂ホールディングスは、売上高の11位は前回レポート作成時と変わらないが、時価総額は14位となった。PERが一桁台で、PBRも1倍を割っている。「割安」と評価されるためには、関西圏でのドミナント戦略を基本とする同社においては、出店計画の確実な進捗と収益性の改善が喫緊の課題と言えよう。
 
 
同社の直近3年間の平均ROEは6.8%。第1次中期経営計画最終年度に当たる今期のROE目標は11%以上から8%以上に引き下げられたが、今期予想売上高当期純利益率0.89%が計画通り実現できれば8%以上のROE達成が可能となろう。
 
 
2017年2月期第1四半期決算概要
 
 
雑貨等や調剤部門の売上増で増収、販管費増をカバーするも利益率の高い季節商品が伸び悩み減益
売上高は前年同期比3.5%増の285億30百万円。既存店売上高はほぼ前年同水準だった。季節商材の伸び悩み、薬価・調剤報酬改定の影響で粗利率は同0.1P低下した。販管費は人件費や施設費など新店の一時的経費が増加したため増収で吸収しきれず、営業利益は同46.2%減の2億9百万円となった。
計画比では、販管費は予定通りにコントロールできたが、天候不順による季節商材の伸び悩みに加え、外部環境の変化を受けて越境ECが低調だったことにより売上高が未達となり、利益も売上同様未達となった。
 
◎出退店状況
2017年2月期第1四半期の出店は5店舗、退店も5店舗で、2016年5月末の国内グループ店舗数はFC1店舗を含む334店舗となった。今期は23出店、11退店を計画している。
新店企画部による「新店の早期立ち上げ」、新業態開発部が担当する「都市型フォーマットの確立」に取り組んでいる。
 
◎既存店の状況
2017年2月期第1四半期の既存店売上高は、前年同期比0.8%増となり、計画の2.7%を下回った。客単価は2.2%上昇したが、天候不順もあり来店客数は1.4%減少した。
前期に引き続きポイントカード会員の拡大(既存店119万人、全店126万人)とカードを利用した会員向け販促の推進、集客強化を第一に売場改装を進め、購買頻度の高いハウスホールド商品や食品を軸とした集客対策を行ったほか、HBC商品のカウンセリング販売やPB商品の販売強化に取り組んだ。
 
 
◎PB商品売上高動向
全体の粗利率向上につなげるため、相対的に粗利率の高いPB商品の構成比率上昇に取り組んでいる。
今期は、成分強化や規格増量などリニューアルの推進、スーパーフードや新素材の採用ならびに新規メーカーとのタイアップなど潜在需要を開拓するPB商品へのチャレンジなど、PB商品の育成と開発に注力している。
2017年2月期第1四半期の新規開発SKU数は82SKUで、うちHBC商品は24SKUとなっている。
小売事業の商品売上高全体に占めるPB商品の比率(PB比率)は前通期で10.3%と初めて2桁に乗せたが、この第1四半期も10.5%(前年同期比0.3P上昇)と計画通り順調に進捗している。今通期目標は11.0%。
 
 
 
育児用品を除く全カテゴリーで増収となった。季節商材の販売の伸び悩み等から、相対的に粗利率の高いHBC商品の売上構成比が下がり、雑貨等の売上構成比が上がったほか、薬価・調剤報酬改定の影響により、調剤部門の粗利率が低下したことから、全体の粗利率は前年同期に比べ0.1P低下した。
 
 
主に新店の一時的な経費負担増により人件費、施設費などが増加した。計画通りコントロールできたが、売上の計画未達により販管費率は計画に比べ0.5P上昇した。
 
◎調剤事業について
2017年2月期は7店舗の新規開局(既存店への調剤併設含む)を計画しているが、この第1四半期は2店舗開局し、2016年5月末の処方せん取扱店舗数は58店舗となった。
調剤売上高は前年同期比8.9%増の2,664百万円。処方せん応需枚数は同5.1%増の235,075枚となった。
通期売上計画は前期比6.2%増の109億円。
 
◎中国越境ECビジネスについて
同社はアリババグループが運営する中国 BtoCサイト「天猫国際」に旗艦店を出店している。2015年11月のシングルデーイベントの売上高は約4.5億円で、海外総合第4位、日本館で第1位という実績を残している。
海外通販売上高は、2015年2月期395百万円、前期2016年2月期は965百万円、今期2017年2月期30億円と大きな伸びを計画しており、今期は、会員数の増大、新規取扱いブランドの拡充、メーカーとの連携強化、ECサイト運営専門チームの再構築、リスク対応などに取り組むこととしていたが、2016年4月に中国政府が越境ECに関する新たな通達(個人消費者の1回当たりの購入限度額引き下げ、一般貿易輸入貨物や国産貨物よりも税負担水準が低い越境取引に対する課税負担是正など)を公布したこと、6月1日よりEMS(国際スピード郵便)料金の改定があったことに加えて円高が進行したこともあり、今第1四半期売上は前年並みにとどまった。
第2四半期以降は今後の状況を注視しながら対応策を検討することとしている。
 
 
現預金、たな卸資産等の増加により流動資産は前期末比27億24百万円増加。固定資産はほぼ変わらず、資産合計は同27億77百万円増加の479億91百万円となった。
一方、仕入債務、電子記録債務、長短借入金の増加などの結果、負債合計は同28億35百万円増加の354億52百万円となった。
純資産は利益剰余金55百万円の減少などにより125億38百万円。この結果、自己資本比率は前期末より1.7P低下の25.9%となった。
 
 
2017年2月期業績予想
 
 
業績予想に変更無し。連続増収増益
業績予想に変更は無い。売上高は前期比6.6%増の1,204億円を計画。ポイントカード会員への効果的な販促実施や売場改装など既存店活性化策を推進する。既存店売上高は同1.4%の増収を見込んでいる。(上期 +2.3%、下期 +0.4%)
営業利益は同45.3%増の24億70百万円を計画。増収効果に加え、カウンセリング販売やHBC商品を中心としたPB商品の育成と開発などによる粗利率の向上(同0.5ポイント上昇)、コストコントロールの徹底により大幅な増益を見込んでいる。
配当は前期と同じく中間12.50円/株、期末12.50円/株の合計25.00円/株の予定。予想配当性向は26.5%。
 
 
今後の注目点
前期好調だった既存店売上だが3月、4月は計画を下回り、5月は上回ったものの第1四半期では計画2.7%増に対し、0.8%増にとどまった。新店の一時的な経費増もあり、第1四半期実績の通期予想に対する進捗は利益面で大きく出遅れたスタートとなった。
会社側は、新店の売上は順調であり、第1四半期の遅れを取り戻すために既存店の販促をより強化する方針だ。
越境ECへの対応も含め、今後のキャッチアップがどこまで進むかを注目したい。
 
 
 
<参考:第1次中期経営計画>
 
持株会社体制への移行に伴い改めて企業理念や今後のビジョンを明確にすると共に、今後の成長を目指して3ヵ年の「第1次中期経営計画(2015−2017)」を策定した。この2年間、計画目標値の達成に向けて取り組んできたが、事業環境の変化や前期業績を総合的に勘案した上で、前述のように、最終年度となる2017年2月期の数値計画および施策の定量目標数値の見直しを行っている。
 
機ゥリン堂グループの基本方針
基本方針に大きな変更は無い。
『地域コミュニティの中核となるドラッグストアチェーン』の確立を目指し、関西地区における小商圏フォーマットでのドミナント深耕を進める。

具体的には、地域のお客様との関係性を深化させるため、「楽・美・健・快」のコンセプトに沿った顧客第一主義の魅力ある店づくりを進める。
そのため、同社が掲げる主要コンセプトである「未病対策」をテーマにした健康や美容に関する専門性を高めると共に、利便性の向上にも努める。
さらに、将来的には、調剤事業を中心とした地域包括医療体制の構築も大きな目標とする。

当面は、国内営業基盤の強化に軸足を置き、キリン堂の主力展開地域である「関西地区」における「量」と「質」両面でのシェア追求に邁進する。
「量」は、出店やM&A等による地域シェアのアップ、「質」は、子会社各社の専門性をフルに発揮させ、地域の生活者に「健康の総合サービス」的な役割、「楽・美・健・快」の提供ができる体制を構築する。
また、持株会社体制への移行を契機に、意思決定のスピードアップなどを図り、グループシナジーの発揮による企業価値向上を通じた持続的成長の実現を目指す。
 
.基本テーマ
同社はM&Aや提携によるスピード重視の事業展開により「2020年2月期 関西地区のドミナント化による連結売上高1,500億円、500店舗体制の実現」を目指している。今回の第1次中期経営計画はその通過点との位置づけで、持続的成長に向けた国内営業基盤の強化が主要命題であり、その実現のために「①収益力の改善」、「②経営効率向上と徹底したコストコントロール」、「③新規出店による売上高成長」の3つの基本テーマを設定している。
 
①収益力の改善
高利益率のPB商品の育成と開発の推進を進める。
「健康寿命の延伸」をテーマに掲げ、未病対策に加えアンチエイジングのための商品を開発し需要を創造・増進する。
推進体制としては、2014年6月、キリン堂の商品本部内にPB商品の開発および調達を専門的に手掛ける部署を設置した。また、販売プラン策定と教育を実施する部門も新設している。
なお、PB比率は前々期9.6%、前期10.3%と着実に上昇している。一方、中計策定時、PB化を積極的に進める方針であった食品については、お客さまニーズ等を勘案し、NB商品中心での対応に切り替えたことから、2017年2月期の目標は11%に修正。
 
②経営効率の向上と徹底したコストコントロール
具体的には以下の3点を進める。

*効率的な人員配置
現在、アシスタントスタッフ(パートやアルバイト)の主な業務は、品出し・陳列などであるが、今後はカウンセリング販売にも加わってもらうなど、業務範囲を拡張していく。
また正社員に関しても適正な人数による効率的な配置を進める。

*経費削減の推進

*不採算店舗のスクラップ&ビルド

新店出店期のずれによるコスト負担増、増収に伴う変動費増(EC拡大による荷造運賃、ポイント購入費用など)、クレジット使用率アップによる支払手数料増などから、2017年2月期の連結販管費率は25.2%を目標としている。
 
③新規出店による売上高成長
3年間でドラッグストア45店舗、処方せん取扱店舗(既存店への併設を含む)11店舗の新規出店を計画。新店出店期のずれはあるものの、3年間の出店計画数は達成できる見通しだ。
ドラッグストアに関しては、引き続き関西地区での出店を進めると共に、新店の早期黒字化を図る。このために2014年6月、「新店企画部」を設置。オープン前のマーケット調査から、オープン時の品揃えやプロモーションの企画・実行などを行い、新店の来店客数増のための様々な仕掛けや取り組みを行っていく。
さらに、2016年3月に設置した「新業態開発部」では、従来のロードサイド郊外型店舗とは異なる都市型店舗の立ち上げ・フォーマット確立にも取り組んでいく。
処方せん取扱店舗については、薬剤師の採用および育成が最重要テーマとなる。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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