ブリッジレポート
(7839:東証1部) SHOEI 企業HP
山田 勝 会長
山田 勝 会長
安河内 曠文 社長
安河内 曠文 社長
【ブリッジレポート vol.47】2016年9月期第3四半期業績レポート
取材概要「15/9期の為替レート(1USドル=120.04円、1ユーロ=137.48円)に対して、16/9期の前提(1USドル=109.68円、1ユーロ=124.93円)・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年8月9日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社SHOEI
会長
山田 勝
社長
安河内 曠文
所在地
東京都台東区上野5-8-5
事業内容
プレミアムヘルメットの製造・販売。ヨーロッパをはじめ海外販売比率が高い。
決算期
9月 末日
業種
その他製品(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年9月 14,244 3,210 3,092 1,996
2014年9月 13,406 2,765 2,646 1,669
2013年9月 11,158 1,340 1,299 799
2012年9月 8,606 97 143 65
2011年9月 9,047 395 371 217
2010年9月 10,078 898 978 638
2009年9月 10,300 1,047 1,335 837
2008年9月 14,995 3,608 3,532 2,214
2007年9月 13,586 2,942 2,751 1,630
2006年9月 11,796 2,310 2,117 1,248
2005年9月 10,661 1,581 1,510 890
2004年9月 9,725 1,364 1,282 732
2003年9月 9,575 757 703 381
2002年9月 8,700 379 190 85
2001年9月 9,088 694 592 359
株式情報(8/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,645円 13,771,898株 22,655百万円 21.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
72.00円 4.4% 145.22円 11.3倍 762.39円 2.2倍
※株価は8/3終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
 
SHOEIの2016年9月期第3四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
世界ナンバーワンのヘルメット・メーカー。オートバイ用を中心に、航空機用や戦車用等の官需用のヘルメットを製造している。販売網は日本のみならず、ヨーロッパやアメリカをはじめ世界約70ヵ国超を網羅。「SHOEI」ブランドはその安全性と機能性、そして造形の美しさが世界各国で高い評価を受け、高級ヘルメットの代名詞となっている。独自の技術とノウハウ、優れたデザイン力を持つ。
また、「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業戦略も同社の特徴。三位一体の事業戦略を進める事で、顧客満足度、株主及び役職員の満足度向上に努めている。グループは、同社の他、米国、独(2社)、仏、伊の連結子会社5社。
 
経営方針  3つの世界一を実現
「世界一の品質」     … Made In Japanのグローバルブランド
「世界一のコスト競争力」 … ヘルメット業界唯一のトヨタ生産方式でコスト管理
「世界一の楽しい会社」  … お客様、株主の皆様、並びに従業員、役職員の満足度を追及
 
【事業内容】
売上高の約90%を占める二輪乗車用ヘルメットでは、高品質・高付加価値の「プレミアムヘルメット」に特化し、茨城工場(茨城県稲敷市)、岩手工場(岩手県一関市)の国内2工場で生産。国内生産にこだわる事で、高い品質の維持と技術の流出防止を実現している。
 
【欧州を中心に海外売上が75%】
世界72カ国に展開しており(前年に比べてキプロス、レバノン、アフリカ9カ国の11カ国増)、15/9期の地域別売上高は、日本25%、欧州46%、北米23%、その他地域6%。最も売上構成比の大きい欧州は、ドイツ、フランス、イタリアの子会社3社と現地代理店によるネットワークでカバー。北米やその他地域は代理店経由で販売している。
決済通貨は、北米は米ドル建、その他地域は円建。
 
 
 
【トップシェアを支えるモノづくりへのこだわり  茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産】
世界各国のライダーに称賛され、グローバルなブランドとして認知されているプレミアムヘルメット。優れた空力特性等、ヘルメットとしての高い機能性とファッション性に富んだ製作難度の高い形状。それでいて安全性が高く長時間走行でも疲れ難い。「使った人がいかに心地よいか」を追求する同社の“こだわり” が、トップシェアの原動力となっている。
 
 
人の命を守るヘルメットは、日本、欧州、北米と言った市場毎にそれぞれの安全規格がある。このため、同社では、茨城工場が主に国内製品、岩手工場が主に海外製品と、原則工場毎に仕向け先を一本化して生産性を上げている。
 
【中長期的安定成長と安定利益の実現に向けた基本方針】
(1)自分の会社は自分で守る
(2)Made in Japanと雇用の維持(ものづくりの伝承)
(3)健全な財務内容の堅持
(4)投資の継続(新製品開発,コストダウン,品質向上,より確かな安全)
(5)世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指す
(6)新市場開拓と既存市場の深堀り
(7)利益の公平、公正な分配(50%配当性向,従業員への配分、会社への分配
   (内部留保))
 
短期的な支払い能力を示す流動比率が533.5%(15/9期末。以下同じ)、長期的な財務の安全性を示す固定比率が21.3%、無借金経営で自己資本比率78.5%。(1)自分の会社は自分で守る、(3)健全な財務内容の堅持、が着実に実行されている事が貸借対照表からみてとれる。

また、茨城及び岩手の国内2工場で全量を生産する事で(2)Made in Japanと雇用の維持(ものづくりの伝承)を実現し、(4)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)及び海外子会社と一体になって進める(6)新市場開拓と既存市場の深掘りにより、(5)世界中のプレミアムヘルメット市場でナンバーワンを目指している。

尚、(4)投資の継続(新製品開発、コストダウン、品質向上、より確かな安全)については、長期にわたり安定した経営とその成果を実現する事を目的とした大型投資第2弾が15/9期にスタートした。06/9期から09/9期にかけて成長のための大型投資第1弾(大型風洞実験施設への投資が中心)に次ぐもので、5年間で総額40億円の投資を予定。16/9期の設備投資は11億13百万円を予定しているが、24億56百万円の営業キャッシュ・フローが見込まれており、大型の設備投資を吸収して13億6百万円のフリー・キャッシュ・フローを確保できる見込み。
 
 
2016年9月期第3四半期決算
 
 
前年同期比5.7%の増収、同13.0%の経常増益
売上高は前年同期比5.7%増の106億46百万円。国内外で販売数量が伸び、円高の影響を吸収した。地域別では、流通市場の好調が続く国内が30億63百万円と同18.3%増加した他、主力の欧州も48億40百万円と同4.8%増加。欧州では、現地の主要Distributor向けの販売数量が同20.3%増加した事に加え、ドイツの大規模ディーラーの在庫調整で減少していた欧州子会社の販売も第3四半期(1-3月)に底打ち。欧州全体で販売数量が同7.2%増加した。一方、北米は同20.5%減の17億80百万円。米国Distributorの在庫調整で販売数量が減少した。その他の地域は同54.9%増の9億61百万円。主要販売先である豪Distributor向けが微増にとどまったものの、中国を中心にアジア向けが倍増し、南米その他向けも大幅に増加した。

利益面では、円高の影響を増産効果等で吸収して営業利益が25億03百万円と同5.0%増加。ユーロの為替予約に伴う為替差益61百万円(前年同期は為替差損109百万円)の計上と特別損失の減少(66百万円→9百万円)改善で、最終利益は17億17百万円と同20.1%増加した。

為替換算レートは、同社が、1USドル=113.27円(前年同期119.51円)、1ユーロ=128.37円(同137.62円)、海外子会社が(2016年3月31日現在)、1USドル=112.68円(前年同期120.17円)、1ユーロ=127.70円(同130.32円)。
 
 
 
 
第3四半期(4-6月)も上期と同様に好調な受注が続き、9カ月間の累計受注高が119億53百万円と前年同期比10.6%増加。工場稼働日を追加して増産対応を進めた(累計生産高が108億58百万円と前年同期比10.7%増加)。7月(第4四半期)販売分の積み上がりもあり、受注残高は33億89百万円と前年同期末に比べて50.4%増加した。
 
 
 
第3四半期末の総資産は前期末に比べて4億83百万円増の133億50百万円。受注・売上の増加で、売上債権、たな卸資産、仕入債務が増加した他、設備投資で有形固定資産が増加した。自己資本比率78.6%(前期末78.5%)。

現在、長期にわたり安定した経営とその成果を実現する事を目的とした大型設備投資第2弾が進行中である。大型設備投資第2弾では、新製品の為の投資(新モデル用金型投資)、危機管理の為の投資(塗装ブースの空気調和機の増強とチラーの設置等、安全と環境改善への投資)、品質向上の為の投資(成型プレス機の更新)、生産性向上の為の投資(レーザー加工機、プリフォームマシンの更新、CAM裁断機の導入等)、及び全社的な業務の改善と合理化に向けた全社管理システム(IT)の改善投資を実施する。15/9期からの5年間で総額40億円の投資を予定している(16/9期がピークになる)。
 
 
2016年9月期業績予想
 
 
好調な受注と高水準の生産を踏まえ、利益予想を上方修正
円高の影響を織り込み、売上高の予想をわずかに引き下げたものの、好調な受注を背景にした想定を上回る工場稼働率を踏まえて、利益予想を上方修正した。営業利益は期初予想を14.4%上回る28億60百万円。「第4四半期(7-9月)の為替所要額について、1USドル=105.91円、1ユーロ=116.51円で為替予約を実行済みであり、その相当額の為替差益(33百万円)が見込まれまる」として、経常利益については、29億70百万円と同16.5%上方修正。最終利益も16.3%上方修正され、前期比0.2%の増益が見込まれる。

為替レートの前提は、1USドル=109.68円(15/9期1USドル=120.04円)、1ユーロ=124.93円(同1ユーロ=137.48円)。

期末配当は、1株当たり当期純利益(145円22銭)の50%相当額である72円を予定している(利益予想の上方修正に伴い、配当予想を、当初予想の62円から10円増額した)。
 
 
 
今後の注目点
15/9期の為替レート(1USドル=120.04円、1ユーロ=137.48円)に対して、16/9期の前提(1USドル=109.68円、1ユーロ=124.93円)は大幅な円高だが、好調な受注による高水準の工場稼働率と為替予約により、前期比1.0%の減収、同4.0%の経常減益、と高水準の売上・利益を確保できる見込みだ。
来17/9期は、一段の円高水準が予想されるが、各地域の見通しは明るい。主力の欧州は需要が堅調な中、ドイツの大手ディーラーの在庫調整の影響がなくなり、Distributorの在庫調整が続く米国も、この第3四半期の3か月間では前年同期比増収となる等、回復の兆しがみられる。その他では、今期から力を入れている中国展開が順調な事に加え、豪州も、力強さには欠けるものの、現状の水準では、大きな落ち込みを予想し難い。日本国内も、インバウンド需要に頼らず、純粋な国内需要で伸びている。このため、一段の円高の影響を吸収して、引き続き高水準の売上・利益を確保できるのではないだろうか。海外売上高比率が高い同社は円高に弱いはずだが、認識を改める必要があるかもしれない。
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書   2016年6月17日更新
当社は、法令の遵守に基づく企業倫理の重要性を認識するとともに、変動する社会、経済環境に対応した迅速な経営意思の決定と、経営の健全性の向上を図ることによって株主価値を高めることを経営上の最も重要な課題の一つとして位置づけております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
【原則4-2】取締役会の役割・責務(2):経営陣幹部の意思決定の支援とインセンティブ
当社において、役職員の立場は常に公平であり、提案を妨げる環境にはありません。
経営陣幹部(当社においては「参与及び部長」をいいます。)は担当する職務を遂行する上での課題を認識し、経営会議等の議論の場において、問題点とその解決策の提示を行います。
提案者と取締役及び経営陣幹部とは、闊達で公明正大な議論を行っております。
また、経営陣幹部の報酬は、生活給的要素を考慮し、能力並びに前年度の業績貢献等に基づき評価した号俸に応じた固定給としております。
 
【補充原則4-2-1】業績連動報酬・自社株報酬の割合の適切な設定
各取締役及び監査役の報酬は、「役員報酬規程」で、公平な人事に基づく役付に応じて決定しており、生活給的報酬を考慮し、固定給としており、ストックオプション等の業績連動型の報酬及び役員賞与はありません。
 
【原則4-11】確保のための前提条件
社外監査役のうち、1名が公認会計士であり、長きにわたり会計業務に従事しており、財務・会計に関する適切な助言を行っております。取締役会全体としての実効性に関する分析・評価については、今後検討してまいります。
 
【補充原則4-11-3】取締役会の実効性の分析・評価
取締役会全体の実効性についての分析・評価につきましては、現在実施しておりません。当社は企業規模その他の事情を総合的に考慮し、その実施の必要性を含め、速やかに検討してまいります。
 
<開示している主な原則>
【原則1-4】政策保有株式
当社は、政策保有株式はもちろん、リスクの高い有価証券投資は行っておりません。
 
【原則1-7】関連当事者間の取引
当社は、子会社との販売代理店取引、代理店管理委託取引、マーケティング委託取引及びこれらに付随関連する取引以外に関連当事者取引を行う予定はなく、過去にもこれらの取引以外の関連当事者取引の実績はありません。また、役職員並びにその関係者の支配する会社との取引を、コンプライアンス規程にある「行動指針」にて公私の区別を厳しくする旨、定めており子会社との取引以外の関連当事者取引に関しては一切行いません。
 
【原則3-1】情報開示の充実
(1)経営理念等・戦略・計画
当社は、以下の経営方針を掲げ、Quality&Valueをビジネスコンセプトに、安全性、快適性、ファッション性等に優れた高品質で、高付加価値のプレミアムヘルメットの製造販売に特化致しております。
 ★世界一の品質
 ★世界一のコスト競争力
 ★世界一楽しい会社
 当社の製造する二輪乗車用ヘルメットは、全てMade In Japanであり、それが故に安全性、機能性、ファッション性を両立しています。また、業界で唯一ジャストインタイム(トヨタ生産システム)を取り入れ、確実なコスト管理を実施するとともに、「カイゼンは永遠にして無限」の下、継続してコストの低減に取り組んでおります。
当社は、以下の「商品戦略」、「生産戦略」、「市場戦略」を融合させた三位一体の事業展開を進めることによって、現在のプレミアムヘルメット市場でのトップシェアの地位を更に盤石なものにしてまいります。同時に顧客満足度の提供に軸足を置き、全てのステークホルダーの満足度を高める所存であります。
1.商品戦略
高品質、高付加価値商品に特化し、集中的に経営資源を投入し収益拡大を図る。
2.生産戦略
高度な技術の内部蓄積を推進し、同時にジャストインタイムを始めとする徹底したコスト管理により、品質とコストにおいて業界ナンバーワンの高い競争力を維持する。
3.市場戦略
世界市場の深掘りと顧客密着の販売体制を構築し、プレミアムヘルメット市場での世界中全ての国々でトップシェアを目指す。
(2)ガバナンスの基本的な考え方と基本方針
当社は、株主・投資家の皆様からお預かりした資金を、効果的かつ健全に運用し、生み出した利益につきましては、ステークホルダーへの充分な還元を心がけております。常なる収益確保と健全で透明な企業活動の維持と成長のために経営の指針として、「経営の基本方針」並びに「行動指針」等を掲げ、役職員一丸となって実施しております。
 
【原則5-1】株主との建設的な対話に関する方針
株主、投資家の皆様には、常に公平な姿勢で接するように努めており、経営陣並びにIR担当部署(経営管理部)による、個人投資家向け説明会の開催並びに機関投資家、マスコミ、金融機関対象の決算説明会を始めワンオンワンミーティング等により、積極的な対話に努めております。
また、外国人投資家の持ち株比率は32.3%(平成27年9月期)であり、外国人投資家との透明度の高い誠実な対話とIR活動を続けております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
本レポートに関する一切の権利は(株)インベストメントブリッジにあります。また本資料の内容等につきましては今後予告無く変更される場合があります。
投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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