ブリッジレポート
(4849:JASDAQ) エン・ジャパン 企業HP
越智 通勝 会長
越智 通勝 会長
鈴木 孝二 社長
鈴木 孝二 社長
【ブリッジレポート vol.48】2017年3月期第1四半期業績レポート
取材概要「厚生労働省発表の6月の国内有効求人倍率(季節調整値)は、1.37倍と前月に比べて0.01ポイント上昇。上昇は4ヶ月連続で、1991年8月(1.40倍)・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年9月13日掲載
企業基本情報
企業名
エン・ジャパン株式会社
会長
越智 通勝
社長
鈴木 孝二
所在地
東京都新宿区西新宿 6-5-1
事業内容
人材総合サービスの提供
(1)求人サイトの運営
(2)人材紹介
(3)社員研修
(4)人事コンサルティング、適正テスト
決算期
3月
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 26,135 5,118 5,047 2,756
2015年3月 19,623 3,943 4,259 2,531
2014年3月 16,755 3,441 3,747 2,789
2013年3月 13,563 2,783 2,840 1,545
2012年3月 15,687 3,047 2,884 1,135
2010年12月 9,991 1,774 1,803 875
2009年12月 10,209 1,259 1,212 459
2008年12月 21,329 5,943 5,906 3,090
2007年12月 22,686 7,564 7,573 4,168
2006年12月 16,919 5,605 5,607 3,105
2005年12月 11,491 3,791 3,826 2,203
2004年12月 6,980 2,245 2,254 1,253
2003年12月 4,372 1,749 1,754 1,038
2002年12月 3,107 1,305 1,283 663
2001年12月 1,876 933 898 464
株式情報(8/24現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
2,103円 45,500,328株 95,687百万円 14.0% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
23.30円 1.1% 81.76円 25.7倍 460.56円 4.6倍
※株価は8/24終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。
※2016年4月1日付で、普通株式1株につき2株の割合で株式分割。上記は分割後の数値。
※BPS、ROEは前期末実績。
 
エン・ジャパンの2017年3月期第1四半期決算について、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「人材採用・入社後活躍」を支援する企業として、採用事業のほか、顧客企業の社員に対する集合型研修サービスを中心とした教育・評価事業も展開。創業以来、「独自性」、「社会正義性」、「収益性」という考え方を背景に求職者に徹底的に尽くすというスタンスを貫いてきたことで優位性を確立。現在は、更なる成長を実現すべく人材紹介サービスと海外展開を推進している。より組織・事業にフィットした人材の採用から、入社後の活躍・定着までを一貫して実現するサービスを提供することで継続的な成長につなげていく考え。
 
 
※15年3月期より事業セグメントを「採用事業」及び「教育・評価事業」に変更。
 
 
 
 
 
 
ビジネスモデル
<求人情報サイト>
企業に対して求人広告を企画・提案。同社の社員が求人企業を取材し、その情報をもとに同社のコピーライターが求人原稿を制作した後、求人サイトに求人原稿を掲載。
課金形態は求人広告を掲載した際に「広告掲載料」が発生する掲載課金型求人広告が中心。
一部、求人広告を掲載し、同社求人サイトを通じて人材採用できた際に「成功報酬料」が発生する成功報酬型求人広告を提供。
(同社HPより)
 
 
<人材紹介>
求職者のこれまでのキャリアや転職意向を確認し、今後のキャリアプランに沿った求人を紹介。企業に対しては採用ニーズにマッチしていると思われる人材を紹介。紹介した人材が入社した際に「成功報酬料」が発生。報酬料は概ね年収の30%。
(同社HPより)
 
 
 
中期経営計画(16/3期〜18/3期)
 
同社は、2015年5月に今後3ヵ年の中期経営計画を策定している。中期経営計画においては、①求人サイト、②人材紹介、③海外、④その他(新規事業を含む)の4分野を注力領域と掲げ、事業の拡大を目指す。最終年度である18/3期の数値目標は、売上高360億円(15/3期比84%増)、営業利益76億円(15/3期比93%増)。3ヵ年中計の最終年度で、過去最高の営業利益(2007/12期:75.6億円)の更新を目指している。
 
 
今後の注力領域
(1)求人サイト (18/3期業績計画:売上高180億円、営業利益42億円)
主力サイトである「エン転職」が最大の成長ドライバーであるが、その他サイトも安定成長を目指す。「エン転職」はサイトのリニューアルと営業体制の強化が奏功し足元の業績は好調に推移している。中でも、サイトのリニューアルは、掲載課金型求人広告件数の増加、顧客企業向けのサイト効果の向上(広告1掲載あたり応募数の増加)、ユーザー会員数の増加などに結びついている。エン転職が好調な今こそ投資を行い、今後の大きな飛躍につなげる。
(エン転職の今後の成長戦略)
 ① 営業体制の整備
・新卒社員を中心に営業人員数の拡大を図る。
・取材に基づいた詳細原稿は変えず、高いクオリティを維持した形で、代理店制を導入。
 ② 生産性の向上
・1営業人員あたりの業務工程を分業化し、営業に特化することで生産性を向上。
 ③ プロモーションの強化
・TVCM等オフラインプロモーションを強化し、更なるサイト価値向上を図る。
・16/3期は、全社ベースで前期比約1.6倍の広告宣伝を実施(2015年5月中期経営計画公表時)。営業面のバックアップを図り、エン転職の優位性を確立。
 
(2)人材紹介 (18/3期業績計画:売上高100億円、営業利益20億円)
エンワールド・ジャパン(EWJ)とエンエージェント等で売上高100億円を目指す。EWJは、外資系企業・グローバル人材領域でトップクラスの規模。採用・転職をする際に第一想起されるブランド力を有するものの、更なる成長には人員・システムの強化が課題。エンエージェントは、エン転職の求職者データベースを活かし、一定規模へ成長したものの、先行投資期間のため、収益面への貢献はこれから。
 
(EWJの今後の成長戦略)
 ① 独自の教育システムにより、競合他社と比べ人員増を優位に進める。
 ② 新たな成長領域である日系グローバル企業へ拡販。
 ③ システム関連への投資により更に高いフィッティングを実現。
 
(エンエージェントの今後の成長戦略)
 ① 16/3期に黒字化を実現。生産性を向上し、18/3期に営業利益率20%を目指す。
 ② エン転職とのシナジーを拡大。
 
(3)海外 (18/3期業績計画:売上高33億円、営業利益6億円)
18/3期は、15/3期比で売上高倍増、のれん控除後での利益貢献を目指す。海外子会社全体では、15/3期に黒字化を実現。現地企業や外資系企業の現地人材の転職支援において成果を上げている。
(海外の今後の成長戦略)
① 日系企業のアジア進出活発化に伴い、日系企業向けサービスを新たな成長機会にする。
② 進出国だけではなく、アジア全体での成長を目指すためグループ各国の連携を強化。共通のシステム導入などインフラ面を整備。
 
(4)新規事業
主力事業は景気変動の影響が大きい。市場環境の見通しが良好である今後数年の内に、新規事業のラインナップ拡充と採用以外の新規事業の創出を行い、事業ポートフォリオの安定化を目指す。
(新規事業例)
 
 
2017年3月期決算第1四半期決算
 
 
売上高は24.9%増収、営業利益は46.4%増益
引き続き企業の採用ニーズが高まる環境下で、差別化要素を持ったユーザーファーストなサービスの提供とプロモーション投資による会員数の拡大を推進したことが奏功した。
売上高は前年同期比24.9%増の72億28百万円(約14.4億円増)。エン転職においてサイトの応募効果が好調に推移し、リピート受注及び新規求人広告の獲得が進んだことから、前年同期を大幅に上回った。その他の各求人サイトにおいてもサイトユーザビリティの向上、プロモーション強化等により、応募効果が好調な結果となり、前年同期を上回った。また、エン エージェントも営業・コンサルタントへの教育体制を強化したこと等により生産性が向上し、過去最高の第1四半期の売上となった。その他、海外子会社も特に規模の大きなベトナムの子会社が順調に推移したこと等から前年同期を上回った。
利益面では、人員の増加や広告・宣伝費などを中心に費用(売上原価+販管費)が同19.0%増加したものの、増収効果により営業利益は同46.4%増加した。売上総利益率は前年同期比0.1ポイント上昇。売上高対販管比率は同3.6ポイント低下した。その他、営業外費用で為替差損(79百万円)を計上した影響などにより経常利益の増益率が営業利益の増益率を下回った。また、特別利益で固定資産売却益31百万円を計上したものの、特別損失の計上はなかった。
 
販管費は、前年同期比18.4%増加したものの、前四半期のプロモーション効果等もあり、今第1四半期は会社想定を下回った。
 
 
採用事業
当事業には、求人サイトの運営、人材紹介、海外子会社等が属している。求人サイトは、 主力のエン転職においてサイトの応募効果が好調に推移し、リピート受注及び新規求人広告の獲得が進んだことから、前年同期を大幅に上回った。その他の各求人サイトにおいてもサイトユーザビリティの向上、プロモーション強化等により、応募効果が好調な結果となり、前年同期を上回った。中でも、派遣会社向けサイトの売上高が前年同期比約2.6億円増加するなど好調に推移した。また、人材紹介は、エン・ジャパンの人材紹介であるエンエージェントにおいて、営業・コンサルタントへの教育体制を強化したこと等により生産性が向上し、四半期ベースで過去最高の売上となった。一方、子会社のエンワールド・ジャパンは、前四半期に求職者の入社成約が進んだことから、今第1四半期は前年同期を上回る売上高となったものの、今第1四半期の入社成約は会社想定を下回るなど苦戦している。同社では引き続きエンワールド・ジャパンの体制の強化を図る方針。その他、海外子会社も特に規模の大きなベトナムの子会社が順調に推移したこと等から前年同期を上回った。
以上の結果から、採用事業セグメントの売上高は、69億77百万円と前期比24.9%増加した。また、人件費、プロモーション費用などを中心とした販管費が19.3%増加したものの、営業利益は17億81百万円と同41.2%の大幅増益となった。
 
採用事業の四半期売上高は、エン転職(求人広告)、その他求人サイト、エンワールド・ジャパンなどの拡大に加え、海外子会社の連結開始により、順調に拡大している。
 
エンワールド・ジャパンは企業の採用ニーズは高い状況が続いているものの、求職者の獲得競争が激化している。前四半期に求職者の入社成約が進んだことから、今第1四半期は前年同期を上回る売上高となったものの、今第1四半期の入社成約は会社想定を下回った。今後の成長には更なる体制強化が必要であることから、組織の再構築やエン・ジャパンのリソース活用に向けた取り組みを強化している。
 
海外子会社は、ベトナムの子会社を中心に売上が増加した。今第1四半期の営業利益は、業容拡大による人件費の増加等により前年同期比減益となったものの、概ね会社想定通りの進捗となっている。 
 
教育・評価事業
当事業には、定額制研修サービスの実施、採用・人事関連システムの提供等が属している。定額制研修サービスでは、リピート受注及び新規受注を強化したほか、昨年リリースしたオンライン講座の拡販を強化したことが奏功し、前年同期比で売上高が増加した。また、採用・人事関連システムでは、子会社のシーベースにおいて、今期より採用管理システムの事業をエン・ジャパンへ移管したものの、その他サービスのリピート受注及び新規受注が進んだこと等から、前年同期を上回る売上高となった。
以上の結果から、17/3期第1四半期の教育・評価事業の売上高は2億73百万円(前年同期比25.4%増)、営業利益は17百万円(前年同期は営業損失31百万円)と黒字化した。
 
 
16/6月末の総資産は前期末比14億11百万円減少の271億46百万円。資産サイドでは、現預金が、負債・純資産サイドでは、未払法人税等や賞与引当金などが主な減少要因。総資産の約68%を流動資産が占める等、資産の流動性が高い。自己資本比率も77.7%と、高水準を維持している。
 
 
17/3期第1四半期連結累計期間の営業利益は、上期(第1四半期連結累計期間)の会社計画に対して、70%以上の進捗率と高水準となっており、会社計画の達成に向けて順調に推移している。
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
前期比22.8%の増収、同12.5%の経常増益予想
17/3期通期の会社計画は、売上高が前期比22.8%増の321億円、営業利益が同11.4%増の57億円の期初予想から変更なし。売上高、営業利益とも順調な進捗となっているものの、国内外の景気先行き不透明感や一部子会社の進捗状況を考慮している。
同社グループが属する人材ビジネス市場の環境は、生産年齢人口の減少や産業構造の変化等により、企業の採用需要は高い状況が続くものと予想される。こうした中、同社は求人サイト、人材紹介のユーザビリティ向上に注力し、質の高いサービス提供による競争力の向上に取り組む。また、引き続き積極的な広告宣伝費の投入により、サービスの認知度向上を図り、市場内でのシェア向上と各サービス領域における確固たるポジションの構築を目指す方針。
こうした中、売上面では、主力のエン転職に加えて、サイトの強化を行う派遣会社向け求人サイトが売上の増加を牽引する見込み。更に、人材紹介においてもエン エージェントの拡大とエンワールド・ジャパンのテコ入れによる拡大を計画している。
一方、利益面では、引き続き求人サイト拡大に伴う人件費の増加やプロモーション強化の継続により、営業利益の増益率は売上の伸び率を下回る計画となっている。売上高総利益率は前期比0.3ポイント低下の90.5%、売上高対販管費率は、1.5ポイント上昇の72.7%の計画。17/3期の広告宣伝費は66.4億円と16/3期から18.7億円(前期比+39.4%)増加する見込み。
また、17/3期の1株当たりの配当も、前期末から6.05円増配の23.3円の期初の予定(16年4月1日付の普通株式1株につき2株の株式分割考慮ベース)を据え置き。
 
プロモーション強化と子会社再整備の効果を織り込み、下期に増収増益となる会社計画となっている。
 
 
 
 
今後の注目点
厚生労働省発表の6月の国内有効求人倍率(季節調整値)は、1.37倍と前月に比べて0.01ポイント上昇。上昇は4ヶ月連続で、1991年8月(1.40倍)以来24年10カ月ぶりの高水準となった。また、社団法人全国求人情報協会の調査データによると、求人サイト(インターネットの求人専門サイトで提供されるもの、アルバイト等も含む)へ掲載された求人掲載件数は6月に前年同月比で22.9%増加した。イギリスのEU離脱問題を起因とした急激な円高や中国経済の成長率鈍化などにより企業収益に下押し圧力が強まっているものの、内需系企業を中心に構造的な人材不足が雇用環境の改善を後押しており、同社を取り巻く事業環境が今後急速に悪化するリスクは小さそうである。
こうした中、同社の17/3期第1四半期決算は、24.9%の増収、46.4%の営業増益と非常に好調な決算となった。求人サイトのリニューアルと積極的なプロモーションが、会員数の増加と掲載件数の拡大に結びついており、同社の積極的な投資の成果と言えよう。こうした好業績により17/3期第1四半期決算の営業利益は、上期(第2四半期連結累計期間)の会社計画に対して、70%以上の進捗率となっている。通期の会社計画の達成に向けて上期に売上と利益をどこまで積み上げることができるのか17/3期第2四半期の業績動向が注目される。16/3期第4四半期に実施した積極的なプロモーションの効果は17/3期第2四半期も持続するのか、今後の会員数と掲載件数の動向が注目される。
また、同社の今期会社計画は、上期の積極的なプロモーション効果を織り込み、下期の増益率が高まる予想となっている。下期の業績拡大に向けて、17/3期第2四半期に各種のプロモーションが実施されることが予想される。費用対効果を最大限高める効果的なプロモーションを実施することができるのか、今後打ち出されるプロモーション戦略から目が離せない。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
コーポレート・ガバナンス・コード適用以降の直近のコーポレート・ガバナンス報告書提出日、2016年7月5日。

<基本的な考え方>
当社は、その事業を通じて、株主やクライアント等様々なステークホルダーをはじめ、広く社会に役立つ存在でありたいと考えております。そのために、当社グループ全体として経営環境の変化に対応できる組織体制を構築することを重要な施策と位置付けており、当社グループの健全な成長のため、コーポレート・ガバナンスの強化と充実を図り、公正な経営システム作りに取り 組んでおります。
また、役職員の倫理観・誠実さを高めることは、様々なステークホルダーの真の信頼を得るうえで、基本的な前提となると考えており ます。当社の経営理念の一つに、社会に対して正しいことを行い、社会に役立つ存在たることが当社の存在意義であることを謳った「社会正義性」があります。 今後もこの理念・考え方を役職員の行動の支柱に据えて、コンプライアンスに関する教育の徹底等内部管理体制の更なる整備を進め、これを適正に機能させることによって、健全な経営を確保してまいります。

<コーポレート・ガバナンス・コード各原則の実施について>
ジャスダック上場企業として、基本原則をすべて実施している。

<その他>
1、株主総会の開催
 
2、IRに関する活動状況
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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