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(2405:東証2部) フジコー 企業HP
小林 直人 社長
小林 直人 社長

【ブリッジレポート vol.9】2016年6月期業績レポート
取材概要「森林発電事業は順調にスタートしたようで、今期以降も売上、利益の拡大に寄与することが期待される。ただ前期、売上高は計画を上回ったものの・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年10月18日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フジコー
社長
小林 直人
所在地
東京都台東区駒形2-7-5 前川ビル5階
事業内容
建設廃棄物の中間処理が主力。食品系廃棄物にも展開。廃棄物利用のバイオマスガス発電も
決算期
6月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2015年6月 2,566 378 345 196
2014年6月 2,534 358 299 132
2013年6月 2,226 278 223 114
2012年6月 1,866 97 24 5
2011年6月 1,703 124 42 74
2010年6月 1,603 134 50 33
2009年6月 1,539 -38 -132 -148
2008年6月 1,612 -13 -107 -141
2007年6月 1,708 65 -23 -3
2006年6月 1,760 161 96 49
2005年6月 1,753 348 257 143
株式情報(10/3現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
454円 4,541,000株 2,061百万円 7.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 2.6% 48.67円 9.3倍 490.04円 0.9倍
※株価は10/3終値。発行済株式数は2016年9月に実施した増資後株式数。ROE、BPSは前期末実績。
 
株式会社フジコーの2016年6月期決算概要などについてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
建設工事現場から出る廃棄物を始めとして、産業廃棄物、一般廃棄物の処理を行う。
事業セグメントは①建設系リサイクル事業、②食品系リサイクル事業、③白蟻解体工事、④森林発電事業の4つに分類される。
「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」を用いたバイオマス発電ビジネス(同社は木くず、繊維くずなどを利用)に力を入れている。
許可を取得している廃棄物品目数の多さ、最新鋭の施設と技術の導入、食品リサイクル事業のパイオニアであることなども同社の強み。
 
【沿革】
住宅の害虫防除や白蟻駆除工事からスタートした同社は、白蟻が発生する前の新築時に「予防」を行えば、白蟻の発生を食い止めることができると考え、ハウスメーカーや工務店向けに「新築時の白蟻予防工事」を提案。その後、「白蟻は家屋の解体時に発見される」ことに着目し、白蟻工事の受注拡大を目指して解体工事をスタートした。
この家屋解体工事の際に排出される廃棄物を処理することを目的として、建設系リサイクル事業を開始。
その後、事業領域拡大を図り食品系リサイクル事業を開始し、一般廃棄物の取扱も始めた。高収益性、森林資源の有効活用、地方経済への貢献などを目的に森林発電事業にも参入した。
 
【経営理念・ビジョン】
「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から各種サービスを提供してきた。
今後は未利用資源の利活用を事業化することにより循環型経済社会の構築に貢献していきたいと考えている。
 
【市場環境】
環境省が2012年5月に発表した「環境への取り組みをエンジンとした経済成長に向けて」と題する報告書によれば、廃棄物処理・資源有効活用の市場規模は2000年の35.5兆円から2009年の37.6兆円へ5.9%増加した。
このうち小項目では、「廃棄物処理用装置・施設」は同期間に明確な減少傾向を示しているが、「廃棄物処理・リサイクルサービス」は15.2%と増加している。また細分類では「中間処理」10.4%増、「産業廃棄物処理」10.3%増と過去10年では堅調な伸びを見せている。
 
 
ただ、グラフで見ると明らかなようにどの項目も2004年頃をピークに横這いとなっており、会社側もリーマンショック後は市場の拡大は(特に建設系廃棄物)見込みにくいと考えている。
そのため、食品系リサイクルへの注力、取引先の多様化、木質バイオマス発電事業の開始など事業領域の拡大を図っている。
 
【事業内容】
産業廃棄物や一般廃棄物を顧客である事業者から受入れ、自社保有の施設で中間処理(破砕、焼却など)を行っている。
 
≪廃棄物処理業界について≫
●  「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、「事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、燃え殻、汚泥、廃油、廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック類その他政令で定める廃棄物」および「輸入された廃棄物」が産業廃棄物と定義されており、産業廃棄物以外のものが一般廃棄物とされる。
廃棄量は一般廃棄物が年間約5,000万トンに対し、産業廃棄物が年間約4億トン。
産業廃棄物は同法により21品目が列挙されているが、取扱許可は品目ごと、施設ごとに取得しなければならない。廃棄物処理を委託する側からすれば、受入品目・受入施設がより広範な事業者の方が手間が少なく、効率的である。
産業廃棄物処理業者数は全国で約13万。(環境省産業廃棄物処理業者 検索システムより。2012年8月14日現在。)
産業廃棄物処理施設数は、中間処理施設数 19,320、最終処分場数 2,157。(産業廃棄物処理施設の設置、産業廃棄物処理業の許可等に関する状況。平成21年度実績より)
 
事業セグメントは「建設系リサイクル事業」、「食品系リサイクル事業」、「白蟻解体事業」、「森林発電事業」の4つ。
売上高および売上総利益の構成は以下のようになっている。
森林発電事業は2016年6月期より営業を開始している。
 
 
<建設系リサイクル事業>
売上高 2,127百万円、売上総利益 544百万円
(2016年6月期実績)
 
主要顧客:廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等

首都圏近郊の廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等からの委託を受け、木くず、紙くず、廃プラスチック類、がれき類等の産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、焼却、破砕、リサイクル処理を行っている。
発電施設では、受入れた木くず等のバイオマス(生物資源)を原料とした発電により、温室効果ガスの削減を推進し、自然エネルギーとして付加価値の高い電力販売を行っている。
また住宅、アパート等の新・改築時に発生する廃棄物を発生場所から処理施設まで運搬する収集運搬業務も行っている。
 
≪バイオマス発電とは?≫
バイオマスとは、「動植物から生まれた、再利用可能な有機性の資源(石油などの化石燃料を除く)」のことで、主に木材、海草、生ゴミ、紙、動物の死骸・ふん尿、プランクトンなどを指す。
化石燃料と違い、バイオマスは太陽エネルギーを使って水と二酸化炭素から生物が生成するものなので、持続的に再生可能な資源であることが大きな特徴。バイオマスの種類は主に「廃棄物や未利用のもの」、「資源作物」に大別されるが、同社では木くず、紙くず、繊維くずを利用している。

これら受入廃棄物を破砕した後、低酸素状態で可燃性ガスを抽出し、燃焼させて蒸気タービンを回転させ、発電を行う。毎時1,800kW(1日43,200kW)の発電能力は、バイオマスによるものとしては、非常に高効率といわれている。
 
 
<食品系リサイクル事業>
売上高 256百万円、売上総利益 18百万円
(2016年6月期実績)
 
主要顧客:スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場等

スーパーマーケット、レストラン、食品加工工場などの食品関連事業者等から委託を受け、食品廃棄物のうち、リサイクルが可能な食品循環資源である産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設で、発酵分解による堆肥化、メタン発電による発電、乾燥及び発酵による飼料化へのリサイクル処理を行っている。

同社が保有する鉾田ファームの養豚施設では、リサイクル製品である液状飼料(リキッドフィード)を利用して、豚の肥育を行っている。通常の飼料は、食品残渣を乾燥させるのに時間と燃料費がかかるが、リキッドフィードはそうした手間がかからないことから注目し、まず自社で試験的にリキッドファームを使った養豚を手掛け始めた。
その後、飼料の品質向上と販売を外部委託に切り替えたこともあり、リキッドフィードは徐々に養豚業者に広がりつつある。リキッドフィードの拡大は、そのものの売上拡大ももちろんだが、受入食品残渣の拡大にもつながることから、引き続き拡大に注力していく考えだ。
また、再生堆肥の品質向上を目的として、農作物の栽培試験及び農作物の生産販売をグループ会社の(株)遊楽ファームで行っている。
将来的には、養豚も含めた「農業」に力を入れ、東北地方の復興に貢献すると共に、差別化を図っていきたいと考えている。
 
<白蟻解体事業>
売上高 178百万円、売上総利益 5百万円
(2016年6月期実績)
 
主要顧客:ハウスメーカー、工務店、一般個人等

ハウスメーカー、工務店などの建築関連事業者から、または直接一般の個人からの依頼により、住宅及びアパート等の解体工事、白蟻予防工事の見積調査及び施工を行っている。
また、リフォーム会社からの依頼により、既存住宅の白蟻防除工事、家屋害虫の駆除工事等も行っている。
 
<森林発電事業>
売上高 278百万円、売上総利益 22百万円
(2016年6月期実績)
 
主要顧客:PPS、公共施設、事業会社

森林資源である未利用木材、製材所から発生する製材くず等を購入し、自社で保有する燃料化工場((株)一戸森林資源)において、破砕、粒度及び水分調整を行う。
製品化された燃料チップをエネルギー源として、自社で保有する発電施設((株)一戸フォレストパワー)において自然エネルギー電力の発電を行う。発生した電力は自社のPPS(御所野縄文パワー(株))等を通じて、地元の小中学校、役場等の公共施設、事業会社へ電力供給を行う。
また、大志田ダムから発生する小水力電力及ひ稼働中のバイオマス発電施設から電力を購入し販売する電力小売事業も行っている。
 
【特長と強み】
①許可品目の多さ
前述のように、廃棄物処理の許可は品目ごとに必要だが、同社は産業廃棄物21品目中13品目の許可を得ている。また民間事業者では少ない一般廃棄物処分業の許可も取得している。
 
②多様な取扱廃棄物
建設系廃棄物からスタートした同社だが、現在は事業領域の多角化を進める中で、食品工場、製造業、飲食業など多様な廃棄物を受入れている。
 
③創業時から社会的に意義のある事業活動
「住まいと環境を守る」を経営理念に、創業時から現在まで社会的貢献度の高い事業を手掛けている。
 
④最新鋭の処理施設と技術を導入
破砕、焼却、バイオマス発電と常に業界に先駆けて最新の処理施設と技術を導入しており、高い信頼性と安心感を提供している。
 
⑤食品リサイクル事業のパイオニア
同社は首都圏の事業者としては食品リサイクル事業への参入第1号。食品リサイクル事業における堆肥化、飼料化、養豚事業等を通じ今後益々重要性が高まる農業との連携を深めている。
 
⑥廃棄物処分業としてのバイオマス発電
廃棄物処分業者の中でバイオマス発電を手掛けているのは同社を含めごく少数。リサイクル及び温室効果ガス削減への貢献と、売電による新たな収益源確保を目指している。
 
 
2016年6月期決算概要
 
 
森林発電事業の寄与で売上高は過去最高を更新も準備費用などで減益
売上高は前期比10.7%増、期初計画比2.9%増の28億41百万円。7期連続増収で過去最高を更新した。価格競争は激しいが、新規取引先の拡大などで受入数量、受入平均単価ともに堅調に推移した。森林発電事業も寄与した。
発電施設稼働までの電力購入費用など売上原価増で売上総利益は前期比減少し、粗利率も低下した。
販売管理費は、(株)一戸フォレストパワー等、一戸町での森林発電事業の準備費用が増加。営業利益は同19.5%減の2億76百万円となった。
 
 
<建設系リサイクル事業>
前期比減収・減益で、売上高は計画を上回ったが、売上総利益は計画を下回った。
新規取引先の拡大により受入数量の確保と受入平均単価の維持向上に努めた。2016年2月以降の受入数量は各取引先ともに減少傾向にあるが新規取引先の確保と既存取引先との調整により各施設ともに受入数量は概ね前期並みを確保した。

焼却施設と発電施設を合わせた受入数量は前期比減少したか、受入平均単価は概ね前期並みとなった。
発電施設の売電数量は法定点検後の安定稼働により売電数量は前期並みとなったが、売電単価の向上により売電売上は前期比17.9%の増加となった。売上原価では、外注委託費用、維持管理費がともに前期実績及び計画を上回った。これは、施設改修の実施と改修時の外注委託費用が増加したため。
 
<食品系リサイクル事業>
売上は前期比横ばい、黒字転換した。
液状化飼料の販売拡大に向けた新規受入先の開拓営業に注力した。上期は前年同期比で受入数量か8.8%減少したが、学校給食等の新規取引先の受注等により、下期は同5.8%増加した。液状化 飼料の販売数量及ひ鉾田ファームの出荷頭数も前期比増となった。売上原価は前期比で人件費、維持管理費等が減少した。鉾田ファームでの販売原価も減少し、売上総利益は前期の損失から黒字転換した。
 
<白蟻解体事業>
増収・増益となった。
白蟻工事は新築工事が前期比44.5%減と大幅に減少したが、営業活動の結果、既存工事が35.7%増加した。また、解体工事も施工体制の拡充により、工事件数が増加した。
 
<森林発電事業>
2015年6月期より建設を進めていたバイオマス発電施設はすべての工事が完了し、期末より試運転及び営業運転を開始した。営業運転は2016年6月1日からの1ヶ月間の運転となったが、試運転期間を含め運転開始後は、概ね計画通りの発電を行い、売電単価は計画を若干上回った。発電燃料となる森林資源の仕入状況は、発電施設近隣の製材工場からの受入数量も増加しており、期末現在の貯木数量を含め、今後の安定稼働に向け、継続的な仕入確保に注力している。

また、バイオマス発電施設の稼働前から進めている電力小売事業は、大志田ダムから発生する小水力電力及び稼働中のバイオマス発電施設から電力を購入し、一戸町役場、小中学校、一戸町関連施設並びに一戸町内の事業会社への供給を進めた。
 
 
前期末に比べ、売上債権の増加等で流動資産は3億66百万円増加した。有形固定資産の増加で、固定資産は同18億12百万円増加。この結果、総資産は同21億78百万円増加の65億41百万円となった。
長短有利子負債が同17億15百万円増加し、負債合計は同18億5百万円増加の43億15百万円となった。
純資産は利益剰余金の増加などで、同3億73百万円増加の22億25百万円。これらの結果、自己資本比率は前期末の39.4%から28.6%へ10.8%低下した。
 
 
営業CFは売上債権、たな卸し資産の増加などでマイナスに転じた。投資CFは有形固定資産取得によりマイナス幅が拡大した。財務CFは長短借入の返済減少などでプラス幅が拡大。現金及び同等物は期首に比べ2億8百万円減少した。
 
(4)トピックス
◎公募増資、第三者割当増資を実施
森林発電事業の事業基盤強化、建設系リサイクル事業の効率化に向けた設備投資、電力小売事業の拡大のための運転資金調達を目的として公募増資および第三者割当増資を実施した。
 
 
<資金使途>
(同社の設備投資資金)
①分別施設の建物の建設資金
現状の分別施設が手狭な状況であり、顧客の荷おろしに際して待ち時間が発生する等、効率的な受入体制の妨げになっており、分別施設の建物を新たに建設する。
設備投資金額は120,000,000円を見込んでおり、手取り金額のうち90百万円を2017年5月までに建設資金に充当し、不足分を自己資金で賄う予定。

②移動式破砕機の購入資金
現在は山林で伐採された原木を発電用燃料として使用しているが、原木のみでは、調達量として不安定なため、今後より多くの木質資源を確保するため、山林の伐採現場に放置されている枝葉及び短尺木材等について、移動式破砕機を用いて伐採現場においてチップ化することを目的として、移動式破砕機を購入する。
移動式破砕機の購入予定額は70百万円を見込んでおり、手取り金額の70百万円を2017年3月までに購入資金に充当する。
なお、発電用燃料については、孫会社の(株)一戸森林資源が製造しているため、購入機械は同社に貸与する。

③木質資源の運搬車両購入資金
現在、原木の運搬は仕入先である素材生産業者及び製材業者が行っているが、今後自社グループでも原木置場から工場への運搬及び伐採現場でチップ化した木材チップの運搬を行うことにより、木質資源の購入単価の低減とともに木質資源の確保拡大を図るため、原木等運搬用車両を購入する。
運搬車両の購入予定額は80百万円を見込んでおり、手取り金額の80百万円を2016年3月までに購入資金に充当する。なお、原木等の運搬は、(株)一戸森林資源が行うため、購入車両は同社に貸与する。

(子会社に対する融資資金)
11,306,000円は、2016年12月までに御所野縄文電力(株)に対する融資資金に充当する。
小売電気事業者である御所野縄文電力は、バイオマス発電電力を購入し、地域に電力の供給を行っている。バイオマス発電電力の仕入価格には固定価格買取制度による賦課金が含まれているが、賦課金は実際に交付されるまで4〜5カ月かかるため、その期間のバイオマス電力購入資金に充当する。
 
 
2017年6月期通期業績予想
 
 
森林発電事業が牽引し大幅な増収増益
売上高は前期比35.5%増の38億50百万円の予想。既存事業はほぼ横ばいだが、森林発電事業、電力小売事業が大幅増収で牽引する。
営業利益は同59.1%増の4億40百万円の予想。増収効果に加え森林発電事業の営業運転開始により一戸の経費が原価計上となるため販売管理費が減少する。
配当は、中間、期末それぞれ6.00円/株の合計12.00円/株で2円の増配を予定している。予想配当性向は21.1%。
 
 
 
小林社長に聞く
 
小林社長に、森林発電事業の見通し、現在の取り組みなどを伺った。
 
森林発電事業について
森林発電事業のうち電力小売りはこれから販売数量が拡大すればスケールメリットにより20%の粗利率を見込むことができる。
森林発電を他地域でも展開するのかという質問を受けることがあるが、まずは他社電源も使って毎期2億円程度電力小売り売上を伸ばしていく方が効率的だと考えている。
森林発電事業自体も粗利率は20%程度まで引き上げていくことができると考えている。(2017年6月期は12%の予想。)
これまで手掛けてきたリサイクル事業ほどの施設や資産を持たずに事業展開できる点は魅力だ。また、電力事業は電力のクオリティに差が出る訳ではないので、値上げは難しいが、値下げ競争も起こりにくく、比較的安定した事業展開を見込むことができる。両リサイクル事業の大きな伸びが期待しにくい中、森林発電事業の拡大に注力する。
今回実施した公募増資も、建設系リサイクル事業の効率化に向けた設備投資に加え、森林発電事業の基盤を強化することに加え、電力小売事業の拡大に向けた運転資金を調達することを目的としている。
 
人材育成、M&A
新規事業である森林発電事業への取り組み開始等、新しいステージに入った当社にとって優秀な人材の育成は大変重要な課題だ。
そのため、2年ほど前から新しい人事評価システムを導入している。
チームワークを重視しながら自ら問題を発見し、自分で解決することができる能力を高めることを目指しており、社員の能力底上げ、幹部候補生の育成を推進している。
また、リサイクル業界では創業者の高齢化に伴う事業承継問題が近年クローズアップされており、上場会社である当社にも様々なM&A案件が寄せられている。
妥当な価格であれば、手元資金及び借入金を活用して、対応していきたいと考えている。
 
 
今後の注目点
森林発電事業は順調にスタートしたようで、今期以降も売上、利益の拡大に寄与することが期待される。
ただ前期、売上高は計画を上回ったものの、売上総利益は計画に及ばなかった。また、株価も公募増資発表をネガティブに捉え、大きく下落してしまった。
短期的には今上期、通期で大幅な増収・増益を計画通りに達成させることができるか、中期的には調達資金を梃にした成長軌道を実績として示すことができるかに注目したい。
 
 
 
<参考1:バイオマス発電事業について>
 
<事業着手の背景>
産業廃棄物や一般廃棄物のバイオマスを利用するリサイクル処理事業を主要事業とする同社は、2007年より、木くず等のバイオマス資源をエネルギー源として発電を行なうバイオマス発電施設の事業化も開始し、自社で使用する電力を削減するとともに、余剰電力を売電する事により、CO2の削減を推進してきた。

この8年以上にわたって蓄積したバイオマス発電事業の実績と運営ノウハウを活かして、岩手県、青森県、秋田県が有する日本有数の豊富な森林資源を活用することによりバイオマス発電を行う事は、事業の拡大はもとより、各県の雇用創出と地産地消のグリーン電力供給を通じて、環境負荷の軽減、循環型経済社会の構築、地域経済の発展に貢献するものであると考えている。

バイオマス発電事業の要となる燃料である森林木材の長期にわたる安定的な収集体制の構築に加え、現在各地で問題となっている発電電力を電力会社の電線網に接続する系統アクセス構築についても一定の見通しがついたため、同社は、中長期的な成長戦略と位置付けているバイオマス発電事業の拡大と電力小売事業の拡大に注力中である。
 
<事業の概要>
岩手県二戸郡一戸町に発電会社及びバイオマス燃料製造会社を設立し、岩手県及び秋田県北部、青森県南部の森林木材を燃料として、バイオマス発電を行い、PPS(特定規模電気事業者:東京電力等の一般電気事業以外の電力供給事業者)である御所野縄文パワー(株)等を通じて、地元の小中学校、役場等の公共施設、事業会社へ電力供給を行う。
地域で発生する木材を燃料として、地元で発電を行い、地域に電力の供給を行う地産地消型の先駆的な事業モデルであると考えている。
 
 
<今後の見通し>
バイオマス発電事業の要となるのは、発電燃料の森林資源の長期かつ安定的な仕入れとなる。
岩手県、秋田県、青森県の素材生産量はそれぞれ年間137m3、110万m3、77万m3で合計324万m3。岩手県は北海道、宮崎県に次ぐ日本第3位の森林資源供給県であり、事業環境は良好だ。
このために、木材の供給予定先である「ノースジャパン素材流通協同組合(※)」及び一戸町、地域関係者と「二戸地域木材安定供給協議会」を立上げ、発電燃料である木材の安定供給体制の構築及び発電事業の円滑な推進のための連絡調整及び協力体制の構築をしている。
製材に使われない木くずは年間約20〜30万トン発生すると予想されているのに対し、同社が使用する木くずは年間約10万トンということであり、事業を開始した今後も安定調達に問題は無いと会社側は判断している。
 
※ノースジャパン素材流通協同組合(本部:岩手県盛岡市)は、岩手県、青森県、秋田県等の素材生産業者を主会員とする組合で、現在の会員数は森林組合連合会、森林整備協同組合、素材生産業協同組合等を含め114社。
 
<子会社、孫会社の設立>
以下2社に加え、PPSの御所野縄文パワー(株)、御所野縄文電力(株)により事業を展開している。
 
 
 
 
 
 
 
<参考2:コーポレートガバナンスについて>
 
 
同社は最新のコーポレートガバナンス報告書を2016年10月11日に提出している。
 
 
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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