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(6184:東証マザーズ) 鎌倉新書 企業HP
清水 祐孝 社長
清水 祐孝 社長

【ブリッジレポート vol.3】2017年1月期上期業績レポート
取材概要「7月の消費支出が5か月連続の前月比マイナスとなる(総務省発表)等、個人消費に力強さはなく、低価格志向が再び強まっている。同社の上期・・・」続きは本文をご覧ください。
2016年10月25日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社鎌倉新書
社長
清水 祐孝
所在地
東京都中央区日本橋本石町4−4−20
事業内容
葬儀、仏壇、お墓のポータルサイト運営、紹介手数料と広告が収入源。月刊「仏事」など関連出版も
決算期
1月末日
業種
サービス業
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年1月 1,147 225 211 125
2015年1月 917 12 27 10
2014年1月 778 57 58 30
株式情報(9/8現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
3,690円 2,009,600株 7,415百万円 27.5% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
- - 94.76円 38.9倍 310.82円 11.9倍
※株価は9/8終値。ROE、BPSは前期末実績。
 
鎌倉新書の2017年1月期上期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「人と人とのつながりのお手伝い」をコンセプトに、ライフエンディング市場にフォーカスした事業展開を進めている。ライフエンディング市場とは、死別後に備えた事前準備から、葬儀、仏壇、墓、更には遺族の生活の再構築に関わる市場の事。葬儀社・斎場・火葬場検索サイト「いい葬儀」、霊園・墓地・墓検索サイト「いいお墓」、及び仏壇・仏具店検索サイト「いい仏壇」等のポータルサイト運営を中心に、日本初で唯一の供養業界を網羅したビジネス誌である月刊「仏事」やライフエンディングに関連する書籍の制作・販売を手掛けている。
 
【企業理念】
企業理念は、“私たちは、人と人とのつながりに「ありがとう」を感じる場面のお手伝いをすることで、豊かな社会づくりに貢献します”。
「親切」と「ありがとう」の交換は、豊かな社会を形成する土台である、との考えの下、人生の様々な局面で「ありがとう」を感じる瞬間を社会の中に増やしていく事、そのために鎌倉新書は存在していきたい、としている。
 
【沿革】
1984年4月、仏壇仏具業界向け書籍の出版を目的に設立されたが、清水祐孝氏の代表取締役就任を機に、「本を買う人は、紙の印刷物が欲しいのではなく、そこに書かれている情報を求めている」との考えの下、「自分たちの提供する価値は“情報”である」と改めて定義。情報加工業という視点から、事業領域を「インターネットビジネスを含めた情報ビジネス」として、2000年10月に全国の葬儀社や葬儀マナー等に関する情報サイト「いい葬儀」を開始した。
 
 
【事業内容】
事業は、マッチングプラットフォームとなるポータルサイト運営を中心としたライフエンディングサービス事業と、ライフエンディングに関わる書籍の企画・制作・賑売を行うライフエンディング関連書籍出版事業に分かれる。16/1期の売上構成比は、ライフエンディングサービス事業79.1%、ライフエンディング関連書籍出版事業20.9%。
 
ライフエンディングサービス事業
終活から葬儀、仏壇、墓、遺産相続といったライフエンディング全域をカバーするポータルサイト群を通してサービスや商品の情報を発信すると共に、お客様センターで問合せや相談に応じる事で、サイト利用者の意思決定をサポートしている。一方、ポータルサイトに掲載される葬儀社、仏壇仏具店、石材店、寺院霊園等の事業者に対しては、販売支援サービスの提供や掘り起こした見込み客の紹介を行う。サイト利用者には無料でサービスを提供し、紹介した見込み客と事業者との間で契約がまとまった時に成約報酬を受け取る(成約金額の10〜15%程度)。事業者にしてみれば、“後払いの広告宣伝費”と考える事ができ受け入れやすい。16/1期の売上の内訳は、墓63.6%、葬祭25.7%、仏壇10.7%。
同業者としては、葬儀サービスでは、流通大手イオングループのイオンライフ(株)、「小さなお葬式」や「葬儀本.com」等を展開する(株)ユニクエスト・オンライン等があり、墓では、「もしもドットネット」を運営する首都圏石材協同組合、メモリアルアートの大野屋、(株)日本仏事ネット等を挙げる事ができる。
 
KPI(重視する経営指標) 成約報酬 = 紹介数 × 成約率 × 販売単価 × 手数料率
成約報酬の拡大に向け、同社は紹介数の増加と成約率の向上に取り組んでおり、その結果としてのシェア拡大を手数料率の引き上げにつなげていきたい考え。紹介数の増加には、コンテンツの充実、導線の改良、デザインの改良、広告等の活用がポイントであり、成約率の向上には、サイトユーザーとのコミュニケーション強化や事業者との連携強化が必要となる。
 
 
 
ライフエンディング関連書籍出版事業
供養業界の事業者に向けたビジネス情報誌である月間「仏事」(年間購読料:税込み16,200円)等、葬儀や墓・仏壇等、供養に関連する様々な出版物を発行している。出版社としての知名度や信頼感、業界ネットワーク、コンテンツ生成力がインターネットサービスにも活かされている。売上や利益では測れない、シナジーを有する事業である。
 
 
【社会的背景と鎌倉新書の役割】
核家族化が進み、前の世代からの慣習や知議等の引き継ぎが減っているため、消費者は、ライフエンディング全般に、「誰に頼めばいいかわからない」、「どうすべきかわからない」、「選ぶ基準がわからない」、「費用が適正化どうかわらない」といった悩みを抱えており、インターネットで情報検索するケースが増えている。

一方、事業者は、「集客やセールスのコストがかかり過ぎる」(仏壇の製造販売を手掛ける上場企業の15/3期は、売上総利益率が63.5%と高かったが、販管費率も58.1%と高く、営業利益率は5.4%にとどまった)、「信頼感をもたれていない」といった悩みを抱えている。このため、10〜15%程度の成功報酬で顧客開拓できる鎌倉新書のポータルサイト活用は魅力的であり、信頼感と言う点では、業界誌の発行体として30年以上の実績を有する同社が仲介する意義は大きい
 
 
東京圏人口を中心に三大都市圏人口の割合が上昇しており、三大都市圏以外の人口の割合が低下している。こうした人口動態も、慣習や知議等の前の世代からの引き継ぎがなされない要因の一つとなっている。
 
 
2017年1月期上期決算
 
 
前年同期比17.3%の増収、同51.1%の営業増益
売上高は前年同期比17.3%増の6億41百万円。紹介数の増加と成約率の改善で、お墓事業が同21%増、葬祭事業が同48%増、仏壇事業が同20%増、と3事業が高い売上の伸びを示し、WEBサービスの全体の売上が同27%増と伸びた。一方、書籍他は、効率化に取り組んでいる事に加え、前年同期に大型の受託案件があった反動もあり、売上が同21%減少した。

営業利益は同51.1%増の1億59百万円。WEBサービスの売上の増加と書籍他の原価率改善で売上総利益が同39.5%増と伸びて、人件費や広告宣伝費を中心にした販管費の増加を吸収した。
 
 
お墓事業は紹介数が前年同期比22%増加し、成約率も前年同期の11%程度から12%近くに改善したが、単価の低い商品に需要がシフトしたため、前年同期は10万円を超えていた手数料単価が9万円程度に低下した。葬祭事業は紹介数が同38%弱増加し、単価の引き上げで手数料単価も前年同期の6〜7万円から7〜8万円超に上昇。成約率も1ポイント強改善した。仏壇事業は紹介数が同26%増加し、成約率も34%弱と5ポイント程度改善。一方、手数料単価は商品単価の低下で、2万7〜8千円から2万5〜6千円に低下した。
 
 
人員増強や第2四半期及び第3四半期の需要取り込みに向けた第1四半期の広告宣伝費の投下等で人件費や広告宣伝費等が増加したものの、書籍・受託業務において原価率の高い業務の見直しに継続的に取り組んでおり、書籍等原価の圧縮が進んでいる。尚、広告宣伝費は年間の総額でコントロールしている(第1四半期40百万円、第2四半期32百万円)。
 
 
第2四半期(5-7月)は、WEBサービスが3億01百万円と前年同期比30%増加し、第1四半期比でも20%増加。書籍他は前年同期にあった受託案件の反動で前年同期比減収となったものの、第1四半期の実績を上回った。また、WEBサービスは、お墓事業(同29%増)、葬祭事業(同44%増)、仏壇事業(同6%増)の3事業全てで売上が前年同期比増収となった(死亡者数は夏場と冬場が他の季節に比べて多い。墓事業や葬祭事業はこの影響を受けやすいため、売上に季節性がある)。
 
 
低単価商品の成約増加により単価が低下したものの、紹介数の増加(前年同期比25%増)と広告の効率化や引き合いのあったサイト利用者とのコミュニケーション強化等による成約率の向上で吸収して、売上が同29%増加した。
 
 
紹介数が前年同期比35%増と伸びる中、手数料率の変更で単価が上昇。成約率も向上し、売上が同44%増加した。
 
 
低単価商品の成約増加により単価が低下したものの、紹介数の増加(前年同期比23%増)と成約率の改善で吸収して、売上が同6%増加した。
 
 
 
上期末の総資産は前年同期末に比べて45百万円増の9億14百万円。借方では、税金費用の増加(9百万円の還付→85百万円の納付)やオフィス移転関連の先行費用等で現預金が減少する一方、社員向けの保険金やオフィス移転に伴う敷金及び保証金の増加で固定資産が増加。貸方では、未払法人税・未払消費税等が減少する一方、純資産が増加した。自己資本比率は79.4%(前期末71.7%)。
 
 
 
2017年1月期業績予想
 
 
通期予想に変更はなく、前期比14.6%の増収、同41.8%の営業増益
売上高は前期比14.6%増の13億15百万円。収益性の改善に取り組む書籍他の売上が2億06百万円と同13.8%減少するものの、墓、葬祭、仏壇の全てが順調に伸び、Webサービス売上が11億08百万円と同22.2%増加。いずれも紹介数の高い伸びと成約率の改善が見込まれる。
営業利益は同41.8%増の3億20百万円。人件費や売上高の10%程度を目処に投下していく広告宣伝費等の増加を増収効果と書籍他の収益性改善で吸収。株式公開費用等がなくなり営業外損益の改善も見込まれる。
 
 
(2)1:4の株式分割を実施
株式の流動性向上と投資家層の拡大を目的に投資単位当たりの金額を引き下げるべく、10月1日付けで1株を4株に分割する。
株式分割を受けるためには、2016年9月30日(金曜日)最終の株主名簿に記録されている必要があり、権利付き最終売買日は9月26日(月曜日)。
 
 
(3)Topics
供養業界の見本市、エンディング産業展への出展
2016年8月22日から24日に東京ビッグサイトで開催された「エンディング産業展2016」に出展した。全国から270以上の葬儀・お墓・仏壇等の事業者が集まり、新規パートナーの獲得や顧客との関係性強化につながった。
 
「看取り.com」のスマートフォンサイトを9/14リリース予定
2016年9月14日に介護施設・在宅療養クリニックの検索や看取りについての情報を発信するサイト「看取り.com」のスマートフォンサイトをリリースする。人生のライフステージにおける“つながり”の場面をより良い形にする事を目指して、引き続き取り組みを進めていく考え。
 
 
 
今後の注目点
7月の消費支出が5か月連続の前月比マイナスとなる(総務省発表)等、個人消費に力強さはなく、低価格志向が再び強まっている。同社の上期決算においても、お墓事業や仏壇事業が単価の面で影響を受けたようだ。もっとも、同社は「サイトの内容自体が低価格志向に追従してしまったきらいがあり、この点は反省点で下期の施策に反映させていく」としている。また、お墓事業の成約率向上にも取り組んでいく(他の2事業が30〜40%の成約率を誇るのに対して、お墓事業の成約率は11〜12%にとどまる)。従来、トップラインの一点にフォーカスしていたが、今後は成約率にも目配りしながら施策を進め、葬儀の後のフォローコール等に力を入れていく考え(インバウンド型だったコールセンターにアウトバンド業務を取り入れる)。
一方、葬祭事業は紹介数が3事業の中で最も大きな伸びを示し、他の2事業よりも高い成約率が一段と向上した。同社に成約報酬を払うのは葬祭事業者であり、その課題は集客・セールスコストの削減だが、従来の集客・セールスコストに比べると同社に支払う成約報酬は負担が軽く、しかも成功報酬である。このため、紹介数が増加するのであれば、手数料率の引き上げを厭わない葬祭事業者は少なくないようだ。今上期の葬祭事業は、紹介数をコミットする事で料率の引き上げを実現した。紹介数をコミットする事は同社にとってリスクだが、それまでのマーケティングの結果を踏まえてのもので、根拠に基づくもの。上期は紹介数を順調に伸ばし、収益を拡大させると共に葬祭事業者の信頼を更に高める事ができた。マーケットの成長期待もさることながら、論理的に分析し施策を進め、確実に成果を上げるマネジメント力にも注目したい。
 
 
 
<参考:コーポレート・ガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書
同社はコーポレートガバナンス・コード適用以降のコーポレートガバナンス報告書を2016年4月25日に提出しており、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。
 
基本的な考え方
当社は、企業価値を向上させ、株主利益を最大化するとともに、ステークホルダーと良好な関係を築いていくために、コーポレートガバナンスの確立が不可欠なものと認識しております。
具体的には、代表取締役社長以下、当社の経営を負託された取締役等が自らを律し、その職責に基づいて適切な経営判断を行い、当社の営む事業を通じて利益を追求すること、財務の健全性を確保してその信頼性を向上させること、説明責任を果たすべく積極的に情報開示を行うこと、実効性ある内部統制システムを構築すること等が重要であると考えております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
このレポートは当社が信頼できると判断した情報源(当該発行会社が作成した会社説明資料等)の情報に基づき作成したものですが、その正確性について当社が保証するものではなく、また当資料の一部また全部を利用することにより生じたいかなる損失・損害についても当社は責任を負いません。
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