ブリッジレポート
(6890:JASDAQ) フェローテック 企業HP
山村 章 社長
山村 章 社長

【ブリッジレポート vol.51】2017年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「事業環境の急変で収益が悪化した太陽電池関連事業の立て直しが一巡すると共に、中国、アジア、北米、ロシアを含む欧州、と世界4極で事業・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年1月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フェローテック
社長
山村 章
所在地
東京都中央区日本橋 2-3-4 日本橋プラザビル
事業内容
半導体・FPD製造装置部品、太陽電池関連製品等の製造・販売及び各種技術サービス
決算期
3月
業種
電気機器(製造業)
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 69,463 4,024 3,822 2,162
2015年3月 59,078 1,671 2,030 -2,132
2014年3月 44,745 798 1,262 1,391
2013年3月 38,424 -3,608 -3,465 -6,532
2012年3月 60,088 4,124 3,287 1,715
2011年3月 57,880 6,931 6,290 4,483
2010年3月 31,541 703 524 156
2009年3月 36,653 2,790 2,097 743
2008年3月 36,625 3,057 2,414 1,903
2007年3月 32,517 2,288 2,081 1,703
2006年3月 23,946 1,210 1,040 708
2005年3月 21,105 1,762 1,456 633
2004年3月 15,000 615 -177 -645
2003年3月 12,845 111 -626 -899
2002年3月 14,775 916 984 -357
株式情報(12/14現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
1,308円 30,810,206株 40,300百万円 5.58% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
12.00円 0.9% 94.12円 13.9倍 1,095.63円 1.2倍
※株価は12/14終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フェローテックの2017年3月期上期決算と通期見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
消耗品を含めた半導体・FPD製造装置部品、冷熱素子「サーモモジュール」を核とする電子デバイス、太陽電池関連製品等の製造・販売、及び関連する各種技術サービスを手掛けている。グループは、連結子会社27社、非連結子会社1社、持分法適用会社5社。
1980年、NASAのスペースプログラムから生まれた磁性流体を応用した真空技術製品や冷熱素子として用途が広がっているサーモモジュール等、独自技術を核にした企業として誕生。創業から30年余りにわたって培われてきた多様な技術は、エレクトロニクス、自動車、次世代エネルギー等、様々な産業分野で応用されている。また、トランスナショナルカンパニーとして、日本、欧米、中国、アジアに展開し、マーケティング、開発、製造、販売、そしてマネジメントと、それぞれの国・地域の強みを活かした経営も同社の特徴だ。
 
【経営理念と行動規範】
 経営理念
  顧客に満足を
  地球にやさしさを
  社会に夢と活力を
 
行動規範
私たちは、グローバルな視点のもと、常に国際社会と調和を図り、地域社会その他私たちに関係する世界の人々の生活に貢献できる製品とサービスを提供する企業として、各国の法令を遵守することはもちろん、確固とした企業倫理と社会的良識を持って、誠実に行動します。

フェローテックグループは、新エネルギー産業およびエレクトロニクス産業を中心に高品質な製品やサービスを提案し、コスト競争力のある製品やサービスを提供することにより、お客様から信頼されて、満足を頂くことを掲げます。

フェローテックグループは、地球環境に配慮した活動を積極的に推進することを経営上の重要課題の一つとしており、最新の環境規制要求への適応を順次進めます。また、新エネルギー産業で活用できる素材・製品などを開発し、地球環境問題の解決に貢献することを掲げます。

フェローテックグループは、コア技術を活用したものづくりを通して社会に貢献し、顧客、株主、社員、取引先、地球社会などステークホルダーの方々が成長する楽しみを持てる企業であり続けます。また、企業活動に当たり法令遵守、社会秩序、国際ルールなど社会的良識をもって行動することを掲げます。
 
【事業セグメント】
事業は、半導体・FPD・LED等の製造装置に使われる真空シール、石英製品、セラミックス製品等の装置関連事業、サーモモジュールが中心の電子デバイス事業、及びシリコン結晶やPVウェーハ、結晶製造装置に使われる坩堝等の太陽電池関連事業に分かれ、16/3期の売上構成比は、それぞれ45.2%、19.2%、26.6%、及びソーブレード、装置部品洗浄、工作機械等の報告セグメントに含まれないその他9.0%。
 
 
装置関連事業
半導体、FPD、LED、太陽電池等の製造装置部品である真空シール、デバイスの製造工程に使われる消耗品である石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品、この他、シリコンウェーハ加工や製造装置洗浄(中国でシェア50%)等も手掛け、エンジニアリング・サービスをトータルに提供している。

主力製品で世界シェアNo.1の真空シールは、製造装置内部へのガスやチリ等の侵入を防ぎつつ回転運動を装置内部に伝える機能部品で、上記の製造装置に不可欠。真空シールの内部には創業からのコア技術である磁性流体(磁石に反応する液体)シールが使われている。ただ、いずれの分野も設備投資の波が大きいため、比較的需要が安定した搬送用機器や精密ロボット等、一般産業分野での営業を強化しており、真空シールを組み込んだ真空チャンバーやゲートバルブ等(共に真空関連の装置で使われる)の受託製造にも力を入れている。

一方、石英製品、セラミックス製品、及びCVD-SiC製品は共に半導体の製造工程に欠かせない消耗品。石英製品は半導体製造の際の高温作業に耐え、半導体を活性ガスとの化学変化から守る高純度のシリカガラス製品。太陽電池の製造プロセスで使われる石英製品である石英坩堝(太陽電池関連事業に区分)でも高いシェアを有し、この技術を活かして半導体向け高純度坩堝を育成中である。材料や加工技術を核とするセラミックス製品は国内外の半導体製造装置メーカーを主な顧客とし、半導体検査治具用マシナブルセラッミックスと半導体製造装置等の部品として使われるファインセラミックスが二本柱。
CVD-SiC(※)製品は「CVD法(Chemical Vapor Deposition法:化学気相蒸着法)」(シリコンと炭素を含むガスから作る)で製造されたSiC製品の事。現在、半導体製造装置の構造部品として供給しているが、航空・宇宙(タービン、ミラー)、自動車(パワー半導体)、エネルギー(原子力関連)、IT(半導体製造装置用部品)等への展開に向け研究開発を進めている。

この他、6インチのディスクリート半導体向けが中心の小口径ウェーハ加工(インゴットのスライス)も月産30万枚規模に達しており、小口径ウェーハの加工分野で一定の存在感を有する。
 
電子デバイス事業
事業の核となっているのは対象物を瞬時に高い精度で温めたり、冷やしたりできる冷熱素子「サーモモジュール」である。サーモモジュールは自動車用温調シートを中心に、遺伝子検査装置、光通信、家電製品等、利用範囲は広い。高性能材料を使用した新製品の開発や自動化ラインの導入によるコスト削減と品質向上により新規の需要開拓や更なる用途拡大に取り組んでいる。
この他、釣り具のリール(リール内部の防水用途)や4Kテレビのスピーカー向け等で新たな用途開発が進んでいる磁性流体の販売も当セグメントに含まれる。
 
太陽電池関連事業
2005年に太陽電池関連事業に参入し、シリコン結晶製造装置、石英坩堝等の消耗品、及び太陽電池用シリコン製品等の製造販売を手掛けてきた。現在は市場ニーズを踏まえて、太陽電池用シリコン製品(シリコンインゴットとウエーハ)の受託生産や、インゴットの製造時に使用される単結晶シリコン用坩堝や多結晶シリコン用角層坩堝(共に石英の加工技術がベースになっている)の製造・販売が中心。消耗品である坩堝については、多様なラインナップを揃えると共にカスタマイズにも対応し、高い市場シェアを有する。
 
 
 
同社は1980年9月に設立され、磁性流体・応用製品(CPシール・真空シール)の製造・販売を開始した。ハードディスクドライブのシールとして使われたCPシールや真空装置のシールとして使われる真空シールをけん引役に事業基盤を固めた。
1990年以降は、海外展開を積極化し、91年に米国マサチューセッツ州に法人を設立、その後、92年中国杭州、95年中国上海、97年シンガポール、と相次いで海外現地法人を設立。この間、中国でサーモモジュール・モジュールの製造・販売を開始(92年)した他、半導体関連事業向け石英製品の製造・販売を開始(98年)。99年には元親会社の米フェローフルイディクス社を買収して北米・欧州へ展開した。
2000年以降は、02年に部品加工から組立までの一貫した生産技術を活かしてシリコンウェーハ加工や工作機械等の受託事業を開始(上海工場)。05年には太陽電池関連事業を開始し、インゴット、結晶製造装置、坩堝の製造・販売を本格化。更に08年にはセラミックス製品の製造・開発も開始する等で、新たな収益基盤を確立した。
そして、今、中国、アジア、北米、ロシアを含む欧州、と世界4極で事業体制の整備が進み、売上高1,000億円企業を目指す第4の成長期に向けて動き出した。
 
 
2017年3月期上期決算
 
 
各事業で収益体質の強化が進み前年同期比73.8%の営業増益
売上高は前年同期比12.0%増の376億50百万円。円高の影響で電子デバイス事業の売上が同5.2%減少したものの、インドを含めた新興国や中国での投資を追い風に太陽電池関連事業の売上が同21.8%増加した他、海外での半導体や液晶・有機ELパネル投資と、これら製造装置の高い稼働率を背景に装置関連事業の売上も同3.6%増加した。
営業利益は同73.8%増の33億76百万円。太陽電池関連事業の黒字化と装置関連事業及び電子デバイス事業の収益性向上により、原価率が1.4ポイント低下し売上総利益が同18.1%増加。一方、販管費は、業務の効率化による経費抑制に加え、円高による費用の減額効果や一過性費用の未発生もあり、前年同期比微増にとどまった。円高による海外子会社の円建債務等にかかる為替差損11億22百万円を吸収して経常利益も同11.6%増加したが(子会社は12月決算のため上期末は6月。上期末の米ドルレートは前年同期末の120.61円から102.91円へ大幅な円高となった)、稼働率が低下した太陽電池関連設備の一部(多結晶ライン)廃棄に伴う固定資産処分損等2億88百万円等を特別損失に計上した影響で最終利益は14.1%減少した。上期の為替レート(期中平均)は、米ドル111.80円(前年同期:121.03円、期初予想:105.00円)、人民元17.03円(同:19.19円、同:16.50円)。
 
 
 
売上高160億49百万円(前年同期比3.6%増)、営業利益19億05百万円(同32.6%増)。
各種製造装置の機能部品である真空シールは、半導体製造装置向けがファウンドリーやロジックメーカーの微細化・3D化投資で増加した他、FPD製造装置向けも、液晶向けが中国・台湾の投資で、有機ELパネル向けが韓国・中国の投資で、それぞれ増加した。

石英製品、セラミックス製品、CVD-SiC製品など半導体製造プロセスに使用されるマテリアル製品は、円高の影響で円建ての売上が減少した製品もあったが、スマートフォンやデータセンター等で利用されるSSD(HDD代替えの記憶媒体)等に搭載されるNAND型フラッシュメモリの高水準の設備稼働率を受けて総じて順調な推移となった。
石英製品については、米国大手半導体メーカーOEM、国内大手半導体メーカーOEM、及び台湾、国内、中国での半導体エンドユーザー向けの全てで売上が増加した。セラミックス製品については、円高で輸出が減少したものの、マシナブルセラミックス“ホトベール”、ファインセラミックス共に国内外で堅調な推移。CVD-SiC製品については、主要取引先(中国装置メーカー、米国大手装置メーカー、国内大手装置メーカー)向けを中心に売上が増加し、国内大手装置メーカー向けでは新たなOEM案件も獲得。この他、非半導体分野で有望な引合いを獲得した。ただ、円高の影響で期初予想を下回った。

この他、成膜装置の熱源に使われるEBガン及び金属膜の蒸着に使われるLED蒸着装置は円高の影響で売上が減少したものの、スマホ用の化合物半導体用途や通信チップ用途が堅調に推移した。ウェーハ加工も円高の影響で売上が減少したものの、小口径ウェーハ(6インチのディスクリートウェーハ)の需要が順調に増加し計画線での着地。8インチ工場建屋の竣工が近い。
 
 
売上高106億44百万円(前年同期比21.8%増)、営業利益1億93百万円(前年同期は営業損失7億37百万円)。COP21パリ協定の採択後、再生エネルギーである太陽光発電が見直され、インドを中心に新興国での投資が増えており、中国ではFIT(固定価格買取制度)の買取価格の減額方針を受け、一時的な駆け込み需要が発生した。同社においては、太陽電池向け単結晶用坩堝や多結晶用角槽の需要が減少したものの(半導体向け坩堝は前年同期と同水準)、太陽電池用シリコン製品や太陽電池用セル等の売上が増加し、シリコン結晶製造装置も受注残の消化が進んだ。ただ、太陽電池用シリコンの増加は、既存OEM先向けが生産調整の継続で低調な推移となる中、中国での駆け込み需要による多結晶の増加が要因であり、一時的な様相。太陽電池用セルは重点販売先であるインド及び中国(駆け込み需要)を中心に多結晶セルの需要が旺盛だった。フル操業が続いたため、増産に向けラインの自動化を進めた。高変換効率化の要求も一段と強まっている。
稼働率の向上に加え、減損の一巡もあり、営業損益が黒字転換した。引き続き低収益製品の見直しや採算改善に取り組んでいく。
 
 
売上高61億30百万円(前年同期比5.2%減)、営業利益12億63百万円(同3.7%増)。主力の自動車温調シート向けサーモモジュールは、円高の影響を受けて横ばいにとどまったものの、北米や中国での自動車販売の好調を受けて需要は堅調。民生用途やバイオ・医療機器、及び一般産業用途が全般的に好調を維持し、半導体関連も堅調に推移したが、半導体関連が円ベースで減少した。パワー半導体用基板は中国顧客向けが拡大した他、欧州大手顧客の認定を受けた。この他、磁性流体が車載用スピーカー用途で堅調に推移。パワー半導体用基板など高付加価値製品の売上増で利益率も改善した。
 
 
戦略投資(上海及び銀川での半導体用8インチウェーハ投資)に伴い、上期末の総資産は823億66百万円と前期末との比較で35億96百万円増加した。現預金と有利子負債の増加は戦略投資に伴うもので、この他、建設仮勘定(44億70百万円増)や未払金も増加。一方、円高の影響(為替換算調整勘定:84億93百万円→27億97百万円)で純資産が減少した。未払金の決済や工事代金の支払いで、今後、現預金は減少していく。4月に総額65億円のコミットメントラインを設定したが、上期末時点では未使用である。この他、(株)アサヒ製作所(神奈川県足柄上郡、代表取締役社長 飯田正博)の連結子会社化に伴い、のれんが増加した(6億68百万円→8億47百万円)。
 
 
営業CFは、売上増や税金費用(2億85百万円→8億65百万円)の増加で運転資金が増加したため前年同期比で減少したものの、29億15百万円を確保した。投資CFのマイナスは主に有形固定資産の取得によるものだが、この上期の支払は前期までに実施した杭州工場関連が中心。財務CDの増加は戦略的投資に伴う長期借入金の積み増しによる。
上期の設備投資は31億49百万円(前年同期:19億36百万円)、減価償却費19億30百万円(同:21億19百万円)。
 
(株)アサヒ製作所の連結子会社化
7月1日付けで、(株)アサヒ製作所を連結子会社化した(2,042,394株を概算2億66百万円で取得。出資比率68.08%)。(株)アサヒ製作所は83年を超える業歴を有する業務用クリーニング関連機器の国内大手。創業以来、培ってきた技術力とブランドを強みに国内市場で確固たる地位を築いている。
連結子会社化の背景にあるのは、中国や新興国で予想される①クリーニングのアウトソーシング化の進展と②業務用クリーニング関連機器における、省エネ、省資源、自動化のニーズの高まり。(株)フェローテックでは、中国や新興国では中間層の増加とサービス業の市場拡大により、今後、ホテル等でクリーニングのアウトソーシング化が進むとみており、また、環境保全・エネルギーコストに対する意識の高まりや人件費の上昇等で業務用クリーニング関連機器に対する省エネ・省資源・自動化ニーズも高まるとみている。(株)アサヒ製作所の連結子会社化は、こうした中国や新興国での需要の取り込みに加え、上海工場等の有効活用にもつながる。グループシナジーを追求しつつ、一般産業機械分野へ事業領域を広げていく考えだ。
 
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
上期決算を踏まえて通期の営業・経常利益予想を上方修正。11/3期の最高益に次ぐ水準に
電子デバイス事業が円高の影響を強く受ける他、太陽電池関連事業も中国での駆け込み需要の反動で売上が減少するものの、半導体やFPD製造装置の設備投資や高水準の設備稼働率を背景にした装置関連事業の売上増で吸収。装置部品洗浄も伸びる。
利益面では、下期の見通しが保守的だが、上期の利益の伸びを反映して営業利益が同44.1%増加する見込み。

為替レート(期中平均)の前提は、米ドル105.00円(前期:121.03円)、人民元16.50円(同:19.19円)。設備投資は、前期末の設備未払金を考慮したCFベースで80億円(同:34億40百万円)、減価償却費45億円(同:43億03百万円)。

配当は1株当たり6円の期末配当を予定しており、上期末配当と合わせて年122円となる見込み。
 
 
 
装置関連事業は、円高の影響を強く受ける製品もあるが、事業全体では半導体製造装置の出荷及び稼働率に連動して堅調な推移が見込まれる。期初予想を上方修正した。
真空シールは、3D-NAND投資をけん引役に半導体製造装置向けが増加する他、FPD向けも液晶から有機EL(韓国、中国メーカー)へシフトしつつ増加する見込み。液晶については付加価値の高い高精細パネル向けへシフトする。今後、価格要請の強まりが予想されるため、半導体製造装置メーカーとの共同開発に引き続き力を入れる他、製品全般にアジア圏での営業を強化する。

石英製品は、OEM、半導体エンドユーザー向け共に増加する見込み。OEMは、米国大手向けで次世代装置投入に伴う需要増が見込まれ(需要が本格化する来18/3期第2四半期以降は大幅な売上増が見込まれる)、国内大手向けは新機種・次世代対応品で需要が増加。半導体エンドユーザー向けも、台湾、中国、日本で高稼働率が続いているため見通しは明るい。中国生産拠点で設備増強と人員の増員を計画している。

セラミックス製品は、マシナブルセラミックス“ホトベール”、ファインセラミックス共に売上が増加する見込み。前者では、国内で自動車向けロジック用検査治具が好調に推移しており、海外では大手ファウンドリーの次世代スマートフォン用の微細検査治具ニーズの取り込みが進む。ウェーハ回路検査治具のニーズの変化に対応して高精度品の製造体制を整備する(上期後半から国内で新タイプのメモリー用検査治具の需要が増加している事に対応)。一方、後者については、微細化・3D化を追い風に海外向けの新規半導体装置用部品が年末にかけて増加する見込み。需要の増加に応えるべく、微細化・3D化ニーズに対応した新規半導体装置用部品の生産能力を増強する(新たに生産工場を建築中)。

CVD-SiC製品は、中国装置メーカー向けが増加傾向にあり、国内大手装置メーカー向けは中国での投資案件による好調持続に加え、新規OEM部材の量産も始まる。この他、米国大手装置メーカー向けが上期同様高水準で推移する他、非半導体分野の売上げも増加する見込み。国内大手装置メーカー向けの新規OEM部材については、今後の需要急増が予想されるため韓国に新工場を建設中。また、引き続き非半導体分野の開拓に注力する他、開発体制も強化する。

この他、EBガン・蒸着装置は、欧米の化合物半導体及び通信チップ用途への販売が増加する他、IoT関連の電子デバイス製造分野等への用途拡大も見込める。ウェーハ加工は、需要が安定しており、概ね期初計画レベルでの推移が見込まれる。8インチ工場は年明けの竣工、第二四半期からの稼働を予定している。来18/3期中に月間10万枚体制を確立するべく体制の整備を進める。
 
 
太陽電池関連事業は円高の影響で前年同期比減収となる見込み。多結晶用角槽の苦戦や中国での駆け込み需要の反動減等を織り込み、期初予想を下方修正した。
石英坩堝は、半導体向け坩堝の小口径の改善品が堅調に推移しているが、顧客の内製化や大型化による個数の減少と単価の低迷で減少傾向が続いている多結晶用角槽の落ち込みが響く。太陽電池向け単結晶坩堝は半導体向けへのシフトで減少傾向が続く。半導体向け坩堝については、中口径(24インチ)の生産を開始する。

太陽電池用シリコンは、FIT関連の駆け込み需要が一巡した中国に調整感があるものの、7月に生産を開始した米国大手向けOEMが寄与する他、インド、東南アジア等の新興国で政府・民間系プロジェクトの継続・拡大(COP22採決も後押し)が見込まれる。ただ、「多結晶を中心に市場価格のトレンドには注意が必要」と言う。単結晶ウェーハ細線化や低酸素濃度等の技術要請の高まりに応えるべく、固定砥粒によるウェーハの細線化を追求する他、N型単結晶の性能向上に取り組んでいく。

太陽電池用セルは、全世界で導入量の増加が続くものの、価格は引き続き低水準。インドを中心に新興国向けに力を入れるものの、駆け込み需要の反動による中国の落ち込みが響く。また、「米国次期大統領の施策にも注意が必要」と言う。収益性向上に向け、PERC技術(結晶系シリコン太陽電池の新しい技術)の導入による変換効率向上やウェーハの品質とセル技術による競争力の向上による差別化、及び単結晶セル・多結晶セルの固定ラインによる生産性向上や自動化によるコストダウンに取り組んでいく。

この他、シリコン結晶製造装置は回収リスクを意識して慎重な受注に徹したため売上が減少するが期初予想を上方修正した。
 
 
円高の影響で前年同期比減収となるが、期初予想を上方修正した。
自動車温調シート向けサーモモジュールは、北米の自動車販売にピークアウト感があるものの、中国では好調な販売が続いており、総じて堅調な推移が見込まれる。この他、民生用途、バイオ・医療機器、及び一般産業用途が好調を維持する他、半導体関連も堅調な推移を想定している。また、中国で、モバイルの通信方式変更に伴い光通信用途需要が増加する他、欧州と日本でパワー半導体用基板のラインナップ拡充効果が期待できる。
一段の事業基盤強化に向け、サブアッセンブリ品の標準化を進め、半導体分野や医療分野でのコンサル営業を強化する他、新型モジュール製品や組込製品のラインアップを拡充する。また、増産及び自動化投資やパワー半導体用基板の量産投資も進めていく。
 
 
売上高1,000億円企業に向けた取り組み (賀 賢漢 代表取締役副社長 兼 執行役員事業統括担当)
 
同社は会社設立以来の目標である売上高1,000億円企業に向け、装置関連事業と電子デバイス事業を強化すると共に太陽電池関連事業で選択と集中を進めていく考え。以下、17/3期上期決算説明会における賀 賢漢 代表取締役副社長 兼 執行役員事業統括担当のご説明を要約した。
 
装置関連事業
石英製品は、火加工・機械加工のいずれの加工方法にも対応できる強みを活かし、主要装置メーカー及び主要ユーザーの全てと取引がある。課題は供給力であり、今後は自社での能力増強に加え、外注先も育成していく。自社での能力増強については、来期の稼働を目指して現在工場を建設中だ。生産キャパが現在の1.3〜1.4倍に拡大する。

セラミックス製品は、高純度製品での当社の認知度は高く、好調な受注が続いている。このため、石英製品同様に新工場の建設を進めており、来年4月の竣工を予定している。認定取得に6か月程度を要するが、年末までには稼働できる見込み。生産キャパは当初1.5倍、3年内に2倍に拡大する。

CVD-SiC製品はエッチング装置での採用が広がっており、需要増に対応するべく韓国で工場を建設中だ。メイン工場が12月に竣工するが、全ての建屋が竣工し設備の据え付け・調整が終わるのは来年3月。その後、認定取得となるが、本格稼働すれば、キャパは倍増し、コスト低減も図れる。ユーザーは半導体だけでなく、航空宇宙分野や原子力分野に広がっているため、これらの分野での顧客開拓も進めていく。

また、新規事業の育成や需要の増えている(装置)部品洗浄事業の拡大にも取り組んでいく。新規事業とは、半導体製造装置や有機EL製造装置の中国での組み立てと半導体用の8インチウェーハ事業である。
半導体製造装置メーカーとの提携の下、中国での半導体製造装置や有機EL製造装置の現地組み立て事業を立ち上げる。中国では2025年までに半導体の国内自給率100%を目指しており、この目標達成に向け、従来、中国企業との合弁でしか認められていなかった海外企業の中国進出を独資でも認めるようになった。当社にとって製造装置のスペアパーツ製造で培った技術を活かす事ができ、太陽電池関連製品の製造を銀川工場に移管した上海工場や杭州工場の有効活用にもつながる。

8インチウェーハ事業は上海工場と銀川工場で準備を進めている。上海工場では装置の据え付けが終わり、現在、調整作業が進められている。銀川工場では来年4月の竣工に向け、建屋の建設工事が進められている。上海工場と銀川工場で来18/3期末までに月産10万枚体制を確立したい。19/3期には利益面での貢献も期待できる。

部品洗浄事業は、現在、上海、天津、四川に加え、大連の4工場目が稼働目前であり、更に、厦門と武漢で工場の建設を計画している。中国では最先端の微細パターンに対応した半導体製造装置部品の洗浄ができる企業は限られており、過度な競争がない。当社は環境面での技術力も評価されている。
 
電子デバイス事業
テレコム関係でビジネスチャンスが広がっている。一つは、NTTドコモが2020年のサービス開始を目指している次世代の移動通信システム「5G」関連のビジネス。5Gの基地局の通信機器やアンテナの温度コントロールデバイスとしてサーモモジュールを供給する。また、インゴット製造で培った技術を活かして光ファイバー製造装置にも参入する。
自動車関連も有望だ。既に温調シート向けで実績があるが、今後は、エアコン、ヘッドアップディスプレイ、リチウムイオン電子の冷却等でもサーモモジュールの採用が広がる。ユニット化して付加価値を高めて販売を強化していく。パワー半導体用基板も拡大余地が大きい。パワー半導体用基板は新幹線関連でも需要がある。
 
太陽電池関連事業
太陽電池セル等、技術力で差別化が可能な製品を伸ばす一方、差別化が難しい製品は縮小していく。PERC技術を用いた当社セルの変換効率は現在20.9%(21%超が視野に入っている)を誇り、現在主流の製品に比べて50%程度価格が高い(注.ソーラーパネルのモジュール変換効率は20%を超えると世界最高レベルと言われているようだ)。
製品絞り込みの一環として、シリコン単結晶製造装置と石英坩堝を半導体用途で活かすべく、技術移転を進めている。
 
 
今後の注目点
事業環境の急変で収益が悪化した太陽電池関連事業の立て直しが一巡すると共に、中国、アジア、北米、ロシアを含む欧州、と世界4極で事業体制の整備が進んだ。足元が固まった事を受けて、同社は売上高1,000億円企業を目指した攻めの経営に転じており、バランスシートにはその決意が表れている。
新聞報道によると、スマートフォンの普及で中国の半導体市場は10兆円規模になったと言う。ただ、現状では半導体の調達を輸入に依存しているため、中国政府は2025年の半導体自給率50%を目指して国内での半導体事業の育成に力を入れている。この恩恵は、中国の半導体メーカーはもちろん、半導体ビッグ3等の海外メーカーにも及ぶ。装置関連事業では、こうした動きをとらえて事業を拡大させていく考え。電子デバイス事業では、サーモモジュールの用途の広がりに対応して、ハイエンド品から価格訴求力のある製品までの幅広いラインアップを活かすと共に、ユニット化して付加価値を高めていく。一方、太陽電池関連事業では技術力を活かして差別化できる分野にフォーカスしていく考え。
上記の取り組みと新規事業や部品洗浄事業で成果をあげる事ができれば、19/3期の売上高1,000億円達成が視野に入ってくるはず。山村社長の創業時の目標だったbillion dollar companyに、もう少しで手が届く。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書        更新日:2016年07月15日
基本的な考え方
当社は、企業価値を高め、株主、顧客、取引先、地域社会などステークホルダーに信頼され支持される企業となるべく、経営の健全性を重視し、併せて、経営環境の急激な変化にも迅速かつ的確に対応できる経営体制を確立することが重要であると考えております。
平成28年6月28日現在の取締役9名の内、社外取締役2名を選任しており、また、経営環境の変化に迅速に対応できるよう取締役の任期は1年としております。月一回の定例取締役会開催に加え、重要案件が生じたときは、機動的にその都度、臨時取締役会を開催しております。
業務執行につきましては、平成28年6月28日現在、執行役員12名[内、男性11名、女性1名 / 内、取締役6名(内、男性6名)]をそれぞれ担当職務・部門責任者として配置し、業務執行上の役割分担を明確にしております。
当社は、監査役会設置会社であります。監査役会は、平成28年6月28日現在、監査役3名(内、常勤監査役1名)全員が社外監査役で構成され、企業統治の強化を図っております。
当社は、後藤法律事務所とは法務顧問契約に基づき、業務上必要に応じて法務に関わる助言を受けております。
また、会計監査人である新日本有限責任監査法人とは、監査契約に基づき会計監査を受けており、東京証券取引所JASDAQスタンダードに上場する企業として、開示規定に定める事象がおきた場合は、遅滞なく情報の開示に努めております。
 
<実施しない主な原則とその理由>
同社はコーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施している。
 
<開示している主な原則>
【原則1−4 いわゆる政策保有株式】
当社は、事業協力関係の維持・強化、取引関係の維持・強化、業界情報の収集・交換、安定的な資金調達の維持を目的として、政策保有株式を保有しております。
 
【原則1−7 関連当事者間の取引】
関連当事者との取引を行う場合には、取締役会での審議・決議を要することとしており、利害関係を有する取締役は当該議案に対し、決議に参加できないこととしております。関連当事者間の取引につきましては、他の資本関係のない会社と取引する場合と同様の条件による取引を基本とし、取引内容の妥当性について少数株主利益を害することのないよう対応しております。
 
【原則5−1 株主との建設的な対話に関する方針】
当社は、会社の持続的成長及び企業価値の向上を目指し、株主の皆さまとの建設的な対話を促進し、当社の経営方針や経営状況を分かりやすく説明し、株主の皆さまの理解が得られるよう努めてまいります。

株主との建設的な対話に関する方針
(1)株主の皆さまとの対話の統括IR担当である経営企画担当取締役を株主の皆さまとの対話を統括する経営陣として指定しております。
(2)株主の皆さまとの対話を補助する社内各部門の連携体制社長室及び経理部が連携して、株主の皆さまとの対話を補助しています。
(3)個別面談以外の対話の手段の充実に関する取組み決算説明会、株主総会後に開催する事業説明会、各種印刷物をはじめとする様々な情報伝達手段を活用しております。決算説明会及び事業説明会では、代表取締役が自ら説明を行っております。
(4)対話に際してのインサイダー情報の管理内部情報管理規程に基づき情報管理を徹底しております。
 
 
 
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投資にあたっての決定は、ご自身の判断でなされますようお願い申しあげます。
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