ブリッジレポート
(9423:JASDAQ) フォーバル・リアルストレート 企業HP
吉田 浩司 社長
吉田 浩司 社長

【ブリッジレポート vol.2】2017年3月期第2四半期業績レポート
取材概要「社員の定着率の向上と業務の習熟を原動力に業績は順調だ。既存顧客からの収益が過半を超えた事には意外感があったが、同時に事業の奥深さ・・・」続きは本文をご覧ください。
2017年1月10日掲載
企業基本情報
企業名
株式会社フォーバル・リアルストレート
社長
吉田 浩司
所在地
東京都千代田区神田神保町3-23-2 錦明ビル
事業内容
企業のオフィス移転支援が主軸。OA機器販売やネットワーク構築も。フォーバル傘下で再建中
決算期
3月末日
業種
情報・通信
財務情報
項目決算期 売上高 営業利益 経常利益 当期純利益
2016年3月 925 32 32 32
2015年3月 686 - 21 16
2014年3月 565 -55 -55 -69
2013年3月 777 -45 -46 -38
株式情報(12/9現在データ)
株価 発行済株式数(自己株式を控除) 時価総額 ROE(実) 売買単位
94円 23,401,800株 2,200百万円 38.3% 100株
DPS(予) 配当利回り(予) EPS(予) PER(予) BPS(実) PBR(実)
0.00円 0.0% 1.71円 55.0倍 4.49円 20.9倍
※株価は12/09終値。発行済株式数は直近四半期末の発行済株式数から自己株式を控除。ROE、BPSは前期末実績。
 
フォーバル・リアルストレートの2017年3月期上期決算と通期の見通しについて、ブリッジレポートにてご報告致します。
 
今回のポイント
 
 
会社概要
 
「オフィスが変わると環境が変わる。環境が変わると社員が変わる。」という企業理念の下、企業のオフィス移転をトータルにサポート。不動産仲介(物件探し)から、内装・レイアウト設計、ネットワーク環境やOA環境構築、引越手配、更には旧オフィスの退去計画までを一貫してサポートしている。
 
 
【沿革】
当社の前身の(株)フリードは、(株)フォーバルの営業部長経験者である稲垣靖彦氏が通信機器及び事務機器販売を目的に95年に設立した。マイライン、ADSL、光ファイバーの回線獲得で業容を拡大させ、2005年11月にジャスダック証券取引所(現JASDAQ)に株式を上場したが、その後、ブロードバンド回線の需要一巡と消費者のモバイルへのシフトで事業環境が急速に悪化。上場に前後して人員を増強した事もあり、07/3期以降、(株)フリードの業績も悪化した。

2007年3月に、支援の依頼を受けた(株)フォーバルが稲垣靖彦氏の保有株を引き取り、持分法適用会社化。当初は、通信・OA機器販売や(株)フォーバルテレコムのサービスであるビリング販売等を手掛けていたが、2009年2月の連結子会社化(追加出資等で(株)フォーバルが発行済株式数の57%弱を取得)を契機に、不動産仲介から、内装工事や引っ越し等への対応も含めた新オフィスの整備及び旧オフィスの退去に至る一貫サービスを開始。2009年7月に(株)フォーバル・リアルストレートに社名を変更した。
当初は苦戦を強いられ、11/3期から14/3期まで4期連続の営業・経常・最終赤字を計上したが、吉田社長が就任した14年8月以降、潮目が変わった。苦戦の原因は、物件情報を携えて客先を訪問する不動産営業の社員が十分にITコンサルに対応できていなかった事。このため、吉田社長が主導する形で、営業社員とITコンサルタントが一体となった営業(営業社員にITコンサルタントが同行)に切り替え、これが奏功した。フォーバルグループ各社からの支援でITコンサルタントの増員も進み、15/3期第2四半期以降、売上総利益が安定して増加するようになり、四半期ベースの営業損益の黒字化が定着した(15/3期第4四半期は、営業損失となったが、経常損益では利益を計上)。

吉田社長は(株)フォーバルの出身で、(株)フォーバルテレコムの取締役や(株)ヴァンクールの代表取締役社長を歴任した。(株)フォーバルテレコムは、法人向けVoIPサービス(高速ブロードバンド回線を利用した電話やインターネット接続サービス)や法人向けFMC(Fixed Mobile Convergence)サービスの提供と関連機器の販売等を手掛けており、(株)ヴァンクールは、ビジネスフォン等の通信・通話サービスの提供からOA機器、ネットワークセキュリティー、ホームページ制作等のインターネット関連商品までをトータルプロデュースしている。このため、オフィス環境の整備や関連するソリューションの提供に精通している事が吉田社長の強みである。
 
【ビジネスモデルと強み】
・不動産情報をドアノックツールとしてオフィス移転需要を掘り起こし、その際に発生するコンサルティングを含めた、内装工事、OA・ネットワーク機器の更新、各種サービスの取次、更には旧オフィスの原状回復等の需要を取り込んでいく。
 
・需要の掘り起こしはWebサイトを中心に、電話によるアウトバンドの営業も展開。引き合いがあれば、営業担当者にITコンサルタントが同行して、不動産仲介物件だけでなく、オフィス移転後のITコンサル、内装、各種サービスの取次、引っ越し、退去後の原状回復等の提案を行う。
 
・オフィスの移転には、通常、不動産会社、運送会社、内装工事会社、更には旧オフィスを管理する不動産会社(退去に伴う敷金の返金等で問題が生じる事が少なくない)等、多くの関係先と関わる必要があるが、同社と契約すれば、窓口を一本化でき、仮にトラブルが発生したとしても、同社が責任をもって対応する。
 
・不動産仲介の際に、引っ越し業者の紹介や取り次ぎをする不動産会社はあるが、内装工事やオフィス移転に際して更新する情報機器等に関するコンサルから手配・セッティングまで対応できる不動産会社はほとんどない。
 
 
14/3期決算において債務超過状態に陥ったが、2015年3月に(株)フォーバル及び(株)フォーバル・リアルストレートの代表取締役である吉田浩司氏を割当先とする第三者割当増資を実施して債務超過状態を解消した。16/3期末現在、未だ資本の厚みには欠けるものの、筋肉質でスリムな財務状態を実現しており、流動比率156.0%、固定比率8.2%、有利子負債のない無借金経営で自己資本比率36.3%。また、損益及びキャッシュ・フローの面では、営業損益及び営業CFの黒字が定着してきた。
 
 
2017年3月期上期決算
 
 
前年同期比11.2%の増収、同42.5%の経常増益
既存顧客の移転増床や新たな拠点開設に伴う需要の取り込みと新規の顧客開拓で売上総利益が2億95百万円と前期比23.4%増加。処遇改善を含めた人件費の増加やサイトのリニューアル等による販管費の増加を吸収して営業利益が18百万円と同33.9%増加した。
 
 
 
 
上期末の総資産は前期末に比べて25百万円減の2億63百万円。売上債権・仕入債務の決済や未払金の支払いが一巡し現預金が減少した。自己資本比率は47.6%と前期末(36.3%)に比べて11.3ポイント上昇した。
 
 
 
2017年3月期業績予想
 
 
通期業績予想に変更はなく、前期比21.6%増の経常増益を見込む
内装工事や各種インフラの整備に加え、オフィス機器・什器の手配等もワンストップでサポートするソリューションは、外注工事費や機器販売等の売上も含まれるため、必ずしも売上の増減と売上総利益の増減が一致しない。売上を意識し過ぎると、利益を伴わない売上が増加し、キャッシュ・フローの悪化や財務面での負担増につながりかねないため、同社は売上高の予想を開示せず、利益予想のみ開示している。

17/3期は、物件情報の充実やコンテンツの拡充等、集客サイトの強化を図る他、既存顧客からの紹介獲得やグループ会社顧客への働きかけ等にも引き続き取り組んでいく。この一環として、9月にサイトをリニューアルすると共に、スピーディでローコストなビジネス展開を支援するべく、内装付きのオフィス「セットアップオフィス」の仲介を始めた。
また、相場情報の提供、ノベルティグッズの活用、障害対応等を通じて顧客との接点を増やし顧客の囲い込みも図っていく。顧客を囲い込む事で、将来的な移転ニーズを競合他社に先駆けて把握し収益の確保につなげていく考え。
 
 
上期決算の総括と今後の取り組み
 
上期決算発表後、(株)フォーバル・リアルストレート本社にて、吉田社長に上期決算の総括と今後の取り組みについて伺った。
上期決算は社内計画を上回り、通期業績についても不安はないようだ。ただ、物件を紹介するだけではなく、プラスアルファの提案が必要になっているため、提案力に磨きをかける必要があるとの事。
 
Q:上期は順調に営業利益を伸ばす事ができました。
上期の業績予想を発表していないが、社内計画を上回った。3月に向かって良くなっている、という感じだ。通期の業績も不安はない。社員の定着率の向上と業務の習熟によるところが大きい。

上期は50〜60%が既存顧客の移転増床や新たな拠点開設の需要を取り込んだ事によるもの。既存客を中心に取扱件数が増えたという事だろう(案件の規模が大きくなっている訳ではないようだ)。既存顧客は内装の変更等に伴う収入もスポットで発生する。また、一部の顧客からはOA機器等の保守・メンテナンス等の収入もある。
新規は販促費をかければ増えるだろうが、上期は販促費を増やしていない。新規顧客はサイト経由が多く、9月にサイトをリニューアルした。
 
Q:社員も増えているのですか。
前期は10名を採用し(純増8名、期末47名)、今上期は9月末で2名の増員。新規が大きく増えている訳ではないので人を急に増やす必要はないが、管理顧客数が増えているので採用活動は継続している。毎期1割程度の増員と処遇改善を図りながら、社員の成長と共に収益を伸ばしていく会社にしたい。急激に伸ばせるビジネスではないので、人材を育成しながら地道にやっていく。
 
Q:9月にサイトをリニューアルすると共に、「セットアップオフィス」の仲介も始めたようですが。
様々な試みを行っており、内装付きのオフィス「セットアップオフィス」もその一つ。スピーディでローコストなビジネス展開を支援する。
オフィス移転に伴い発生する内装等の初期費用を抑えたい、という声は多く、以前から、前テナントの内装そのままの状態で入居できる「居抜き物件」の紹介を行っていた。「セットアップオフィス」ではビルオーナーの協力を得て、予め一定のクオリティの内装施工を行っておく。オフィス移転に伴う初期費用の抑制と言うニーズに応える事ができ、かつ、オーナーに対して空室リスク低減等のメリットを提供できる。市場の活性化につながるため、取り組みを進めていきたい。
 
Q:最後に今後の取り組みについて説明して下さい。
単に物件を紹介するだけではなく、プラスアルファの提案が必要になっている。居抜き物件やセットアップオフィスは、スピーディでローコストなビジネス展開の支援という付加価値をつけた仲介サービスの一例である。

提案営業という観点から強く必要性を感じているのが、空間デザインやオフィス設計である。経営者の価値観を体現するオフィス空間や経営戦略を念頭に置き3年先、5年先の成長を見据えたオフィス空間等が提案できれば、と思う。そこまでいくには時間を要するが、そこまでいかなくても、移転後のイメージを示してレイアウト提案ができれば、話がまとまりやすくなる。このため社員教育に力を入れているが、知識と経験を有する核となる人材が必要だ。アウトソースする事は可能だが、事業のうまみが薄れてしまう。
昨今増えているクリエイティブ系の企業の場合、特に提案力が要求されるケースが多い。急激に業績を伸ばしてオフィスの移転・増床を繰り返したりするのも、こうしたクリエイティブ系の企業である事が多い。

また、内装工事、OA・ネットワーク機器の更新、各種サービスの取次等、業者選定の代行を含めたコンサルティングを強化していく。オフィス移転に際しては、既にこれらのサービスを提供しているが、サービスが必要になるのはオフィス移転の時だけとは限らない。その時々で発生する様々な業務は総務部等が受け持つ事になるが、通常の業務の支障になりがちだ。当社と事前にコンサルティング契約を結んでおけば、煩雑な業務をアウトソーシングできるので、本来の業務に集中できる。また、相場観もある当社を通せば、価格交渉も可能なため、適正価格での物品の購入やサービスを受ける事ができる。コンサルティング・フィーを頂けるサービスに育成してきたい。

丁寧なご説明、有難うございました。
 
 
今後の注目点
社員の定着率の向上と業務の習熟を原動力に業績は順調だ。既存顧客からの収益が過半を超えた事には意外感があったが、同時に事業の奥深さを感じた。社員の育成と提案力の強化により、社員と顧客の成長と共に成長できる企業になって欲しいと思う。そのためには、吉田社長のお考えのように地道にやっていく事が何よりだろう。
ただ、JASDAQの上場基準の中には、「最近1年間の利益の額が1億円以上であること」という項目がある。事業の再構築が進み、利益体質及びキャッシュ・フローの黒字体質も定着してきたが、JASDAQ上場企業として早期にクリアしたいところだ。早期の復配と共に期待したい。
 
 
 
<参考:コーポレートガバナンスについて>
 
 
◎コーポレートガバナンス報告書         更新日:2016年7月1日
基本的な考え方
当社は、経営の透明性及び健全性の確保、向上に努めることは、企業の当然の責務であると認識しております。企業価値の向上と競争力強化のためには、常に組織の見直し及び職務権限の明確化を図り、コーポレート・ガバナンスが有効に機能するよう取り組んでおります。また、意思決定の迅速化のために、取締役会の機能充実を図るとともに、監査役及び監査役会による監視、内部統制の体制についても強化しております。

当社は、コーポレートガバナンス・コードの基本原則を全て実施しております。
 
支配株主との取引等を行う際における少数株主の保護の方策に関する指針
親会社である株式会社フォーバル及びグループ各社との取引条件の決定については、一般取引条件と同様に決定しております。今後も、このような状況を維持しつつ、少数株主に不利益を与えないよう適切に対応する予定であります。

その他コーポレート・ガバナンスに重要な影響を与えうる特別な事情
親会社である株式会社フォーバルは当社の議決権の61.28%を所有しておりますが、当社が事業活動を行う上で、株式会社フォーバルからの制約事項はありません。当社は、経営情報の交換、人材の交流等によるグループメリットを活かすとともに、経営資源を最大限に活用し、業績の向上に努めております。
当社が事業活動を行う上で、親会社である株式会社フォーバルへの承認事項等はなく、当社独自の経営判断に基づき展開しております。また、親会社の企業グループとの取引条件は、その他親会社の企業グループ外企業の取引条件と同様のものとなっております。
親会社からの事業上の制約はなく、経営戦略や事業戦略等の決定については当社専任取締役の意見を尊重しており、独自の経営判断が行える状況にあることから、親会社からの一定の独立性が確保されていると考えております。
 
 
 
本資料は、情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を意図するものではありません。
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